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それぞれの決意の結末2
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オーウェンは、自分が察しの悪い男だと自覚している。迂遠な言い回しは苦手で好きなものは直球勝負。基本的には脳筋だと承知している。
そんなオーウェンでも、ステレがなぜ子供の話まで持ち出して森を出ると言っているかは、痛いほどわかっていた。
(魔の森を知るステレと知らない俺。貴族のしがらみを無視するとどうなるか身を持って知るステレと知らない俺。ということか)
ステレが自分のことを思ってくれるのは嬉しい。その一方で、ステレには貴族の因習から離れ、思うまま自由に生きて欲しい。自分はそんなステレにただ寄り添うだけでいいのだ。そんな気持ちが届かないのがもどかしくもある。
「私がアルガ家の女主人になるのは無理だと、自分でも判るわ。でも、あなたと共に生きるなら、どうにかして人の住む地で暮らした方が良いと思う。そのためにも、誰にも祝福されない結婚ではダメなの」
「しかし…」
「長い長い夢の最後に、父様と母様が出てきたわ…」
言いかけたオーウェンは、突然の夢の話に口を閉じると、目で続きを促す。
「で、母様に殴り倒された。もうボコボコに」
「お、おう…」
正直どう返して良いか、反応に困る。あまり物語など読まないオーウェンだが、そこは優しく抱きしめるシーンでは無いのだろうか?
「それで、言うのよ。ドルトンやオーウェンや……陛下にもっと頼りなさいって。陛下は許してくださるって」
「陛下から直接お許しを得ようというのか?陛下もまだ盤石には程遠いというのに…」
「えぇ、こんなことでお心を騒がせたくは無かったけれど……」
グリフ王は、逃避行を支えた家臣には手厚い論功行賞で応えた。田舎の伯爵家だったオーウェンが、要地の侯爵領に封じられたのものそのためだ。だが、今だ王権が盤石とは言えない状況で、貴族の力関係が絡む婚姻に介入を願うような真似はあまりしたくない。そも、ステレも鬼人に過分な恩賞を与えることの悪影響を考えて、何も受け取らずに王都を去ったのだから。
「……ステレは、ご両親が助言を送ってくれたと思っているのか?」
「違うわ。夢の中に出てきた皆は、死の世界から私のために来てくれた訳じゃないって判ってる。私の記憶組み合わせて、私自身が作り出して見ているだけだって。気づいたから、ちゃんと考えることができた。陛下にお許しを頂こうというのは、私の考え」
ステレが夢と現実の区別がつかずに、都合のいい解釈をしているのか?と危惧したが、杞憂だったようだ。それどころか、意識を失う前より物事を冷静に考えているように思える。
「……それにね、思い出したの。私の父様も身分は無かったけど、母様はキブト王に掛け合ってお許しを貰ったって言ってた」
そう言われて、ストンと腑に落ちた。
クリークス卿の出自については、色々と口さがない噂が流れていたのも聞いている。その一方で、夫婦仲がとても良いという話も聞いていた。
(あぁ、なるほど。そう聞けばあの方らしい。そしてステレは母君によく似たのだな……)
オーウェンの脳裏に、カンフレー夫人の姿が蘇る。
あの最後の夜、カンフレー家の郎党と合流したオーウェンは、身長程の堅木の棒を手にしたカーラが、武装した敵兵二人を、一呼吸のうちに即死させるのを目の当たりにした。色々と逸話を持つ女丈夫と聞いていたが、あれ程とは思わなかった。そして、共に隣国に逃れようという太子グリフの誘いを固辞し、一向の殿軍を努めるために国境手前の関で別れたのが姿を見た最後になった。配下を率いてクリークス卿と共に追っ手を迎え撃つその後ろ姿は、一軍の将にも引けを取らないと今でも思っている。
