異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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10章 壁外世界

362 蛇神討伐のために

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 スナネコハウスに到着してもまだ夜は明けていなかった。
 スナネコ達に多めに魔物を狩ってきてもらって余分に調理。今日はお休みにしてちょっと休みたい。


「漠然と何とかなるって考えてたなぁ……。ランドビカミウリも正攻法で倒したわけでもないのに、ちょっと自惚れてたわ」

「うん。トーマの最後の行動は要審議って感じだけど、ランドビカミウリと同等って聞いて、ちょっと甘く見てたところはあるかな」

「そうだね。やっぱり身篭ってるみんなにあんなのと戦ってもらうわけにはいかないし、僕とトーマで何とかするしかない。何か策はあるかな?」

「ううん。思いつかないかなー。というかトーマのせいで頭が働かないよー? 今日は丸1日相手してもらうからねー?」

「そうですねぇ。あんなの見せ付けられては頭も回りませんよ。マーサを仲間外れには出来ませんし、早くベイクに戻りましょうか」


 ダメだ。完全に自業自得だけど話し合いが出来る空気じゃない。
 重く沈むよりはマシなのかもしれないけどね。


「へ~い。それじゃあシン、ハル。今日は1日休みにして。日没後の夕食の時に相談しようか。
 別に具体的な方針じゃなくても良いから、思いつく事を適当に並べてみよう。どうせスキル取得も装備品の完成もまだなんだしな」

「わかった。こっちでも少し話してみるよ。
 今回目にして分かったけど、異風の旋律以外の人間がエリアキーパーと対峙するのは無理だね。精神安定を覚えていてもアサヒとカンナみたいになってしまうようじゃ、僕らが倒せないとなす術なし。こう考えた方が良さそうだ」

「うん。トーマとシンの2人でアレを倒す方法、少し真面目に考えてみるね。多分そっちは真面目に考える余裕もないだろうし?」


 考えたら考えたで文句言われそうだしな?




 
 ふう。確かに物を考える余裕もなかった。
 顎と舌が攣りそうだ。現場に居なかったマーサまで強請りやがって。
 応えない訳にはいかないじゃないか。旦那として!


「はぁ~……。まさかいきなり複数人で、ってなるとは思ってなかったっすよ~。
 これからはこれが日常になるんすねぇ」

「やめろ。その発言は俺に効く」

「んふふ~。私は全然構わないわよ~? もっと増えたって気にしないわ。私のこともちゃんと構ってくれるならね~んふふ~」

「カ、カンナっちがぶっ壊れたっす……! カンナっちって惚れたらトコトンってタイプだったんすねぇ」


 丸1日休みだった筈なのに、休んだ気がしないのは何故なんだろうなぁ……。
 ま、そろそろ切り替えていこう。ユリバファルゴアをどうやって倒すかを考えないと。


「はいじゃあ真面目な話題に変えさせてもらうぞ。
 今回は本当に姿を見ただけだったけど、今の俺たちに勝てるかは判断できない相手だった。
 スキルの取得と装備の充実は必須だとして、他に何かすべきことはあるかな?」

「う~ん。ハルと話はしてみたんだけどね。結局はそれが1番確実だって話に落ち着いちゃうんだよね。
 陽天の報せ以降は僕とトーマはスキル取得に専念したほうがいいのかなって、その程度しか思いつかなかったよ」

「うん。あとは魔法ギルドに行って、まだ2人が覚えてない魔法が売ってたら覚えてみるのも良いかも知れないと思うの。トーマって使える魔法が増えれば、工夫の幅も広がるかなって」

「工夫ですか……。トーマの小細工って、逆に言えば死力を尽くしてるとも言えますからね。ここから更に劇的な効果を望むのは難しいかもしれません」

「ん~。トーマにもうちらみたいに、何かチート能力があれば話が早いんすけどねぇ。始めに貰えなかったんだから、今から何か貰えないっすかね?」

「う~んでもねぇ……。ユリバファルゴアにはレンジさんの電気魔法があっても、全く通用せずに殺されちゃうと思うのよね。
 トーマたちが今まで戦ってきた異邦人で、アレに通用しそうな能力者って居たかしら?」

「むむむ~。そう言われると、チート能力者ですら太刀打ち出来ないかもー?
 速水の加速や久我の転移があれば、逃げる事は出来るかも知れないけどねー。タケルの能力は制御できないわけだしー」


 つまりエリアキーパークラスになると、チートなんか持ってたって大した意味を成さないわけだ。道理でポンポン気軽にチートを配るわけだよ。世界レベルで見たら、チート程度ではバランスを崩すことは出来ないって話なのか。


「ん~……。シンに絞って言うなら、ジャンプは覚えたほうが良さそうだよね……?
 あの巨体の攻撃を回避するのって、生身じゃ絶対追いつかないと思うの……」

「うん。シンにはジャンプを覚えてもらいたいかな。
 トーマ。ヴェルトーガの迷宮も踏破して、奥でSP稼ぎしない?
 迷宮で音魔法を使ったら、階層中の魔物釣れそうだし、やってみる価値はあるんじゃないかな?」

「……その理論で言うなら、どっか治療魔法が出やすい迷宮を知らないか?
 リペアとリカバーはあるけど、出来ればヒールを覚えておきたいんだよな。
 エリアキーパー相手に被弾を想定するのは、無意味かもしれないけどな。即死しそうだし」

「う~! どっちも守りに入ってる気がするっすねぇ。なんかないんすか!? 必殺技的な奴!」

「必殺技って言われてもねぇ。結局工夫止まりになるんじゃないかしら? なにかこう、特殊な攻撃手段とか持ってないと、必殺技なんて開発しようがないんじゃない?」

「特殊な攻撃方法って言えばさ。砂漠で魔物調査をしていた時、見渡す限りの魔物を一瞬で殲滅してたよね? あれってなんだったの?」

「あーっ……! 今のシンの言葉で思い出した……! 私がボールクローグに行ってる時にクリーヌに聞いたんだけど、防衛戦の中央付近で、超広範囲に渡って魔物が横に両断されてた場所があるって言ってた……!
 それって絶対トーマがやったんでしょっ……!?」


 砂漠の件は、鈴音が勝手にやりました状態だけど、防衛戦の時の話ってなんだっけ? こっちは、全く記憶に御座いません状態だな。


「――――あ、あー! 思い出した! あれだ! 1本足打法やった奴か! 思い出した思い出した。うん、俺だったわ。
 砂漠の件は鈴音がやったことだから、俺に言われても分からないぞ……、ん?」


 今なんかちょっと閃きそうな感じだったな?
 瞬間的な極大拡張と、鈴音の音乗せ斬撃。上手く組み合わせることって出来ないか?
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