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2章 強さへの道標
029 レッサーゴブリン戦
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深く息を吐き出し、心を落ち着ける。
顔を上げて前を睨み、レッサーゴブリンの集団に向かって全力で走る!
流石に俺に気付いたようだが、突然の奇襲にまだ戸惑っている。
ビビるな突っ込め!!!
「うおおおお、っらぁ!」
わざと集団の中を突っ切って、奥に居た1体の頭めがけて、走った勢いそのままに石斧を振り下ろす!
流石に狙いを外してしまい、首の付け根辺りに命中する。
ゴキリと硬いものを砕いた感触が伝わってくる。手応えはあった。
生死の確認は後回し、すぐさま殴った個体の後ろ側まで移動し、ここで振り返る。
これで俺と2人で、この集団を挟んだ形になる。
更に俺に注意を向ければ向けるほど、2人の奇襲の成功率は跳ね上がる。
「あああああああああああああ!!!」
とりあえず注意さえ引ければ何でも良いと、興奮に任せて思い切り叫んでやる。これで他の集団を引き寄せてしまったらどうしよう。
どこか、変に冷めた自分の思考を不思議に思いつつも、敵の状態を確認する。
ようやく自分たちが攻撃を受けたことを理解したらしく、全員が俺のほうに怒りと殺意を向けて、ギャアギャアギィギィ煩く喚いている。
殴った個体は激しく痙攣しながら地面に倒れているものの、まだ融けていないので仕留めそこなったようだ。
ならば利用させてもらう!
「っせい!」
魔物共が行動を起こす前に素早く近寄り、痙攣している個体にもう一度石斧を振り下ろす!
殴った関係上、結局一番近くに居た個体なのだから追撃は簡単だ。
特に狙いをつけなかったが、ちょうど胴体の真ん中辺りに石斧がめり込んだ。
すぐさま武器を引き抜き後ろに下がる。融けた。
どうやら仕留められた模様。
今の一撃で、完全に怒り心頭という感じで、やはりギャアギャアと煩く鳴きながら、全員で俺に突っ込んできた。
ここまでは予定通り。油断せず全体を見ろ。残り6体。
囲まれたら危険なので無理は禁物だが、オーサンとの模擬戦のおかげか、相手の動きがかなり遅く感じる。
とりあえず先頭の個体の頭部目掛けて、石斧をフルスイング!
狙い通りに命中し、そのままの勢いで頭が千切れてしまった。
おおぅスプラッタ。残り5体。
次の攻撃は間に合いそうもなかったので、防御に専念する。
飛び掛ってきた個体を避けつつ、その後ろから走ってきたヤツに前蹴りを入れて、転ばせる。こっちくんな。
2人が走ってくる姿が見えた。到着まで、あと数秒って所か。
横から飛びかかって来たヤツが居たので、バックブローの真似事をして、右腕のアームガードの部分で殴りつける。
殴られつつも腕に抱きついて、俺を引き倒そうとしてくる。
ちっ、これが人型魔物の動きか。
まさしく足手まといだが体重が軽いのが救いか。
1体が抱きついたことで勝機とみたのか、残りも一斉に飛びついてくる。石斧と魔物1匹抱えたままじゃ動き辛いな。石斧を手放す。
右腕を持ち上げ、抱きついているヤツを逆に盾にして、更なる飛び付きを防ぐ。
その後方で、2人が攻撃を開始したのが見える。これで俺の負担は激減する。
追撃を避けるため後ろに下がりつつ、左足の短剣を抜いて、右手に抱きついているヤツの首を、掻っ捌くように切り払う。
驚いて右手から離れたので、こいつも蹴り倒してバックステッ「そいつで最後だ!」プするのはやめて、短剣を逆手に持ち直し、倒れるように体重をかけて、蹴り倒した個体の胴体に短剣を突き立てる。
ギィィィ……と低い呻き声をあげて融け始める。
これで終わり。
……ふうぅ。
とりあえずは戦闘終了だ。
「増援の気配はないか?」
言いながら、落とした石斧を回収して自分でも周囲を見渡してみる。あの煩い鳴き声も聞こえないし、増援はなさそうか。
「大丈夫そうだね。リーンは一応そのまま周囲を警戒しておいて。
トーマ、僕らでドロップアイテムを回収しよう」
「了解。リーン頼んだ」
「はいはーい」
レッサーゴブリンを倒した場所には、白いキューブのようなものが落ちていた。大きさ的にはテニスボールくらいかな?粘土と比べると小さい。これがレッサーフラワー、亜麦粉なのか。
粘土もなぜかカッチカチだったし、これもどう見ても粉じゃねぇな。ドロップアイテムを原則冒険者ギルドに卸す理由って、なにか特別な処理が必要だからなのかも?
