198 / 580
7章 更なる強さを求めて
174 目標
しおりを挟む
51階層へのフラグは立てておきたいので、そのまま50階層を探索する。
何度か戦闘をこなして分かったのは、グランドドラゴンが複数体同時に現れる可能性は低いということだ。今のところ単体でしか遭遇していない。
その代わりアサルトドラゴンやグランドタートルなんかの巨大な魔物は、複数体出ることも普通になった。
まぁな~、2階層でも複数体に遭遇するケースはあったわけだし、完全に無いと決め付けてしまうのは危険だとは思うけど……。グランドドラゴンが1体ずつしか出ないなら、50階層の探索も大変ではあるものの、危険度は想定よりも下がってくれたかな。
もうストレージもみんなの背嚢もいっぱいの状態なので、戦闘に参加していないハルに2つ背嚢を運んでもらっている。単価がでかいから、諦めて帰るの勿体ないんだよねぇ。
幸いハルは身体能力強化も覚えたおかげで、さほど負担には感じていないようだ。
地図で最短距離を確認しつつ、遭遇した魔物を殲滅し、51階層への階段を目指す。
「ふぅ、これで50階層も攻略完了だね」
シンが少し安心したように呟く。俺たちはようやく、51階層の入り口まで辿り着いた。
「装備を更新するまでは、50階層でスキルを獲得していくことになると思う。51階層に降りてみるけど、いつも通りすぐ帰るぞ」
全員で51階層への階段を下りる。
下りては見たものの、見た目には50階層と大差ないな。
「ここが、深階層域なんだねー……。まさか1年もかからずここまで来れるとは、流石に想像してなかったかなー……」
「全くですね。私もスキルを覚えたのでさえ最近だっていうのに、まさかもうここまで来れるなんて……」
「うん。私なんてまだこっちに来たのですら最近だからね?ほぼ引っ張ってもらっただけの私が、こんなところにいるのはちょっとだけ気まずいかな?」
もうハルは10階層くらいなら戦えるとは思うんだけどな、ちょっと攻略してる階層が合ってないせいであまり戦闘に参加させられてないだけで。
「俺たちがここに挑むのは、スキルにしろ装備にしろ、今より強くなってからになる。
当面は50階層で戦って力をつけるぞ。深階層域に挑むのを目標にしつつ、腕を磨こう」
「そうだね。特に僕は火力不足で役に立ててない。必ず力をつけて、深階層域では役に立ってみせるよ」
シンだけ魔物武器を持ってないのが痛いよな。攻撃範囲拡張が覚えられればシンの火力不足は解消できると思いたいところだが、『小』なのが気になるわ。
前向きに考えれば、中、大とこの先も攻撃範囲を拡張できるということだけど、後ろ向きに考えると、小だけにあまり効果が高くない可能性もある。
46~50階層の探索で得られたSPは300ちょっと。一気に跳ね上がったな。それだけの難易度だったってことだ。
「よし、とりあえず帰るか。今日はこの後も予定入ってるからな」
必ず強くなって深層階域に挑んでみせる。異風の旋律の目標だな。
最後にもう一度だけ51階層に目を向けてから、スキップを使用し迷宮を脱出した。
冒険者ギルドに戻り、買取と鑑定をお願いする。日没までには結構時間がありそうだな。救貧院に行く前に夕飯は済ませておくか?いや、食い物持ってったほうが印象良さそうだな。今はストレージもあるし。
みんなに、調理しなくても食べられる食材を適当に頼んだ。量を重視で!
「はぁ……。20階層で止まってた奴等が、たった3日で50階層突破してるってなんの冗談だよ?
いくらなんでも強くなるの早すぎねぇかお前ら?」
「まぁ色々あって、2回も大金を手に入れる機会があったからね。装備代を稼ぐ時間を短縮出来たってのはあると思うよ」
「正直言わせてもらうが、俺の最終到達階層は47階層なんだよ。50階層いってる奴等が6等級は流石におかしすぎる。お前ら昇級試験受けやがれ」
昇級ねぇ。俺は別に興味ないな。他のメンバーは昇級したければ自由にってことにしよう。
「それじゃスクロールを返すぞ。流石に深階層域直前だけあって、良い物が出始めてるようだな」
ほぅ?今まで取ったことないスクロールもあるのかな?どれどれ。
生活魔法のスクロールは大量だけど……、新しい物はないか。仲間とジーンさんたちに分けてもらおう。
攻撃魔法はウォータースフィアとストーンバレットか。っとまだあるな。なになに……。
火の壁。そして風の守りね。
ってついに防御魔法キターーーーー!しかも2本!いきなりかよ!もっと早く落ちてもいいのよ!
