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後悔の旅路
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それからしばらく、ステレは時々覚醒しては、思い出をなぞるようにオーウェンと言葉を交わし、また眠りに落ちるのを繰り返した。
『辛い過去も、時が過ぎれば笑い話に出来る』と人は言う。だが、ステレと辿る旅の記憶は、ほとんどが今になっても辛いものばかりだった。そして、ステレとオーウェンは、更に辛い記憶を乗り越えなければならない。
『その時』の事は、他人には見せたくなかった。
立ち合ったのはオーウェンだけだった。ステレは他には誰も近づけなかった。
横になったままのステレが目を開けると、隣に居るオーウェンに気づいた。震える右手が、何かを書くように動いた。
(あの時のままだ……)
あの時、ステレは顔に大怪我を負い、ほとんどしゃべれなくなっていた。やむなく筆談をしたが、右手も傷を負いそれもおぼつかないのだ。
「大丈夫だ、殿下はご無事だ」
ステレが安堵したかのように頷く。
「お前が待ち伏せに気付いたおかげだ。それに、お前が頭目を討ち取ったことが知れると敵は崩れた。もう追ってこれないだろう。お前が一番の手柄だ」
ステレが首を振る。
『ヤンがヤツ止めた ヤンが死んだ』
あの時彼女はそう書いた。
ヤンは、国を出る際にステレに付いてきたカンフレー家家臣の最後の一人だ。彼らは女ながらに戦場に立つ主人を守ろうと、先頭に立って戦い、命を落としていった。ヤンは、ステレの父親と同年代の男で、ステレが小さい頃から剣術を教えてくれた家臣だったという。作法の稽古をサボっては練兵場に通うステレと、後で一緒に謝りに行くのが常だったと言っていた。
ステレの顔が歪む。ステレは家臣が死んでも、一度も涙を見せた事はなかった。オーウェンも皆も、それはステレの強さだと思いこんでいた。
「主のために働き、主を守るのが役目であり喜びだ。それは我らも同じではないか。ヤンを褒めてやれ」
ステレは否定するように首を振ると、動かぬ口で小声で呟いた。
「もう…わらひにはなひもなくなった……」
オーウェンの目が見開かれた。
ステレの声は小さく不明瞭で、騒めく野営地の天幕では全く聞き取れなかった。それが今ははっきりと聞こえた。
(俺はなんと愚かなのだ)
オーウェンは、貴族の常識でしか主従を考えられなかった。それは間違いなのだ。ステレにとってヤンは、いやヤンだけでは無い、家臣は皆家族だったのだ。
あの時、ステレは絶望の声を上げていたのだ。なのに、目の前に居た自分が、それに気づくことさえ出来なかったのか。
ステレが苦痛のうめきを漏らす。薬の効き目が落ちて来ているのだ。
「無理をするな、しばらく休め」
声が詰まりそうになりながら、必死にあの時の会話を繰り返す。
それが気休めだとオーウェンにもステレにも判っていた。
傭兵隊長ガランドを討ち取ったものの、ステレの負った傷は酷いものだった。顔には死相が浮かび、身体はもう冷たくなり始めている。正確に言えば、ステレはもう死んでいるのだ。常人ならとうの昔に事切れているほど血を失っていた。
ステレがかろうじて生きているのは、戦闘前に飲んだ『鬼人の秘薬』のためだ。護衛剣士でしかないステレが、戦斧が振り回される戦場で闘ってこれたのは、屋敷から持ち出したこの薬のおかげだ。薬の魔力は、身体能力を増強し、痛みを感じなくし、そして、内臓を残らずブチ撒けようが、心臓を串刺しにされようが、身体を動かし続ける。しかし、生命力を増強する訳でも、肉体を再生してくれる訳でもない。単に自分が死んだことに気が付かないだけだ。薬の魔力が切れれば、その瞬間にそのまま死ぬ。
秘薬はあと一つのみ。一行に高位治療魔法の使い手は居ない。治療のしようが無いのに、最後の秘薬を飲んでもただ苦しみを長引かせるだけだ。助かる見込みは無い。
だが、ステレは黙って死ぬ気は無かった。まだ、グリフのためにできることがある。
『私の荷物』
「これか」
