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序章 気が付いたら異世界転移
010 初収入
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「粘土36個で報酬は72リーフだ。銅版7枚と銅貨2枚、確かめてくれ」
迷宮から出て冒険者ギルドに戻った俺は、オーサンに粘土の買取り手続きをお願いした。本当は他の受付嬢さんにお願いしようと思っていたのに、オーサンに見つかって声をかけられてしまったのだ。
流石に無視するわけにもいかず、諦めておっさんオーサンに対応してもらった。けっ!
銅貨72枚だったらポケットに入りきらなかったけれど、銅板7枚と銅貨2枚なら余裕で仕舞える。
けど今後のことを考えて。雑貨屋で財布用の袋でも見繕ってこようかな。まぁ実際に買うかどうかは値段次第なんですけどぉ。
銅板は初めて見たけれど、縦長の長方形で、直径は多分、日本の500円玉よりも大きい気がする。
500円玉って確か3センチ弱くらいだっけ?だとするなら銅板は3センチちょっとある感じか。
「いやぁ疲れました。結構倒したつもりだったんですけど、銀貨にも届かなかったのはちょっと凹みますね」
「はっ、1階層なんてそんなもんだ。
だが1階層回っただけでそんなバテバテになってるうちは、2階層に行こうなんて思うんじゃねぇぞ?効率よりも安全を優先するのが長生きの秘訣だ」
「えっと、これはただの好奇心なんですけど。やっぱり効率的には、2階層に行った方が稼ぎやすいものなんですか?」
オーサンは少し悩むように顎を撫でながら、
「いや一概にそうだとも言えんな。
2階層の迷宮ネズミのドロップは魔導具を作る際に用いられる『魔法石』の1番純度の低い奴で、1つ7リーフで買い取っている。だから単価で言えば圧倒的に効率は良くなる。だが効率が良い分、2階層を回っている冒険者は少なくない。
戦闘力に自信のない奴が活動できるのは2階層までだ。3階層からは本格的に戦闘をこなす必要が出てくるからな。
1階層で稼ぐには効率が悪く、3階層に行くほどの力も無い、そんな奴らが2階層に溜まっちまってる。1階層みたいに貸し切り状態と言うわけには行かないだろうし。
休まずに動けるなら、1日あたりの稼ぎは1階層の方が多くなるかもしれん。まぁどうしたって効率は悪いだろうが」
ふむ、MMORPGでも良く遭遇した『効率の良い狩場の取り合い』が起こるわけか。
そりゃ誰だって効率よく楽して稼ぎたいよね。俺だって楽したいよホント。
「それじゃ新人の俺はまた、1階層回ってくるとしますかね」
「おいおい、初日から無理してぶっ倒れんじゃねぇぞ?実力ってのは一足飛びには伸びないんだぜ」
「あー、俺もゆっくりしたいんですけどねぇ。
残念ながら金銭的な理由で、馬車馬の如く働かねばならんのですよ」
「はっ、貧乏暇なしってか?金がねぇなら精々頑張って稼ぐんだな」
「へいへい。またあとで来ますんで宜しくです」
冒険者ギルドを出て、迷宮に行く前にもう一度雑貨屋による。
朝に買ったのと同じ袋をもう1つ購入し、加えて皮製の水筒を購入した。
本日二度目の来店と言うことで、水筒の中身の飲料水はサービスしてもらった。
お値段は合計で50リーフ。残金は22リーフ。……まぁ黒字になっただけありがたいと思わなければ。
雑貨屋を出て、迷宮に向かいながらサンドイッチをもぐもぐする。やっぱり迷宮の安らぎ亭のご飯は美味しいなぁ。
余裕を含めて1日銀貨3枚以上稼げれば、あの宿を拠点に活動できるようになるかな。1日のノルマがマッドスライム150体か。多いんだか少ないんだかわからん。
迷宮1階層に戻ってきた。移動はジョギングのような、無理のないペースで小走り。
標的を見つけたら、ゴルフスイングの要領でぶん殴る。振り下ろしだと衝撃のフィードバックがキツいんすよね。
1度目の査定を思い返して、2つの袋が一杯になるまで粘土を集めれば、大体70個前後になるはずとあたりをつける。
3往復すれば確実にノルマ達成だね。うん余裕余裕。勿論棒読み。
どのくらい時間が経ったのか分からないが、2つの袋が一杯になった。換金のために外に出ると夕暮れ時だった。
う~ん、まだ迷宮の安らぎ亭に泊まれるほどの所持金は無いんだよなぁ。今日のところは徹夜も視野に入れて迷宮に篭るとしますかね。
冒険者ギルドは緊急事態に備える意味で、常時閉まる事なく営業しているのは確認済み。いつでも買取にも対応してくれるらしい。
その後ひたすらギルドと迷宮を往復して、次の日の夕方までに、追加で4往復した。
63体、66体、68体、70体、68体、合計335体分の粘土を納品し670リーフを受け取った俺は、その足で迷宮の安らぎ亭に連泊を申し入れ、夕飯を取った後は泥のように眠るのだった。
迷宮から出て冒険者ギルドに戻った俺は、オーサンに粘土の買取り手続きをお願いした。本当は他の受付嬢さんにお願いしようと思っていたのに、オーサンに見つかって声をかけられてしまったのだ。
流石に無視するわけにもいかず、諦めておっさんオーサンに対応してもらった。けっ!