火属性のファイアウォールと、風属性のエアスクリーンか。ファイアウォールは防御能力が低い代わりに、多少の攻撃性能を持つ火の壁を生成することができて、エアスクリーンは風を巻き起こして飛び道具などを弾いてくれるらしい。防御能力はこちらも低めだが、視界を遮る事もなく、味方の長距離攻撃の阻害もしないのだとか。それに何と言っても炎系のブレスに強い!
初見の魔法なのでオーサンに解説してもらった。
「戻ったよトーマ。ストレージに仕舞ってもらえるかい?」
両手で大量のパンが入った袋を抱えているシンは、なんかちょっと可愛い気がするな。順次受け取ってストレージに詰めていく。
4人で両手いっぱいに買ってきた食べ物の量も、ストレージ先生は全部収納してくれた。ありがたやありがたや。
パンと焼いた肉が多めかな。まぁ安くて大量で調理済みっての食べ物ってなったらあまり選択肢はないか。
「そうそう。ついに防御魔法が出てくれたぞ。ファイアウォールとエアスクリーンが1個ずつだ」
「へぇ!それはいいね。特にエアスクリーンは、使い手の多いファイアブレスに強いから重宝しそうだよ。流石にグランドドラゴンのロックフォールを防ぐのは無理だと思うけどさ」
それはなぁ~。っていうか防御魔法で攻撃魔法を防げる気がしないんだが。攻撃魔法の威力的に。
「そっか。トーマとハルは知らないよね。
防御魔法は攻撃魔法や魔力スキルに対して、より強い防御性能を発揮するんだ。エアスクリーンでフレイムアローを逸らしたりも出来るって聞いたことがあるよ。
逆に、今後魔物が防御魔法を使ってきた場合は、魔法を使わず武器での攻撃で防御魔法を抜くのが手っ取り早いって言われてるね」
なるほど。伊達に防御魔法と名乗っているわけではないってことか。物理耐性も多少はあるみたいだけど、魔力的な攻撃に対する特効持ちなのね。そう考えると頼もしいな。
少しずつではあるけど確実に強くなってる。
待ってろよ深階層域!すぐに攻略してやるからな!
何度か戦闘をこなして分かったのは、グランドドラゴンが複数体同時に現れる可能性は低いということだ。今のところ単体でしか遭遇していない。
その代わりアサルトドラゴンやグランドタートルなんかの巨大な魔物は、複数体出ることも普通になった。
まぁな~、2階層でも複数体に遭遇するケースはあったわけだし、完全に無いと決め付けてしまうのは危険だとは思うけど……。グランドドラゴンが1体ずつしか出ないなら、50階層の探索も大変ではあるものの、危険度は想定よりも下がってくれたかな。
もうストレージもみんなの背嚢もいっぱいの状態なので、戦闘に参加していないハルに2つ背嚢を運んでもらっている。単価がでかいから、諦めて帰るの勿体ないんだよねぇ。
幸いハルは身体能力強化も覚えたおかげで、さほど負担には感じていないようだ。
地図で最短距離を確認しつつ、遭遇した魔物を殲滅し、51階層への階段を目指す。
「ふぅ、これで50階層も攻略完了だね」
シンが少し安心したように呟く。俺たちはようやく、51階層の入り口まで辿り着いた。
「装備を更新するまでは、50階層でスキルを獲得していくことになると思う。51階層に降りてみるけど、いつも通りすぐ帰るぞ」
全員で51階層への階段を下りる。
下りては見たものの、見た目には50階層と大差ないな。
「ここが、深階層域なんだねー……。まさか1年もかからずここまで来れるとは、流石に想像してなかったかなー……」
「全くですね。私もスキルを覚えたのでさえ最近だっていうのに、まさかもうここまで来れるなんて……」
「うん。私なんてまだこっちに来たのですら最近だからね?ほぼ引っ張ってもらっただけの私が、こんなところにいるのはちょっとだけ気まずいかな?」
もうハルは10階層くらいなら戦えるとは思うんだけどな、ちょっと攻略してる階層が合ってないせいであまり戦闘に参加させられてないだけで。
「俺たちがここに挑むのは、スキルにしろ装備にしろ、今より強くなってからになる。
当面は50階層で戦って力をつけるぞ。深階層域に挑むのを目標にしつつ、腕を磨こう」
「そうだね。特に僕は火力不足で役に立ててない。必ず力をつけて、深階層域では役に立ってみせるよ」
シンだけ魔物武器を持ってないのが痛いよな。攻撃範囲拡張が覚えられればシンの火力不足は解消できると思いたいところだが、『小』なのが気になるわ。
前向きに考えれば、中、大とこの先も攻撃範囲を拡張できるということだけど、後ろ向きに考えると、小だけにあまり効果が高くない可能性もある。
46~50階層の探索で得られたSPは300ちょっと。一気に跳ね上がったな。それだけの難易度だったってことだ。
「よし、とりあえず帰るか。今日はこの後も予定入ってるからな」
必ず強くなって深層階域に挑んでみせる。異風の旋律の目標だな。
最後にもう一度だけ51階層に目を向けてから、スキップを使用し迷宮を脱出した。
冒険者ギルドに戻り、買取と鑑定をお願いする。日没までには結構時間がありそうだな。救貧院に行く前に夕飯は済ませておくか?いや、食い物持ってったほうが印象良さそうだな。今はストレージもあるし。
みんなに、調理しなくても食べられる食材を適当に頼んだ。量を重視で!
