魔の森の鬼人の非日常

暁丸

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とある鬼人の前世(?)1 騎士を目指す娘

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 カンフレー男爵家の一人娘ステレは、物心ついた頃から貴族の令嬢とは程遠い、お転、、、活発な娘だった。
 いや、言葉を取り繕っても仕方がない。実際の所、お転婆という言葉ですら生ぬるい程の男勝りで、『あれで将来社交界でやって行けるのだろうか』と、心ある者は皆心配したものであった。たとえ、カンフレー家がド田舎に小さな領地を持つだけの、庄屋と大差ないような下っ端貴族だったにしても。
 本来ならば令嬢らしい礼儀作法や刺繍を学ぶところ、ステレは領内の狩りについてきたり、衛兵の訓練の端っこで棒きれを振り回しているような子だった。彼女の母親カーラは杖術に長けた女丈夫で、その血を濃く受け継いだのかもしれない。他に子が無く可愛がられており、両親はとりあえずはステレの好きなようにさせてくれた。

 そのうち女らしくなってくれるだろう…‥そういった根拠の無い期待というのは、往々にして裏切られるものである。
 あるいは

 「ステレ様が男だったら、立派にこの家をお継ぎになれたものを」

 という家臣の呟きを盗み聞いたのがまずかったのだろうか。ステレは「では男子以上の騎士になって、家を継いで見せよう」と心に秘め、ますます鍛錬に力を入れるようになった。
 こうして、10歳のステレは周りの子供達に負けない剣を身に着け、更には戦士を率いるスキルを身に着けようと、男子達のリーダー的存在……言葉を飾らず言えば、ガキ大将…になったのだった。こうして、野望に一歩づつ邁進しているつもりのステレであったが、残念ながら彼女の野望は叶わなかった。
 そもそも彼女の野望は最初から叶うべくもなかった。この国では女子の相続は認められていなかったのだから。

 聞かなかったステレが悪いのか、聞かれなかったから教えなかった周囲が悪いのか。とにかく根本的な認識の行き違いで、ステレは無駄な努力を続けていた訳である。
 男爵家の相続はできない。そもそも騎士になれない。その事実を知ったステレは、しばらく抜け殻になっていた。
 『かわいそうだが、あれで諦めるだろう…』皆がそう思ったのもつかの間、今度はステレは、猛烈に怒りだした。怒りのままに立木に剣を叩きつけ、木剣が以前の半分の時間で折れる程だった。とばっちりを恐れて、家人も近づかないような日々が続いたが、手も付けられないほどの癇癪が、ある日ぴたりと収まった。
 それは、王国西部を対象とした国王の巡行が行われると発表された時からだった。ステレは13歳になっていた。

 当時のキブト王は、いろいろと型破りな王だった。王は王城から動かず、各地に封じられた諸侯が王の許に出向く…という様式を覆し、息子二人を連れ度々地方に視察に出ていた。今回の対象地は北西部域が中心であり、カンフレー領も含まれている。両親はステレを連れて宿泊地であるカイマン伯領に向かうことになったのだった。癇癪が収まってからは妙に大人しくなり、普段は嫌がって着ないドレスを纏ったステレを、クリークス卿は心配顔で、カーラ婦人はニコニコしながら眺めていた。
 カイマン伯爵アーク卿は、北西部では有力の貴族である。王と、周囲から集まる貴族を迎え入れられるのは、アーク卿をおいて他には居ないだろう。屋敷の広間では、王を主賓としたパーティーが催された。さすがに王都には比較にもならぬが、辺境の水準を超える精一杯の催しである。自領から駆けつけた貴族が、次々に王とアーク卿へ挨拶していく。最後尾となったカンフレー家も両親が優雅な礼をし、初お目見えとなるステレを紹介した。

 「陛下と王国に栄誉と繁栄あらんことを。カンフレー男爵の一子、ステレ・カンフレーにございます」

 多少ぎこちなくはあったが、ステレは型通りの挨拶をし、名乗りを上げた。アーク卿にも同様に挨拶をする。王は僅かにうなずいた。ステレの前にも何人か初お目見えの子弟がおり、そういった子供たちにキブト王は気さくに声をかけていた。ステレにも同様に言葉をかけた。

 「ほう、いかにもカンフレー家の娘であるな、そなたが良い婿を取ればカンフレー家も安泰であろう」

 王はステレの様子や体つきから、剣の鍛錬をしていると看破したようだった。その上で、嫡男が無くとも男爵家は継承させると、公の場で明言したことになる。男爵夫妻は揃って頭を下げた。
 だが、その一言は、いつ思いの丈をぶち撒けてやろうかと狙っていたステレの引き金を引くのに十分だった。