『命を繋ぐことができるかもしれない』というステレの言葉に縋り、オーウェンは、自由の利かないステレに代わって、秘薬の最後の一つを仕込む手伝いをした。だが、それはひどく不確かな方法なのだという。ステレはオーウェンに抱かれて天幕を抜け出し、人気の無い崩れかけた廃墟に降ろしてもらう。
『正気 なくしたら 殺して』
ガタガタの文字に込められた決意と信頼の言葉が胸に刺さる。オーウェンはただうなずく事しかできなかった。
ステレは、カンフレー家の全てを失い、自分の命まで失い、この後は身体を作り替える苦しみに耐えるのだ。
その時、ステレに残された時間は僅かだったからステレの好きなようにさせた。そうして確かにステレは甦った。だが今は…
「休め、大丈夫だ。ひと眠りすれば動けるようになる」
「オーふェン、わらひは……」
「大丈夫だ…」
オーウェンがステレの両目を掌で覆うと、ステレはすっと眠りに落ちた。
起きた事実と違うことを言った。
夢の中でまで、瀕死の傷を負い、その上もう一度死と再生の苦痛を繰り返すステレの姿を見ることに耐えられなかった。
だがしばらくすると、眠ったままのステレ呟きが微かに聞こえた。
「でんか…かならず……」
直後、ステレは唸り声を上げ始めた。やがてそれは叫び声になる。
オーウェンは椅子に掛けたまま、俯いてその声を聴いていた。
(判っていた)
喉が張り裂けそうなな叫び声が続く。
(判っていた)
やがてステレは絶叫を上げて静かになった。
(判っていた)
これはステレの記憶をなぞっているだけだ。既に起きた過去を変えることはできない。
オーウェンの胸に苦い思いが沸き上がる。
只人の娘は、復讐のためでも理不尽に対する怒りのためでもなく、ただ王弟グリフの力となるために鬼となった。
だがそれは同時に、全てを失い絶望の果ての転生でもあった。
「…俺には何もできなかった。あの時も…今も」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「とある鬼人の前世(?)18 とある鬼人の誕生」の執筆に合わせて、本稿の会話を修正してあります。
『辛い過去も、時が過ぎれば笑い話に出来る』と人は言う。だが、ステレと辿る旅の記憶は、ほとんどが今になっても辛いものばかりだった。そして、ステレとオーウェンは、更に辛い記憶を乗り越えなければならない。
『その時』の事は、他人には見せたくなかった。
立ち合ったのはオーウェンだけだった。ステレは他には誰も近づけなかった。
横になったままのステレが目を開けると、隣に居るオーウェンに気づいた。震える右手が、何かを書くように動いた。
(あの時のままだ……)
あの時、ステレは顔に大怪我を負い、ほとんどしゃべれなくなっていた。やむなく筆談をしたが、右手も傷を負いそれもおぼつかないのだ。
「大丈夫だ、殿下はご無事だ」
ステレが安堵したかのように頷く。
「お前が待ち伏せに気付いたおかげだ。それに、お前が頭目を討ち取ったことが知れると敵は崩れた。もう追ってこれないだろう。お前が一番の手柄だ」
ステレが首を振る。
『ヤンがヤツ止めた ヤンが死んだ』
あの時彼女はそう書いた。
ヤンは、国を出る際にステレに付いてきたカンフレー家家臣の最後の一人だ。彼らは女ながらに戦場に立つ主人を守ろうと、先頭に立って戦い、命を落としていった。ヤンは、ステレの父親と同年代の男で、ステレが小さい頃から剣術を教えてくれた家臣だったという。作法の稽古をサボっては練兵場に通うステレと、後で一緒に謝りに行くのが常だったと言っていた。
ステレの顔が歪む。ステレは家臣が死んでも、一度も涙を見せた事はなかった。オーウェンも皆も、それはステレの強さだと思いこんでいた。
「主のために働き、主を守るのが役目であり喜びだ。それは我らも同じではないか。ヤンを褒めてやれ」
ステレは否定するように首を振ると、動かぬ口で小声で呟いた。
「もう…わらひにはなひもなくなった……」
オーウェンの目が見開かれた。
ステレの声は小さく不明瞭で、騒めく野営地の天幕では全く聞き取れなかった。それが今ははっきりと聞こえた。
(俺はなんと愚かなのだ)
