異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

文字の大きさ
428 / 580
10章 壁外世界

388 城壁作り

しおりを挟む
 人口問題の解決にすっかり励んで夜が明ける。
 今日はネヴァルドと、一応シルグリイド家にも都市名の報告を済ませておくべきか。

 今日からソロ探索も再開する。
 面倒な事に、もう1体エリアキーパーを倒さなきゃいけないからな。
 ザルトワシルドア戦までに、『魔力量増加:大』を取得するのが目標だ。

 
 探索を終えて朝食タイム。
 一応異邦人達には、新しい都市の建設が始まったことは伝えておく。
 今のところはあまり意味はないと思うけど、出来ればベイクに居るうちに『環境適応:小』を取得しておいて欲しいと告げる。

 豪雪地帯と聞いて、スキー好きの異邦人がちょっとテンション上がっていたが、魔物だらけのこの世界で、屋外スポーツの普及は難しいんじゃないっすかね? でも情熱さえあれば解決することもあるかもな。


 俺はネヴァルドとウィルスレイアぼ冒険者ギルドにそれぞれ言付けて、ルイナスリームにゲートで移動する。
 シンを始めとしたメインメンバーはスナネコ団を連れて、ユリバファルゴアの鱗の剥ぎ取り作業だ。

 リーネとハルは心核武器を持ってないので鱗を傷つけることは出来ないけど、運搬作業の手伝いなら問題なく可能だ。
 アサヒとカンナは出来ることがないと言う事で、ベイクに留守番して迷宮に篭っている。

 俺とマーサはそれぞれリモデリングの杖を2本ずつ持って、まずは地面用の鱗の結合を行う。
 いやぁ外周だけ繋げばいいだけなんだけど、1枚1枚がでか過ぎて果てしない作業だなこれ。

 将来的な拡張性と、地盤沈下対策として、地面にはユリバファルゴアの鱗を20枚ほど使用する。この時点でネヴァルドの数倍の面積になるのだけれど、別に全ての範囲を都市にするわけではない。
 ただ広めに取っておかないと、将来的に都市を広げようと思ったときに苦労しそうだなと思ったのだ。

 俺がやる事はないと思うから、その時の担当者が苦労すればいいとは思ってるけど、餞別みたいなもんか。


 とりあえず初期構想としては、鱗4枚分の範囲を城壁で囲う予定だ。これでも相当な広さである。多分ベイクより広い。
 多分俺が生きてるうちに敷地が足りなくなるって事はなくなるだろうな。
 日本から転移してくる異邦人的には、広い敷地ってだけでちょっとしたカルチャーショックを受けそう。

 そういえば俺は知らなかったんだけど、リュウグウノツカイって鱗持ってないらしいな。深海魚に詳しい異邦人に熱弁を振るわれて始めて知ったわ。
 ユリバファルゴアって結局なんだったんだろう? 魔物の生態なんて、真面目に考えても仕方ないかもしれないが。


 マーサと2人で黙々と鱗の結合作業に従事していてふと気付く。運搬の効率が悪すぎると。
 よくよく考えてみると、片道で1日くらいかかるんだもんな。
 スナネコに鱗を括りつけたらみんなはゲートで戻ってこれるけど、それにしたって効率悪すぎる。

 これはユリバファルゴアとの戦闘跡付近にも、1つターミナルを設置しなきゃいけないな。
 往復だとスナネコたちは2日かかって運ぶことになるんだもんなぁ。これは見落としてたわ、悪いことしたなぁ。

 マーサに1度ベイクに戻ってもらって、ターミナルを作ってもらう。心核だけはまだまだ余ってる。装備品も出来てるんだし、惜しむ意味はない。
 この日はターミナルの護衛にスナネコたちもいないわけで、色々考えが浅かったと反省する結果になった。

 スナネコ達に働かせっぱなしで申し訳なかったので、俺がルイナスリームに泊り込んで、夜通し鱗の結合作業を続けた。おかげで始めに持ってきた6枚の結合は完了したぜ。
 

 次の日の夜に8枚の鱗が到着したので、鱗4枚の範囲の外周に鱗を立てて結合する。鱗を立てるのはなかなかに苦労したけれど、ガントレットでふっ飛ばしつつみんなで協力してなんとか直立させた。
 城壁で囲めば人手も増やせる。辛いのは最初だけ……のはす。

 鱗1枚で直径数百メートルオーバーだからなぁ。流石に1キロメートルはなさそうだけど。立てればそれで城壁として機能してしまうというね。
 強度的に補強は必要ないかもしれないけど、倒れてこないように内側に支えは必要かな。気分的な問題で。

 鱗4枚の外周は、追加の鱗8枚で塞ぎきれそうだったので、城壁が出来たらいよいよ人手の投入だな。
 しかし運搬係が不足してるんだよなぁ。スナネコ以外だと速度的に遭難しかねないわけだし……。

 う~ん……。当分はスナネコ達に頑張ってもらうしかないか。都市部分と地面に必要な部分さえ運び終われば、あとはゆっくり集めてもらえばいいわけだし。スナネコ使いが荒くて自己嫌悪に陥りそうだが。

 
 後日ユリバファルゴア戦跡地に同行し、鱗を1枚敷いた上にターミナルを設置。これでスナネコの移動距離が半分になった。それでも1日仕事には変わりないけど、日を跨がなくなっただけでも大きいはず。

 ターミナル設置場所は、鱗を変形させて3メートル程度の囲いを作ってはみたけど、砂漠の魔物は殆ど動かないらしいから必要なかったかもしれないなぁ。

 スナネコたちは1日は働いたら1日休ませる。地面用の20枚と城壁用の8枚、合計28枚運んでもらえれば、とりあえずの必要数は足りるからな。
 その後は別荘建設に必要な分をゆっくり運んでもらえれば充分だ。

 8枚の鱗を隙間なく結合させて、東西南北に大きめの穴を開ける。心核武器で刳り貫いた後にリモデリングで形を整えた。
 
 10日ほどかかってしまったが、なんとかルイナスリームの城壁が完了した。
 これで街作りを始められるところまでは漕ぎつけられたかな?
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

第2の人生は、『男』が希少種の世界で

赤金武蔵
ファンタジー
 日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。  あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。  ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。  しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。

異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!

石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。 クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に! だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。 だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。 ※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。

男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。 その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。 彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。 そして....彼の身体は大丈夫なのか!?

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...