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7章 更なる強さを求めて
175 入社説明会?① 防御魔法
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訓練場にて防御魔法の性能実験だ!
みんなで話し合った結果、現状一番危険性が高いハルがエアスクリーンを、攻撃能力に不安があって、ハルの護衛も務めているシンがファイアウォールを覚えることになった。
「ファイアウォール!」
シンが魔法を放つ。やはり魔法名の発生は必要か。むしろ防御魔法なんだから仲間に声が届かない方が駄目か。
ファイアウォールは術者の前に高さ3メートルくらい、幅7~10メートルくらいの炎の壁を発生させる防御魔法だ。炎の壁なので防御効果はかなり低いが、なかなかの火力なので心理的に近寄り辛い。
防御魔法なので、物体に接触する形で発生させることは出来ないらしいが、魔物を分断させたいときなどには有効な手段になりそうだ。
「うん、まぁまぁの魔力消費だね。ストーンバレット3発分くらいは持っていかれた気がするよ。
ハルも多分大丈夫かな?毎日訓練してるし魔力増加も取ってるから、魔力切れは起こさないと思う」
「うん。じゃあ使ってみるね。もしもの時はシンが守ってね?それじゃ、エアスクリーン!」
シンとハルの前に、風の膜のような物が出来たのがわかる。スクリーン的に考えれば幕か?
「う……。結構消費するね。でも、うん。大丈夫。これだけで魔力切れまでは行かないみたい」
「ハルー。大丈夫そうだからいっくよー!フレイムアロー!」
リーンセンパイマジで容赦ねぇな!?
リーンから放たれたフレイムアローがエアスクリーンにぶつかると、フレイムアローは50度くらい角度を逸らされて、訓練場の壁に当たる直前で消滅した。
「おお、まじでフレイムアロー防げるみたいだな。これでハルの安全性がぐっと高まったわけだ」
ん?
感心していると、フレイムアローは防ぎきったのにハルが地面に片膝をついている。なにゆえ?
「うぅ……。どうやら防御魔法って、攻撃を防ぐと追加で魔力を消費するみたい……。
さほど多くはないみたいだけど、危なく魔力切れ起こすところだったわ……」
攻撃を防ぐ度に魔力消費かよ。また余計な縛りいれやがって、神様め。
まだ日没までには早い時間だったので、各自訓練して時間を潰す。
50階層で戦ってみて、自分たちの実力不足を痛感したからな。もっと強くならないと。
ちなみにウォータースフィアはシン、ストーンバレットはハルが覚えることになった。今回のスクロールで2人の強化が著しい。
日没前に栄光の運び手の子供達も訓練場にやってきた。そういえば説明して無かったわ。
それに加えてジーンさんたちにも連絡してねぇわ。日没前に俺らは自宅で食事したほうがいいな。
「洗浄洗浄洗浄ーっと。つうわけでみんな。今日は夕飯食べたら救貧院でカンパニーの説明を行う予定になってるんだ。お前らにも立ち会って欲しいんだけど構わないか?」
「え、もう次の奴等来るの?院に行くのは構わないけど、あの家にこれ以上人入れるの?」
「ん、ああそうか。新しく泊まれる所を用意したんだよ。30~40人くらいは新しく受け入れられると思う」
「ふ~ん?まぁ俺たちは何も問題ないよ。日が落ちれば寝るだけだし」
大所帯で冒険者ギルドから自宅へ移動。
家に帰って、既に用意してあった夕食をみんなで食べる。
「そうそう。ジーンさんとリンシアさんって生活魔法使えるの?」
「いや、僕たちは魔法は覚えてないよ。どうしてだい?」
「ああ、2人には余ったスクロールで生活魔法を覚えてもらおうと思ってね。迷宮に入らない2人には生活魔法しか渡せないけどさ」
「ちょちょ、ちょっと待ってトーマさん!そんな高価な物頂いても、私たちは返す物がないわ!」
なんか奴隷購入直後のシンの反応を思い出すな。何するにも遠慮してたよなぁ。
先ほどはファイアウォールとウォータースフィアの取得を立候補したり、大分打ち解けてきたんだなぁって思える。
「いや、これは必要経費だと思って受け取って欲しいんだ。
今後も新しく子供は受け入れる予定だし、実はこのあとに新しく受け入れる人たちへの説明を行う予定でね。早ければ明日にも、30人以上増えると思うんだ。
生活魔法があると、調理や掃除が一気に楽になるからね。2人に無理して動いてもらうよりも、効率的に動けるようになると思うんだ。2人に働いてもらうための備品だと思って、素直に受け取って欲しいんだけど」
「父さん母さん。私達にとって生活魔法のスクロールは、もうそれほど高価なものじゃないんだ。これから人が増えることを考えると、生活魔法を2人が覚えるのはとっても効率的なの。
トーマはねー。必ず打算がないと動かないのよ。生活魔法を覚えてもらうのも、トーマにとって必要なことだからなんだよー。だから素直に受け取って欲しいなー?」
渋る2人にリーンからの援護射撃。なんか出会ったころからリーンって要所要所で援護してくれてるような気がするな?多分狙ってやってるわけじゃないんだろうけど。
無事に生活魔法を覚えてもらうことに了承してもらえた。
いや確かに俺も始めはお金に苦労したから2人の気持ちも分からないでもないんだけど、今って5等分しても1回の探索の報酬が金板数枚クラスだからなぁ。生活魔法どころか攻撃魔法すら普通に買えるわけだしね。スクロール自体ボロボロ落ちるし、全く惜しくないんだよね実際。
さてこれからカンパニーへの入社説明会だな。
栄光の運び手を見て、こっちを信用してもらえるとスムーズなんだが、どうなるかは読めないな。
栄光の運び手と違って、面識のない相手を受け入れるってのは、ちょっと緊張するね。
みんなで話し合った結果、現状一番危険性が高いハルがエアスクリーンを、攻撃能力に不安があって、ハルの護衛も務めているシンがファイアウォールを覚えることになった。
「ファイアウォール!」
シンが魔法を放つ。やはり魔法名の発生は必要か。むしろ防御魔法なんだから仲間に声が届かない方が駄目か。
ファイアウォールは術者の前に高さ3メートルくらい、幅7~10メートルくらいの炎の壁を発生させる防御魔法だ。炎の壁なので防御効果はかなり低いが、なかなかの火力なので心理的に近寄り辛い。
防御魔法なので、物体に接触する形で発生させることは出来ないらしいが、魔物を分断させたいときなどには有効な手段になりそうだ。
「うん、まぁまぁの魔力消費だね。ストーンバレット3発分くらいは持っていかれた気がするよ。
ハルも多分大丈夫かな?毎日訓練してるし魔力増加も取ってるから、魔力切れは起こさないと思う」
「うん。じゃあ使ってみるね。もしもの時はシンが守ってね?それじゃ、エアスクリーン!」
シンとハルの前に、風の膜のような物が出来たのがわかる。スクリーン的に考えれば幕か?
「う……。結構消費するね。でも、うん。大丈夫。これだけで魔力切れまでは行かないみたい」
「ハルー。大丈夫そうだからいっくよー!フレイムアロー!」
リーンセンパイマジで容赦ねぇな!?
リーンから放たれたフレイムアローがエアスクリーンにぶつかると、フレイムアローは50度くらい角度を逸らされて、訓練場の壁に当たる直前で消滅した。
「おお、まじでフレイムアロー防げるみたいだな。これでハルの安全性がぐっと高まったわけだ」
ん?
感心していると、フレイムアローは防ぎきったのにハルが地面に片膝をついている。なにゆえ?
「うぅ……。どうやら防御魔法って、攻撃を防ぐと追加で魔力を消費するみたい……。
さほど多くはないみたいだけど、危なく魔力切れ起こすところだったわ……」
攻撃を防ぐ度に魔力消費かよ。また余計な縛りいれやがって、神様め。
まだ日没までには早い時間だったので、各自訓練して時間を潰す。
50階層で戦ってみて、自分たちの実力不足を痛感したからな。もっと強くならないと。
ちなみにウォータースフィアはシン、ストーンバレットはハルが覚えることになった。今回のスクロールで2人の強化が著しい。
日没前に栄光の運び手の子供達も訓練場にやってきた。そういえば説明して無かったわ。
それに加えてジーンさんたちにも連絡してねぇわ。日没前に俺らは自宅で食事したほうがいいな。
「洗浄洗浄洗浄ーっと。つうわけでみんな。今日は夕飯食べたら救貧院でカンパニーの説明を行う予定になってるんだ。お前らにも立ち会って欲しいんだけど構わないか?」
「え、もう次の奴等来るの?院に行くのは構わないけど、あの家にこれ以上人入れるの?」
「ん、ああそうか。新しく泊まれる所を用意したんだよ。30~40人くらいは新しく受け入れられると思う」
「ふ~ん?まぁ俺たちは何も問題ないよ。日が落ちれば寝るだけだし」
大所帯で冒険者ギルドから自宅へ移動。
家に帰って、既に用意してあった夕食をみんなで食べる。
「そうそう。ジーンさんとリンシアさんって生活魔法使えるの?」
「いや、僕たちは魔法は覚えてないよ。どうしてだい?」
「ああ、2人には余ったスクロールで生活魔法を覚えてもらおうと思ってね。迷宮に入らない2人には生活魔法しか渡せないけどさ」
「ちょちょ、ちょっと待ってトーマさん!そんな高価な物頂いても、私たちは返す物がないわ!」
なんか奴隷購入直後のシンの反応を思い出すな。何するにも遠慮してたよなぁ。
先ほどはファイアウォールとウォータースフィアの取得を立候補したり、大分打ち解けてきたんだなぁって思える。
「いや、これは必要経費だと思って受け取って欲しいんだ。
今後も新しく子供は受け入れる予定だし、実はこのあとに新しく受け入れる人たちへの説明を行う予定でね。早ければ明日にも、30人以上増えると思うんだ。
生活魔法があると、調理や掃除が一気に楽になるからね。2人に無理して動いてもらうよりも、効率的に動けるようになると思うんだ。2人に働いてもらうための備品だと思って、素直に受け取って欲しいんだけど」
「父さん母さん。私達にとって生活魔法のスクロールは、もうそれほど高価なものじゃないんだ。これから人が増えることを考えると、生活魔法を2人が覚えるのはとっても効率的なの。
トーマはねー。必ず打算がないと動かないのよ。生活魔法を覚えてもらうのも、トーマにとって必要なことだからなんだよー。だから素直に受け取って欲しいなー?」
渋る2人にリーンからの援護射撃。なんか出会ったころからリーンって要所要所で援護してくれてるような気がするな?多分狙ってやってるわけじゃないんだろうけど。
無事に生活魔法を覚えてもらうことに了承してもらえた。
いや確かに俺も始めはお金に苦労したから2人の気持ちも分からないでもないんだけど、今って5等分しても1回の探索の報酬が金板数枚クラスだからなぁ。生活魔法どころか攻撃魔法すら普通に買えるわけだしね。スクロール自体ボロボロ落ちるし、全く惜しくないんだよね実際。
さてこれからカンパニーへの入社説明会だな。
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