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10章 壁外世界
368 スキップオーブ
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ヴェルトーガでの探索は任せて、1度ベイクに戻ってホムロに相談することに。
「ホムロー。依頼した魔導具さー。1000個のオーダーが入っちゃったんだよ。
ホムロのところだけで回すのは現実的じゃないし、どうすれば量産できると思う?」
「せ、1000個……? テメェマジで何を作りやがったんだよ……。
っと、発注だけならこのままうちに1000個依頼して良いぜ。俺のほうで商工ギルドと交渉して人集めっからよ」
「おっけー。じゃ大量発注だし、多少まけてもらうとして、1000個で白金板30枚でお願いできる? 70個分の料金も返さなくていいから、それも人集めに使ってよ」
「うちの店で白金板取引なんて、テメェしかやったことねぇわ……。
触媒はテメェが1000個持ってくんだよな? っとなるとそうだな。10~15日くらいで納品できると思う」
「うん。充分だよ。とりあえず明日の30個は間に合わせてね。依頼人に見せなきゃなんないからさ」
ホムロに話をつけたらうちの工房へ。
マーサに挨拶して、アサルトドラゴンの鱗から水晶玉を930個追加で作成。
これを今持っていくとキレられそうだな。明日から少しずつ持ち込むか。
工房での用事も済んだのでヴェルトーガに戻る。
しかしあれだな。今ではもう当たり前のように使っているけど、空間魔法を使えるっていうアドバンテージは大きすぎるなやっぱ。将来的にはゲートの魔導具も普及させるべきだと思うけど、こっちはまだ急務ではない。未来の職人が普及させるのも待っても問題ないだろう、多分。
迷宮に行き、みんなと合流する。
音魔法の吸引力は素晴らしい。戦闘の効率が段違いだ。荷物がすぐにいっぱいになって冒険者ギルドへ。
「いやいやすっげぇなぁ! 流石は異風の旋律だぜ! 18階層をぽんぽん行き来できる冒険者なんざ、お前らくらいのもんだぜまったくよっ!」
ピリカトさん、パーティ情報だだ漏れにするのやめて。
「おお! このスクロールはストレージだったぜ! 空間魔法のスクロールをこんな短期間で出すなんて、やるじゃねぇか!」
おお~! 個人情報だだ漏れも気にならないくらいありがてぇ~!
「うん。じゃあシンが覚えるのがいいんじゃないかな。私達はほら、定期的に長期間動けなくなるじゃない?」
「うんうん。兄さんが覚えちゃっていいんじゃない? トーマと兄さんがストレージ持つのが、1番影響大きいと思うしー」
「私も問題ありませんよ。次にストレージが出たら、リーネに覚えさせるのもありかなって思いますけど」
あーリーネはどうだろうなぁ。食料を積み込む分には優秀だけど、狩人の獲物だったり、スナネコの食料を携帯するには容量足りないんだよな。
「ってことでシン。遠慮なく使っちゃって」
「うん。みんなありがとう。有難く覚えさせてもらうね」
これでストレージの容量が2倍になったようなもんだ。ギルドへの往復回数が減らせるから、更に効率的に狩りが出来そうだ。
その後日没まで探索したけれど、流石に空間魔法のスクロールを入手することはできなかった。
凄い数狩ってるんだけどねぇ。ホントに落ちないのなぁ。
「トーマ! スキップやばいっすよ! いつもの3倍の回数探索できたっす! つまり1日のSP獲得量が3倍になったってことっすよ! スキップ影響でかすぎっす!」
「トーマー! スキップありがとー! 凄い、ほんとに凄いのね空間魔法って!