オーウェンは、貴族の常識でしか主従を考えられなかった。それは間違いなのだ。ステレにとってヤンは、いやヤンだけでは無い、家臣は皆家族だったのだ。
あの時、ステレは絶望の声を上げていたのだ。なのに、目の前に居た自分が、それに気づくことさえ出来なかったのか。
ステレが苦痛のうめきを漏らす。薬の効き目が落ちて来ているのだ。
「無理をするな、しばらく休め」
声が詰まりそうになりながら、必死にあの時の会話を繰り返す。
それが気休めだとオーウェンにもステレにも判っていた。
傭兵隊長ガランドを討ち取ったものの、ステレの負った傷は酷いものだった。顔には死相が浮かび、身体はもう冷たくなり始めている。正確に言えば、ステレはもう死んでいるのだ。常人ならとうの昔に事切れているほど血を失っていた。
ステレがかろうじて生きているのは、戦闘前に飲んだ『鬼人の秘薬』のためだ。護衛剣士でしかないステレが、戦斧が振り回される戦場で闘ってこれたのは、屋敷から持ち出したこの薬のおかげだ。薬の魔力は、身体能力を増強し、痛みを感じなくし、そして、内臓を残らずブチ撒けようが、心臓を串刺しにされようが、身体を動かし続ける。しかし、生命力を増強する訳でも、肉体を再生してくれる訳でもない。単に自分が死んだことに気が付かないだけだ。薬の魔力が切れれば、その瞬間にそのまま死ぬ。
秘薬はあと一つのみ。一行に高位治療魔法の使い手は居ない。治療のしようが無いのに、最後の秘薬を飲んでもただ苦しみを長引かせるだけだ。助かる見込みは無い。
だが、ステレは黙って死ぬ気は無かった。まだ、グリフのためにできることがある。
『私の荷物』
「これか」
『命を繋ぐことができるかもしれない』というステレの言葉に縋り、オーウェンは、自由の利かないステレに代わって、秘薬の最後の一つを仕込む手伝いをした。だが、それはひどく不確かな方法なのだという。ステレはオーウェンに抱かれて天幕を抜け出し、人気の無い崩れかけた廃墟に降ろしてもらう。
『正気 なくしたら 殺して』
ガタガタの文字に込められた決意と信頼の言葉が胸に刺さる。オーウェンはただうなずく事しかできなかった。
ステレは、カンフレー家の全てを失い、自分の命まで失い、この後は身体を作り替える苦しみに耐えるのだ。
その時、ステレに残された時間は僅かだったからステレの好きなようにさせた。そうして確かにステレは甦った。だが今は…
「休め、大丈夫だ。ひと眠りすれば動けるようになる」
「オーふェン、わらひは……」
「大丈夫だ…」
オーウェンがステレの両目を掌で覆うと、ステレはすっと眠りに落ちた。
起きた事実と違うことを言った。
夢の中でまで、瀕死の傷を負い、その上もう一度死と再生の苦痛を繰り返すステレの姿を見ることに耐えられなかった。
だがしばらくすると、眠ったままのステレ呟きが微かに聞こえた。
「でんか…かならず……」
直後、ステレは唸り声を上げ始めた。やがてそれは叫び声になる。
オーウェンは椅子に掛けたまま、俯いてその声を聴いていた。
(判っていた)
喉が張り裂けそうなな叫び声が続く。
(判っていた)
やがてステレは絶叫を上げて静かになった。
(判っていた)
これはステレの記憶をなぞっているだけだ。既に起きた過去を変えることはできない。
オーウェンの胸に苦い思いが沸き上がる。
只人の娘は、復讐のためでも理不尽に対する怒りのためでもなく、ただ王弟グリフの力となるために鬼となった。
だがそれは同時に、全てを失い絶望の果ての転生でもあった。
「…俺には何もできなかった。あの時も…今も」
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「とある鬼人の前世(?)18 とある鬼人の誕生」の執筆に合わせて、本稿の会話を修正してあります。
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今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
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