そんな女傑は、爵位を持たない男との結婚をキブト王に直訴して許しを得たのだという。
キブト王とはグリフ王と先王ブレスの父である。冷徹でありながら慈愛に満ち、大雑把に見えて緻密、彼の息子二人を足し合わせたような王であった。なるほどキブト王なら許すだろう、それこそ面白がりながら。王は裏切りは容赦しなかったが、それ以外は『価値観が面白いか面白くないかしかない』と言われるほど寛容だった。城下の童歌で『王様は、面白いことが大好きで、悪いことは許せない』と謡われていたほど、民にも慕われた王だった。そんな大雑把に見える治世にも拘わらず、その政策は全て王国の発展のためであり、志半ばで早世せねば間違いなく後世『大王』と諡号されたであろうと惜しまれている。
オーウェンも肚を決めた。もちろん、ド田舎の貧乏男爵家の婿取りと、要衝の侯爵家嫡男の嫁取りでは全く事情が違うだろう。それでも王の許しを得た結婚であれば、一門への牽制の一助にはなる。
「……判った。陛下には俺とステレの願いを正式に申し上げる」
ステレは黙って頷く。
自分もオーウェンは大好きだ。たぶん、ずっとずっと好きだったのだ。
未だに自分がオーウェンにふさわしいのか、ステレには全く自信が無い。地位も領地も財産も後盾もなく、人でさえ無い。いつまで生きられるかも判らない。だからといって、それを理由にオーウェンを拒むのは、彼と自分に対する侮辱だ。彼はステレ・カンフレーと共に在りたいと言ってくれた。私も彼に求められる限り共に在ろう、命尽きるまで。
声に出さなくてもその思いはオーウェンには十分に伝わっていた。超えるべき山はまだまだたくさんあるが、ステレは妻になると言ってくれた。今はそれで十分だ。
事の成り行きを、固唾を飲んで見守っていたドルトンは、まるで我が事のように嬉しそうにしていた。喜色満面と言っていい。
王は許しをくれるだろう、それが王と王妃の願いだったのだから。そしてそれはドルトンの願いにもなっていたのだ。”ただ心臓が動いているだけの何か”だったステレが、ようやく”生きて”くれるのだ。自分の手で成すことができなかったのは残念だが。
「いや、大変目出度いですな。このドルトン全力でご支援いたしますとも。式の手配の際は、ご入用のものは是非我が商会が…」
「ちょっと、気が早すぎよ。それに、オーウェンにも申し訳無いけど、盛大な結婚式とかは無理よ」
苦笑いしながら先走るドルトンを止めた。それに……王の許しを得られても、結婚式は諦めるしかないだろう…とステレは思っている。反対する者は多いだろうし、ステレには参列者も居ない。
「式を挙げないなど、それこそ……」
「まぁ事情が事情だ、仕方なかろう。どこかで宣誓だけすればよい」
本来であれば、森に引き篭もりたいオーウェンもステレに賛同した。
「……やむを得ませんか…、それでも、我が商会は皆こぞってステレ様をお祝いいたしたいのですぞ。なんでしたら、森で式を挙げると言われても、我らがなんとかいたします」
「えぇ?そこまで?だいたい、私には花嫁衣装とか無理だからね」
「なんとおっしゃいます、もはや只人の貴族の流儀に縛られることもございませんでしょう。形式など捨て、ステレ様がお似合いになるハレの衣装を身につければよろしいのです」
言外に『男装でも十分イケる』と言われているような気がしてちょっと想像してみたが、やっぱり同性婚にしか見えない気がする。
「私一人ならね。オーウェンに恥をかかせる訳には行かないわ」
(鬼人の嫁というだけで大概なんだから)…という言葉はグッと堪える。
「…陛下の婚約パーティの時のドレスでいいだろう」
「なんですと?閣下、それは一体どのような?」
オーウェンがぽつりと言った一言にドルトンが食いついた。グリフ王の婚約披露パーティは、王都帰還後に行われた、ステレは既に鬼人だったはずだ。鬼人のステレがパーティでドレスを?