お礼に今夜は好き放題めちゃくちゃにしていいからね!」
「毎日これ以上ないくらい好き放題にめちゃくちゃにしてるっつうの」
心配ないとは思ってたけど、2人は空間魔法使っても、魔力足りたみたいだな。
「私もゲートありがとうトーマ……。ふふ、私が1人で歩けるようになるなんて、ね……。
みんなと一緒に居るのが1番幸せだけど、今日1人でウィルスレイアを歩いたのも楽しかったんだ……。
トーマと会う前に、ずっと1人で怯えていたのが信じられないよ……」
「もうリーネはとっくに一人前になってるよ。お前の事は一生離さないけど、それとは別の話で、リーネはもう1人でどこにだって行けるんだ」
「ふふ、迷宮に入れないことなんて、ほんっとうに大したことなかったね……!」
ああもう俺の嫁は可愛すぎるよ。
「ああ、それでディオーヌ様に、ヴェルトーガのエリアキーパーの討伐を依頼されたわ。
ユリバファルゴアを倒した後で良いって言われたから今は気にしなくていいけど、いずれ戦わなきゃいけないことだけは覚えておいてくれ」
海中戦闘はどんな感じになるのかなぁ。
水魔法と環境適応がどんな感じに働くか、色々検証してみないといけない。
そしてこの夜は、空間魔法付加のお礼を心行くまで堪能させて頂いた。
翌朝ご飯を食べた後、シンにも付き合ってもらって、ホムロのところに250個ほど追加で水晶玉を置いてきた。これから毎日250個ずつ届けてやろう。お返しに30個の完成品を受け取る。
しかし魔法付加の消費魔力が固定で助かったよ。スキップ1000回使うとか考えたくもないしな。
ディオーヌ様に完成品の30個をお渡しして、追加発注の余剰分300個はネヴァルドに届けて、王が国中に配分してくれることになった。
紛失、損傷したら補填はしない。素材的に、かなり頑丈だとは思うけど。
魔導具の名前は『スキップオーブ』に決まった。
ちょっと安直過ぎないかな? と思ったんだけど、こういう物は分かりやすいのが重要なんです、と言われたら反論なんて出来るはずもない。
「このスキップオーブが、王国中の冒険者たちの福音となることを願います。
近い将来、異風の旋律に頼らなくても、国境壁外に足を踏み出すことが出来るようになるでしょう。そうなって初めて、リヴァーブ王国は自立したと言えましょう」
本当にこの人は立派だよなぁ。
この人が居る限り、リヴァーブ王国は繁栄していきそうだわ。
「ホムロー。依頼した魔導具さー。1000個のオーダーが入っちゃったんだよ。
ホムロのところだけで回すのは現実的じゃないし、どうすれば量産できると思う?」
「せ、1000個……? テメェマジで何を作りやがったんだよ……。
っと、発注だけならこのままうちに1000個依頼して良いぜ。俺のほうで商工ギルドと交渉して人集めっからよ」
「おっけー。じゃ大量発注だし、多少まけてもらうとして、1000個で白金板30枚でお願いできる? 70個分の料金も返さなくていいから、それも人集めに使ってよ」
「うちの店で白金板取引なんて、テメェしかやったことねぇわ……。
触媒はテメェが1000個持ってくんだよな? っとなるとそうだな。10~15日くらいで納品できると思う」
「うん。充分だよ。とりあえず明日の30個は間に合わせてね。依頼人に見せなきゃなんないからさ」
ホムロに話をつけたらうちの工房へ。
マーサに挨拶して、アサルトドラゴンの鱗から水晶玉を930個追加で作成。
これを今持っていくとキレられそうだな。明日から少しずつ持ち込むか。
工房での用事も済んだのでヴェルトーガに戻る。
しかしあれだな。今ではもう当たり前のように使っているけど、空間魔法を使えるっていうアドバンテージは大きすぎるなやっぱ。将来的にはゲートの魔導具も普及させるべきだと思うけど、こっちはまだ急務ではない。未来の職人が普及させるのも待っても問題ないだろう、多分。
迷宮に行き、みんなと合流する。
音魔法の吸引力は素晴らしい。戦闘の効率が段違いだ。荷物がすぐにいっぱいになって冒険者ギルドへ。
「いやいやすっげぇなぁ! 流石は異風の旋律だぜ! 18階層をぽんぽん行き来できる冒険者なんざ、お前らくらいのもんだぜまったくよっ!」
ピリカトさん、パーティ情報だだ漏れにするのやめて。
「おお! このスクロールはストレージだったぜ! 空間魔法のスクロールをこんな短期間で出すなんて、やるじゃねぇか!」
おお~! 個人情報だだ漏れも気にならないくらいありがてぇ~!
「うん。じゃあシンが覚えるのがいいんじゃないかな。私達はほら、定期的に長期間動けなくなるじゃない?」
「うんうん。兄さんが覚えちゃっていいんじゃない? トーマと兄さんがストレージ持つのが、1番影響大きいと思うしー」
「私も問題ありませんよ。次にストレージが出たら、リーネに覚えさせるのもありかなって思いますけど」
あーリーネはどうだろうなぁ。食料を積み込む分には優秀だけど、狩人の獲物だったり、スナネコの食料を携帯するには容量足りないんだよな。
「ってことでシン。遠慮なく使っちゃって」
「うん。みんなありがとう。有難く覚えさせてもらうね」
これでストレージの容量が2倍になったようなもんだ。ギルドへの往復回数が減らせるから、更に効率的に狩りが出来そうだ。
その後日没まで探索したけれど、流石に空間魔法のスクロールを入手することはできなかった。
凄い数狩ってるんだけどねぇ。ホントに落ちないのなぁ。
「トーマ! スキップやばいっすよ! いつもの3倍の回数探索できたっす! つまり1日のSP獲得量が3倍になったってことっすよ! スキップ影響でかすぎっす!」
「トーマー! スキップありがとー! 凄い、ほんとに凄いのね空間魔法って!
お礼に今夜は好き放題めちゃくちゃにしていいからね!」
「毎日これ以上ないくらい好き放題にめちゃくちゃにしてるっつうの」
心配ないとは思ってたけど、2人は空間魔法使っても、魔力足りたみたいだな。
「私もゲートありがとうトーマ……。ふふ、私が1人で歩けるようになるなんて、ね……。
みんなと一緒に居るのが1番幸せだけど、今日1人でウィルスレイアを歩いたのも楽しかったんだ……。
トーマと会う前に、ずっと1人で怯えていたのが信じられないよ……」
「もうリーネはとっくに一人前になってるよ。お前の事は一生離さないけど、それとは別の話で、リーネはもう1人でどこにだって行けるんだ」
「ふふ、迷宮に入れないことなんて、ほんっとうに大したことなかったね……!」
ああもう俺の嫁は可愛すぎるよ。
「ああ、それでディオーヌ様に、ヴェルトーガのエリアキーパーの討伐を依頼されたわ。
ユリバファルゴアを倒した後で良いって言われたから今は気にしなくていいけど、いずれ戦わなきゃいけないことだけは覚えておいてくれ」
海中戦闘はどんな感じになるのかなぁ。
水魔法と環境適応がどんな感じに働くか、色々検証してみないといけない。
そしてこの夜は、空間魔法付加のお礼を心行くまで堪能させて頂いた。
翌朝ご飯を食べた後、シンにも付き合ってもらって、ホムロのところに250個ほど追加で水晶玉を置いてきた。これから毎日250個ずつ届けてやろう。お返しに30個の完成品を受け取る。
しかし魔法付加の消費魔力が固定で助かったよ。スキップ1000回使うとか考えたくもないしな。
ディオーヌ様に完成品の30個をお渡しして、追加発注の余剰分300個はネヴァルドに届けて、王が国中に配分してくれることになった。
紛失、損傷したら補填はしない。素材的に、かなり頑丈だとは思うけど。
魔導具の名前は『スキップオーブ』に決まった。
ちょっと安直過ぎないかな? と思ったんだけど、こういう物は分かりやすいのが重要なんです、と言われたら反論なんて出来るはずもない。
「このスキップオーブが、王国中の冒険者たちの福音となることを願います。
近い将来、異風の旋律に頼らなくても、国境壁外に足を踏み出すことが出来るようになるでしょう。そうなって初めて、リヴァーブ王国は自立したと言えましょう」
本当にこの人は立派だよなぁ。
この人が居る限り、リヴァーブ王国は繁栄していきそうだわ。
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