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5章 カルネジア・ハロイツァ
109 色々解説回①
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「それにしても、1日で行って帰ってこれるくらいシャンダリアって近いの?」
と言ったら、トルネにアホの子を見る目で見られた。
どうやら何か認識の齟齬があるようだ。
話を聞いてみると、空間魔法の『長距離移動』を使って都市間を移動できるらしい。
ワープあるんかぁーい!
ただし非常に出難いらしく、治療魔法と並んで、最高級の希少性を誇っているらしい。
あれ?ゲートがあるなら行商とかなぜあるの?と思ったが、ゲートの希少性と使用制限のせいで、気軽に使えないってことがわかった。
まず希少性の高さから使い手が少ない。
そして使用する際の消費魔力が、かなり大きいらしい。
それゆえに、利用料金がべらぼうに高いのだ。
ゲートはあくまで移動用の魔法であって、運搬魔法ではないという縛りなのか、自分で運搬できる荷物以外は、なぜかゲートの適用外になるらしいこと。
リュック等は大丈夫らしいが、荷車や馬車などはゲートの適用外に判定されるらしい。
また、転移する質量?容量?によって消費魔力が加算されていくらしく、兵を100人を送り込んで奇襲だ!みたいなことも出来ないらしい。
更にゲートは、『転移結晶』と呼ばれる大きな転移専用の魔導具?付近にしか現れることが出来ず、ターミナルの製造・設置などの管理は、国がかなり厳しく取り締まっているそうだ。
カルマさんやトルネがぽんぽん気軽にゲートを使えるのは、カルネジア家にお抱えのゲート魔法使いがいるかららしい。さすがは大貴族家である。
長距離転移魔法かぁ。
ロマンしかない魔法だけれど、悪用されると手がつけられないからか、物凄く厳格な縛りをつけられてるなぁ。
そんなわけで、リヴァーブ王国では物資の運搬等を含めて、行商人は割とポピュラーな職業のようだった。
「生活魔法は、単体で考える必要はないんだったなぁ」
照明魔法の使い方を色々考えていたら、熱魔法を組み合わせることで、光に暖かさを乗せることができることがわかった。
照明魔法は設置型魔法でもあるので、これって農業とかするときに使えるんじゃないだろうか?
って、そういえばリヴァーブ王国での農業の扱いってどうなってるんだ?
リヴァーブ王国では、迷宮から取れる資源として、肉とパンが主食として流通している。
そして迷宮では香辛料や調味料は出るものの、基本的に野菜や果物は入手できないらしい。
魔物の被害を減らすためなのか、リヴァーブ王国の中心地に、大規模な農地が作られているそうで、野菜はほぼ100%中央農地産らしい。
おかげで肉やパンは銅貨で買えるのに、野菜や果物に至っては銀貨に至る物すらある。
そういえばリーンは初めて会った日に、迷宮の安らぎ亭の食事に野菜が沢山入ってる、ってはしゃいでた気がする。
この世界で農業すれば無双できるのかもしれないが、残念ながら俺に農業の知識はない。
農業している誰かの手伝いをするのが、関の山だろうなぁ。
「ハロイツァがこれから送られるらしい『前線』って?」
リヴァーブ王国の面積はいまいち分かってないのだが、リヴァーブ王国は領地というか国境を全て、強固な壁で覆っているらしい。なんかどっかで聞いたことありますねぇ?
