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8章 異風の旋律
275 異邦人タケル②
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「タケル。1つ教えてくれ。お前の貰ったチート能力は、ダンジョンを操る能力で間違いないか?」
混乱しているところに申し訳ないが、こちらも時間があるわけじゃないからな。
それに1人で答えの出ないことを悩んでいても、碌な結論には至らないもんだ。
だから少し無理矢理にでも、タケルの思考の出口を用意する。
「……あ? ああっと、チート、チート能力か……。
っと、そうそう、ダンジョンだよ。俺はダンジョン経営をして、快適なスローライフがしたかったんだ。だから神様にお願いしたんだ。俺を『ダンジョンマスターにしてくれ』ってさ。
でもこの世界にはダンジョンマスターって概念がなかったみたいで、神様は俺の望みがわからなかったみたいで、詳しく説明してくれって言われたんだ。
だから俺は言ったんだ。ダンジョンマスターって言うのは『ダンジョンを意のままに操れる存在のこと』だよって。
そしたら神様は分かりましたって言って、俺にチートをくれたんだよ」
今回の迷宮頻出騒動の原因はタケルで確定か。
そして、タケルが望んで迷宮を生み出していたわけでもなかったのも確定した。
「そしたらさ。神様はなんか勘違いしたらしくて、俺に使えない能力をくれたんだよ。
俺の能力は『迷宮操作』って言ってさ。迷宮の発生場所を指定できたり、迷宮の暴走を誘発させることが出来る能力だったんだ。意のままに操るって、そういうことじゃねぇんだよ、神様よぉっ……!
この世界で迷宮がどんな扱いをされているのかは事前に聞いてたからさ。この能力は使えないなって、仕方ないから地道に冒険者やって稼いでいこうって、自由気ままに楽しく暮らそうって、そう思ってただけだったのに……!」
独り言のように俯いて語り続けていたタケルが、突然ハッとした表情で俺を見た。
「ト、トウマ! 俺の能力に見当がついていたのはどういうことなんだ!? この世界には鑑定スキルはないって聞いてるぞ!
……俺のステータスを見ることなく、俺の能力に思い当たったってのは、つまり、そういうことなのかよ……?」
タケルは震える声で、搾り出すように俺に問いかける。
このタケルに真実を告げるのは酷かも知れないが、既に想像はついているようだし、ならば俺の口から告げるべきか……。
「多分、タケルが想像したとおりだよ。
今ボールクローグって街が、迷宮からの魔物の氾濫の脅威に晒されているんだ。
恐らく、ロンメレって奴がお前を洗脳して、迷宮を暴走させたんだろ」
「…………嘘、だろ……? 俺のせいで、俺の能力のせいで、いったい何人の人が犠牲になるんだよ……。
俺が……、俺が悪い、のか……? 軽い考えで、チート能力を貰った俺が、全部悪いのかよ……?」
「タケル落ち着け! まだ誰も犠牲になったわけじゃない! その犠牲をなくすために、こうやってお前に話を聞いているんだよ!
タケルはさっき、この国の外の話を聞きたいって奴が現れたって言ってたな。そいつの事で覚えている事はないか?」
「あ? そいつは身なりが良かったってくらいで、特に特徴らしい特徴は無かったな……。ただの使用人だと思って名前も聞かなかったし……。
ってそうだ! そうだよ! なんであいつは俺のところに来たんだ!? なんで俺の能力を知ってたんだよ!? 俺は誰にも能力の事を喋ってないし、目立った行動も取った覚えはなかったのに!?」
ち……、これもまさか事象復元で引き寄せられたことじゃねぇだろうな?
もう全部アリスが黒幕に思えてしまうわ。
だって、ヴェルトーガの騒動のせいで、タケルは目を付けられてしまったのだから。
「タケルが狙われた原因は説明できる。
実はここヴェルトーガで、日本から来たチート能力者、異邦人たちが事件を起こしてな。チート能力者と異邦人の存在が、リヴァーブ王国全域に通達されたんだよ。
その後に、黒髪の冒険者を狙った誘拐事件が多発していてな。恐らくチート能力目当ての異邦人狩りだったと推測される。
しかし大多数の者は、数日後に何事もなく見つかったせいで、問題が発覚するのが遅れたんだ。
そして大多数の帰還者とお前の違いは、リヴァーブ王国の外から訪れたか否かだ」
「な、なんでだよ!? リヴァーブ王国の外には黒髪の人間がいねぇってのか!?」
「違うんだよタケル。これは説明してもらっていないらしいな。
この世界においてはな。国ってのはリヴァーブ王国しかないんだよ。そしてリヴァーブ王国の外に、人類は確認されていないんだ。
リヴァーブ王国の外から来たって話で、異邦人を選別していたんだよそいつらは」
タケルは一瞬呆けたような表情をして、俺の言った言葉の意味を考えている。
「待ってくれ……。いや待ってくれよ!? 本当に雑談みたいだった!! 本当に気軽に言われたんだよ!! 貴方はこの国の外から来たんですかってさ!!
あれが……、あれがまさかかまかけだったなんて、分かるわけない、分かるわけないだろ!?
感じの良い人だったんだよ! 物腰が柔らかくて、腰も低くてさ! こっちに無理を強いるわけでもなく、丁寧に対応してもらったんだ! だから信用した! だから信用したんだよ!!!
あれが、あれが全部、嘘だったってのかよ!? ただ俺を利用することしか考えていなかった人間の態度だったのかよぉぉ!!?」
タケルは絶叫しながら頭を抱えている。
どうやら本当に人の良さそうなフリをして、タケルを一方的に利用したらしいな。
クソが。
同じ異邦人として胸糞悪くなるわ。
「タケル、落ち着け。まだ誰かが犠牲になったわけじゃない。まだ取り返しがつかないわけじゃないんだ。
タケルはステータスウィンドウで、スキルの詳細を確認したことはあるか?
お前の迷宮操作が、何を代償に行われる能力なのかを聞いておきたいんだ」
「うう、わ、悪い……。取り、取り乱し、ちまって……。ひっぐ……。
お、俺のめい、迷宮操作、は、はっ、自分の魔力を代償に、ににして、発動する、の、能力だよ……」
「大丈夫だタケル。ここにいるのはお前の味方しかいなくて、お前を利用した奴を捕まえるために動いてるんだ。
まずは深く呼吸をして、心と頭を落ち着かせるんだ。
まだ何も問題は起きてないし、ここにはお前の味方しかいない。大丈夫だ。安心していい」
自分の能力が悪用された事に気付いて、その重要さにすぐ思い至るようなこいつを、自分の目的のためなんかに一方的に利用なんかしやがって……!
しかし、迷宮操作の能力の割には代償が軽い気がするな?
もしかして何か勘違いしてることがあるのか?
「タケル。さっき迷宮操作は思っていた能力じゃなかったって言ってたよな?
お前はどんな能力をお願いして、そして実際貰った能力で出来る事はなんだったのか、具体的に教えてくれないか?」
迷宮操作を持つタケルをここに保護できたわけだから、これ以上の騒動は起きないと思いたいが……。
能力の内容次第では、まだ何か起きる可能性もなくはない。
しっかりと能力の内容を把握することが大切だ。
混乱しているところに申し訳ないが、こちらも時間があるわけじゃないからな。
それに1人で答えの出ないことを悩んでいても、碌な結論には至らないもんだ。
だから少し無理矢理にでも、タケルの思考の出口を用意する。
「……あ? ああっと、チート、チート能力か……。
っと、そうそう、ダンジョンだよ。俺はダンジョン経営をして、快適なスローライフがしたかったんだ。だから神様にお願いしたんだ。俺を『ダンジョンマスターにしてくれ』ってさ。
でもこの世界にはダンジョンマスターって概念がなかったみたいで、神様は俺の望みがわからなかったみたいで、詳しく説明してくれって言われたんだ。
だから俺は言ったんだ。ダンジョンマスターって言うのは『ダンジョンを意のままに操れる存在のこと』だよって。
そしたら神様は分かりましたって言って、俺にチートをくれたんだよ」
今回の迷宮頻出騒動の原因はタケルで確定か。
そして、タケルが望んで迷宮を生み出していたわけでもなかったのも確定した。
「そしたらさ。神様はなんか勘違いしたらしくて、俺に使えない能力をくれたんだよ。
俺の能力は『迷宮操作』って言ってさ。迷宮の発生場所を指定できたり、迷宮の暴走を誘発させることが出来る能力だったんだ。意のままに操るって、そういうことじゃねぇんだよ、神様よぉっ……!
この世界で迷宮がどんな扱いをされているのかは事前に聞いてたからさ。この能力は使えないなって、仕方ないから地道に冒険者やって稼いでいこうって、自由気ままに楽しく暮らそうって、そう思ってただけだったのに……!」
独り言のように俯いて語り続けていたタケルが、突然ハッとした表情で俺を見た。
「ト、トウマ! 俺の能力に見当がついていたのはどういうことなんだ!? この世界には鑑定スキルはないって聞いてるぞ!