それに慌てたステレが止めに入る。
「ちょ、待って待って。お願いだからその話はそこまでに」
『なぜ?』という顔で二人ともステレを見ている。ステレにとっては”それ”も自分の黒歴史の一つなのだ。本人の前で話されるのは居た堪れない。
「あれは、もうどうしようもなくテンパっていたというか、もう自分でも『どうしてこうなった?』というか、できれば墓に埋めたい記憶なのよ。だからお願い」
あたふたと慌てながら、必死に懇願する。
「…ということだそうだ、すまんな」
「はぁ、まぁ一介の商人には知らない方が良いこともございますから」
これ見よがしに恨みがましい口調でドルトンは拗ねて見せる。
「ごめんね~」と苦笑しながら謝るステレは、ドルトンが(そういえば、不思議とほどそのパーティの内容が伝わっていない。王妃から依頼を受けた際も、パーティの詳細については聞かされていなかった。まぁ、ちょっと調べてみるか。判らなければ、王妃陛下に報告を出す際に繋ぎをつけておけば何か聞けるだろう…)と、とても一介の商人とは思えないことを考えていたことには、気付いていなかったのだが。
「ま、まぁ、式に関しては陛下のご判断を仰いでからということで」
ステレは敢えて明るい声で、強引に話題を変える。
「その上、魔人殿との勝負ですな。なかなか多難ですなぁ」
「あまり歳を取らんうちになんとかしたいものだが…式はともかくとして、一度山荘を訪ねても良いか?噂の魔人をこの目で見てみたい」
ドルトンの嘆息にオーウェンが冗談だか本気か判らない言葉を返す。
「やめときなよ、アイツ絶対オーウェンにも勝負しろって言い出すわよ」
「望むところだな、結婚の障害をこの手で排除できるなら」
「え~!?」
オーウェンは王国でも五指に入る剛の者だが、あの人外の能力を持つ魔人に勝てるだろうか…
「閣下が森をお尋ねになるのなら、小屋はなんとかしなければなりませんな。今は一間しかございませんし」
「え、そこ?」
どこまでも真顔のオーウェンに対して、ドルトンの方はもう、一刻も早く二人をくっつけることしか考えていないようだった。
そんなオーウェンでも、ステレがなぜ子供の話まで持ち出して森を出ると言っているかは、痛いほどわかっていた。
(魔の森を知るステレと知らない俺。貴族のしがらみを無視するとどうなるか身を持って知るステレと知らない俺。ということか)
ステレが自分のことを思ってくれるのは嬉しい。その一方で、ステレには貴族の因習から離れ、思うまま自由に生きて欲しい。自分はそんなステレにただ寄り添うだけでいいのだ。そんな気持ちが届かないのがもどかしくもある。
「私がアルガ家の女主人になるのは無理だと、自分でも判るわ。でも、あなたと共に生きるなら、どうにかして人の住む地で暮らした方が良いと思う。そのためにも、誰にも祝福されない結婚ではダメなの」
「しかし…」
「長い長い夢の最後に、父様と母様が出てきたわ…」
言いかけたオーウェンは、突然の夢の話に口を閉じると、目で続きを促す。
「で、母様に殴り倒された。もうボコボコに」
「お、おう…」
正直どう返して良いか、反応に困る。あまり物語など読まないオーウェンだが、そこは優しく抱きしめるシーンでは無いのだろうか?