その国境の中でも、現在領土を広げるために、魔物を掃討し続けている場所の事を前線と呼ぶらしく、そこでの戦いは熾烈を極めるものとなっているそうだ。
神がそう設定したのか、この世界の住人が頑張ったのかわからないが、リヴァーブ王国の歴史は、会話が通じる種族同士が手を取り合って、魔物を退け始めたことに端を発する。
しかし魔物の力はあまりにも強大で、対する人の力はあまりにも脆弱。
日に日に衰退の一途を辿る人類連合に、なんやかんやと神様が力を貸してくれたらしい。
美人双子姉妹のラーゼリア様、リーゼリア様なんかも、そのタイミングで登場する。
魔物への対抗手段を得て、魔物や迷宮の利用価値を知った人類連合は、安全のために自分たちの住処を、強固な壁で覆うようになった。
始めは小さな村程度だった領土は、人が増え、戦力が増えるたびに少しずつ拡張され、今もまた少しずつではあるが拡張され続けている、という話だった。
リヴァーブ王国は現在領土が不足しているわけではないが、領土の広さは国民の人口に直結するわけだから、国としては少しずつでも拡張を続けているらしい。
なら困窮している子供達を何とかしたほうがいい、というかその方が手っ取り早い気がするんだけどねぇ。
「んー……。認識の違いなんだろうか?」
俺以外に3人にも、生活魔法の訓練は続けてもらっているけれど、どうも上達具合が芳しくない。
音魔法を使った消音バリアは、みんな結構使えるようになり始めてるんだけど、あまり運用に自由度を感じられない。
例えば生活魔法なら、無詠唱で体の何処からでも発動させることが出来るのだが、そもそもその段階からして3人は躓いてしまう。
照明魔法に干渉して、明度を操作するのもイメージできないらしい。これはなぜなんだろう。
リンカーズでの生活が長く、生活魔法はこういうもの、という固定観念のせいなのか、転移者と現地人とでは魔法のシステム自体に、どこか差異があるのか……。
前者であれば訓練次第で改善できる可能性は出てくるが、後者であればいくらやっても意味はない。
……もしも後者であったなら、生活魔法は俺だけのユニークスキルとなりえるかもしれない。油断は禁物だが。
「もし生活魔法を自在に操れるのが俺だけだとしたら、この世界の人が出来ないと思っていることを実現する鍵を握るのは、やっぱり生活魔法な気がする……」
この世界の人が出来ないと思っていること。奴隷印の消去。
消し去り方のイメージは固まってきたが、多分まだ成功しない。
まずは2人の犯罪奴隷契約を解消する必要がある。
奴隷印の消去かぁ。
もし出来たとしたら、厄介事を呼び込みそうでうんざりするなぁ。
ま、まだ消せると決まったわけでもなし、今から悩んでも仕方ないか。
と言ったら、トルネにアホの子を見る目で見られた。
どうやら何か認識の齟齬があるようだ。
話を聞いてみると、空間魔法の『長距離移動』を使って都市間を移動できるらしい。
ワープあるんかぁーい!
ただし非常に出難いらしく、治療魔法と並んで、最高級の希少性を誇っているらしい。
あれ?ゲートがあるなら行商とかなぜあるの?と思ったが、ゲートの希少性と使用制限のせいで、気軽に使えないってことがわかった。
まず希少性の高さから使い手が少ない。
そして使用する際の消費魔力が、かなり大きいらしい。
それゆえに、利用料金がべらぼうに高いのだ。
ゲートはあくまで移動用の魔法であって、運搬魔法ではないという縛りなのか、自分で運搬できる荷物以外は、なぜかゲートの適用外になるらしいこと。
リュック等は大丈夫らしいが、荷車や馬車などはゲートの適用外に判定されるらしい。
また、転移する質量?容量?によって消費魔力が加算されていくらしく、兵を100人を送り込んで奇襲だ!みたいなことも出来ないらしい。
更にゲートは、『転移結晶』と呼ばれる大きな転移専用の魔導具?付近にしか現れることが出来ず、ターミナルの製造・設置などの管理は、国がかなり厳しく取り締まっているそうだ。
カルマさんやトルネがぽんぽん気軽にゲートを使えるのは、カルネジア家にお抱えのゲート魔法使いがいるかららしい。さすがは大貴族家である。
長距離転移魔法かぁ。
ロマンしかない魔法だけれど、悪用されると手がつけられないからか、物凄く厳格な縛りをつけられてるなぁ。
そんなわけで、リヴァーブ王国では物資の運搬等を含めて、行商人は割とポピュラーな職業のようだった。
「生活魔法は、単体で考える必要はないんだったなぁ」
照明魔法の使い方を色々考えていたら、熱魔法を組み合わせることで、光に暖かさを乗せることができることがわかった。
照明魔法は設置型魔法でもあるので、これって農業とかするときに使えるんじゃないだろうか?
って、そういえばリヴァーブ王国での農業の扱いってどうなってるんだ?
リヴァーブ王国では、迷宮から取れる資源として、肉とパンが主食として流通している。
そして迷宮では香辛料や調味料は出るものの、基本的に野菜や果物は入手できないらしい。
魔物の被害を減らすためなのか、リヴァーブ王国の中心地に、大規模な農地が作られているそうで、野菜はほぼ100%中央農地産らしい。
おかげで肉やパンは銅貨で買えるのに、野菜や果物に至っては銀貨に至る物すらある。
そういえばリーンは初めて会った日に、迷宮の安らぎ亭の食事に野菜が沢山入ってる、ってはしゃいでた気がする。
この世界で農業すれば無双できるのかもしれないが、残念ながら俺に農業の知識はない。
農業している誰かの手伝いをするのが、関の山だろうなぁ。
「ハロイツァがこれから送られるらしい『前線』って?」
リヴァーブ王国の面積はいまいち分かってないのだが、リヴァーブ王国は領地というか国境を全て、強固な壁で覆っているらしい。なんかどっかで聞いたことありますねぇ?
その国境の中でも、現在領土を広げるために、魔物を掃討し続けている場所の事を前線と呼ぶらしく、そこでの戦いは熾烈を極めるものとなっているそうだ。
神がそう設定したのか、この世界の住人が頑張ったのかわからないが、リヴァーブ王国の歴史は、会話が通じる種族同士が手を取り合って、魔物を退け始めたことに端を発する。
しかし魔物の力はあまりにも強大で、対する人の力はあまりにも脆弱。
日に日に衰退の一途を辿る人類連合に、なんやかんやと神様が力を貸してくれたらしい。
美人双子姉妹のラーゼリア様、リーゼリア様なんかも、そのタイミングで登場する。
魔物への対抗手段を得て、魔物や迷宮の利用価値を知った人類連合は、安全のために自分たちの住処を、強固な壁で覆うようになった。
始めは小さな村程度だった領土は、人が増え、戦力が増えるたびに少しずつ拡張され、今もまた少しずつではあるが拡張され続けている、という話だった。
リヴァーブ王国は現在領土が不足しているわけではないが、領土の広さは国民の人口に直結するわけだから、国としては少しずつでも拡張を続けているらしい。
なら困窮している子供達を何とかしたほうがいい、というかその方が手っ取り早い気がするんだけどねぇ。
「んー……。認識の違いなんだろうか?」
俺以外に3人にも、生活魔法の訓練は続けてもらっているけれど、どうも上達具合が芳しくない。
音魔法を使った消音バリアは、みんな結構使えるようになり始めてるんだけど、あまり運用に自由度を感じられない。
例えば生活魔法なら、無詠唱で体の何処からでも発動させることが出来るのだが、そもそもその段階からして3人は躓いてしまう。
照明魔法に干渉して、明度を操作するのもイメージできないらしい。これはなぜなんだろう。
リンカーズでの生活が長く、生活魔法はこういうもの、という固定観念のせいなのか、転移者と現地人とでは魔法のシステム自体に、どこか差異があるのか……。
前者であれば訓練次第で改善できる可能性は出てくるが、後者であればいくらやっても意味はない。
……もしも後者であったなら、生活魔法は俺だけのユニークスキルとなりえるかもしれない。油断は禁物だが。
「もし生活魔法を自在に操れるのが俺だけだとしたら、この世界の人が出来ないと思っていることを実現する鍵を握るのは、やっぱり生活魔法な気がする……」
この世界の人が出来ないと思っていること。奴隷印の消去。
消し去り方のイメージは固まってきたが、多分まだ成功しない。
まずは2人の犯罪奴隷契約を解消する必要がある。
奴隷印の消去かぁ。
もし出来たとしたら、厄介事を呼び込みそうでうんざりするなぁ。
ま、まだ消せると決まったわけでもなし、今から悩んでも仕方ないか。
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