 「そ、そのことで陛下にお訊ねしたきことがございます」

 突然声を上げたステレに、会場はざわつき始めた。
 無礼な少女を遮ろうとした侍従を、王は片手で制する。両親を見れば、カンフレー男爵は『やれやれ』という表情で、婦人はあいかわらずニコニコしたままで、娘を止めようとするそぶりがない。明らかに娘が何をしようとしているか判っている。

 「よかろう、申してみよ」

 王者らしい鷹揚さを見せた王に一礼すると、ステレは一旦息を吐き、力を込めて話はじめた。

 「わたくしは、立派な騎士となり男爵家を継ぐためと、小さな頃から日々鍛錬してきました。ですが、女が騎士になることは国の法で禁じられていると知らされました。訳をお聞きしたいのです」

 王の目がわずかに鋭くなった。ピリピリとした威圧をステレでも感じている。

 「政に異を挟むということは、余に異を唱えるに等しいと判っているか?」
 「異はございません、理由を知りたいのです」
 「知ってどうする?お前が今こうしていることで、お前も両親も罰を受けると考えなかったのか?」
 「わたくしは、騎士になるためにずっと頑張ってきました。もうそれ以外のことはできません。だから騎士になれないなら罰を受けてもかまいません。ですが、どうして騎士になれないのか知らないままなのは我慢できません。父様も母様も理由を教えてくれませんでした。お国の法を作る陛下なら教えて下さると思ったのです。私が私一人で考えたことです。罰は私一人にしてください」

 王は男爵夫妻を見る。両親の表情は変わらない。娘に連座して男爵家が取り潰されても、屁とも思っていない様子が見て取れた。
 (この親バカ共め)苦笑しそうになるのを堪える。(どこに王を娘の教師にする男爵が居る)。だが、夫妻は王の気性をよく知っている。だから王は笑いそうになったのだ。(実に面白い。良いではないか、男爵の娘の教師役)。

 「騎士になりたいと申したな、騎士のすることは何か知っているか?」
 「敵と戦って国を守ることです」
 「それは間違いではないが、正しくも無い。騎士の仕事とは人を殺すことだ」
 「人を殺す…」

 ステレの目が『敵と戦うと何が違うのだろう?』と言っている。騎士に対して、だいぶ真っ直ぐな想いを抱いているようだ。だが、この娘は真っ直ぐではあるが愚かではない。きっかけがあれば考えるだけの力はあるようだ。王はそう感じた。ならば少し強めに押しても大丈夫だろう。

 「貴族の当主となれば、領地を治めるだけでなく、事があれば郎党を従え大勢の人を殺さなければならない。それは敵国の騎士だけでなく、場合によっては、自分が治める地の領民をもな。そして必要とあれば身内でも殺す。大をいかすために小を殺さねばならぬこともある。なんの罪も落ち度も無い者であろうともだ。殺して利益を得る、殺して守る、殺して家名を立てる。……その行きついた姿が我が王家という訳だ」

 侍従の顔色がかなり悪くなっていた。アーク卿も周りの貴族も、相槌を打つ訳にもいかず黙って聞いているしかできない。王家批判にも思える事を、その王本人がしているのだから。
 王の後ろにいた二人の王子も、呆然としながら父親と、父親に面と向かって意見を言った辺境の貴族の娘を交互に見ていた。王は酷い時には、祭りにふらりと参加して酔っぱらいと肩を組んでエールを呑んでいたりと、とんでもない事をやらかすが、決して緩いだけの王ではない。言うなれば、王の対応は相手が持つ社会的責任の重さに対して、強くも緩くもなるといえるのだ。だから貴族に対しては基本的には厳しい対応を取る。そう思っていた。
 それは大筋では間違ってはいない。だが、若干父親を贔屓目で見ていたとも言える。責任を果たしていれば、王は貴族に対しても寛大なのだ。今まで王が貴族に対して厳しく見えたのは、それだけ責任を果たしていない貴族が多かっただけに過ぎない。そして、王はカンフレー家の責務、王家への忠誠を微塵も疑っていない。だからステレに対しては寛大なのである。
 そんな事情を知らない王子二人は、王の歓心を買ったように見えるステレを、値踏みするように見ている。王の言葉は、女子相続に関する本題に入ろうとしていた。

 「だが、多くの女子は進んで人を殺すことを良しとしないであろう。また女子にそのような役目を強いることはできぬ。女は子を産み育て家を支えて欲しい。我が祖はそう願ったから、女子は当主にはなれぬよう定めた」

