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序章 気が付いたら異世界転移
008 冒険者になってみた
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ユリンさんに言われた通りに街の出口とは反対方向に歩いていると、石造りで立派な建物が見えてきた。あそこが冒険者ギルドかな?
中に入ってみると思ったよりも人が少ない。
なんとなく、依頼を求めて冒険者でごった返している、といったイメージを持っていたけれど、人もまばらで、あまり騒いでいるような人もいない。
内装はなんとなく、お役所を連想させられる。
大きめのロビーと複数箇所の受付窓口、冒険者が待ち合わせにでも利用するのであろう、沢山のテーブルと椅子が置かれた休憩スペースのような場所がある。その場所も今はあまり人がいなかった。
とりあえず眺めてても仕方ない。受け付けの人に話を聞いてみよう。
人が少ないなりにも列が出来ている女性受付を横目に、暇そうに欠伸しているおっさんのいる窓口に向かう。俺だって美人受付に対応してもらいたいのは山々だけど、今は余裕が無いから速度優先だ。
「済みません。身分証と探索許可証の発行をお願いしたいんですけどー」
「おう、新人か。冒険者ギルドへようこそ。
迷宮都市ベイクは新たな来訪者を歓迎するぞ」
面倒くさそうに、棒読みで答えるおっさん受付。ただ対応はしてくれそうだ。
「というか、身分証と許可証を両方作るってことは新人なんだろうが、その割には結構な年じゃないのかアンタ。詮索するわけじゃあないが、その年でこれから冒険者を始めるってぇのはキツくないか?」
「あー、ちょっとヘマしてお金をなくしてしまいましてね。頼る人もいないんで、諦めて迷宮にでも潜ろうかって思いまして」
「あーそっち系の事情か。迷宮に入るのは構わんが無茶はするな。
それじゃあ身分証の発行に銀貨2枚、許可証に銀貨1枚、合計銀貨3枚必要だが払えるか?」
あっぶねー!連泊してたら足が出るところだった!残金100リーフ。もうダメポォ。
「銀貨3枚確かに受け取った。
じゃあ登録しちまうからこいつを持ってくれ。字は書けるか?」
おっさんが、トイレやランプに付属していたのと似たような、ガラス玉っぽいものを渡してくる。今までの流れからして、魔法的な道具の一種なんだろうな。
「読み書きは出来ません」
「そうか。じゃあ口頭で構わない。名前を教えてくれ」
「トーマです」
名乗ったタイミングで魔力が少し吸われる感覚を覚えた。魔力認証的な道具なのかな?
「トーマ、と。これでよし。身分証が出来るまで少し時間があるから、その間に冒険者ギルドと迷宮について、少し話をしておこうか」
「お願いします」
おっさんにガラス玉を返す。
「俺は冒険者ギルド、ベイク支部の『オーサン』だ。これから宜しく頼む。
さて、まずは当たり前だが、揉め事はなるべく避けてくれ。冒険者同士での諍いには基本的にギルドは介入しない。
しかし明らかに悪質な干渉が行われたり、対立相手と圧倒的な力量差がある場合、明らかに相手側に非のある場合などは、例外的にギルドで保護することが出来る。
困ったときはとりあえずギルドに相談してくれ。相談するだけなら無料だ。
こっちとしても目の届かないところで大きな問題を起こされるよりは、巻き込まれてでも早めに手を打った方が良い場合もあるからな。結局はギルド側の都合でもあるから遠慮するなよ。何かあってからでは遅い」
冒険者同士の争いには一切関わりませんー、ってスタンスじゃないのか。
必ず守ってくれると言うわけではないみたいだけど、不当な扱いを受けたときに相談できる場所があるというのは安心できるな。
「次に、迷宮で得たドロップアイテムについてだが、売却する場合はなるべく冒険者ギルドを使ってくれ。冒険者からドロップアイテムを買い取るのは、基本的にウチの仕事だ。
ウチを通さずに商人に卸せば多少は高く買って貰えるかも知れないが、あまりおおっぴらにやりすぎると冒険者ギルドを敵に回す可能性があることを覚えておけ。
大商人になってくると、冒険者と個別に契約して直接アイテムを仕入れたりする場合もあるが、そういう場合も冒険者ギルドと話がついていることが殆どだ。
ウチを通さない個人間での取引を行う場合は慎重にな。特に理由が無いなら、冒険者ギルドで売却してればなんの問題も無い」
冒険者ギルドを敵に回すと探索許可証の発行に支障が出て、迷宮で活動するのが面倒くさくなりそうだな。要は迷宮に関しては、冒険者ギルドを優先して利用してくれってことか。
組織と対立するメリットなんか何も無い。大人しくルールに従おう。
「それと冒険者には個人ごとに等級がある。加入したときは例外なく10等級から始まり、ギルドに売却したアイテムの累積売却額に応じてランクが上げられる。トーマは今日登録したばかりなので当然10等級だ。
9等級に上がるためにはギルドに10000リーフ、金貨1枚分のアイテムを売却する必要がある。
7等級までを初級、6から4等級を中級、3等級以上を上級冒険者と呼んだりもするぞ。
それと新人にはあまり関係のない話だろうが、例外として3人ほど『特級』と呼ばれる冒険者がいる」
いわゆる規格外って奴か。チート能力とか持ってたりするのかなーなんて。
「そして迷宮について少し話してやろう。
トーマは初めて迷宮に入るということだが、1階層なら初めてでもさほど危険はないだろう。
ベイクの迷宮1階層では『魔泥』しか出てこないからな。もし顔に張り付かれても、慌てずに手で引き剥がせば大丈夫だ。
マッドスライムのドロップアイテムは『粘土』。建築材や食器などに使われる素材だが、当然報酬は安い。1つにつき2リーフ、銅貨2枚だ。
奴らは数だけは常に大量に湧くからな。安い分は数をこなして補え」
迷宮の安らぎ亭に1泊するには、マッドスライム150体倒さなきゃならないのか。やっぱあそこって高級宿だったのかなぁ?
といっても安いって断言されてるから、マッドスライムの報酬が安すぎるだけなのかな。
「1階層はマッドスライムばかりで稼ぎにくいし、脅威度も高くないからといって、勇み足で2階層に進むのはやめておけよ。
2階層からは『迷宮鼠』が出るようになる。こいつも大したことは無いんだが、慣れない新人がたまにネズミで事故ることがあるんだ。
焦らずまずは1階層で、じっくり迷宮に慣れろ」
「分かりました。当分は1階層をぐるぐるすることにします」
2階層からもう死人が出るレベルのリスクあるんかい!
思ってた以上に死ぬリスクは高いのかもしれない、
「そうしろそうしろ。1階層は稼ぎが悪いから、人もあまりいないはずだ。手間さえ惜しまなければ安定して稼げるだろ。安いけどな。
よし、魔力の定着も終わったことだし、話はこの辺で切り上げるか。
この木製のプレートが許可証。こっちの丸っこいのが身分証だ」
身分証はカードっぽいものを想像していたんだけど、シャチハタのような外見をしている。木製って言われたけど、手触り的には石っぽい?
「ここに穴が開いてるだろ?身分証には糸を通すことも出来るようになってるから、無くしたくないなら糸を通して首にでも下げておけ。
これは低級用身分証とはいえ、再発行には魔力登録をし直さないといけないので、新規に登録するより高い費用を請求することになるからそのつもりでな」
無くしたら一発で破産ENDか……。
異世界に来たのは良いものの、現実はやっぱり世知辛いです。お金に余裕が無さ過ぎて、ファンタジーを感じるゆとりが無いわ!
「よし、それじゃとりあえず迷宮に一度入ってみるこったな。
冒険者としてやっていけるか、迷宮がどんな場所かなんて、迷宮に入ってみるのが一番手っ取り早い。
精々しぶとく生き残ってくれよ?俺が世話した新人が死んじまったら寝覚めが悪くならぁ」
「お前の顔はもう見たくない、ってくらいしぶとく生き残ってやりますよ。
最後に、武器と大きめの袋を買いたいんですけど、何処に行けばいいでしょう?」
「ああそれなら……」
おっさん受付のオーサンに店の場所を確認し、冒険者ギルドを後にするのだった。
中に入ってみると思ったよりも人が少ない。
なんとなく、依頼を求めて冒険者でごった返している、といったイメージを持っていたけれど、人もまばらで、あまり騒いでいるような人もいない。
内装はなんとなく、お役所を連想させられる。
大きめのロビーと複数箇所の受付窓口、冒険者が待ち合わせにでも利用するのであろう、沢山のテーブルと椅子が置かれた休憩スペースのような場所がある。その場所も今はあまり人がいなかった。
とりあえず眺めてても仕方ない。受け付けの人に話を聞いてみよう。
人が少ないなりにも列が出来ている女性受付を横目に、暇そうに欠伸しているおっさんのいる窓口に向かう。俺だって美人受付に対応してもらいたいのは山々だけど、今は余裕が無いから速度優先だ。
「済みません。身分証と探索許可証の発行をお願いしたいんですけどー」
「おう、新人か。冒険者ギルドへようこそ。
迷宮都市ベイクは新たな来訪者を歓迎するぞ」
面倒くさそうに、棒読みで答えるおっさん受付。ただ対応はしてくれそうだ。
「というか、身分証と許可証を両方作るってことは新人なんだろうが、その割には結構な年じゃないのかアンタ。詮索するわけじゃあないが、その年でこれから冒険者を始めるってぇのはキツくないか?」
「あー、ちょっとヘマしてお金をなくしてしまいましてね。頼る人もいないんで、諦めて迷宮にでも潜ろうかって思いまして」
「あーそっち系の事情か。迷宮に入るのは構わんが無茶はするな。
それじゃあ身分証の発行に銀貨2枚、許可証に銀貨1枚、合計銀貨3枚必要だが払えるか?」
あっぶねー!連泊してたら足が出るところだった!残金100リーフ。もうダメポォ。
「銀貨3枚確かに受け取った。
じゃあ登録しちまうからこいつを持ってくれ。字は書けるか?」
おっさんが、トイレやランプに付属していたのと似たような、ガラス玉っぽいものを渡してくる。今までの流れからして、魔法的な道具の一種なんだろうな。
「読み書きは出来ません」
「そうか。じゃあ口頭で構わない。名前を教えてくれ」
「トーマです」
名乗ったタイミングで魔力が少し吸われる感覚を覚えた。魔力認証的な道具なのかな?
「トーマ、と。これでよし。身分証が出来るまで少し時間があるから、その間に冒険者ギルドと迷宮について、少し話をしておこうか」
「お願いします」
おっさんにガラス玉を返す。
「俺は冒険者ギルド、ベイク支部の『オーサン』だ。これから宜しく頼む。
さて、まずは当たり前だが、揉め事はなるべく避けてくれ。冒険者同士での諍いには基本的にギルドは介入しない。
しかし明らかに悪質な干渉が行われたり、対立相手と圧倒的な力量差がある場合、明らかに相手側に非のある場合などは、例外的にギルドで保護することが出来る。
困ったときはとりあえずギルドに相談してくれ。相談するだけなら無料だ。
こっちとしても目の届かないところで大きな問題を起こされるよりは、巻き込まれてでも早めに手を打った方が良い場合もあるからな。結局はギルド側の都合でもあるから遠慮するなよ。何かあってからでは遅い」
冒険者同士の争いには一切関わりませんー、ってスタンスじゃないのか。
必ず守ってくれると言うわけではないみたいだけど、不当な扱いを受けたときに相談できる場所があるというのは安心できるな。
「次に、迷宮で得たドロップアイテムについてだが、売却する場合はなるべく冒険者ギルドを使ってくれ。冒険者からドロップアイテムを買い取るのは、基本的にウチの仕事だ。
