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10章 壁外世界
363 始動
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う~ん。ベッド狭いな。
っていうかさー。3人子供が出来たら3人嫁を増やすとか、我ながらドン引きだよ。後悔はしてないけど。
シンと2人の88階層探索。
今までは鈴音に頼りすぎると腕が鈍ると思って、意識的に鈴音を使うのは控えていたけど、ユリバファルゴアを見て思い直すことにした。鈴音を十全に使えるようにならないといけないんだと。
鈴音を振るいながら、鈴音の特性を探っていく。
やはり鈴音は音魔法に斬撃を乗せることが出来るみたいだ。
でもそれを俺の意志でコントロールするのがかなり難しい。なんだか音魔法を覚えたての時に、上手く扱えなくて四苦八苦していたのを思い出す。
やっぱり鈴音を遠ざけていてはダメなんだ。鈴音を使いこなせないと、ユリバファルゴアを倒すことなんて出来ない。
特性を探る。音魔法さえ乗せていれば、他の魔法との合成魔法でも斬撃は乗せられる。ただし音魔法のみの状態の方が威力が高いし扱いも楽だ。他の魔法は不純物扱いになっちゃってるな。
氾濫の時に思いつきで試した1本足打法。あれも改良を試みる。
ユリバファルゴアは凄まじい巨大さだったからな。大型旅客機以上の大きさなのは間違いない。長さに至っては計測できないレベルだった。
攻撃範囲を可能な限り拡張しつつ戦わないといけない。でも拡張しすぎると魔力消費が激しすぎる。
一瞬だけ、最大限に拡張して攻撃する癖をつける。
鈴音を振るう、その一瞬だけの攻撃範囲を極限まで拡張する。
そしてこれを意識しなくても出来るレベルまで訓練していく。
仲間を攻撃に巻き込むわけにはいかないので、無意識に出来るように練習しながらも意識してコントロールできるように練習する。
久しぶりに探索での魔力消費が激しい。まだまだ慣れが足りないな。
朝食を済ませ、リーネはウィルスレイアに出勤だ。
スナネコファミリーの食事のお世話もあるが、一緒に魔物狩りをしてみるらしい。
今日からヴェルトーガの開放型迷宮を攻略していく。
俺はディオーヌ様への報告にちょくちょく訪れているから新鮮味も何もないが、他のメンバーからしたら結構久しぶりになるみたいだな。
冒険者ギルドに行くと、前もお世話になったウサギ獣人のピリカトさんが居たので、今回も担当してもらおうかな。
「おー異風の旋律じゃねぇか! 冒険者ギルドに顔出したってこたぁ、迷宮に潜る気か? 精々稼いでいってくれよな!」
「どもっすピリカトさん。とりあえず迷宮の地図、最下層まで全部ちょうだいな。今回は稼ぎ目的じゃなくて、踏破が目標なんだ」
「はっはっはぁ! あっさり言ってくれるねぇ?
いいぜ! いま用意すっからよ、ちょっと待っててくれな。なんせ数が多いんだこれが」
そうして渡された地図の枚数は387枚だった。最下層が19階層らしいのに、地図の数が半端じゃないな。
1階層から5枚も地図買わされたもんなぁ……。
「この数だと最短距離を探るよりも、現地で走り回って魔法陣探した方がいいかもな」
「そうだねー。明日以降は私達で地図を確認しておくから、トーマと兄さんは気にしなくていいからねー?」
「それじゃあここも駆け抜ける感じで行くんですね。スクロール以外は全て無視と」
「うん。あの時は2階層ですら足引っ張っちゃってたからね。腕が鳴るよ!」
「はは。今のハルならソロで最下層まで行けると思うけどね。それじゃ早速行こうか。トーマのスキップは……、まだ2階層までしか行けないんだっけ」
あの時は久我たちのせいで全然進めなかったんだよなぁぁぁ!