 ステレは黙って俯いた。世に女はステレだけではない。そして多くの女性がステレと正反対なのも知っている。知っているからステレには反論のしようがない。それでも。(希望を聞いてくれてもいいのではないか。資質を見てくれてもいいのではないか)。口にできないとは判っていてもそう考えていたら、それを見透かしたように王が言葉を続けた。

 「まぁ、もっと簡単な理由もあってな」
 「はい?」

 王の口調が変わったことで、自分の考えに沈んでいたステレは、思わず礼儀知らずの返事をしてしまったが、寛大にも王はスルーしてくれたようだ。

 「左利きの兵も右利きに矯正されると知っているか?」
 「家の兵の訓練で見ました」
 「理由は、兵を均一化するためだ。同じように武器を構える9人の兵のに、一人逆に構える兵が混じっていたら、危なくて仕方ない」
 「はい……。利き手は直せるけど、性別は直せない…ということですね」
 「その通りだ。男騎士の集団の中に、見目麗しい女騎士が混じっていたら、間違いが起きないようにするだけで要らぬ手間がかかる」

 (そして女の力は男には及ばない)…という言葉は敢えて言わなかった。それはこれから先、嫌でも知ることになるだろう。

 「……はい」

 ステレはそう返事するのが精一杯だった。
 今度こそ理解できた。自分はカンフレー家に居たから騎士の真似事ができていたのだ。

 「話は終わりだが……」

 王の言葉がステレを完全に打ち砕いてしまったのは明らかだったが、母親に似て見どころはある。もう少し貴族らしくできれば、家を継ぐには十分だろう。
 (それにしても…この曲者め)
 王はじろりとカーラを見た。

 「カンフレー夫人、余に娘をけしかけておいて、このまま済ますつもりか」

 そう言った瞬間、王から物質化したかごときの濃密な殺気が放たれた。周囲の者は、まるで首を締め上げられたような衝撃を感じている。
 王の後ろに控えていた二人の王子は、真っ青な顔でへたり込んだ。固唾を呑んで見ていた貴族の中でも、幾人かの婦人が目眩を起こしていた。

 「ほう……」

 王は目を細めて、少女を見た。
 ステレが母親をかばうように両手を広げて立ちふさがっていた。

 「わ、悪いのはか、か、母様ではなく、わたしです。ば、ば、ばつなら」

 身体も声もガタガタ震えている。ドレスで隠れて見えないが膝が崩れそうになっているのを必死に堪えているのだろう。だが、この歳の女子が王の殺気を受けて動けるだけで大したものだ。

 「大丈夫よ、ありがとうステレ」

 カーラがステレの顔に頬を寄せてそう言うと、安堵したステレの膝からかくんと力が抜ける。へたり込みそうなったのを、後ろからクリークス卿が支えてくれた。
 当のカーラは、真正面から殺気を叩きつけられたのに涼しい顔だ。

 「ご無礼いたしました陛下。娘の教育はこれより改めることといたします。また、私共は本日只今より当面謹慎することといたしますわ」

 言われて王は渋面になる。カーラの王家への忠誠は揺るぎない。その一方で、王家の"権威"には決して靡かない。王家が自分たちを切り捨てるならそれまで…そう思っている。彼女とは、臣下としてというより盟友として付き合うべきなのだ。

 「判った判った、今後娘に剣だけでなく礼儀も教えろ、それだけで良い」

 そう言って話を切り上げると、パンパンと手を叩く。

 「時間を取ってすまなかったな、アーク卿今日は楽しませてもらうぞ」
 「はっ、ははっ」

 我に帰ったアーク卿の指示で、楽団が曲を奏で、給仕が動き出した。

 王は、下がろうとするカーラを呼び止めた。

 「カンフレー夫人……いや、カーラ。またお前の舞が見たいな、男爵と一曲踊っていけ」

 夫妻の高速ステップは、ごく一部でのみ有名であった。領地が辺境なので、夫婦揃って王都に行くことが滅多に無いから、目にしたものが少ないのだ。夫妻が了承の意を優雅な礼で示した。

 「そして、ステレと言ったな。信念があるならば、男の騎士を超えて見せよ。国の騎士にはできぬが、王家の護衛の一人としてやろう。長い王家の歴史で過去に例がない訳でも無いしな。そのためにも礼儀は身につけておけ」
 「は、はひいっ」

 なんとか気絶することを堪えたステレであったが、少々漏らしてしまったのは、彼女の黒歴史である。
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