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9章 異邦人が生きるために
351 スナネコ一家
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新しく現れた猫は5匹。調理した魔物をガツガツ食べているが、やはり水も飲みたがる。
お腹壊させるわけにはいかないので、水は少し控えめに出してあげる。
最初に現れた3匹は近くでじゃれあっている。もう完全に警戒心がない。
警戒心はないが、こちらに不必要に近寄ってくるわけでもない。
触っても嫌がられないけれど、触って触ってとすりすりしてくることもない。
「どうやら完全に餌付けに成功してしまったけどどうするかな。こいつらが馬車を引いてくれるんだったら、全ての問題が解決するんだけど」
「ペルちゃんも凄く頭がいいし、色々試してみるのはどうかな……? こちらの言う事が分かるなら、従魔の鎖も必要ないしっ……!」
「出来ればこの子達にお願いしたいところだよねー。問題は戦闘力かなぁ? でもあの移動速度なら、大抵の魔物には捕まらないような気もするねー」
「そうだね。あとは問題は馬車を引けるかどうかかな。このくらいの大きさなら、言う事さえ聞けるなら街にも入れられるだろうしね」
「うん。街に入れられて魔物じゃないっていうなら、この子たちってスキルを覚えられる可能性もあるよね?
ふわわとつららもスキルを覚えているんだし、身体能力強化スキルを覚えさせたらと思うと、将来性もあるんじゃないかな」
「良いですね。となるとやはり、彼らが言う事を聞いてくれるかどうかが重要になってきますね。言う事を聞いてくれるのであれば決定でいいんじゃないですか?」
仲間の反応も上場だな。単純に可愛いし、魔物じゃないのもポイントが高い。
魔物はどうやっても魔物としか見れないからな。
あとはちゃんと躾けられるか。
餌のやり取りを考えると、割と期待できると思うんだけど、果たして。
「おーいお前ら。とりあえずハルの呼び方を採用してスナネコー。
食事の用意をするから、お前ら俺たちと一緒に来ないか? 言葉通じるかは分からないけど」
声をかけると、8匹とも俺の前に来てお座りのポーズになった。
これはひょっとして、会話が通じてるんだろうか?
「えっと。俺達についてきてくれるって捉えていいのかな?
食事を用意する代わりに、お前達に頼みたいことがあるんだ。
俺たちがこの砂漠地帯を移動する時に使う馬車を、お前達に引っ張って欲しいと思ってるんだけど、出来るか? というか分かるか?」
猫相手に話しかけるおっさんという図がシュールすぎませんかね?
そしてほんとに鳴かないなこいつら。壁外で生きる生物は、本当にあまり鳴かないらしい。
ペルは割と鳴いてたよなー。あれは巨大な体躯で簡単には殺されないためなのか、幼い頃に銀の乙女に拾われたからなのか。なんとなく後者のような気がする。
というか、壁外で生きている動物が居るなら、マジでペルの同属が探せる可能性があるよな? これはサリサリにも確認して、ペルの旦那さん探しをしてもいいかも知れない。
あまり積極的にエリアキーパーを討伐する気はないけれど、ペルのためならエリアキーパーくらい倒してやらぁな。
返事はなかったけど、1匹が前に出て俺の手を舐めてきた。ザラザラでちょっと痛かったけど、可愛いからセーフ。というかマジで俺の言葉をちゃんと理解しているっぽいな。
……ペルもそうだけど、人間以外の動物って、リンカーズ会話理解に近いスキルを持ってる可能性があるのでは? 喋る方には適用されないけど、聞く分には言ってることが分かる、みたいな。
「とりあえず、スナネコって呼ぶ事にして。スナネコと仲良くなれそうだし、騎乗魔物探しはこれで完了でいいかな?」
「もっちろんでしょー! スナネコー! これからよろしくねー!」
「うん。私も異論ないかな。ただこの子達に無理させるわけにはいかないし、色々ちゃんと調べないとね」
「今日のところは1度ベイクに連れて帰ろうか。このサイズなら8匹とも家に入れても問題ないし。
それで異風の旋律の従魔として登録してしまおう。祝福の儀と識別も受けさせてあげたいよね」
「魔物ではないですから人を見て襲うこともないでしょうね。でも基本は砂漠で暮らしている子達ですから、ベイクに閉じ込めておくわけにはいきません。国境壁の外側に、小屋か何かを立てて貰わないといけませんね」
「はぁ~可愛いよう……。8人も居るんだから、名前を考えるのも大変だねー……。ふふ、なんて名前がいいかなぁ……」
ということで今回の砂漠探索は一旦終了だ。
解体している狩人達にも終了を伝え、解体が済んだら一緒にウィルスレイアに戻ることにした。
その時に俺たちも馬車で一緒に帰還して、スナネコたちがちゃんと付いてくるか試してみる。まぁ心配はしてない。こいつら明らかに会話理解出来てるし。
さてと、砂漠地帯の移動手段は、暫定ではあるけど確保できた。あとは砂漠用の馬車を作って、俺とシンのSP稼ぎ。マーサの装備待ちって所か。
確実にエリアキーパーとの対決が近付いているのを感じる。今はまだ力不足だ。これから生まれてくるこのためにも絶対に負けるわけにはいかないからな。焦らずに準備を整えよう。
スナネコたちは、何の問題もなくウィルスレイアまで付いてきた。
狩人達に感謝を伝えて解散。ゲートを使ってベイクに戻る。
まだ夜明けには早い時間だったけれど、やはりリンシアさんは起床していた。
マジで夜明け前に起きてんだなこの人。
8匹を家に入れて、せっかくなので俺とシンは朝食まで88階層を周ってくることにする。
突如増えたスナネコたちを見て、マーサとアサヒとカンナがぶっ壊れたそうだが、それはまた別の話である。
お腹壊させるわけにはいかないので、水は少し控えめに出してあげる。
最初に現れた3匹は近くでじゃれあっている。もう完全に警戒心がない。
警戒心はないが、こちらに不必要に近寄ってくるわけでもない。
触っても嫌がられないけれど、触って触ってとすりすりしてくることもない。
「どうやら完全に餌付けに成功してしまったけどどうするかな。こいつらが馬車を引いてくれるんだったら、全ての問題が解決するんだけど」
「ペルちゃんも凄く頭がいいし、色々試してみるのはどうかな……? こちらの言う事が分かるなら、従魔の鎖も必要ないしっ……!」
「出来ればこの子達にお願いしたいところだよねー。問題は戦闘力かなぁ? でもあの移動速度なら、大抵の魔物には捕まらないような気もするねー」
「そうだね。あとは問題は馬車を引けるかどうかかな。このくらいの大きさなら、言う事さえ聞けるなら街にも入れられるだろうしね」
「うん。街に入れられて魔物じゃないっていうなら、この子たちってスキルを覚えられる可能性もあるよね?
ふわわとつららもスキルを覚えているんだし、身体能力強化スキルを覚えさせたらと思うと、将来性もあるんじゃないかな」
「良いですね。となるとやはり、彼らが言う事を聞いてくれるかどうかが重要になってきますね。言う事を聞いてくれるのであれば決定でいいんじゃないですか?」
仲間の反応も上場だな。単純に可愛いし、魔物じゃないのもポイントが高い。
魔物はどうやっても魔物としか見れないからな。
あとはちゃんと躾けられるか。
餌のやり取りを考えると、割と期待できると思うんだけど、果たして。
「おーいお前ら。とりあえずハルの呼び方を採用してスナネコー。
食事の用意をするから、お前ら俺たちと一緒に来ないか? 言葉通じるかは分からないけど」
声をかけると、8匹とも俺の前に来てお座りのポーズになった。
これはひょっとして、会話が通じてるんだろうか?
「えっと。俺達についてきてくれるって捉えていいのかな?
食事を用意する代わりに、お前達に頼みたいことがあるんだ。
俺たちがこの砂漠地帯を移動する時に使う馬車を、お前達に引っ張って欲しいと思ってるんだけど、出来るか? というか分かるか?」
猫相手に話しかけるおっさんという図がシュールすぎませんかね?
そしてほんとに鳴かないなこいつら。壁外で生きる生物は、本当にあまり鳴かないらしい。
ペルは割と鳴いてたよなー。あれは巨大な体躯で簡単には殺されないためなのか、幼い頃に銀の乙女に拾われたからなのか。なんとなく後者のような気がする。
というか、壁外で生きている動物が居るなら、マジでペルの同属が探せる可能性があるよな? これはサリサリにも確認して、ペルの旦那さん探しをしてもいいかも知れない。
あまり積極的にエリアキーパーを討伐する気はないけれど、ペルのためならエリアキーパーくらい倒してやらぁな。
返事はなかったけど、1匹が前に出て俺の手を舐めてきた。ザラザラでちょっと痛かったけど、可愛いからセーフ。というかマジで俺の言葉をちゃんと理解しているっぽいな。
……ペルもそうだけど、人間以外の動物って、リンカーズ会話理解に近いスキルを持ってる可能性があるのでは? 喋る方には適用されないけど、聞く分には言ってることが分かる、みたいな。
「とりあえず、スナネコって呼ぶ事にして。スナネコと仲良くなれそうだし、騎乗魔物探しはこれで完了でいいかな?」
「もっちろんでしょー! スナネコー! これからよろしくねー!」
「うん。私も異論ないかな。ただこの子達に無理させるわけにはいかないし、色々ちゃんと調べないとね」
「今日のところは1度ベイクに連れて帰ろうか。このサイズなら8匹とも家に入れても問題ないし。
それで異風の旋律の従魔として登録してしまおう。祝福の儀と識別も受けさせてあげたいよね」
「魔物ではないですから人を見て襲うこともないでしょうね。でも基本は砂漠で暮らしている子達ですから、ベイクに閉じ込めておくわけにはいきません。国境壁の外側に、小屋か何かを立てて貰わないといけませんね」
「はぁ~可愛いよう……。8人も居るんだから、名前を考えるのも大変だねー……。ふふ、なんて名前がいいかなぁ……」
ということで今回の砂漠探索は一旦終了だ。
解体している狩人達にも終了を伝え、解体が済んだら一緒にウィルスレイアに戻ることにした。
その時に俺たちも馬車で一緒に帰還して、スナネコたちがちゃんと付いてくるか試してみる。まぁ心配はしてない。こいつら明らかに会話理解出来てるし。
さてと、砂漠地帯の移動手段は、暫定ではあるけど確保できた。あとは砂漠用の馬車を作って、俺とシンのSP稼ぎ。マーサの装備待ちって所か。
確実にエリアキーパーとの対決が近付いているのを感じる。今はまだ力不足だ。これから生まれてくるこのためにも絶対に負けるわけにはいかないからな。焦らずに準備を整えよう。
スナネコたちは、何の問題もなくウィルスレイアまで付いてきた。
狩人達に感謝を伝えて解散。ゲートを使ってベイクに戻る。
まだ夜明けには早い時間だったけれど、やはりリンシアさんは起床していた。
マジで夜明け前に起きてんだなこの人。
8匹を家に入れて、せっかくなので俺とシンは朝食まで88階層を周ってくることにする。
突如増えたスナネコたちを見て、マーサとアサヒとカンナがぶっ壊れたそうだが、それはまた別の話である。
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