「それで、言うのよ。ドルトンやオーウェンや……陛下にもっと頼りなさいって。陛下は許してくださるって」
「陛下から直接お許しを得ようというのか?陛下もまだ盤石には程遠いというのに…」
「えぇ、こんなことでお心を騒がせたくは無かったけれど……」
グリフ王は、逃避行を支えた家臣には手厚い論功行賞で応えた。田舎の伯爵家だったオーウェンが、要地の侯爵領に封じられたのものそのためだ。だが、今だ王権が盤石とは言えない状況で、貴族の力関係が絡む婚姻に介入を願うような真似はあまりしたくない。そも、ステレも鬼人に過分な恩賞を与えることの悪影響を考えて、何も受け取らずに王都を去ったのだから。
「……ステレは、ご両親が助言を送ってくれたと思っているのか?」
「違うわ。夢の中に出てきた皆は、死の世界から私のために来てくれた訳じゃないって判ってる。私の記憶組み合わせて、私自身が作り出して見ているだけだって。気づいたから、ちゃんと考えることができた。陛下にお許しを頂こうというのは、私の考え」
ステレが夢と現実の区別がつかずに、都合のいい解釈をしているのか?と危惧したが、杞憂だったようだ。それどころか、意識を失う前より物事を冷静に考えているように思える。
「……それにね、思い出したの。私の父様も身分は無かったけど、母様はキブト王に掛け合ってお許しを貰ったって言ってた」
そう言われて、ストンと腑に落ちた。
クリークス卿の出自については、色々と口さがない噂が流れていたのも聞いている。その一方で、夫婦仲がとても良いという話も聞いていた。
(あぁ、なるほど。そう聞けばあの方らしい。そしてステレは母君によく似たのだな……)
オーウェンの脳裏に、カンフレー夫人の姿が蘇る。
あの最後の夜、カンフレー家の郎党と合流したオーウェンは、身長程の堅木の棒を手にしたカーラが、武装した敵兵二人を、一呼吸のうちに即死させるのを目の当たりにした。色々と逸話を持つ女丈夫と聞いていたが、あれ程とは思わなかった。そして、共に隣国に逃れようという太子グリフの誘いを固辞し、一向の殿軍を努めるために国境手前の関で別れたのが姿を見た最後になった。配下を率いてクリークス卿と共に追っ手を迎え撃つその後ろ姿は、一軍の将にも引けを取らないと今でも思っている。
そんな女傑は、爵位を持たない男との結婚をキブト王に直訴して許しを得たのだという。
キブト王とはグリフ王と先王ブレスの父である。冷徹でありながら慈愛に満ち、大雑把に見えて緻密、彼の息子二人を足し合わせたような王であった。なるほどキブト王なら許すだろう、それこそ面白がりながら。王は裏切りは容赦しなかったが、それ以外は『価値観が面白いか面白くないかしかない』と言われるほど寛容だった。城下の童歌で『王様は、面白いことが大好きで、悪いことは許せない』と謡われていたほど、民にも慕われた王だった。そんな大雑把に見える治世にも拘わらず、その政策は全て王国の発展のためであり、志半ばで早世せねば間違いなく後世『大王』と諡号されたであろうと惜しまれている。
オーウェンも肚を決めた。もちろん、ド田舎の貧乏男爵家の婿取りと、要衝の侯爵家嫡男の嫁取りでは全く事情が違うだろう。それでも王の許しを得た結婚であれば、一門への牽制の一助にはなる。
「……判った。陛下には俺とステレの願いを正式に申し上げる」
ステレは黙って頷く。
自分もオーウェンは大好きだ。たぶん、ずっとずっと好きだったのだ。
未だに自分がオーウェンにふさわしいのか、ステレには全く自信が無い。地位も領地も財産も後盾もなく、人でさえ無い。いつまで生きられるかも判らない。だからといって、それを理由にオーウェンを拒むのは、彼と自分に対する侮辱だ。彼はステレ・カンフレーと共に在りたいと言ってくれた。私も彼に求められる限り共に在ろう、命尽きるまで。
声に出さなくてもその思いはオーウェンには十分に伝わっていた。超えるべき山はまだまだたくさんあるが、ステレは妻になると言ってくれた。今はそれで十分だ。
事の成り行きを、固唾を飲んで見守っていたドルトンは、まるで我が事のように嬉しそうにしていた。喜色満面と言っていい。
