309 / 580
8章 異風の旋律
279 おとり作戦② 襲撃者の言い分 ※トルネ視点
しおりを挟む
「女相手に人数が多すぎない? 2人を引き渡せば大人しく帰ってくれるの?」
リーンが相手に問いかける。
今回の目的は相手の殲滅だ。戦闘が始まれば相手を全滅させるだけ。
つまりリーンは、戦闘前に襲撃者から少しでも情報を得ようと会話を試みているんだろう。
「ひゃひゃひゃ! 悪いなぁ嬢ちゃん。俺らの顔を見た以上、全員帰すわけにもいかねぇんだわ」
「貴方達は中の2人を同志と呼びましたね? なら聞きたいことがあります。
なぜ貴方達はこんなことを始めたのですか? 今回ボールクローグの住人も、周辺に済んでいる人も巻き込んで、こんなに沢山の人を不幸にして、貴方達は一体なにがしたいのです?」
元々見逃す気がないのは分かっている。リーンの問いかけは会話の取っ掛かりだろう。
せっかく相手が返答してくれたのだから、会話を切らさないように話題を振る。
「あ~、ボールクローグに住んでる奴や、この辺の小せぇ村なんかに住んでる奴には、正直悪いと思ってんだよ俺たちもさぁ。
でも俺たちには俺たちで、譲れねぇもんがあるんだよな。たとえ何千何万の無関係の人を巻き込んででも、成し遂げたい目的ってもんがよ」
「何千何万の人命より優先される目的ってなんなのかな? 私には理解が出来ないけど、貴方達はいったい何をしようとしているの?」
私の後をすぐにハルが引き継いでくれる。
異風の旋律のみんなは、こういう風に意を汲むような連携が上手いと思う。
「よくぞ聞いてくれた! 俺たちの目的は唯一つ! カルネジア・ブルガーゾの殺害と、カルネジア家の滅亡だよ!
それに巻き込まれる無関係の人たちにゃぁ、申し訳ねぇとは思うけどな。無力な俺たちには、選べる手段なんてさほど多くはねぇんだよ」
襲撃者の1人が、まるで陶酔しているかのように高らかに宣言する。
「カルネジア家を滅亡させるのに、無関係な人を巻き込むなんて酷いよ……!
貴方達とカルネジア家には、いったいなにがあったって言うの……!?」
「酷い? 酷いのはカルネジア家の方なんだよ。お嬢さんが知らないだけでなぁ……。
カルネジア家ってのは獅子の獣人の戦闘力を傘に着て、今まで本当に好き勝手やってきたんだぜ?
俺たちはカルネジア家に辛酸を舐めさせられた、被害者の集まりなんだよぉ!」
「カルネジア家に辛酸を舐めさせられたから、今度は自分たちがやり返す番って言いたいのー?
そんなのカルネジア家と勝手にやってなさいっ! 無関係な人を巻き込んでいる時点で、カルネジア家とやってること変わんないじゃないのーっ!」
あ、リーン。それ多分禁句だから。
自己陶酔して罪の意識から目を逸らしている相手には、正論が何よりも頭にくるのよ?
「……いま、なんつった? 今なんつったんだよ、あぁ!? 俺が、俺たちがカルネジアのクソどもと同じだって言いやがったのかぁ!?」
「うん。同じだよね。周りの迷惑なんて省みずに、自分の我侭を暴力を持って通すなんて、まさにカルネジア家の得意技じゃない?
貴方達のしている事は、大嫌いなカルネジア家と全く同じことだよね。気付いてなかったの?」
「ハッハッハッハ! 勇ましいお嬢さんたちだな! そこまで同志を侮辱してくれたんだ。それなりの扱いは覚悟してもらうぜ?
ま、同志にとってはありがたいかもしれないな。何の気兼ねもなく壊せる玩具が手に入るんだからなぁ?」
男の言葉をきっかけに、場の緊張感が高まっていく。
この男、激昂した様子も見られないし、この集団を率いている感じなのかしら。
確かこの街に入り込んでいるロンメノの間者達には横の繋がりは無かったはずだから、処刑が発表されてからの僅かな時間で集団を纏め上げてみせたということ?