……俺のステータスを見ることなく、俺の能力に思い当たったってのは、つまり、そういうことなのかよ……?」
タケルは震える声で、搾り出すように俺に問いかける。
このタケルに真実を告げるのは酷かも知れないが、既に想像はついているようだし、ならば俺の口から告げるべきか……。
「多分、タケルが想像したとおりだよ。
今ボールクローグって街が、迷宮からの魔物の氾濫の脅威に晒されているんだ。
恐らく、ロンメレって奴がお前を洗脳して、迷宮を暴走させたんだろ」
「…………嘘、だろ……? 俺のせいで、俺の能力のせいで、いったい何人の人が犠牲になるんだよ……。
俺が……、俺が悪い、のか……? 軽い考えで、チート能力を貰った俺が、全部悪いのかよ……?」
「タケル落ち着け! まだ誰も犠牲になったわけじゃない! その犠牲をなくすために、こうやってお前に話を聞いているんだよ!
タケルはさっき、この国の外の話を聞きたいって奴が現れたって言ってたな。そいつの事で覚えている事はないか?」
「あ? そいつは身なりが良かったってくらいで、特に特徴らしい特徴は無かったな……。ただの使用人だと思って名前も聞かなかったし……。
ってそうだ! そうだよ! なんであいつは俺のところに来たんだ!? なんで俺の能力を知ってたんだよ!? 俺は誰にも能力の事を喋ってないし、目立った行動も取った覚えはなかったのに!?」
ち……、これもまさか事象復元で引き寄せられたことじゃねぇだろうな?
もう全部アリスが黒幕に思えてしまうわ。
だって、ヴェルトーガの騒動のせいで、タケルは目を付けられてしまったのだから。
「タケルが狙われた原因は説明できる。
実はここヴェルトーガで、日本から来たチート能力者、異邦人たちが事件を起こしてな。チート能力者と異邦人の存在が、リヴァーブ王国全域に通達されたんだよ。
その後に、黒髪の冒険者を狙った誘拐事件が多発していてな。恐らくチート能力目当ての異邦人狩りだったと推測される。
しかし大多数の者は、数日後に何事もなく見つかったせいで、問題が発覚するのが遅れたんだ。
そして大多数の帰還者とお前の違いは、リヴァーブ王国の外から訪れたか否かだ」
「な、なんでだよ!? リヴァーブ王国の外には黒髪の人間がいねぇってのか!?」
「違うんだよタケル。これは説明してもらっていないらしいな。
この世界においてはな。国ってのはリヴァーブ王国しかないんだよ。そしてリヴァーブ王国の外に、人類は確認されていないんだ。
リヴァーブ王国の外から来たって話で、異邦人を選別していたんだよそいつらは」
タケルは一瞬呆けたような表情をして、俺の言った言葉の意味を考えている。
「待ってくれ……。いや待ってくれよ!? 本当に雑談みたいだった!! 本当に気軽に言われたんだよ!! 貴方はこの国の外から来たんですかってさ!!
あれが……、あれがまさかかまかけだったなんて、分かるわけない、分かるわけないだろ!?
感じの良い人だったんだよ! 物腰が柔らかくて、腰も低くてさ! こっちに無理を強いるわけでもなく、丁寧に対応してもらったんだ! だから信用した! だから信用したんだよ!!!
あれが、あれが全部、嘘だったってのかよ!? ただ俺を利用することしか考えていなかった人間の態度だったのかよぉぉ!!?」
タケルは絶叫しながら頭を抱えている。
どうやら本当に人の良さそうなフリをして、タケルを一方的に利用したらしいな。
クソが。
同じ異邦人として胸糞悪くなるわ。
「タケル、落ち着け。まだ誰かが犠牲になったわけじゃない。まだ取り返しがつかないわけじゃないんだ。
タケルはステータスウィンドウで、スキルの詳細を確認したことはあるか?
お前の迷宮操作が、何を代償に行われる能力なのかを聞いておきたいんだ」
「うう、わ、悪い……。取り、取り乱し、ちまって……。ひっぐ……。
お、俺のめい、迷宮操作、は、はっ、自分の魔力を代償に、ににして、発動する、の、能力だよ……」
「大丈夫だタケル。ここにいるのはお前の味方しかいなくて、お前を利用した奴を捕まえるために動いてるんだ。
まずは深く呼吸をして、心と頭を落ち着かせるんだ。
まだ何も問題は起きてないし、ここにはお前の味方しかいない。大丈夫だ。安心していい」
自分の能力が悪用された事に気付いて、その重要さにすぐ思い至るようなこいつを、自分の目的のためなんかに一方的に利用なんかしやがって……!
しかし、迷宮操作の能力の割には代償が軽い気がするな?
もしかして何か勘違いしてることがあるのか?
「タケル。さっき迷宮操作は思っていた能力じゃなかったって言ってたよな?
お前はどんな能力をお願いして、そして実際貰った能力で出来る事はなんだったのか、具体的に教えてくれないか?」
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しっかりと能力の内容を把握することが大切だ。
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