異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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2章 強さへの道標

042 4階層の攻略法

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「あ、私の暗視が切れたよ!」


 34体ほどシャドウボアを狩ったところでタイムアップ。

 急いで3階層まで戻り、なんとか俺とシンの暗視が切れる前に3階層に戻ってこれた。退却の判断も問題なさそうかな。

 んー、体感的には今まで3階層で荷物一杯になるまで戦ってた時間よりは、暗視の効果時間のが長い感じか。

 日本に居たときは時計が煩わしくて仕方なかったっていうのに、こっちに来てからはことあるごとに時計が必要になるってんだから困ったもんだ。



「……お前ら今日が4階層初挑戦だよな?」


 なんかオーサンが引いてるけど知らん。早く報酬おくれ、はりーはりー。

 レッサーフラワーと合わせて2260リーフなり。1回の探索で1日分の魔法薬代を上回ってしまったな。3階層で足踏みしてる意味とか一切なかったわ。


「お前らなら4階層で問題なく戦えるとは思っていたが、全体的に火力不足だとも思ってたんだがな。まさか初日でこんなに狩ってくるとは思わなかった。お前らのこと舐めてたかな?」

「ねぇねぇ聞いてよオーサン!トーマがね、すごかったんだよー!」


 センパイに褒めて頂き恐悦至極です。

 ただ凄いっていうかズルいっていう感じかもしれないな。いやズルではないんだけど、罪悪感があるっていうか。





「1つ試してみて良いか?」


 3回ほどシャドウボアと戦った後、俺には1つ思いついたことがあった。スリングショットだ。

 今まで1度も実戦で運用したことがなかったので、この機会に1度、実戦で動く相手に試してみたかったのだ。連日の練習のおかげで、止まってる的になら外す事はなくなってきたしね。


 砲丸投げに使う鉄球のような、ごっついダーティストーンを弾丸として、敵が20メートル以内くらいに入ったところで発射。
 初弾は見事にシャドウボアの顔面に命中した。そして勢いそのまま頭蓋骨を陥没させ、シャドウボアを一撃で落としてしまったのだった。


 ……あ、あれ~?4階層の魔物がこんな簡単に狩れて良いんだろうか……。


 その後も2人に断った上でスリングショットによる射撃を試してみたのだが、それはもう面白いほど効率的な狩りになってしまいました。

 シャドウボアって巨体だから的がでかいし、近くの相手に真っ直ぐ突っ込んでくるから的が狙いやすいし、全力で突っ込んでくるからカウンター気味に射撃が決まってしまうし、多少外してもかなりのダメージが入るしと、まさにスリングショット大活躍ってやつだったのだ。

 そして相手に命中した弾丸は相手にめり込んで止まり、倒したら相手は融けてしまうので、弾丸の回収も容易だった。

 なるほどぉ~完璧な弾丸回収っすねぇ~。俺の生理的嫌悪感に目を瞑ればよぉ~!


 2体同時に来られたり後方から襲ってきたりするシーンもあったので、流石に全てをスリングショットだけで済ませるのは無理だったけれど、思わぬところでスリングショットが役に立って大満足だった。



「はぁ……。と、とりあえず練習が役立って良かったじゃねぇか、なぁ!」

「なんでフォローされてる形になってんの?俺別になんも問題起こしてないよね?」


 一瞬、他の2人に経験値が入ってない可能性もあるかと思ったけれど、シンに聞いたら「それなら弓や魔法なんてもっと長距離攻撃だから、そんな事実があるならもっと嫌われているはず」と諭された。確かにね。


「ふむ、そんなに簡単に倒せちまうなら、何日か4階層で慣らしたら5階層に上がっちまったほうが良いな。4階層もお前らにはもう適正な狩場じゃねぇ気がするわ」


 まさかの4階層卒業のお知らせ。今までスローペースでじっくり進んできたから新鮮だな。


 2度目の探索では37体、3度目は35体仕留めて、1回目の34体と合わせて、本日シャドウボアだけで106体、6360リーフの稼ぎを叩きだしてしまった。
 そこに3階層のドロップが少し含まれているので、実際は更にもう少し多い。

 報酬的にも問題ないので、3日くらい回って見て、大丈夫そうなら5階層に進むことに決める。

 明日の分はもう頼んであるので下級ポーションで行くが、4階層のうちに1度、中級ポーションを試すことも決めた。
 5階層に向かうのであれば、往復の際にも暗視効果が必要になるため、初級ポーションの連続使用するよりも、いっそ中級を使って探索したほうが良いのではないか、という結論に至ったのだ。

 1日1回の服用で済む中級ポーションならば、携帯している魔法薬を壊してしまうというリスクもなくなるわけだしね。

 迷宮攻略のペースが上がるということは、俺たちの地力が上がってきている何よりの証明と言えるだろう。
 転移直後こそ全く余裕がない状態が続いて何もかも手探りだったものの、ようやく基礎的な戦闘力がしっかりと身についてきたようだ。

 まだまだ駆け出しの9等級冒険者だ。なんとか最底辺を脱しただけというところだろう。
 それでも、自分の成長を実感できるというのはとても嬉しいものだ。

 今の目標は迷宮の攻略を進めること。
 将来的な目標はオーサンをぶっ倒すことかな。


 そこまで出来れば自衛としては充分だろう。
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