7つのキューブを回収し、短剣を布で軽く拭き取ってから、鞘に収める。
使いたくなかったけど、初戦から使ってしまったぜ。
「とりあえず初戦お疲れさん。2人の殲滅が早くて助かったぜ。右腕に抱きつかれたときは、ちょっと焦っちまった」
「トーマもお疲れ様。こっちこそトーマのおかげでかなり楽だったよ」
「おつかれー。トーマはだいじょぶだった?」
「センパイのおかげでなんともないよ。
いやぁ1人だったらマジで3階層で戦える自信ないわ」
「それこそお互い様だけどね。僕らも2人でここを攻略するのは、かなり難しかったと思う」
「あまりピンとこなかったけど、両腕があるってだけで、取れる行動がめちゃくちゃ増えるんだな。
全体を見るよう注意してたつもりだけど、抱きつかれたあたりから、余裕なくなっちまったし。
数ってのは、それだけで単純に脅威だな」
「そうだね。僕たちは3人しかいない。この階層では常に、数的に不利な戦いが続くことを覚悟しないと」
初戦は完璧な勝利を収めることが出来たが、数が多いってことは、それだけ事故が起こる可能性が高まるってことでもある。
決して油断するわけには行かない。
「しかし経験者や専門家の意見は、やっぱりちゃんと聞くべきだな。
言われた通りに一応とはいえ全身に防具揃えてきたおかげで、無傷で済んだわ」
「トーマばかりに危険な役をさせてしまうのは申し訳ないけれど、引き付け役が綺麗に嵌れば、かなり強力な奇襲が成功するのは実証できたね」
「トーマ、無理してないー?」
「大丈夫だって。怪我したらすぐ言うぞ俺は。
さて、レッサーゴブリンの印象は、耐久力はネズミより下、動きの速さは同じくらい、噛み付きよりも、両腕を使った張り付きが厄介って所か。他に何か感じたこととかある?」
2人はちょっと考えるように腕を組んだ。
「んー、小さい分ダガーでも致命傷になりやすいから、私にはネズミよりも戦いやすかったかなー?」
「僕は特に何も。やっぱり厄介なのは、集団であることと、常に増援の危険性があることだね。
個体としての能力なら、ネズミの方が全然上だろうね。特に耐久力には大きな差がありそうだったよ。奇襲が嵌ったとはいえ、ショートソードで一撃で倒せたし」
「総合的な感想としてはどうだ?俺は、決して油断は出来ないけれど、この階層でも戦っていけると感じたよ。2人は?」
俺が囮役に慣れれば、更に安定感が増すはずだ。そのためにも今は戦闘経験を積みたい。
「僕も同じだね。3人なら気を抜かなければ、危険は少ないと思う」
「私もだいじょぶだと思った!」
「じゃあこのまま続けるか?」
「うん、続けようか。トーマの負担が一番大きいと思うから、トーマが疲労を感じたら街に戻ろう」
「トーマ?無理しちゃだめだからねっ」
「しないしない。センパイに嘘なんて言いませんって」
ベイクの冒険者にとって、最初にぶつかる3階層の壁は、無事に乗り越えることが出来たと言って良いだろう。
1人だったら、まだ黙々とマッドスライム狩り続けてたんだろうな。
2人に出会ってからは、本当に毎日が充実している。
仲間ってのは良いもんだ。
顔を上げて前を睨み、レッサーゴブリンの集団に向かって全力で走る!
