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明日のためにその一 1
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「なるほど、件の魔人は<夜明けの雲>と言う名でござったか。確かに特徴のある名乗りですな」
テンゲンが、得心が行ったという表情で頷く。
「魔人と似た文化圏があって、そこの出身か、あるいは号として名乗っているだけ…という事も考えられるが」
「確かに。森人の名付けは似たような意味を持っているとも聞きますし」
オーウェンの意見をドルトンが補足する。
ステレは、魔の森に来た客の事を思い浮かべた。あの森人は2音節の名だった。ノル・ヴァルレンとは、いかなる意味を込められた名なのだろうか…
「ですが、かの刀鍛冶は、見た目は只人と変わらなかったとのこと」
テンゲンの言葉に、ステレは現実に引き戻された。
只人に魔金属を鍛えることはできない。ステレもドルトンも記憶にある限り、只人と見た目の区別がつかず、桁違いの魔法を操り、なお外部に魔力の巨大さを感じさせない…などという人物は、<夜明けの雲>……魔人しか思い浮かばない。
「その<紅い空>と名乗る刀鍛冶が魔人だとして…エン家のご当主は、気づいておられたのでしょうか?」
「おそらく。だからこそ、魔人と戦う鬼人殿に送る太刀として出されたのでしょう」
「エン家は、魔人を囲い込み何事かを為さんとしているのでしょうか?」
オーウェンの口調が少しだけ厳しくなった。魔人の存在は、諸侯国のパワーバランスを変えかねない要素である。嫡子テンゲンを名代として送り込み、今までの関係を書き換える覚悟で王国との交易を申し入れて来たその裏に、魔人の存在は無いだろうか。
「御屋形様のご心中までは察する事は出来申さん。ですが…この話を、鬼人殿……御屋形様は鬼人殿と王家に繋がりがある事はご承知です…に話して良いと申されたという事は、エン家が魔人に繋がりを持っていると、王家に知られても構わない…というお考えかと」
テンゲンは、慎重に言葉を選ぶかのうように言った。オーウェンは、不遇だった伯爵家時代、グリフの護衛を務めた亡命生活、内戦に勝利してからの官僚として働く間、それなりの人物鑑定眼を身に着けた。少なくとも、害意を持って近づいて来る相手はある程度見極める事ができる。この男は裏表の無い男だ。ステレへの恩を返し、魔人との勝負に来た。それだけだ。そう思える。ではエン家はどうだ?。少なくとも、魔人を王国に対する直接的な武器としては使う気は無いのだろう。ならば何らかの牽制か布石と考えられるだろうか……。そこまで考えて、オーウェンは思考を切り替えた。所詮自分は官僚もどきに過ぎない、自分ができるのは法に則り物事を動かすことだけだ。いかに頭を捻ろうと、権謀術策渦巻く政治の海を泳いでいる連中の上を行けるとは思えない。考える事は王城に任せればよい。
「さしあたり、王家にはこの件急報いたします。ですが、テンゲン殿の行動には制限が掛からぬよう、私から申し添えます」
「ご厚情に感謝いたす」
「ドルトン、何か判ったら知らせてくれ」
「承知いたしました」
ドルトンは部屋を出ると、廊下に控えていた部下に指示を出していたが、部屋に戻ると今度は太刀の仕上げについてステレの希望を聞き取り始めた。部屋の端でステレに剣を構えさせ、数度素振りもさせ希望を聞く。正直に言えば、この刀はかなり不格好ではある。<紅い空>が言った通り、板の片側を斜めに削いで刃にしたかの如く、直線的な姿をしている。見栄えもなんとかしたいが、硬さで名高い不破鋼なので、できる加工は限られるだろう。何にしろ、急がねばならないのだ、研ぎ第一にして、時間が掛かる加工は後回しにするしかない。大まかな希望を手帳に書き込むと、自分の荷物と太刀をまとめた。
「閣下、テンゲン様、ステレ様、私はこれにてお暇いたします。挨拶も禄に致さぬ非礼をお許し下さい」
そう告げて一同に頭を下げたドルトンは、急ぎ足で部屋を出ると勝手口に入れた商会の荷馬車で屋敷を後にした。ドルトンも侯爵家の馬車に乗り換えて来訪していたので、跡を残さないための偽装であろう。ドルトンは、御者台ではなく、テンゲンがステレに送った太刀の包みを大事そうに携えて荷物に紛れている。
