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8章 異風の旋律
258 チンピラ
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翌朝。いつもの時間に起床する。
昨夜は凄く盛り上がって、リペアとリカバーまで駆使して全力を出したわけだけど、魔力も体力も消費している感じはしない。むしろ気力が漲っているようにすら感じられる。
3人とも、特にリーネはちょっとぐったりしていたので、みんなが寝ているうちにリカバーをかけておく。
狩人ギルドに向かい、いつもの迷宮位置の確認作業。
正直この時間って、俺たちはやることなくて暇なんだよな。
「おい、テメェらが異風の旋律ってパーティか?」
お?俺たちに声がかけられるなんて珍しいな?
俺たちって低等級扱いだから、あんまり注目されないんだよね。
声をかけてきたのは、会った覚えのない数名の亜人だった。
「俺たちが異風の旋律で間違いないよ。何か用かい?」
「はっ。6等級が口の聞き方ってモンを知らねぇらしいなぁ。
まぁいい。お前ら他所モンはもう出て行け。これからはボールクローグで対応すっからよぉ」
ふ~ん?昨日1日で迷宮討伐の旨さに気付いたのかな?
まぁ情報自体は提供されてるんだから、あとは検証するだけでいいんだもんな。
「あー皆さん悪いけどさ。俺たち狩人ギルドから正式に協力要請を受けてるわけだから、俺たちの一存では勝手に断れないんだよ。
悪いけど狩人ギルドを通してくんない?」
「ゴチャゴチャ言ってんじゃねぇ!痛い目見たくなければとっとと出て行けオラァ!」
おいおいギルド内で暴力沙汰起こすつもりか?ここはミルズレンダじゃないんだぞ?
とりあえずギルド側が対応してくるのを期待しつつ、適当に相手するか。
「というかあんたら誰なんだよ?
いきなりどこの誰かも知らない奴に指図されて、自分だったらはいそうですかって言うこと聞くの?」
「んなこたぁどうだっていいんだよ!テメェらがさっさと出て行きゃそれで話は済むんだよぉ!」
1人が殴りかかってきたけど普通に躱す。
とりあえず問題起こしたくないし、こっちから手を出すのはやめておくべきかな。
何度やっても殴れないことに業を煮やしたのか、他の奴等も参戦して殴りかかってくるけど、全員実力はオーサン以下だな。
この程度の奴等が何人増えようとも問題はない。
「なめんじゃねぇぞ6等級があああああ!」
叫びながら男達はとうとう剣を抜きやがった。
え、こいつらマジかよ?狩人ギルド内で、目撃者も多数居る中で武器まで抜くかぁ?
ん~、しかし相手が武器まで抜いてるのに、仲裁や捕縛の動きが一切見られないな?
遠巻きにして様子を窺ってるのはわかるんだけど、ギルドは介入する気がないのかね?
俺ってこれでも正式にギルドマスターから協力をお願いされてる立場なんだけど?
まぁ流石に相手が武器を抜いた以上、俺の正当防衛は証明可能だろう。目撃者だけは多数居るみたいだからな。
しかしなんでこいつら全員俺だけを狙ってきてんだよ。
異風の旋律のメンバーも、普通に遠巻きになって様子見てんじゃねぇわ。
全員の鳩尾に膝蹴りを入れて終了だ。
別に教わったわけでもないのに、オーサンみたいなことをしてしまった。
「く、そが……!
っんだよテメェ……!6等級じゃなかったのかよ……!?」
「は?6等級冒険者ですけど?身分証見ます?
つうかあんたらマジで誰だよ」
音魔法で拡声オン。
「素手で無抵抗の人種の6等級冒険者に、数人がかりで武器まで抜いたのに、一瞬で制圧されてしまったあなた方はどなたなんですかーーー!?」
ボールクローグでは力が全てらしいからな。とりあえずハロイツァと同じ目に遭ってもらおう。
「て、てめぇ……!ただで済むと思うなよ……!」
「は?狩人ギルドで衆人環視の中で、一方的に攻撃し続けたくせに一瞬で地面舐めてるボールクローグの冒険者殿、あんたらこそただで済む訳ねぇだろ」
そして未だに介入して来ないって事は、ギルドは完全に静観を決め込むつもりなのか、ミルズレンダ状態になってるのかわかんないなぁ。
まぁ脳筋カルネジア家が搦め手を使ってくるとは思えないけどな。
そういうのが得意そうなのはロンメノって奴の方だろう。
「一応聞くけど、こいつら武器を抜いて襲ってきたのに介入しなかったってことは、ギルド員はこの騒動に一切関わる気がないんだな?
ならこれから俺がこいつらになにをしても、後からでしゃばってくんなよ?
殺すつもりはないけど、これからこいつら全員再起不能にするからな?」
ここまで宣言しても誰も動かないってことは、やっちゃっても問題ないってことなんだろうな。シンたちすら特に動いてないんだから。
とりあえず全員の腹に改めて一発ずつ蹴りを入れておく。
その間に火魔法を使って、ダガーを可能な限り熱する。
やる事はトルネにしたこととほぼ同じだが、失血死されても面倒なので傷を焼こうって話だ。
まぁ物凄い激痛かもしれないけど、魔法治療院に行けば完治するだろ。
「そこまでよ!これはいったい何の騒ぎなの!?」
っと、ここでようやくギルドの介入か。マスターのエルハ直々に介入とは恐れ入る。
「こいつらがいきなり因縁つけてきて、ボールクローグから出て行けって言うんだよ。それを断ったら殴りかかってきて、終いにゃ武器まで抜いたから仕方なく制圧したんだよ。
止めもせずに一部始終を観察していた優秀なギルド員に聞いてもらえれば、俺の言ってることが嘘じゃないって分かると思う」
まぁギルド自体がグルでなければだけど。
んー、仮にミルズレンダ状態になってた場合はどうしようかなぁ。
今までに判明している迷宮だけ即効で片付けて、銀の乙女やクリーヌたちに避難を促して、後はご自由にって感じかな。
銀の乙女もクリーヌたちも大切な友人だと思っているけれど、家族を守るためなら即切り捨てる。
絶対に優先順位は間違えない。
出来れば見殺しにはしたくないんだけどな。
もしもミルズレンダ化してたなら、俺の知らないところで勝手に滅びればいい。
昨夜は凄く盛り上がって、リペアとリカバーまで駆使して全力を出したわけだけど、魔力も体力も消費している感じはしない。むしろ気力が漲っているようにすら感じられる。
3人とも、特にリーネはちょっとぐったりしていたので、みんなが寝ているうちにリカバーをかけておく。
狩人ギルドに向かい、いつもの迷宮位置の確認作業。
正直この時間って、俺たちはやることなくて暇なんだよな。
「おい、テメェらが異風の旋律ってパーティか?」
お?俺たちに声がかけられるなんて珍しいな?
俺たちって低等級扱いだから、あんまり注目されないんだよね。
声をかけてきたのは、会った覚えのない数名の亜人だった。
「俺たちが異風の旋律で間違いないよ。何か用かい?」
「はっ。6等級が口の聞き方ってモンを知らねぇらしいなぁ。
まぁいい。お前ら他所モンはもう出て行け。これからはボールクローグで対応すっからよぉ」
ふ~ん?昨日1日で迷宮討伐の旨さに気付いたのかな?
まぁ情報自体は提供されてるんだから、あとは検証するだけでいいんだもんな。
「あー皆さん悪いけどさ。俺たち狩人ギルドから正式に協力要請を受けてるわけだから、俺たちの一存では勝手に断れないんだよ。
悪いけど狩人ギルドを通してくんない?」
「ゴチャゴチャ言ってんじゃねぇ!痛い目見たくなければとっとと出て行けオラァ!」
おいおいギルド内で暴力沙汰起こすつもりか?ここはミルズレンダじゃないんだぞ?
とりあえずギルド側が対応してくるのを期待しつつ、適当に相手するか。
「というかあんたら誰なんだよ?
いきなりどこの誰かも知らない奴に指図されて、自分だったらはいそうですかって言うこと聞くの?」
「んなこたぁどうだっていいんだよ!テメェらがさっさと出て行きゃそれで話は済むんだよぉ!」
1人が殴りかかってきたけど普通に躱す。
とりあえず問題起こしたくないし、こっちから手を出すのはやめておくべきかな。
何度やっても殴れないことに業を煮やしたのか、他の奴等も参戦して殴りかかってくるけど、全員実力はオーサン以下だな。
この程度の奴等が何人増えようとも問題はない。
「なめんじゃねぇぞ6等級があああああ!」
叫びながら男達はとうとう剣を抜きやがった。
え、こいつらマジかよ?狩人ギルド内で、目撃者も多数居る中で武器まで抜くかぁ?
ん~、しかし相手が武器まで抜いてるのに、仲裁や捕縛の動きが一切見られないな?
遠巻きにして様子を窺ってるのはわかるんだけど、ギルドは介入する気がないのかね?
俺ってこれでも正式にギルドマスターから協力をお願いされてる立場なんだけど?
まぁ流石に相手が武器を抜いた以上、俺の正当防衛は証明可能だろう。目撃者だけは多数居るみたいだからな。
しかしなんでこいつら全員俺だけを狙ってきてんだよ。
異風の旋律のメンバーも、普通に遠巻きになって様子見てんじゃねぇわ。
全員の鳩尾に膝蹴りを入れて終了だ。
別に教わったわけでもないのに、オーサンみたいなことをしてしまった。
「く、そが……!
っんだよテメェ……!6等級じゃなかったのかよ……!?」
「は?6等級冒険者ですけど?身分証見ます?
つうかあんたらマジで誰だよ」
音魔法で拡声オン。
「素手で無抵抗の人種の6等級冒険者に、数人がかりで武器まで抜いたのに、一瞬で制圧されてしまったあなた方はどなたなんですかーーー!?」
ボールクローグでは力が全てらしいからな。とりあえずハロイツァと同じ目に遭ってもらおう。
「て、てめぇ……!ただで済むと思うなよ……!」
「は?狩人ギルドで衆人環視の中で、一方的に攻撃し続けたくせに一瞬で地面舐めてるボールクローグの冒険者殿、あんたらこそただで済む訳ねぇだろ」
そして未だに介入して来ないって事は、ギルドは完全に静観を決め込むつもりなのか、ミルズレンダ状態になってるのかわかんないなぁ。
まぁ脳筋カルネジア家が搦め手を使ってくるとは思えないけどな。
そういうのが得意そうなのはロンメノって奴の方だろう。
「一応聞くけど、こいつら武器を抜いて襲ってきたのに介入しなかったってことは、ギルド員はこの騒動に一切関わる気がないんだな?
ならこれから俺がこいつらになにをしても、後からでしゃばってくんなよ?
殺すつもりはないけど、これからこいつら全員再起不能にするからな?」
ここまで宣言しても誰も動かないってことは、やっちゃっても問題ないってことなんだろうな。シンたちすら特に動いてないんだから。
とりあえず全員の腹に改めて一発ずつ蹴りを入れておく。
その間に火魔法を使って、ダガーを可能な限り熱する。
やる事はトルネにしたこととほぼ同じだが、失血死されても面倒なので傷を焼こうって話だ。
まぁ物凄い激痛かもしれないけど、魔法治療院に行けば完治するだろ。
「そこまでよ!これはいったい何の騒ぎなの!?」
っと、ここでようやくギルドの介入か。マスターのエルハ直々に介入とは恐れ入る。
「こいつらがいきなり因縁つけてきて、ボールクローグから出て行けって言うんだよ。それを断ったら殴りかかってきて、終いにゃ武器まで抜いたから仕方なく制圧したんだよ。
止めもせずに一部始終を観察していた優秀なギルド員に聞いてもらえれば、俺の言ってることが嘘じゃないって分かると思う」
まぁギルド自体がグルでなければだけど。
んー、仮にミルズレンダ状態になってた場合はどうしようかなぁ。
今までに判明している迷宮だけ即効で片付けて、銀の乙女やクリーヌたちに避難を促して、後はご自由にって感じかな。
銀の乙女もクリーヌたちも大切な友人だと思っているけれど、家族を守るためなら即切り捨てる。
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