流石に俺に気付いたようだが、突然の奇襲にまだ戸惑っている。
ビビるな突っ込め!!!
「うおおおお、っらぁ!」
わざと集団の中を突っ切って、奥に居た1体の頭めがけて、走った勢いそのままに石斧を振り下ろす!
流石に狙いを外してしまい、首の付け根辺りに命中する。
ゴキリと硬いものを砕いた感触が伝わってくる。手応えはあった。
生死の確認は後回し、すぐさま殴った個体の後ろ側まで移動し、ここで振り返る。
これで俺と2人で、この集団を挟んだ形になる。
更に俺に注意を向ければ向けるほど、2人の奇襲の成功率は跳ね上がる。
「あああああああああああああ!!!」
とりあえず注意さえ引ければ何でも良いと、興奮に任せて思い切り叫んでやる。これで他の集団を引き寄せてしまったらどうしよう。
どこか、変に冷めた自分の思考を不思議に思いつつも、敵の状態を確認する。
ようやく自分たちが攻撃を受けたことを理解したらしく、全員が俺のほうに怒りと殺意を向けて、ギャアギャアギィギィ煩く喚いている。
殴った個体は激しく痙攣しながら地面に倒れているものの、まだ融けていないので仕留めそこなったようだ。
ならば利用させてもらう!
「っせい!」
魔物共が行動を起こす前に素早く近寄り、痙攣している個体にもう一度石斧を振り下ろす!
殴った関係上、結局一番近くに居た個体なのだから追撃は簡単だ。
特に狙いをつけなかったが、ちょうど胴体の真ん中辺りに石斧がめり込んだ。
すぐさま武器を引き抜き後ろに下がる。融けた。
どうやら仕留められた模様。
今の一撃で、完全に怒り心頭という感じで、やはりギャアギャアと煩く鳴きながら、全員で俺に突っ込んできた。
ここまでは予定通り。油断せず全体を見ろ。残り6体。
囲まれたら危険なので無理は禁物だが、オーサンとの模擬戦のおかげか、相手の動きがかなり遅く感じる。
とりあえず先頭の個体の頭部目掛けて、石斧をフルスイング!
狙い通りに命中し、そのままの勢いで頭が千切れてしまった。
おおぅスプラッタ。残り5体。
次の攻撃は間に合いそうもなかったので、防御に専念する。
飛び掛ってきた個体を避けつつ、その後ろから走ってきたヤツに前蹴りを入れて、転ばせる。こっちくんな。
2人が走ってくる姿が見えた。到着まで、あと数秒って所か。
横から飛びかかって来たヤツが居たので、バックブローの真似事をして、右腕のアームガードの部分で殴りつける。
殴られつつも腕に抱きついて、俺を引き倒そうとしてくる。
ちっ、これが人型魔物の動きか。
まさしく足手まといだが体重が軽いのが救いか。
1体が抱きついたことで勝機とみたのか、残りも一斉に飛びついてくる。石斧と魔物1匹抱えたままじゃ動き辛いな。石斧を手放す。
右腕を持ち上げ、抱きついているヤツを逆に盾にして、更なる飛び付きを防ぐ。
その後方で、2人が攻撃を開始したのが見える。これで俺の負担は激減する。
追撃を避けるため後ろに下がりつつ、左足の短剣を抜いて、右手に抱きついているヤツの首を、掻っ捌くように切り払う。
驚いて右手から離れたので、こいつも蹴り倒してバックステッ「そいつで最後だ!」プするのはやめて、短剣を逆手に持ち直し、倒れるように体重をかけて、蹴り倒した個体の胴体に短剣を突き立てる。
ギィィィ……と低い呻き声をあげて融け始める。
これで終わり。
……ふうぅ。
とりあえずは戦闘終了だ。
「増援の気配はないか?」
言いながら、落とした石斧を回収して自分でも周囲を見渡してみる。あの煩い鳴き声も聞こえないし、増援はなさそうか。
「大丈夫そうだね。リーンは一応そのまま周囲を警戒しておいて。
トーマ、僕らでドロップアイテムを回収しよう」
「了解。リーン頼んだ」
「はいはーい」
レッサーゴブリンを倒した場所には、白いキューブのようなものが落ちていた。大きさ的にはテニスボールくらいかな?粘土と比べると小さい。これがレッサーフラワー、亜麦粉なのか。
粘土もなぜかカッチカチだったし、これもどう見ても粉じゃねぇな。ドロップアイテムを原則冒険者ギルドに卸す理由って、なにか特別な処理が必要だからなのかも?