スキップを使って2階層からスタートする。2階層は皆が道を覚えていたので最短距離で通過した。
3階層到達。手探りで行こうと思ったんだけど、ここでストレージさんが本領を発揮する。
『特定階層の地図』を取り出そうと思えば、ちゃんと対応してくれるのだ!
400枚近い地図を携帯するのも、それをいちいち階層ごとに組み合わせるのも大変だと思われたけど、ストレージのおかげで一気に楽になった!
MAPを確認する時間を考慮しても、最短距離で進むほうが手探りで進むより断然早いもんね。
ちょっと迷宮殺ししすぎて手探り探索に毒されてたわ。
極力戦闘を避けて最短ルートで攻略を進めた結果、なんとか11階層のスキップフラグを立てることが出来た。
ここでどうやら日没になったのでタイムアップだ。ベイクに帰ろう。
「トーマ。階層ごとに地図出してー。通過した階層はもう行かないと思うから、倉庫に仕舞っちゃうよー」
「はいよ。よろしく頼みます先輩」
しかし地図400枚は笑うしかないわ。
階層的には半分を過ぎたってのに、地図は100枚ちょっとしか減ってないんだよなぁ。
「うわぁ~……。ヴェルトーガの迷宮ってこんなに広いんすか? 嫌になるっすねぇ……」
「開放型迷宮だっけ。迷宮にも色々な種類があるのねぇ」
「うん。ベイクの迷宮とは逆に上に伸びるタイプの高層型なんてのもあるし、図書館で調べたら、他の全ての迷宮に当てはまらない『異界型迷宮』なんてのもあるんだって」
「異界型は本当に珍しくて、歴史上でも数件しか確認されてないみたいだね。それも全て討伐済みみたいだし、管理迷宮には異界型は現存してないみたいだよ」
「う~ん……。珍しい迷宮でもタケルの能力があれば、狙って探せるかもしれないね……?」
あー確かになぁ。現存していないなら新設都市の目玉に出来るかもな。異界型迷宮。
取らぬ狸の皮算用にならないように、まずはユリバファルゴアに集中しよう。
っていうかさー。3人子供が出来たら3人嫁を増やすとか、我ながらドン引きだよ。後悔はしてないけど。
シンと2人の88階層探索。
今までは鈴音に頼りすぎると腕が鈍ると思って、意識的に鈴音を使うのは控えていたけど、ユリバファルゴアを見て思い直すことにした。鈴音を十全に使えるようにならないといけないんだと。
鈴音を振るいながら、鈴音の特性を探っていく。
やはり鈴音は音魔法に斬撃を乗せることが出来るみたいだ。
でもそれを俺の意志でコントロールするのがかなり難しい。なんだか音魔法を覚えたての時に、上手く扱えなくて四苦八苦していたのを思い出す。
やっぱり鈴音を遠ざけていてはダメなんだ。鈴音を使いこなせないと、ユリバファルゴアを倒すことなんて出来ない。
特性を探る。音魔法さえ乗せていれば、他の魔法との合成魔法でも斬撃は乗せられる。ただし音魔法のみの状態の方が威力が高いし扱いも楽だ。他の魔法は不純物扱いになっちゃってるな。
氾濫の時に思いつきで試した1本足打法。あれも改良を試みる。
ユリバファルゴアは凄まじい巨大さだったからな。大型旅客機以上の大きさなのは間違いない。長さに至っては計測できないレベルだった。
攻撃範囲を可能な限り拡張しつつ戦わないといけない。でも拡張しすぎると魔力消費が激しすぎる。
一瞬だけ、最大限に拡張して攻撃する癖をつける。
鈴音を振るう、その一瞬だけの攻撃範囲を極限まで拡張する。
そしてこれを意識しなくても出来るレベルまで訓練していく。
仲間を攻撃に巻き込むわけにはいかないので、無意識に出来るように練習しながらも意識してコントロールできるように練習する。
久しぶりに探索での魔力消費が激しい。まだまだ慣れが足りないな。
朝食を済ませ、リーネはウィルスレイアに出勤だ。
スナネコファミリーの食事のお世話もあるが、一緒に魔物狩りをしてみるらしい。
今日からヴェルトーガの開放型迷宮を攻略していく。
俺はディオーヌ様への報告にちょくちょく訪れているから新鮮味も何もないが、他のメンバーからしたら結構久しぶりになるみたいだな。
冒険者ギルドに行くと、前もお世話になったウサギ獣人のピリカトさんが居たので、今回も担当してもらおうかな。
「おー異風の旋律じゃねぇか! 冒険者ギルドに顔出したってこたぁ、迷宮に潜る気か? 精々稼いでいってくれよな!」
「どもっすピリカトさん。とりあえず迷宮の地図、最下層まで全部ちょうだいな。今回は稼ぎ目的じゃなくて、踏破が目標なんだ」
「はっはっはぁ! あっさり言ってくれるねぇ?
いいぜ! いま用意すっからよ、ちょっと待っててくれな。なんせ数が多いんだこれが」
そうして渡された地図の枚数は387枚だった。最下層が19階層らしいのに、地図の数が半端じゃないな。
1階層から5枚も地図買わされたもんなぁ……。
「この数だと最短距離を探るよりも、現地で走り回って魔法陣探した方がいいかもな」
「そうだねー。明日以降は私達で地図を確認しておくから、トーマと兄さんは気にしなくていいからねー?」
「それじゃあここも駆け抜ける感じで行くんですね。スクロール以外は全て無視と」
「うん。あの時は2階層ですら足引っ張っちゃってたからね。腕が鳴るよ!」
「はは。今のハルならソロで最下層まで行けると思うけどね。それじゃ早速行こうか。トーマのスキップは……、まだ2階層までしか行けないんだっけ」
あの時は久我たちのせいで全然進めなかったんだよなぁぁぁ!
スキップを使って2階層からスタートする。2階層は皆が道を覚えていたので最短距離で通過した。
3階層到達。手探りで行こうと思ったんだけど、ここでストレージさんが本領を発揮する。
『特定階層の地図』を取り出そうと思えば、ちゃんと対応してくれるのだ!
400枚近い地図を携帯するのも、それをいちいち階層ごとに組み合わせるのも大変だと思われたけど、ストレージのおかげで一気に楽になった!
MAPを確認する時間を考慮しても、最短距離で進むほうが手探りで進むより断然早いもんね。
ちょっと迷宮殺ししすぎて手探り探索に毒されてたわ。
極力戦闘を避けて最短ルートで攻略を進めた結果、なんとか11階層のスキップフラグを立てることが出来た。
ここでどうやら日没になったのでタイムアップだ。ベイクに帰ろう。
「トーマ。階層ごとに地図出してー。通過した階層はもう行かないと思うから、倉庫に仕舞っちゃうよー」
「はいよ。よろしく頼みます先輩」
しかし地図400枚は笑うしかないわ。
階層的には半分を過ぎたってのに、地図は100枚ちょっとしか減ってないんだよなぁ。
「うわぁ~……。ヴェルトーガの迷宮ってこんなに広いんすか? 嫌になるっすねぇ……」
「開放型迷宮だっけ。迷宮にも色々な種類があるのねぇ」
「うん。ベイクの迷宮とは逆に上に伸びるタイプの高層型なんてのもあるし、図書館で調べたら、他の全ての迷宮に当てはまらない『異界型迷宮』なんてのもあるんだって」
「異界型は本当に珍しくて、歴史上でも数件しか確認されてないみたいだね。それも全て討伐済みみたいだし、管理迷宮には異界型は現存してないみたいだよ」
「う~ん……。珍しい迷宮でもタケルの能力があれば、狙って探せるかもしれないね……?」
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