「はぁ……。20階層で止まってた奴等が、たった3日で50階層突破してるってなんの冗談だよ?
いくらなんでも強くなるの早すぎねぇかお前ら?」
「まぁ色々あって、2回も大金を手に入れる機会があったからね。装備代を稼ぐ時間を短縮出来たってのはあると思うよ」
「正直言わせてもらうが、俺の最終到達階層は47階層なんだよ。50階層いってる奴等が6等級は流石におかしすぎる。お前ら昇級試験受けやがれ」
昇級ねぇ。俺は別に興味ないな。他のメンバーは昇級したければ自由にってことにしよう。
「それじゃスクロールを返すぞ。流石に深階層域直前だけあって、良い物が出始めてるようだな」
ほぅ?今まで取ったことないスクロールもあるのかな?どれどれ。
生活魔法のスクロールは大量だけど……、新しい物はないか。仲間とジーンさんたちに分けてもらおう。
攻撃魔法はウォータースフィアとストーンバレットか。っとまだあるな。なになに……。
火の壁。そして風の守りね。
ってついに防御魔法キターーーーー!しかも2本!いきなりかよ!もっと早く落ちてもいいのよ!
火属性のファイアウォールと、風属性のエアスクリーンか。ファイアウォールは防御能力が低い代わりに、多少の攻撃性能を持つ火の壁を生成することができて、エアスクリーンは風を巻き起こして飛び道具などを弾いてくれるらしい。防御能力はこちらも低めだが、視界を遮る事もなく、味方の長距離攻撃の阻害もしないのだとか。それに何と言っても炎系のブレスに強い!
初見の魔法なのでオーサンに解説してもらった。
「戻ったよトーマ。ストレージに仕舞ってもらえるかい?」
両手で大量のパンが入った袋を抱えているシンは、なんかちょっと可愛い気がするな。順次受け取ってストレージに詰めていく。
4人で両手いっぱいに買ってきた食べ物の量も、ストレージ先生は全部収納してくれた。ありがたやありがたや。
パンと焼いた肉が多めかな。まぁ安くて大量で調理済みっての食べ物ってなったらあまり選択肢はないか。
「そうそう。ついに防御魔法が出てくれたぞ。ファイアウォールとエアスクリーンが1個ずつだ」
「へぇ!それはいいね。特にエアスクリーンは、使い手の多いファイアブレスに強いから重宝しそうだよ。流石にグランドドラゴンのロックフォールを防ぐのは無理だと思うけどさ」
それはなぁ~。っていうか防御魔法で攻撃魔法を防げる気がしないんだが。攻撃魔法の威力的に。
「そっか。トーマとハルは知らないよね。
防御魔法は攻撃魔法や魔力スキルに対して、より強い防御性能を発揮するんだ。エアスクリーンでフレイムアローを逸らしたりも出来るって聞いたことがあるよ。
逆に、今後魔物が防御魔法を使ってきた場合は、魔法を使わず武器での攻撃で防御魔法を抜くのが手っ取り早いって言われてるね」
なるほど。伊達に防御魔法と名乗っているわけではないってことか。物理耐性も多少はあるみたいだけど、魔力的な攻撃に対する特効持ちなのね。そう考えると頼もしいな。
少しずつではあるけど確実に強くなってる。
待ってろよ深階層域!すぐに攻略してやるからな!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
388
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる