289 / 580
8章 異風の旋律
259 放棄
しおりを挟む
「ギルド員を含む複数の目撃者に聞いたところ、貴方の言ったことが間違ってないことは分かったわ」
騒動のせいで出発も出来ず、ギルドの会議室に通されて取調べを受けている。
時間の無駄すぎて眠くなってくるな。
「そりゃあ結構なことだな。
で?話はもう終わりなわけ?」
「ええ、取調べは終わりよ。もう行っていいわ」
あ?
なに言ってんだこのアホは。
「じゃあ今度はこっちの話をさせてもらうぞ。
襲撃者の身元と動機、そして今回の件の処罰はどうなる?
まさか口頭で注意して御咎めなし、なんて言わねぇだろうな?」
「……なに言ってるの?
貴方達も怪我なく場を収められたのだからそれでいいでしょ?」
「馬鹿にしてんのか?
今のが狩人ギルドとしての正式な回答だってんなら、俺らはベイクに帰ってもう二度と協力しねぇぞ」
「は!?どうしてそうなるのよ!?
丸く収まったんだからそれでいいでしょ!?なにが問題なのよこの緊急事態に!!」
「緊急事態なのを分かってて、お前らは俺たちに正式に協力要請をしたんだろうが。
その俺たちがよりにもよって狩人ギルド内で襲われたのに静観し、襲撃者は御咎めなしだと?
最低限、襲撃者を犯罪奴隷に落とすくらいはしてもらわないと納得できないね」
「だからどうしてよ!?今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょう!?
このまま迷宮が増え続ければ、ボールクローグは滅亡するかもしれないのよ!?」
「話は終わりだな。みんな帰るぞ。一応銀の乙女とクリーヌたちには一言伝えておこう」
「待ってってば!!今貴方達に抜けられたら、迷宮の討伐が間に合わなくなるわっ!!」
「だから?そんなの別に俺たちの知ったことじゃないんだけど。
その俺たちが襲われたのに守る気もなく、襲撃者を罰する気もない狩人ギルドに協力する義理なんてないね。
今回御咎めなしにした彼らにでも頑張ってもらえば?」
話は終わりなので席を立つ。
クリーヌには今日の分の報酬を支払って、銀の乙女とクリーヌ一家には警告しておくか。
もし移住の意思があるならゲートで送ってもいいし、ベイクに家を用意してもいい。
あーでもペルにはベイクは狭いかもしれないなー。
「お願いだから待って!!どうして彼らを頑なに処分したがるの!?
今は1人でも人手が欲しいときなのは分かってるでしょ!?」
「俺たちさぁ。ミルズレンダの狩人ギルドでも騙されて襲撃を受けたことがあるんだよね。運よくやり過ごせたけど。
だから今回もさ。狩人ギルドが俺たちを排除しようとしてると判断したんだよ。
だってそうだろ?協力をお願いされている立場の俺たちが守られなくて、その俺たちを襲った連中が必死に守られてるんだ。狩人ギルドの関与を疑うのは当たり前だろ。
信用の出来ない相手とは取引できない。それだけだ。じゃあな」
扉の前に立ち尽くしているエルハを力ずくで避ける。
怪我をさせるつもりはないが、敵に遠慮をするつもりもない。
「関与なんてしてない!!ギルドの関与なんて絶対にないから!!マスターの私が保証するから!!お願い待って!!」
「その言葉に何の意味が?今回襲ってきた奴等が再度襲ってくる可能性は低くないし、迷宮殺しを進めている時に後ろからバッサリ、なんてこともありえるだろ。
そんな危険を冒してまで協力する義理はないね」
「今は人手が必要なの!!彼らにだって毎日、迷宮の出現位置の調査を手伝ってもらってるのよ!!貴方達も彼らも、この非常時を乗り切るのには欠かせない存在なのよ!!」
「じゃあなんでギルドは介入せずに静観してたんだ?俺は武装した複数人に襲われていたんだぞ。まさにこの建物の中でな?
6等級6等級煩かったから、等級だって俺より上の相手だったんだろう?」
「どこのギルドだって、冒険者同士の諍いには不介入でしょう!?問題が起きたら当人同士で解決するのが冒険者のルールでしょうが!?」
「じゃあ逆になんでお前は介入してきたんだよ。
あのタイミング……、俺があいつらを再起不能にしようとしたのを見計らったように介入してきておいて、今さらギルドは不介入とか笑わせんな。
ここまで言ってもまだあいつらを庇うってんだから、話にならねぇな」
喚きながらしがみついているエルハを引き摺ってギルドの外に出る。
多少注目を浴びようが、どうせこのあと訪れることはない場所だからどうでもいい。
「トーマ!?エルハ!?何してる!?」
ギルドの入り口で待っていたクリーヌが、驚いて馬車から駆け寄ってくる。
「ああクリーヌたちには悪いけど、俺たちはベイクに帰るよ。
多分もう来ないから、後はボールクローグの冒険者達で頑張ってくれ」
「待って。それじゃ分からない。説明して」
「めんどくせぇからパス。俺たちが帰ったあとにエルハにでも聞いてくれ。
短い間だったけど世話になった。ありがとうな」
ゲートの詠唱を始める。
しがみついてるエルハがウザイけど、流石にベイクまで付いては来ないだろ。
「待ってトーマ!お願い教えて!なにがあった!?」
「クリーヌたちを待っている間に武装した集団に襲われたんだ。トーマだったから無傷で制圧できたけど、相手は武器も抜いていた。
だけど狩人ギルドは彼らに何の処分も下さないらしくてね。僕たちとしても安全の確保の出来ない状況で協力する義理はないから、ボールクローグへの協力はやめることにしたんだよ。信用できないからね」
俺の代わりにシンがクリーヌに説明した。
「……エルハ、ホント?ホントだったら、エルハを軽蔑する。犯罪者を見逃すなんてありえない」
「だよなー?しかも今さら処分しますなんて言われても、そいつらもう逃げた後だろ?もう全部が全部手遅れなんだよなー」
「トーマお願い。協力して。異風の旋律が居なかったら討伐が間に合わない。
私に出来ることなら何だってするから。お願い」
「異風の旋律が居ないと討伐が間に合わないのに、安全は保証できないとか馬鹿じゃねぇの?
クリーヌのことは友人だと思ってるけど、現状じゃ狩人ギルドから紹介されたお前らを信用するのも無理だ。
お前がボールクローグを大事に思うのは勝手だが、それで俺の家族を危険に晒されちゃたまらない」
クリーヌは悔しそうな表情で拳を握っている。
こんな別れになって残念なのは俺だって一緒だ。でも家族には代えられない。
「ねぇトーマ……。私もこのまま帰りたくないよ……。
銀の乙女が、クリーヌたちが危険に晒されてるのに、私達だけ安全なベイクに帰るの……!?」
「そうだよ?悪いが俺は自分の身内が最優先だ。
ミルズレンダであった事を忘れたか?もし迷宮討伐中に襲撃にあったら、馬車に残るリーネには対処できないだろ」
「異風の旋律なら……、トーマなら助けられる人たちを見捨ててベイクに帰るなんて、ホントにそれでいいの……!?」
「リーネが俺の事をどう思ってるのかは勝手だが、俺は1人の人間でしかないからね。俺の手に掴める物なんてのは限られてる。だからこそ色んな人に助けてもらってるんだよ。
もし迷宮殺しの最中にリーネが攫われたり殺されたりしたら、それこそ俺自身の手でこの街を滅ぼしてやると思うけど、リーネにはその覚悟は背負えるのか?
綺麗事だけで渡り歩いていけるほど、この世界は優しくないんだぜリーネ」
ゲートが開く。時間切れだ。
こんな結末になって残念だったな。
せめて他の冒険者たちが奮闘してくれる事を祈ってるよ。
騒動のせいで出発も出来ず、ギルドの会議室に通されて取調べを受けている。
時間の無駄すぎて眠くなってくるな。
「そりゃあ結構なことだな。
で?話はもう終わりなわけ?」
「ええ、取調べは終わりよ。もう行っていいわ」
あ?
なに言ってんだこのアホは。
「じゃあ今度はこっちの話をさせてもらうぞ。
襲撃者の身元と動機、そして今回の件の処罰はどうなる?
まさか口頭で注意して御咎めなし、なんて言わねぇだろうな?」
「……なに言ってるの?
貴方達も怪我なく場を収められたのだからそれでいいでしょ?」
「馬鹿にしてんのか?
今のが狩人ギルドとしての正式な回答だってんなら、俺らはベイクに帰ってもう二度と協力しねぇぞ」
「は!?どうしてそうなるのよ!?
丸く収まったんだからそれでいいでしょ!?なにが問題なのよこの緊急事態に!!」
「緊急事態なのを分かってて、お前らは俺たちに正式に協力要請をしたんだろうが。
その俺たちがよりにもよって狩人ギルド内で襲われたのに静観し、襲撃者は御咎めなしだと?
最低限、襲撃者を犯罪奴隷に落とすくらいはしてもらわないと納得できないね」
「だからどうしてよ!?今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょう!?
このまま迷宮が増え続ければ、ボールクローグは滅亡するかもしれないのよ!?」
「話は終わりだな。みんな帰るぞ。一応銀の乙女とクリーヌたちには一言伝えておこう」
「待ってってば!!今貴方達に抜けられたら、迷宮の討伐が間に合わなくなるわっ!!」
「だから?そんなの別に俺たちの知ったことじゃないんだけど。
その俺たちが襲われたのに守る気もなく、襲撃者を罰する気もない狩人ギルドに協力する義理なんてないね。
今回御咎めなしにした彼らにでも頑張ってもらえば?」
話は終わりなので席を立つ。
クリーヌには今日の分の報酬を支払って、銀の乙女とクリーヌ一家には警告しておくか。
もし移住の意思があるならゲートで送ってもいいし、ベイクに家を用意してもいい。
あーでもペルにはベイクは狭いかもしれないなー。
「お願いだから待って!!どうして彼らを頑なに処分したがるの!?
今は1人でも人手が欲しいときなのは分かってるでしょ!?」
「俺たちさぁ。ミルズレンダの狩人ギルドでも騙されて襲撃を受けたことがあるんだよね。運よくやり過ごせたけど。
だから今回もさ。狩人ギルドが俺たちを排除しようとしてると判断したんだよ。
だってそうだろ?協力をお願いされている立場の俺たちが守られなくて、その俺たちを襲った連中が必死に守られてるんだ。狩人ギルドの関与を疑うのは当たり前だろ。
信用の出来ない相手とは取引できない。それだけだ。じゃあな」
扉の前に立ち尽くしているエルハを力ずくで避ける。
怪我をさせるつもりはないが、敵に遠慮をするつもりもない。
「関与なんてしてない!!ギルドの関与なんて絶対にないから!!マスターの私が保証するから!!お願い待って!!」
「その言葉に何の意味が?今回襲ってきた奴等が再度襲ってくる可能性は低くないし、迷宮殺しを進めている時に後ろからバッサリ、なんてこともありえるだろ。
そんな危険を冒してまで協力する義理はないね」
「今は人手が必要なの!!彼らにだって毎日、迷宮の出現位置の調査を手伝ってもらってるのよ!!貴方達も彼らも、この非常時を乗り切るのには欠かせない存在なのよ!!」
「じゃあなんでギルドは介入せずに静観してたんだ?俺は武装した複数人に襲われていたんだぞ。まさにこの建物の中でな?
6等級6等級煩かったから、等級だって俺より上の相手だったんだろう?」
「どこのギルドだって、冒険者同士の諍いには不介入でしょう!?問題が起きたら当人同士で解決するのが冒険者のルールでしょうが!?」
「じゃあ逆になんでお前は介入してきたんだよ。
あのタイミング……、俺があいつらを再起不能にしようとしたのを見計らったように介入してきておいて、今さらギルドは不介入とか笑わせんな。
ここまで言ってもまだあいつらを庇うってんだから、話にならねぇな」
喚きながらしがみついているエルハを引き摺ってギルドの外に出る。
多少注目を浴びようが、どうせこのあと訪れることはない場所だからどうでもいい。
「トーマ!?エルハ!?何してる!?」
ギルドの入り口で待っていたクリーヌが、驚いて馬車から駆け寄ってくる。
「ああクリーヌたちには悪いけど、俺たちはベイクに帰るよ。
多分もう来ないから、後はボールクローグの冒険者達で頑張ってくれ」
「待って。それじゃ分からない。説明して」
「めんどくせぇからパス。俺たちが帰ったあとにエルハにでも聞いてくれ。
短い間だったけど世話になった。ありがとうな」
ゲートの詠唱を始める。
しがみついてるエルハがウザイけど、流石にベイクまで付いては来ないだろ。
「待ってトーマ!お願い教えて!なにがあった!?」
「クリーヌたちを待っている間に武装した集団に襲われたんだ。トーマだったから無傷で制圧できたけど、相手は武器も抜いていた。
だけど狩人ギルドは彼らに何の処分も下さないらしくてね。僕たちとしても安全の確保の出来ない状況で協力する義理はないから、ボールクローグへの協力はやめることにしたんだよ。信用できないからね」
俺の代わりにシンがクリーヌに説明した。
「……エルハ、ホント?ホントだったら、エルハを軽蔑する。犯罪者を見逃すなんてありえない」
「だよなー?しかも今さら処分しますなんて言われても、そいつらもう逃げた後だろ?もう全部が全部手遅れなんだよなー」
「トーマお願い。協力して。異風の旋律が居なかったら討伐が間に合わない。
私に出来ることなら何だってするから。お願い」
「異風の旋律が居ないと討伐が間に合わないのに、安全は保証できないとか馬鹿じゃねぇの?
クリーヌのことは友人だと思ってるけど、現状じゃ狩人ギルドから紹介されたお前らを信用するのも無理だ。
お前がボールクローグを大事に思うのは勝手だが、それで俺の家族を危険に晒されちゃたまらない」
クリーヌは悔しそうな表情で拳を握っている。
こんな別れになって残念なのは俺だって一緒だ。でも家族には代えられない。
「ねぇトーマ……。私もこのまま帰りたくないよ……。
銀の乙女が、クリーヌたちが危険に晒されてるのに、私達だけ安全なベイクに帰るの……!?」
「そうだよ?悪いが俺は自分の身内が最優先だ。
ミルズレンダであった事を忘れたか?もし迷宮討伐中に襲撃にあったら、馬車に残るリーネには対処できないだろ」
「異風の旋律なら……、トーマなら助けられる人たちを見捨ててベイクに帰るなんて、ホントにそれでいいの……!?」
「リーネが俺の事をどう思ってるのかは勝手だが、俺は1人の人間でしかないからね。俺の手に掴める物なんてのは限られてる。だからこそ色んな人に助けてもらってるんだよ。
もし迷宮殺しの最中にリーネが攫われたり殺されたりしたら、それこそ俺自身の手でこの街を滅ぼしてやると思うけど、リーネにはその覚悟は背負えるのか?
綺麗事だけで渡り歩いていけるほど、この世界は優しくないんだぜリーネ」
ゲートが開く。時間切れだ。
こんな結末になって残念だったな。
せめて他の冒険者たちが奮闘してくれる事を祈ってるよ。
0
あなたにおすすめの小説
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
赤金武蔵
ファンタジー
日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。
ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。
しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる