異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

文字の大きさ
11 / 580
序章 気が付いたら異世界転移

011 ルーチンワーク

しおりを挟む
 転移してきてから1週間、つまり7日ほどが経過した。
 最初こそ資金難で首が回らなかったけれど、1度軌道にさえ乗れれば、生活はすぐに安定した。

 朝食をとったらすぐに迷宮に潜り、ひたすらマッドスライムを狩り続ける。休まず狩り続ければ、1日で3往復できるくらいには狩り慣れてしまった。

 2つの袋一杯に粘土をためると120~140リーフくらいになるので、1日に銀貨3枚以上は確実に稼げるようになった。
 宿の宿泊費は、ずっと連泊でお願いしているので、1日銀貨2枚。食事も付いているから他には殆ど出費もなく、1日ごとに銀貨1枚は溜まっていく日々だ。
 現在の所持金は672リーフ。そろそろ装備の更新も視野に入れたい。

 ちなみにこの1週間でSPの獲得には至っていない。SP獲得のハードルが高いというよりは、マッドスライムの経験値が低すぎるのかなぁ。
 まーたとえSPあっても、金貨3枚なんてまだまだ手が届かないから、意味無いんだけどさぁ。


「そういえばさオーサン。粘土の買い取り額が下がったりすることは無いの?」

「あ~?トーマ1人が頑張った程度で相場に影響なんかでねぇよ。基本的に迷宮資源は常に需要があるからな。
 逆に、緊急で必要になった資源なんかは、ギルドから買い取り額を上乗せしたりすることがあるぞ。そっちもあまり起こらねぇけど」

「ふーん、なら良いけど。いきなり粘土の買い取り価格が1リーフに、なんて言われた日には、せっかく安定しつつある俺の日常が、一瞬で破綻しちまうからさ」


 オーサンにもユリンさんにも、もっと砕けた口調で話して欲しい、お前の話し方を聞いているとむず痒くなってくる、などと言われたので普段の口調は崩すことにした。
 ユリンさんはともかく、同年代っぽいオーサンに気を遣っても仕方ないしな!


 迷宮に向かう前に武器屋に寄っていく。
 武器の更新について店主のおっちゃんに相談するが、1、2階層を回っているうちは今の装備で問題ない、3層行く気になってから相談しに来い、と取り付く島も無い。
 とりあえずサブウェポンとして、今使っているのと同じ棍棒をもう1つ購入する。結構酷使してるからね。いつ壊れるのか読めないし、転ばぬ先の杖って奴だ。嵩張るけど。

 迷宮に入ったら、とにかくひたすら1階層を歩き回って、マッドスライムを狩り続ける。もはや作業に近い。

 たった1週間ではあるけど、毎日同じことをしているおかげで、1階層での活動ならあまり疲労や緊張を感じなくなってきた。こんな短期間でも人間って強化されるものなんだなぁ。
 それともこの世界に特有の成長速度だったりするんだろうか。レベルアップ的な?

 走り回ってすっかり1階層のMAPも頭に入ってしまった。把握してみると、確かにこんな単純な構造の階層で迷うアホはいないだろうなと俺も思う。

 しっかしこの1週間で、他にマッドスライム狩ってる人に会ったことが無いんだが。ホントに女子供でも迷宮に入る世界なの?それとも女子供にすら嫌われてるの?どんだけ?

 
 マッドスライム狩りを3往復終える頃にはすっかり日も沈み、迷宮の安らぎ亭に帰る時間だ。

 食事を済ませ、部屋で自己流のストレッチ体操を行った後、手が空いたユリンさんに生活魔法の『洗浄』を、銅板2枚を支払ってかけてもらう。

 迷宮の安らぎ亭はやっぱり少し高級な宿だったらしい。
 美味しい食事と決め細やかな心遣いは勿論のこと、ユリンさんの洗浄サービスに加えて、宿全体になんと『防虫』の魔法がかけてあるらしい。

 別に虫はそこまで苦手と言うわけでも無いけれど、居ないに超したことは無い。こんな事実を知ってしまったら、もう他の宿には泊まれないよぅ。

 部屋に戻ったら寝る前にステータスチェック。うん、なにも変化無いな!
 これって本当に経験値獲得出来てるんだよな?どっかに穴あいてたりしない?まさか初期スキル獲得までが、こんなに果てしないとは。

 残金は今日の報酬を貰って、連泊延長に200リーフ、洗浄に20リーフ払って786リーフ。
 金貨は未だ見えないけれど、銀板くらいにはもう少しで手が届きそうだ。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

第2の人生は、『男』が希少種の世界で

赤金武蔵
ファンタジー
 日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。  あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。  ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。  しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。

異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!

石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。 クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に! だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。 だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。 ※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。

男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。 その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。 彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。 そして....彼の身体は大丈夫なのか!?

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...