銅貨72枚だったらポケットに入りきらなかったけれど、銅板7枚と銅貨2枚なら余裕で仕舞える。
けど今後のことを考えて。雑貨屋で財布用の袋でも見繕ってこようかな。まぁ実際に買うかどうかは値段次第なんですけどぉ。
銅板は初めて見たけれど、縦長の長方形で、直径は多分、日本の500円玉よりも大きい気がする。
500円玉って確か3センチ弱くらいだっけ?だとするなら銅板は3センチちょっとある感じか。
「いやぁ疲れました。結構倒したつもりだったんですけど、銀貨にも届かなかったのはちょっと凹みますね」
「はっ、1階層なんてそんなもんだ。
だが1階層回っただけでそんなバテバテになってるうちは、2階層に行こうなんて思うんじゃねぇぞ?効率よりも安全を優先するのが長生きの秘訣だ」
「えっと、これはただの好奇心なんですけど。やっぱり効率的には、2階層に行った方が稼ぎやすいものなんですか?」
オーサンは少し悩むように顎を撫でながら、
「いや一概にそうだとも言えんな。
2階層の迷宮ネズミのドロップは魔導具を作る際に用いられる『魔法石』の1番純度の低い奴で、1つ7リーフで買い取っている。だから単価で言えば圧倒的に効率は良くなる。だが効率が良い分、2階層を回っている冒険者は少なくない。
戦闘力に自信のない奴が活動できるのは2階層までだ。3階層からは本格的に戦闘をこなす必要が出てくるからな。
1階層で稼ぐには効率が悪く、3階層に行くほどの力も無い、そんな奴らが2階層に溜まっちまってる。1階層みたいに貸し切り状態と言うわけには行かないだろうし。
休まずに動けるなら、1日あたりの稼ぎは1階層の方が多くなるかもしれん。まぁどうしたって効率は悪いだろうが」
ふむ、MMORPGでも良く遭遇した『効率の良い狩場の取り合い』が起こるわけか。
そりゃ誰だって効率よく楽して稼ぎたいよね。俺だって楽したいよホント。
「それじゃ新人の俺はまた、1階層回ってくるとしますかね」
「おいおい、初日から無理してぶっ倒れんじゃねぇぞ?実力ってのは一足飛びには伸びないんだぜ」
「あー、俺もゆっくりしたいんですけどねぇ。
残念ながら金銭的な理由で、馬車馬の如く働かねばならんのですよ」
「はっ、貧乏暇なしってか?金がねぇなら精々頑張って稼ぐんだな」
「へいへい。またあとで来ますんで宜しくです」
冒険者ギルドを出て、迷宮に行く前にもう一度雑貨屋による。
朝に買ったのと同じ袋をもう1つ購入し、加えて皮製の水筒を購入した。
本日二度目の来店と言うことで、水筒の中身の飲料水はサービスしてもらった。
お値段は合計で50リーフ。残金は22リーフ。……まぁ黒字になっただけありがたいと思わなければ。
雑貨屋を出て、迷宮に向かいながらサンドイッチをもぐもぐする。やっぱり迷宮の安らぎ亭のご飯は美味しいなぁ。
余裕を含めて1日銀貨3枚以上稼げれば、あの宿を拠点に活動できるようになるかな。1日のノルマがマッドスライム150体か。多いんだか少ないんだかわからん。
迷宮1階層に戻ってきた。移動はジョギングのような、無理のないペースで小走り。
標的を見つけたら、ゴルフスイングの要領でぶん殴る。振り下ろしだと衝撃のフィードバックがキツいんすよね。
1度目の査定を思い返して、2つの袋が一杯になるまで粘土を集めれば、大体70個前後になるはずとあたりをつける。
3往復すれば確実にノルマ達成だね。うん余裕余裕。勿論棒読み。
どのくらい時間が経ったのか分からないが、2つの袋が一杯になった。換金のために外に出ると夕暮れ時だった。
う~ん、まだ迷宮の安らぎ亭に泊まれるほどの所持金は無いんだよなぁ。今日のところは徹夜も視野に入れて迷宮に篭るとしますかね。
冒険者ギルドは緊急事態に備える意味で、常時閉まる事なく営業しているのは確認済み。いつでも買取にも対応してくれるらしい。
その後ひたすらギルドと迷宮を往復して、次の日の夕方までに、追加で4往復した。
63体、66体、68体、70体、68体、合計335体分の粘土を納品し670リーフを受け取った俺は、その足で迷宮の安らぎ亭に連泊を申し入れ、夕飯を取った後は泥のように眠るのだった。
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