ウチを通さずに商人に卸せば多少は高く買って貰えるかも知れないが、あまりおおっぴらにやりすぎると冒険者ギルドを敵に回す可能性があることを覚えておけ。
大商人になってくると、冒険者と個別に契約して直接アイテムを仕入れたりする場合もあるが、そういう場合も冒険者ギルドと話がついていることが殆どだ。
ウチを通さない個人間での取引を行う場合は慎重にな。特に理由が無いなら、冒険者ギルドで売却してればなんの問題も無い」
冒険者ギルドを敵に回すと探索許可証の発行に支障が出て、迷宮で活動するのが面倒くさくなりそうだな。要は迷宮に関しては、冒険者ギルドを優先して利用してくれってことか。
組織と対立するメリットなんか何も無い。大人しくルールに従おう。
「それと冒険者には個人ごとに等級がある。加入したときは例外なく10等級から始まり、ギルドに売却したアイテムの累積売却額に応じてランクが上げられる。トーマは今日登録したばかりなので当然10等級だ。
9等級に上がるためにはギルドに10000リーフ、金貨1枚分のアイテムを売却する必要がある。
7等級までを初級、6から4等級を中級、3等級以上を上級冒険者と呼んだりもするぞ。
それと新人にはあまり関係のない話だろうが、例外として3人ほど『特級』と呼ばれる冒険者がいる」
いわゆる規格外って奴か。チート能力とか持ってたりするのかなーなんて。
「そして迷宮について少し話してやろう。
トーマは初めて迷宮に入るということだが、1階層なら初めてでもさほど危険はないだろう。
ベイクの迷宮1階層では『魔泥』しか出てこないからな。もし顔に張り付かれても、慌てずに手で引き剥がせば大丈夫だ。
マッドスライムのドロップアイテムは『粘土』。建築材や食器などに使われる素材だが、当然報酬は安い。1つにつき2リーフ、銅貨2枚だ。
奴らは数だけは常に大量に湧くからな。安い分は数をこなして補え」
迷宮の安らぎ亭に1泊するには、マッドスライム150体倒さなきゃならないのか。やっぱあそこって高級宿だったのかなぁ?
といっても安いって断言されてるから、マッドスライムの報酬が安すぎるだけなのかな。
「1階層はマッドスライムばかりで稼ぎにくいし、脅威度も高くないからといって、勇み足で2階層に進むのはやめておけよ。
2階層からは『迷宮鼠』が出るようになる。こいつも大したことは無いんだが、慣れない新人がたまにネズミで事故ることがあるんだ。
焦らずまずは1階層で、じっくり迷宮に慣れろ」
「分かりました。当分は1階層をぐるぐるすることにします」
2階層からもう死人が出るレベルのリスクあるんかい!
思ってた以上に死ぬリスクは高いのかもしれない、
「そうしろそうしろ。1階層は稼ぎが悪いから、人もあまりいないはずだ。手間さえ惜しまなければ安定して稼げるだろ。安いけどな。
よし、魔力の定着も終わったことだし、話はこの辺で切り上げるか。
この木製のプレートが許可証。こっちの丸っこいのが身分証だ」
身分証はカードっぽいものを想像していたんだけど、シャチハタのような外見をしている。木製って言われたけど、手触り的には石っぽい?
「ここに穴が開いてるだろ?身分証には糸を通すことも出来るようになってるから、無くしたくないなら糸を通して首にでも下げておけ。
これは低級用身分証とはいえ、再発行には魔力登録をし直さないといけないので、新規に登録するより高い費用を請求することになるからそのつもりでな」
無くしたら一発で破産ENDか……。
異世界に来たのは良いものの、現実はやっぱり世知辛いです。お金に余裕が無さ過ぎて、ファンタジーを感じるゆとりが無いわ!
「よし、それじゃとりあえず迷宮に一度入ってみるこったな。
冒険者としてやっていけるか、迷宮がどんな場所かなんて、迷宮に入ってみるのが一番手っ取り早い。
精々しぶとく生き残ってくれよ?俺が世話した新人が死んじまったら寝覚めが悪くならぁ」
「お前の顔はもう見たくない、ってくらいしぶとく生き残ってやりますよ。
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