王は許しをくれるだろう、それが王と王妃の願いだったのだから。そしてそれはドルトンの願いにもなっていたのだ。”ただ心臓が動いているだけの何か”だったステレが、ようやく”生きて”くれるのだ。自分の手で成すことができなかったのは残念だが。
「いや、大変目出度いですな。このドルトン全力でご支援いたしますとも。式の手配の際は、ご入用のものは是非我が商会が…」
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「式を挙げないなど、それこそ……」
「まぁ事情が事情だ、仕方なかろう。どこかで宣誓だけすればよい」
本来であれば、森に引き篭もりたいオーウェンもステレに賛同した。
「……やむを得ませんか…、それでも、我が商会は皆こぞってステレ様をお祝いいたしたいのですぞ。なんでしたら、森で式を挙げると言われても、我らがなんとかいたします」
「えぇ?そこまで?だいたい、私には花嫁衣装とか無理だからね」
「なんとおっしゃいます、もはや只人の貴族の流儀に縛られることもございませんでしょう。形式など捨て、ステレ様がお似合いになるハレの衣装を身につければよろしいのです」
言外に『男装でも十分イケる』と言われているような気がしてちょっと想像してみたが、やっぱり同性婚にしか見えない気がする。
「私一人ならね。オーウェンに恥をかかせる訳には行かないわ」
(鬼人の嫁というだけで大概なんだから)…という言葉はグッと堪える。
「…陛下の婚約パーティの時のドレスでいいだろう」
「なんですと?閣下、それは一体どのような?」
オーウェンがぽつりと言った一言にドルトンが食いついた。グリフ王の婚約披露パーティは、王都帰還後に行われた、ステレは既に鬼人だったはずだ。鬼人のステレがパーティでドレスを?
それに慌てたステレが止めに入る。
「ちょ、待って待って。お願いだからその話はそこまでに」
『なぜ?』という顔で二人ともステレを見ている。ステレにとっては”それ”も自分の黒歴史の一つなのだ。本人の前で話されるのは居た堪れない。
「あれは、もうどうしようもなくテンパっていたというか、もう自分でも『どうしてこうなった?』というか、できれば墓に埋めたい記憶なのよ。だからお願い」
あたふたと慌てながら、必死に懇願する。
「…ということだそうだ、すまんな」
「はぁ、まぁ一介の商人には知らない方が良いこともございますから」
これ見よがしに恨みがましい口調でドルトンは拗ねて見せる。
「ごめんね~」と苦笑しながら謝るステレは、ドルトンが(そういえば、不思議とほどそのパーティの内容が伝わっていない。王妃から依頼を受けた際も、パーティの詳細については聞かされていなかった。まぁ、ちょっと調べてみるか。判らなければ、王妃陛下に報告を出す際に繋ぎをつけておけば何か聞けるだろう…)と、とても一介の商人とは思えないことを考えていたことには、気付いていなかったのだが。
「ま、まぁ、式に関しては陛下のご判断を仰いでからということで」
ステレは敢えて明るい声で、強引に話題を変える。
「その上、魔人殿との勝負ですな。なかなか多難ですなぁ」
「あまり歳を取らんうちになんとかしたいものだが…式はともかくとして、一度山荘を訪ねても良いか?噂の魔人をこの目で見てみたい」
ドルトンの嘆息にオーウェンが冗談だか本気か判らない言葉を返す。
「やめときなよ、アイツ絶対オーウェンにも勝負しろって言い出すわよ」
「望むところだな、結婚の障害をこの手で排除できるなら」
「え~!?」
オーウェンは王国でも五指に入る剛の者だが、あの人外の能力を持つ魔人に勝てるだろうか…
「閣下が森をお尋ねになるのなら、小屋はなんとかしなければなりませんな。今は一間しかございませんし」
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もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
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この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
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