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7章 更なる強さを求めて
213 赤い要塞
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起床。
昨日なんだかんだありすぎて疲れたけれど、寝覚めは悪くないな。
日課のいたずらタイムを満喫して、51階層のソロ探索へ。
ラッシュコボルトが増えただけで、正直50階層と大差ないな。
現状殆どの魔物を一撃で倒せているので、出てこられると困るのは一撃で倒せない相手か、俺よりも早い相手だ。
俺よりも遅くて一撃で倒せる魔物が多少増えようとも、殲滅時間に影響は殆ど無い。
パーティ攻略だと1探索600SPだったのが、ソロだと3400SPくらい稼ぐことが出来た。
大体1日分多くSP稼げてると思えばいいのかな?
換金を済ませ帰宅する。
「そうそうジーンさん。ポポリポさんに物件を探してもらってるから、見つかったら見て来ておいてくれない?使用目的はパーティ用の工房のつもりだから、マーサも連れて行ってね」
「了解したよ。お金はまぁ、仮に足りなければトーマさんに後払いして貰うけど、恐らくカンパニー資金で足りるだろう。
マーサさん。私は工房の設備なんてわからないからよろしく頼むよ」
「専用の工房用意してくれんのか!?当分ホムロさんのところにお邪魔する気だったんだよ!ありがてぇ!」
ああ、ホムロのところにお願いすれば良かったのか。
いや、マーサは職人等級返上してるからな。ホムロに迷惑をかける可能性があるからやっぱ駄目だ。
ちなみに昨日の夕食の時点で、身内間ではマーサ呼びが定着した。
「工房が出来るまでどの程度かかるか分からないけど、今夜からはパーティの装備製作の相談も始めようか。
ちなみにマーサってもう戦う必要ないんだよな?それともまだなんか欲しいスキルとかある?」
「いや、俺はもう必要なスキルは揃ってるからな。あとはひたすら鍛冶がしてねぇだけだな!
専用の工房があればありがてぇよ。未完成だったあの武器も、工房がありゃあ完成までいけっだろ」
「了解。楽しみにしとくわ。あとマーサにも生活魔法全部覚えてもらうからね」
生活魔法は本来、クラフト職にこそ生きる魔法だろう。
「リーネは将来的な話になるけど、狩人として生きることも、選択肢の1つとして想定しておいて欲しい。
狩人なら迷宮に入る必要性が全く無いからな。それに異風の旋律としては、今後魔物素材が大量に必要になるかもしれないし」
「えええぇぇぇ、むむむ、むりですよ~……!
狩人って、ベテランの冒険者の進む道の1つって話じゃないですか~~……!?」
「将来的にっつったろ。いますぐ戦えなんて言わねぇって。そういう道を選ぶこともできるって覚えておいて貰えばいいよ」
迷宮に入れないリーネを異風の旋律に加入させるのも難しいからな。
本人のやる気次第ではあるけど、狩人専門のパーティがいくつか欲しいっちゃ欲しい。
「ねぇねぇトーマさん。リーネちゃん引き抜くのは良いんだけど、そうすると私とジーンの手がちょっと足りなくなっちゃうわよ?」
あ、そうか。そもそもリーネは、ジーンさんたちのサポート要員として連れて来たところあるからな。
誰か代わりの人員を補充したほうがいいか。
「ということで、クリリクさんウチで働かない?カンパニーへの参加はしなくていいからさ。
ウチは給金もいいし、日没前に上がってもいいよ。訓練指導日は休んでもいいし」
ということで、真っ先に思い浮かんだのがクリリクさんだった。
じゃれあう3匹を見ながら勧誘する。かわいい。オードルもでかくなったなー。
「トーマさんのお話はわかったわぁ。でも一応主人に聞いてみてから返事していい?」
「もちろんいいよ。断ってもらってもいいからさ。とりあえず考えてみてよ」
もしクリリクさんがウチで働いてくれれば、オードルに会う機会が増える気がするんだよな!
クリリクさんと別れ、パーティで迷宮迷宮52階層へ移動する。
52階層で出現する魔物は『赤い要塞』。
花に詳しくない俺には実際に薔薇かどうかは判断できないが、薔薇っぽい赤い花が咲いた、植物タイプの魔物だ。なんか昔、特撮映画でこんな奴見たな……。
花から常に撒き散らされている花粉には興奮作用があるらしく、吸い込み続けると思考力が低下してどんどん攻撃的になるそうだ。状態異常攻撃来たかぁ。
花粉なので風魔法で吹き飛ばしてれば大丈夫なんだけど、洗浄で消し去るのは難しいのかな。
もはや数えるのもアホらしくなるほどの、大量の蔓を鞭のように扱って攻撃してくる。トゲはついていない模様。蔓をどれだけ斬っても、本体にダメージは通らない。
そして要塞というだけあって、グランドドラゴンを優に超える巨大な魔物なのだ。15メートルくらいあるのかな?
本体の茎部分を折ってやれば倒せるのだが、本体にも無数の蔓が巻きついていて装甲の役割りを果たしている。
頭上15メートルの花弁から撒き散らされる花粉は戦場全域を効果範囲とし、蔓に巻きつかれた本体の茎部分は斬撃で両断しにくい。なかなかに厄介な魔物だ。
風魔法で花粉を防ぎつつ、無数の蔓を掻い潜って接近。最大範囲のロングソードで一閃してみたがリーチが足りず、一撃で倒すことが出来なかった。
せっかく攻撃範囲拡張を取ったというのに、さっそくスキルを上回られてしまったぜ。
仕方ないので、アクセラレイトウォーハンマーで吹き飛ばして差し上げる。
うん。52階層もまだソロでいけそうだな。
ドロップアイテムは『蔓』。強靭な繊維らしく、防具や衣服などに使用される。ロープとして使えなくもないが、太すぎて使いにくいらしい。お値段は280リーフ。
因みに普通の冒険者はどうやって花粉を防ぐべきなのかときくと、状態異常への耐性を高める魔法薬というものを使用するらしい。
必要かと聞いたけど、欲しがるやつは誰もいなかった。
52階層のパーティ探索では640SPほど稼げた。
2度の探索を済ませて商工ギルドへ。
さてさて、探求都市ウィルスレイアだったか。
行かなきゃならない理由はもう無いんだけど、いったいどんな場所なんだろうな?
昨日なんだかんだありすぎて疲れたけれど、寝覚めは悪くないな。
日課のいたずらタイムを満喫して、51階層のソロ探索へ。
ラッシュコボルトが増えただけで、正直50階層と大差ないな。
現状殆どの魔物を一撃で倒せているので、出てこられると困るのは一撃で倒せない相手か、俺よりも早い相手だ。
俺よりも遅くて一撃で倒せる魔物が多少増えようとも、殲滅時間に影響は殆ど無い。
パーティ攻略だと1探索600SPだったのが、ソロだと3400SPくらい稼ぐことが出来た。
大体1日分多くSP稼げてると思えばいいのかな?
換金を済ませ帰宅する。
「そうそうジーンさん。ポポリポさんに物件を探してもらってるから、見つかったら見て来ておいてくれない?使用目的はパーティ用の工房のつもりだから、マーサも連れて行ってね」
「了解したよ。お金はまぁ、仮に足りなければトーマさんに後払いして貰うけど、恐らくカンパニー資金で足りるだろう。
マーサさん。私は工房の設備なんてわからないからよろしく頼むよ」
「専用の工房用意してくれんのか!?当分ホムロさんのところにお邪魔する気だったんだよ!ありがてぇ!」
ああ、ホムロのところにお願いすれば良かったのか。
いや、マーサは職人等級返上してるからな。ホムロに迷惑をかける可能性があるからやっぱ駄目だ。
ちなみに昨日の夕食の時点で、身内間ではマーサ呼びが定着した。
「工房が出来るまでどの程度かかるか分からないけど、今夜からはパーティの装備製作の相談も始めようか。
ちなみにマーサってもう戦う必要ないんだよな?それともまだなんか欲しいスキルとかある?」
「いや、俺はもう必要なスキルは揃ってるからな。あとはひたすら鍛冶がしてねぇだけだな!
専用の工房があればありがてぇよ。未完成だったあの武器も、工房がありゃあ完成までいけっだろ」
「了解。楽しみにしとくわ。あとマーサにも生活魔法全部覚えてもらうからね」
生活魔法は本来、クラフト職にこそ生きる魔法だろう。
「リーネは将来的な話になるけど、狩人として生きることも、選択肢の1つとして想定しておいて欲しい。
狩人なら迷宮に入る必要性が全く無いからな。それに異風の旋律としては、今後魔物素材が大量に必要になるかもしれないし」
「えええぇぇぇ、むむむ、むりですよ~……!
狩人って、ベテランの冒険者の進む道の1つって話じゃないですか~~……!?」
「将来的にっつったろ。いますぐ戦えなんて言わねぇって。そういう道を選ぶこともできるって覚えておいて貰えばいいよ」
迷宮に入れないリーネを異風の旋律に加入させるのも難しいからな。
本人のやる気次第ではあるけど、狩人専門のパーティがいくつか欲しいっちゃ欲しい。
「ねぇねぇトーマさん。リーネちゃん引き抜くのは良いんだけど、そうすると私とジーンの手がちょっと足りなくなっちゃうわよ?」
あ、そうか。そもそもリーネは、ジーンさんたちのサポート要員として連れて来たところあるからな。
誰か代わりの人員を補充したほうがいいか。
「ということで、クリリクさんウチで働かない?カンパニーへの参加はしなくていいからさ。
ウチは給金もいいし、日没前に上がってもいいよ。訓練指導日は休んでもいいし」
ということで、真っ先に思い浮かんだのがクリリクさんだった。
じゃれあう3匹を見ながら勧誘する。かわいい。オードルもでかくなったなー。
「トーマさんのお話はわかったわぁ。でも一応主人に聞いてみてから返事していい?」
「もちろんいいよ。断ってもらってもいいからさ。とりあえず考えてみてよ」
もしクリリクさんがウチで働いてくれれば、オードルに会う機会が増える気がするんだよな!
クリリクさんと別れ、パーティで迷宮迷宮52階層へ移動する。
52階層で出現する魔物は『赤い要塞』。
花に詳しくない俺には実際に薔薇かどうかは判断できないが、薔薇っぽい赤い花が咲いた、植物タイプの魔物だ。なんか昔、特撮映画でこんな奴見たな……。
花から常に撒き散らされている花粉には興奮作用があるらしく、吸い込み続けると思考力が低下してどんどん攻撃的になるそうだ。状態異常攻撃来たかぁ。
花粉なので風魔法で吹き飛ばしてれば大丈夫なんだけど、洗浄で消し去るのは難しいのかな。
もはや数えるのもアホらしくなるほどの、大量の蔓を鞭のように扱って攻撃してくる。トゲはついていない模様。蔓をどれだけ斬っても、本体にダメージは通らない。
そして要塞というだけあって、グランドドラゴンを優に超える巨大な魔物なのだ。15メートルくらいあるのかな?
本体の茎部分を折ってやれば倒せるのだが、本体にも無数の蔓が巻きついていて装甲の役割りを果たしている。
頭上15メートルの花弁から撒き散らされる花粉は戦場全域を効果範囲とし、蔓に巻きつかれた本体の茎部分は斬撃で両断しにくい。なかなかに厄介な魔物だ。
風魔法で花粉を防ぎつつ、無数の蔓を掻い潜って接近。最大範囲のロングソードで一閃してみたがリーチが足りず、一撃で倒すことが出来なかった。
せっかく攻撃範囲拡張を取ったというのに、さっそくスキルを上回られてしまったぜ。
仕方ないので、アクセラレイトウォーハンマーで吹き飛ばして差し上げる。
うん。52階層もまだソロでいけそうだな。
ドロップアイテムは『蔓』。強靭な繊維らしく、防具や衣服などに使用される。ロープとして使えなくもないが、太すぎて使いにくいらしい。お値段は280リーフ。
因みに普通の冒険者はどうやって花粉を防ぐべきなのかときくと、状態異常への耐性を高める魔法薬というものを使用するらしい。
必要かと聞いたけど、欲しがるやつは誰もいなかった。
52階層のパーティ探索では640SPほど稼げた。
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