三人は、応接の間の窓のカーテンの隙間から馬車を見送った。さすがは侯爵屋敷、窓には透明度の高い板ガラスがはめ込まれていた。その窓は開け放たれ、初夏の風を招き入れている。
「あれは、どうにかして綬爵の式典に間に合わせるつもりだな」
オーウェンが笑いながら言った。
「なるほど、鬼人殿は愛されておる」
テンゲンも笑いながら同意する。
「いや、うん、とてもありがたいのです。ドルトンのおかげで生きて居られたようなものですから。でも…少し重い……」
ステレだけが申し訳無さでがっくりとしていた。ドルトンの心遣いはありがたいが、自分はそれほど大した女ではないはずなのだ。オーウェンにドルトンに、自分は甘やかされまくり、自分も頼りまくっている気がひしひしとする。それに気づいたのだろう、オーウェンがいささか苦笑めいた笑いで言った
「お前は何も受け取らずに出て行ったんだ、埋め合わせに少しくらいは俺たちに奢らせろ」
それが偽らざるオーウェンの気持ちだった。
内密にすべき事は全て終わった。オーウェンは人払いをしていた使用人を入れ、新しい茶を煎れるよう命じた。女中達が茶器を揃え壁際に下がると、オーウェンは一息口をつけるが、その表情は楽しみを待ちきれない子供のように輝いていた。
「さて、ここから先は王国貴族ではなく、剣士としての願いになります。是非一手お手合わせ願えないでしょうか」
「願っても無いこと。御身が王国でも屈指の剣士と聞き及び、某も半分はそれに期待してこの屋敷に来申した。…鬼人殿もいかがでござろうか」
「私も、鍛え直したいと思っていた所ですからありがたい話ですが……私はこれでも女です。よろしいのでしょうか?」
かつて、王都で高名な剣士に手合わせを願い、尽く断られた経験を思い出した。鬼人と言えど女のステレが相手をする事に忌避感は無いのだろうか。
「巷の鬼人の噂が半分でも本当なら、男でも女でも関係ござらん。それに、ウルスでも女子の立場が弱いのはあまり変わりませぬが、王国と違い、屋敷で社交するだけではなく、馬、弓、剣を修めた女子もおり申す。なにしろ、我らは御覧の通りの蛮族でござる故」
諸侯国の伝説では、素手の組討ちで男の武者の首を捻じ切った女傑も居る…そう聞いたステレは、ひとまずは安堵した。王国ほど女剣士への偏見は無いらしい。そう考えると、これはキリハにとっても千載一遇のチャンスと言える。
「そういうことでしたら、私の護衛も連れて行っていいでしょうか?」
「護衛?それは、そこの女中のことでござるか?」
壁際に立つキリハは、視線を向けられてギクリとした。周囲を警戒はしていたが、視線は動かさず、目元もかつらで隠していた。護衛らしい素振りは欠片も見せていなかったはずなのに何故…。
驚きの表情から、そう考えていたことを読み取ったのだろう、テンゲンはあっさりと理由を挙げた。
「足の運びが剣士のそれでした故…しかし、鬼人殿に護衛が要るとも思えませぬが?」
「はは…まぁいろいろ事情がありまして…。それと、今更ですのでステレと呼んでいただいて結構ですよ」
「では遠慮なく。……もちろん、見るのは差支えござらんが……。ただ、我らと打ち合いをしたいのなら、それ相応の覚悟が必要でござるぞ」
そういうテンゲンの顔は剣士のそれになっていた。木剣での打ち合いでも、彼らの手であれば人は容易に死ぬ。勿論、当てぬようにはするが、万全ではない。温和な性格をしていても、この男はやはりウルスの剣士である。そこに妥協は無かった。
「この国で、女が剣で身を立てるなど、冬の白骨山脈を裸で超えるくらい難しいことです。私も女剣士ですので応援したいと思っています。恐らく見るだけでも、得る物は大きいかと。…どうですかキリハ」
「ぜ、是非っ」
食いつくように答えたキリハを、並んで立っていた女中が驚きの目で見ていた。だが、そんなものに構っている場合ではない。言いたい事は全てステレが言ってくれた。万が一木剣を受け、大けがを負い、あるいは死ぬ危険があるとしても、達人と剣を合わせられるなら、挑む価値がある。
「なるほど、覚悟が済んでいるなら、申す事はござらん」
そういうテンゲンに続いて、オーウェンも黙って頷いた。
安堵の息を吐いたステレは、キリハを手招きすると、訝し気に近づいたキリハの耳元に、小声で囁いた。
「良かったね…でも、自信を粉々にされる覚悟はしなよ?」
「覚悟?」
「うん、この二人、たぶん私でも勝てないから。これが男の剣士の標準だと思っちゃダメだよ?」
そう言われて、テンゲンを見たキリハは、温和な表情に隠された視線の厳しさに、全身の産毛が逆立つのを感じていた。
テンゲンが、得心が行ったという表情で頷く。
「魔人と似た文化圏があって、そこの出身か、あるいは号として名乗っているだけ…という事も考えられるが」
「確かに。森人の名付けは似たような意味を持っているとも聞きますし」
オーウェンの意見をドルトンが補足する。
ステレは、魔の森に来た客の事を思い浮かべた。あの森人は2音節の名だった。ノル・ヴァルレンとは、いかなる意味を込められた名なのだろうか…
「ですが、かの刀鍛冶は、見た目は只人と変わらなかったとのこと」
テンゲンの言葉に、ステレは現実に引き戻された。
只人に魔金属を鍛えることはできない。ステレもドルトンも記憶にある限り、只人と見た目の区別がつかず、桁違いの魔法を操り、なお外部に魔力の巨大さを感じさせない…などという人物は、<夜明けの雲>……魔人しか思い浮かばない。
「その<紅い空>と名乗る刀鍛冶が魔人だとして…エン家のご当主は、気づいておられたのでしょうか?」
「おそらく。だからこそ、魔人と戦う鬼人殿に送る太刀として出されたのでしょう」
「エン家は、魔人を囲い込み何事かを為さんとしているのでしょうか?」
オーウェンの口調が少しだけ厳しくなった。魔人の存在は、諸侯国のパワーバランスを変えかねない要素である。嫡子テンゲンを名代として送り込み、今までの関係を書き換える覚悟で王国との交易を申し入れて来たその裏に、魔人の存在は無いだろうか。
「御屋形様のご心中までは察する事は出来申さん。ですが…この話を、鬼人殿……御屋形様は鬼人殿と王家に繋がりがある事はご承知です…に話して良いと申されたという事は、エン家が魔人に繋がりを持っていると、王家に知られても構わない…というお考えかと」
テンゲンは、慎重に言葉を選ぶかのうように言った。オーウェンは、不遇だった伯爵家時代、グリフの護衛を務めた亡命生活、内戦に勝利してからの官僚として働く間、それなりの人物鑑定眼を身に着けた。少なくとも、害意を持って近づいて来る相手はある程度見極める事ができる。この男は裏表の無い男だ。ステレへの恩を返し、魔人との勝負に来た。それだけだ。そう思える。ではエン家はどうだ?。少なくとも、魔人を王国に対する直接的な武器としては使う気は無いのだろう。ならば何らかの牽制か布石と考えられるだろうか……。そこまで考えて、オーウェンは思考を切り替えた。所詮自分は官僚もどきに過ぎない、自分ができるのは法に則り物事を動かすことだけだ。いかに頭を捻ろうと、権謀術策渦巻く政治の海を泳いでいる連中の上を行けるとは思えない。考える事は王城に任せればよい。
「さしあたり、王家にはこの件急報いたします。ですが、テンゲン殿の行動には制限が掛からぬよう、私から申し添えます」
「ご厚情に感謝いたす」
「ドルトン、何か判ったら知らせてくれ」
「承知いたしました」
ドルトンは部屋を出ると、廊下に控えていた部下に指示を出していたが、部屋に戻ると今度は太刀の仕上げについてステレの希望を聞き取り始めた。部屋の端でステレに剣を構えさせ、数度素振りもさせ希望を聞く。正直に言えば、この刀はかなり不格好ではある。<紅い空>が言った通り、板の片側を斜めに削いで刃にしたかの如く、直線的な姿をしている。見栄えもなんとかしたいが、硬さで名高い不破鋼なので、できる加工は限られるだろう。何にしろ、急がねばならないのだ、研ぎ第一にして、時間が掛かる加工は後回しにするしかない。大まかな希望を手帳に書き込むと、自分の荷物と太刀をまとめた。
「閣下、テンゲン様、ステレ様、私はこれにてお暇いたします。挨拶も禄に致さぬ非礼をお許し下さい」
そう告げて一同に頭を下げたドルトンは、急ぎ足で部屋を出ると勝手口に入れた商会の荷馬車で屋敷を後にした。ドルトンも侯爵家の馬車に乗り換えて来訪していたので、跡を残さないための偽装であろう。ドルトンは、御者台ではなく、テンゲンがステレに送った太刀の包みを大事そうに携えて荷物に紛れている。
三人は、応接の間の窓のカーテンの隙間から馬車を見送った。さすがは侯爵屋敷、窓には透明度の高い板ガラスがはめ込まれていた。その窓は開け放たれ、初夏の風を招き入れている。
「あれは、どうにかして綬爵の式典に間に合わせるつもりだな」
オーウェンが笑いながら言った。
「なるほど、鬼人殿は愛されておる」
テンゲンも笑いながら同意する。
「いや、うん、とてもありがたいのです。ドルトンのおかげで生きて居られたようなものですから。でも…少し重い……」
ステレだけが申し訳無さでがっくりとしていた。ドルトンの心遣いはありがたいが、自分はそれほど大した女ではないはずなのだ。オーウェンにドルトンに、自分は甘やかされまくり、自分も頼りまくっている気がひしひしとする。それに気づいたのだろう、オーウェンがいささか苦笑めいた笑いで言った
「お前は何も受け取らずに出て行ったんだ、埋め合わせに少しくらいは俺たちに奢らせろ」
それが偽らざるオーウェンの気持ちだった。
内密にすべき事は全て終わった。オーウェンは人払いをしていた使用人を入れ、新しい茶を煎れるよう命じた。女中達が茶器を揃え壁際に下がると、オーウェンは一息口をつけるが、その表情は楽しみを待ちきれない子供のように輝いていた。
「さて、ここから先は王国貴族ではなく、剣士としての願いになります。是非一手お手合わせ願えないでしょうか」
「願っても無いこと。御身が王国でも屈指の剣士と聞き及び、某も半分はそれに期待してこの屋敷に来申した。…鬼人殿もいかがでござろうか」
「私も、鍛え直したいと思っていた所ですからありがたい話ですが……私はこれでも女です。よろしいのでしょうか?」
かつて、王都で高名な剣士に手合わせを願い、尽く断られた経験を思い出した。鬼人と言えど女のステレが相手をする事に忌避感は無いのだろうか。
「巷の鬼人の噂が半分でも本当なら、男でも女でも関係ござらん。それに、ウルスでも女子の立場が弱いのはあまり変わりませぬが、王国と違い、屋敷で社交するだけではなく、馬、弓、剣を修めた女子もおり申す。なにしろ、我らは御覧の通りの蛮族でござる故」
諸侯国の伝説では、素手の組討ちで男の武者の首を捻じ切った女傑も居る…そう聞いたステレは、ひとまずは安堵した。王国ほど女剣士への偏見は無いらしい。そう考えると、これはキリハにとっても千載一遇のチャンスと言える。
「そういうことでしたら、私の護衛も連れて行っていいでしょうか?」
「護衛?それは、そこの女中のことでござるか?」
壁際に立つキリハは、視線を向けられてギクリとした。周囲を警戒はしていたが、視線は動かさず、目元もかつらで隠していた。護衛らしい素振りは欠片も見せていなかったはずなのに何故…。
驚きの表情から、そう考えていたことを読み取ったのだろう、テンゲンはあっさりと理由を挙げた。
「足の運びが剣士のそれでした故…しかし、鬼人殿に護衛が要るとも思えませぬが?」
「はは…まぁいろいろ事情がありまして…。それと、今更ですのでステレと呼んでいただいて結構ですよ」
「では遠慮なく。……もちろん、見るのは差支えござらんが……。ただ、我らと打ち合いをしたいのなら、それ相応の覚悟が必要でござるぞ」
そういうテンゲンの顔は剣士のそれになっていた。木剣での打ち合いでも、彼らの手であれば人は容易に死ぬ。勿論、当てぬようにはするが、万全ではない。温和な性格をしていても、この男はやはりウルスの剣士である。そこに妥協は無かった。
「この国で、女が剣で身を立てるなど、冬の白骨山脈を裸で超えるくらい難しいことです。私も女剣士ですので応援したいと思っています。恐らく見るだけでも、得る物は大きいかと。…どうですかキリハ」
「ぜ、是非っ」
食いつくように答えたキリハを、並んで立っていた女中が驚きの目で見ていた。だが、そんなものに構っている場合ではない。言いたい事は全てステレが言ってくれた。万が一木剣を受け、大けがを負い、あるいは死ぬ危険があるとしても、達人と剣を合わせられるなら、挑む価値がある。
「なるほど、覚悟が済んでいるなら、申す事はござらん」
そういうテンゲンに続いて、オーウェンも黙って頷いた。
安堵の息を吐いたステレは、キリハを手招きすると、訝し気に近づいたキリハの耳元に、小声で囁いた。
「良かったね…でも、自信を粉々にされる覚悟はしなよ?」
「覚悟?」
「うん、この二人、たぶん私でも勝てないから。これが男の剣士の標準だと思っちゃダメだよ?」
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今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
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