「お嬢さんたちくらいの上玉を傷つけるのは忍びねぇが、あんたらも冒険者なんだろ? 護送を任されるくらいだ。それなりに戦えるんだろう。
なるべく傷もつけたくないし、出来れば殺したくもないんだが、戦闘が始まれば絶対はないからな。今のうちに降参して、大人しく捕まってくれる気はないかい?」
「そんな気あるわけないでしょー! っていうかそっちから襲ってきたくせに、大人しく捕まれって何様なのよー!
大人しく引いてくれっていうならまだ分かるけどさー!」
「ハハハ! 俺の言い方は小さい嬢ちゃんのお気に召さなかったみたいだな! 悪気はないんだぜ?
悪気はないんだけど、これ以上は話に付き合うつもりもないからよ。出来れば五体満足のうちに降参してくれる事を願ってるぜ! かかれぇっ!!」
男は襲撃の指示を出しつつ後ろに下がる。
出来れば指揮官を先に仕留めたかったけど、そう簡単には進まないか。
「おっらぁ!!」
「ぎゃあああ!!」
「こ、こっちにくるんじゃねぇぇぇぁあああ!!」
向かってくる相手を槍で屠っていく。
相手も魔装術を使用しているようだが、私の槍を止める事は出来ていない。
実力的には6等級以上、3等級未満といった感じか。
戦い慣れている者も少なくないが、ハロイツァくらいの実力の者もいないようだ。
「あーらら。瞬く間に全滅かよ? お嬢さんたちやるねぇ。こいつらも同志の中じゃ戦える方だったんだぜ?」
指揮官らしき男は、自分以外の仲間が全滅しても顔色1つ変えていない。
この余裕はいったいなに? この男はなにを隠している?
近付くのは危険か、ならここは!
そう思った瞬間に、リーンのスネークソードが男に向かって伸びていた。
流石リーン。相手の危険性を理解して、私と同じ選択をしたのね。
「おいおいおい!? なんだよこれ!? やっべぇな!! こ、怖すぎだろぉ!?」
全く緊張感を感じさせない言葉ではあるが、私は目の前の光景が信じられなかった。
リーンのスネークソードを全て躱し切っている!? 私でも本気のリーンの攻撃を躱し切るのは難しいのに……!
「おいおい嬢ちゃん危ないもん振り回すんじゃねぇよ!! 『スタンガン』!!」
「あああああっ!?」
「リーン!?」
男の手から放たれた白い光がスネークソードに触れた瞬間、距離を取っていたはずのリーンが突然地面に崩れ落ちる!
今のが攻撃だったとして、なんであんな離れた場所に居るリーンに効果が及んだの!?
「スタンガン……!? 貴方も異邦人なのね!?」
「お? ってことはお嬢ちゃんも異邦人なのかい。黒髪のままでいるなんて剛毅だねぇ。ハッハッハ!」
異邦人!? 襲撃者に異邦人が紛れ込んでいたって事なのか!!
ハルには今の攻撃がなんなのか分かっている……!?
「うん。私も異邦人だよ。幸い仲間に恵まれててね。黒髪で不自由した事はないかな。
今のは電気だよね? おじさんが貰った能力は……、電力生成、とかかな?」
「ハッハッハァ! ちっちゃい割になかなか場数を踏んでるみたいだねぇ!
オジサンの名前は『レンジ』、電気を操るからって電子レンジなんて呼ばないでくれよぉ?
能力予想は惜しいね。正確には『電気魔法』だよ。カテゴリは生活魔法。
ま、本来は文化革命を起こすつもりで貰った能力なんだけどね。これがなかなか戦闘にも便利なわけよ」
……電気? 電気っていうのが何のことかは分からないけれど、生活魔法ということはかなりの応用が利くはず。
なんてことなの……。生活魔法を駆使する敵が現れるなんて、流石に予想してないわ!