7つのキューブを回収し、短剣を布で軽く拭き取ってから、鞘に収める。
使いたくなかったけど、初戦から使ってしまったぜ。
「とりあえず初戦お疲れさん。2人の殲滅が早くて助かったぜ。右腕に抱きつかれたときは、ちょっと焦っちまった」
「トーマもお疲れ様。こっちこそトーマのおかげでかなり楽だったよ」
「おつかれー。トーマはだいじょぶだった?」
「センパイのおかげでなんともないよ。
いやぁ1人だったらマジで3階層で戦える自信ないわ」
「それこそお互い様だけどね。僕らも2人でここを攻略するのは、かなり難しかったと思う」
「あまりピンとこなかったけど、両腕があるってだけで、取れる行動がめちゃくちゃ増えるんだな。
全体を見るよう注意してたつもりだけど、抱きつかれたあたりから、余裕なくなっちまったし。
数ってのは、それだけで単純に脅威だな」
「そうだね。僕たちは3人しかいない。この階層では常に、数的に不利な戦いが続くことを覚悟しないと」
初戦は完璧な勝利を収めることが出来たが、数が多いってことは、それだけ事故が起こる可能性が高まるってことでもある。
決して油断するわけには行かない。
「しかし経験者や専門家の意見は、やっぱりちゃんと聞くべきだな。
言われた通りに一応とはいえ全身に防具揃えてきたおかげで、無傷で済んだわ」
「トーマばかりに危険な役をさせてしまうのは申し訳ないけれど、引き付け役が綺麗に嵌れば、かなり強力な奇襲が成功するのは実証できたね」
「トーマ、無理してないー?」
「大丈夫だって。怪我したらすぐ言うぞ俺は。
さて、レッサーゴブリンの印象は、耐久力はネズミより下、動きの速さは同じくらい、噛み付きよりも、両腕を使った張り付きが厄介って所か。他に何か感じたこととかある?」
2人はちょっと考えるように腕を組んだ。
「んー、小さい分ダガーでも致命傷になりやすいから、私にはネズミよりも戦いやすかったかなー?」
「僕は特に何も。やっぱり厄介なのは、集団であることと、常に増援の危険性があることだね。
個体としての能力なら、ネズミの方が全然上だろうね。特に耐久力には大きな差がありそうだったよ。奇襲が嵌ったとはいえ、ショートソードで一撃で倒せたし」
「総合的な感想としてはどうだ?俺は、決して油断は出来ないけれど、この階層でも戦っていけると感じたよ。2人は?」
俺が囮役に慣れれば、更に安定感が増すはずだ。そのためにも今は戦闘経験を積みたい。
「僕も同じだね。3人なら気を抜かなければ、危険は少ないと思う」
「私もだいじょぶだと思った!」
「じゃあこのまま続けるか?」
「うん、続けようか。トーマの負担が一番大きいと思うから、トーマが疲労を感じたら街に戻ろう」
「トーマ?無理しちゃだめだからねっ」
「しないしない。センパイに嘘なんて言いませんって」
ベイクの冒険者にとって、最初にぶつかる3階層の壁は、無事に乗り越えることが出来たと言って良いだろう。
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