私達は今から、トーマを敵に回して、勝利を収めなければいけないようなものじゃないの……!
リーンが相手に問いかける。
今回の目的は相手の殲滅だ。戦闘が始まれば相手を全滅させるだけ。
つまりリーンは、戦闘前に襲撃者から少しでも情報を得ようと会話を試みているんだろう。
「ひゃひゃひゃ! 悪いなぁ嬢ちゃん。俺らの顔を見た以上、全員帰すわけにもいかねぇんだわ」
「貴方達は中の2人を同志と呼びましたね? なら聞きたいことがあります。
なぜ貴方達はこんなことを始めたのですか? 今回ボールクローグの住人も、周辺に済んでいる人も巻き込んで、こんなに沢山の人を不幸にして、貴方達は一体なにがしたいのです?」
元々見逃す気がないのは分かっている。リーンの問いかけは会話の取っ掛かりだろう。
せっかく相手が返答してくれたのだから、会話を切らさないように話題を振る。
「あ~、ボールクローグに住んでる奴や、この辺の小せぇ村なんかに住んでる奴には、正直悪いと思ってんだよ俺たちもさぁ。
でも俺たちには俺たちで、譲れねぇもんがあるんだよな。たとえ何千何万の無関係の人を巻き込んででも、成し遂げたい目的ってもんがよ」
「何千何万の人命より優先される目的ってなんなのかな? 私には理解が出来ないけど、貴方達はいったい何をしようとしているの?」
私の後をすぐにハルが引き継いでくれる。
異風の旋律のみんなは、こういう風に意を汲むような連携が上手いと思う。
「よくぞ聞いてくれた! 俺たちの目的は唯一つ! カルネジア・ブルガーゾの殺害と、カルネジア家の滅亡だよ!
それに巻き込まれる無関係の人たちにゃぁ、申し訳ねぇとは思うけどな。無力な俺たちには、選べる手段なんてさほど多くはねぇんだよ」
襲撃者の1人が、まるで陶酔しているかのように高らかに宣言する。
「カルネジア家を滅亡させるのに、無関係な人を巻き込むなんて酷いよ……!
貴方達とカルネジア家には、いったいなにがあったって言うの……!?」
「酷い? 酷いのはカルネジア家の方なんだよ。お嬢さんが知らないだけでなぁ……。
カルネジア家ってのは獅子の獣人の戦闘力を傘に着て、今まで本当に好き勝手やってきたんだぜ?
俺たちはカルネジア家に辛酸を舐めさせられた、被害者の集まりなんだよぉ!」
「カルネジア家に辛酸を舐めさせられたから、今度は自分たちがやり返す番って言いたいのー?
そんなのカルネジア家と勝手にやってなさいっ! 無関係な人を巻き込んでいる時点で、カルネジア家とやってること変わんないじゃないのーっ!」
あ、リーン。それ多分禁句だから。
自己陶酔して罪の意識から目を逸らしている相手には、正論が何よりも頭にくるのよ?
「……いま、なんつった? 今なんつったんだよ、あぁ!? 俺が、俺たちがカルネジアのクソどもと同じだって言いやがったのかぁ!?」
「うん。同じだよね。周りの迷惑なんて省みずに、自分の我侭を暴力を持って通すなんて、まさにカルネジア家の得意技じゃない?
貴方達のしている事は、大嫌いなカルネジア家と全く同じことだよね。気付いてなかったの?」
「ハッハッハッハ! 勇ましいお嬢さんたちだな! そこまで同志を侮辱してくれたんだ。それなりの扱いは覚悟してもらうぜ?
ま、同志にとってはありがたいかもしれないな。何の気兼ねもなく壊せる玩具が手に入るんだからなぁ?」
男の言葉をきっかけに、場の緊張感が高まっていく。
この男、激昂した様子も見られないし、この集団を率いている感じなのかしら。
確かこの街に入り込んでいるロンメノの間者達には横の繋がりは無かったはずだから、処刑が発表されてからの僅かな時間で集団を纏め上げてみせたということ?
「お嬢さんたちくらいの上玉を傷つけるのは忍びねぇが、あんたらも冒険者なんだろ? 護送を任されるくらいだ。それなりに戦えるんだろう。
なるべく傷もつけたくないし、出来れば殺したくもないんだが、戦闘が始まれば絶対はないからな。今のうちに降参して、大人しく捕まってくれる気はないかい?」
「そんな気あるわけないでしょー! っていうかそっちから襲ってきたくせに、大人しく捕まれって何様なのよー!
大人しく引いてくれっていうならまだ分かるけどさー!」
「ハハハ! 俺の言い方は小さい嬢ちゃんのお気に召さなかったみたいだな! 悪気はないんだぜ?
悪気はないんだけど、これ以上は話に付き合うつもりもないからよ。出来れば五体満足のうちに降参してくれる事を願ってるぜ! かかれぇっ!!」
男は襲撃の指示を出しつつ後ろに下がる。
出来れば指揮官を先に仕留めたかったけど、そう簡単には進まないか。
「おっらぁ!!」
「ぎゃあああ!!」
「こ、こっちにくるんじゃねぇぇぇぁあああ!!」
向かってくる相手を槍で屠っていく。
相手も魔装術を使用しているようだが、私の槍を止める事は出来ていない。
実力的には6等級以上、3等級未満といった感じか。
戦い慣れている者も少なくないが、ハロイツァくらいの実力の者もいないようだ。
「あーらら。瞬く間に全滅かよ? お嬢さんたちやるねぇ。こいつらも同志の中じゃ戦える方だったんだぜ?」
指揮官らしき男は、自分以外の仲間が全滅しても顔色1つ変えていない。
この余裕はいったいなに? この男はなにを隠している?
近付くのは危険か、ならここは!
そう思った瞬間に、リーンのスネークソードが男に向かって伸びていた。
流石リーン。相手の危険性を理解して、私と同じ選択をしたのね。
「おいおいおい!? なんだよこれ!? やっべぇな!! こ、怖すぎだろぉ!?」
全く緊張感を感じさせない言葉ではあるが、私は目の前の光景が信じられなかった。
リーンのスネークソードを全て躱し切っている!? 私でも本気のリーンの攻撃を躱し切るのは難しいのに……!
「おいおい嬢ちゃん危ないもん振り回すんじゃねぇよ!! 『スタンガン』!!」
「あああああっ!?」
「リーン!?」
男の手から放たれた白い光がスネークソードに触れた瞬間、距離を取っていたはずのリーンが突然地面に崩れ落ちる!
今のが攻撃だったとして、なんであんな離れた場所に居るリーンに効果が及んだの!?
「スタンガン……!? 貴方も異邦人なのね!?」
「お? ってことはお嬢ちゃんも異邦人なのかい。黒髪のままでいるなんて剛毅だねぇ。ハッハッハ!」
異邦人!? 襲撃者に異邦人が紛れ込んでいたって事なのか!!
ハルには今の攻撃がなんなのか分かっている……!?
「うん。私も異邦人だよ。幸い仲間に恵まれててね。黒髪で不自由した事はないかな。
今のは電気だよね? おじさんが貰った能力は……、電力生成、とかかな?」
「ハッハッハァ! ちっちゃい割になかなか場数を踏んでるみたいだねぇ!
オジサンの名前は『レンジ』、電気を操るからって電子レンジなんて呼ばないでくれよぉ?
能力予想は惜しいね。正確には『電気魔法』だよ。カテゴリは生活魔法。
ま、本来は文化革命を起こすつもりで貰った能力なんだけどね。これがなかなか戦闘にも便利なわけよ」
……電気? 電気っていうのが何のことかは分からないけれど、生活魔法ということはかなりの応用が利くはず。
なんてことなの……。生活魔法を駆使する敵が現れるなんて、流石に予想してないわ!
私達は今から、トーマを敵に回して、勝利を収めなければいけないようなものじゃないの……!
0
あなたにおすすめの小説
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
赤金武蔵
ファンタジー
日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。
ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。
しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる