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10章 壁外世界
414 別荘での休日
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嫁達を寝室に運ぶ。
ちょっと頑張りすぎて、嫁達全員ノックアウトしてしまった。
今日は休みにしたんだし、ゆっくり寝てもらおう。
えっと、ルイナスリームへの人員輸送と、スナネコたちの食事の準備は俺がすればいいか。
っと、その前にお風呂の後始末をしておくかー。
お湯を抜きにお風呂にいくと、ウミガメさんがなにやら興味深そうに浴槽を見つめているのに気付く。
「おはようウミガメさん。お風呂入ってみたいの?」
入ってみたいらしい。子ウミガメたちも引き連れて上陸してくる。
かなり汚してしまったので全体に洗浄。
シン・ハル側の浴槽を使えばいいのかもしれないけど、無断で借りるのは気が引ける。多分許してくれるとは思うけどさ。
洗浄をかけたら熱魔法で、温いくらいに水温を調整。ウミガメさんに触れてもらってオーケーがもらえたら、1匹ずつ抱きかかえて浴槽に入れる。
ちっちゃい子ウミガメから最大サイズのウミガメさんまで、気持ち良さそうにしている。大きいウミガメさんたちにはちょっと浅そうだったけど、本人達はゆっくり休めるからいいらしい。
浴槽の縁に頭を乗せて寛ぐ姿は、熟練の入浴者の姿を思わせる。
せっかくなので浴槽の端に緩やかなスロープを取り付けて、ウミガメさんたちが自力でも浴槽に出入り出来る様にする。内側にも取り付けないと、ウミガメさんが這い出る度に浴槽が破壊されそうだからな。
ウミガメさんとみんなの分の朝食も用意してくるかー。
まずはベイクに向かい、生存報告ともう1泊してくる旨をジーンさんたちに報告。ザルトワシルドアの触手は工房に突っ込んできた。
そしてルイナスリームへ向かい、スナネコたちの朝食の準備。こいつら毎日朝晩食事をもらえるようになったおかげで、1回の食事量は減ってきているらしい。
食事中のスナネコたちをちょっとだけもふもふしたら、ウィルスレイアからルイナスリームにいく人達をゲートで送ってやる。
現在ウィルスレイアからルイナスリームに通っている人は25名くらいなんだなぁ。
ルイナスリームでの用事を終えたらボールクローグで買い出しだ。
ストレージいっぱいに食料を買い込む。勿論果物多めで。
あ、そうだ。ペルの仲間探しも済ませないとな。
明日か明後日に銀の乙女の拠点を訪ねると、冒険者ギルドと狩人ギルドに言付けておこうか。
「ん?」
視線を感じ振り返る。
振り返った先には、若そうな少年がこっちを向いて手を振っていた。
――――こいつじゃないな。
こんなに真っ直ぐな視線じゃなかった。
悪意が隠しきれていない、粘つくような不快な視線、この少年のものとは全く思えない。
やれやれ。ザルトワシルドアのせいで、視線には過敏に反応するようになってしまったか。
一応少年に手を振り替えしておく。少年は笑顔で手を振ってくれた。見た覚えはないけど、ボールクローグの新人冒険者なんだろうな。
そして最後にヴェルトーガに行き、明日の陽天の報せ頃にタイデリア家に報告に赴くことを言付けておく。
本当はすぐに報告したほうがいいんだろうけど、今日は1日休みにしたので、余計な仕事は一切したくない。
俺は今日、爛れた1日を過ごすと決めている。
休日を全力で堪能するために、ウミガメ島に戻った。
「あ、トーマ。おかえりなさい。朝食はなにか用意してくれたのかな?」
島に戻るとハルだけが起きていていて、お風呂でウミガメさんたちと遊んでいた。勿論服は着ているからな?
どうやらシンは1度も起きることなく寝ているらしい。
ユリバファルゴア戦の後もそうだったけど、エリアキーパーと戦った後、シンは本当に良く眠るんだよな。
それだけ気を張っているということなんだろう。俺だって気を張ってないわけじゃないんだけどさ。
「ボールクローグで果物中心に用意してきたよ。洗浄使えば綺麗になるから、浴槽で食べても構わないだろ」
ウミガメさんたちに食事をしてもらいながら、ハルは2食分の食事を部屋まで持っていった。
それとハルにお願いされたので、ハルとシンの浴槽にも、ウミガメさん用のスロープを設置する。
ウミガメさんの食事を終えたら寝室にいき、起きた嫁から食事をしてもらい、食事を終えた嫁から相手をしてもらう。
少なくとも日没まではずっと寝室で過ごそうと思います!
マーサ、アサヒ、カンナの3人はスキル的にも経験的にも余裕がなくて辛そうだったので、リペアやリカバリーまで駆使して相手してもらった。
1日中嫁に相手してもらえるなんて、スキルも魔法もなんて素敵な力なんだ!
「うん。トーマタフすぎじゃないの? シンが起きたのってさっきなんだけど?」
「はっはっは愚問ですねハルさん。ご褒美の最中に疲れるはずないじゃないですかー。
真面目な話さ、みんなと触れ合ってる時間が俺にとっての癒しの時間だから。疲れてるときほど触れたくなっちゃうんじゃないかねぇ」
「トーマはエリアキーパー戦になると集中力凄まじいもんねぇ。戦う前よりも明らかに1段階強くなってるでしょ」
ルイナスリームでの用事を済ませて、今はシンとハルの3人で夕食中。
ウミガメさんと違って俺たちは肉やパンも食いたくなるなやっぱ。
「そんじゃシン。明日はヴェルトーガでディオーヌ様に報告な。
そんで時間次第だけど、明日か明後日にペルの仲間を探しに行って、見つかったらルイナスリームの建設を本格的に進めていこう。
勿論並行して砂漠の別荘も作ってこうぜ」
「ん~……、僕も当事者として同行しないとダメ、かなぁ。
でもこれで、異風の旋律がディオーヌ様にお世話になっていた分は、もう全部返しきったと思っていいよね。
もう少しでゆっくり出来ると思えば、あと少しくらい頑張ろうかって気持ちにはなるよ」
「うん。トーマもシンも戦い通しだったからね。子供が生まれたら少しゆっくり過ごそうよ。
スキップオーブもあるし、冒険者も異邦人も、もう私達の手から離れてくれると思う」
まったく、お節介焼きすぎてしまったよなぁ。
エリアキーパーの討伐から新しい都市の建設なんて、どう考えても俺がすべきことじゃなかった。
沢山の仲間と協力者に恵まれたおかげで、なんとかここまで生き延びられた。運が良かった。
もうすぐそのお節介も片がつく。
そうしたら戦いからは一線退いて、ゆっくりこの綺麗な世界を見て回ろう。
さて、帰るのは明日の朝だ。
帰る前の第3ラウンドもそろそろ始めるとしようかな。
ちょっと頑張りすぎて、嫁達全員ノックアウトしてしまった。
今日は休みにしたんだし、ゆっくり寝てもらおう。
えっと、ルイナスリームへの人員輸送と、スナネコたちの食事の準備は俺がすればいいか。
っと、その前にお風呂の後始末をしておくかー。
お湯を抜きにお風呂にいくと、ウミガメさんがなにやら興味深そうに浴槽を見つめているのに気付く。
「おはようウミガメさん。お風呂入ってみたいの?」
入ってみたいらしい。子ウミガメたちも引き連れて上陸してくる。
かなり汚してしまったので全体に洗浄。
シン・ハル側の浴槽を使えばいいのかもしれないけど、無断で借りるのは気が引ける。多分許してくれるとは思うけどさ。
洗浄をかけたら熱魔法で、温いくらいに水温を調整。ウミガメさんに触れてもらってオーケーがもらえたら、1匹ずつ抱きかかえて浴槽に入れる。
ちっちゃい子ウミガメから最大サイズのウミガメさんまで、気持ち良さそうにしている。大きいウミガメさんたちにはちょっと浅そうだったけど、本人達はゆっくり休めるからいいらしい。
浴槽の縁に頭を乗せて寛ぐ姿は、熟練の入浴者の姿を思わせる。
せっかくなので浴槽の端に緩やかなスロープを取り付けて、ウミガメさんたちが自力でも浴槽に出入り出来る様にする。内側にも取り付けないと、ウミガメさんが這い出る度に浴槽が破壊されそうだからな。
ウミガメさんとみんなの分の朝食も用意してくるかー。
まずはベイクに向かい、生存報告ともう1泊してくる旨をジーンさんたちに報告。ザルトワシルドアの触手は工房に突っ込んできた。
そしてルイナスリームへ向かい、スナネコたちの朝食の準備。こいつら毎日朝晩食事をもらえるようになったおかげで、1回の食事量は減ってきているらしい。
食事中のスナネコたちをちょっとだけもふもふしたら、ウィルスレイアからルイナスリームにいく人達をゲートで送ってやる。
現在ウィルスレイアからルイナスリームに通っている人は25名くらいなんだなぁ。
ルイナスリームでの用事を終えたらボールクローグで買い出しだ。
ストレージいっぱいに食料を買い込む。勿論果物多めで。
あ、そうだ。ペルの仲間探しも済ませないとな。
明日か明後日に銀の乙女の拠点を訪ねると、冒険者ギルドと狩人ギルドに言付けておこうか。
「ん?」
視線を感じ振り返る。
振り返った先には、若そうな少年がこっちを向いて手を振っていた。
――――こいつじゃないな。
こんなに真っ直ぐな視線じゃなかった。
悪意が隠しきれていない、粘つくような不快な視線、この少年のものとは全く思えない。
やれやれ。ザルトワシルドアのせいで、視線には過敏に反応するようになってしまったか。
一応少年に手を振り替えしておく。少年は笑顔で手を振ってくれた。見た覚えはないけど、ボールクローグの新人冒険者なんだろうな。
そして最後にヴェルトーガに行き、明日の陽天の報せ頃にタイデリア家に報告に赴くことを言付けておく。
本当はすぐに報告したほうがいいんだろうけど、今日は1日休みにしたので、余計な仕事は一切したくない。
俺は今日、爛れた1日を過ごすと決めている。
休日を全力で堪能するために、ウミガメ島に戻った。
「あ、トーマ。おかえりなさい。朝食はなにか用意してくれたのかな?」
島に戻るとハルだけが起きていていて、お風呂でウミガメさんたちと遊んでいた。勿論服は着ているからな?
どうやらシンは1度も起きることなく寝ているらしい。
ユリバファルゴア戦の後もそうだったけど、エリアキーパーと戦った後、シンは本当に良く眠るんだよな。
それだけ気を張っているということなんだろう。俺だって気を張ってないわけじゃないんだけどさ。
「ボールクローグで果物中心に用意してきたよ。洗浄使えば綺麗になるから、浴槽で食べても構わないだろ」
ウミガメさんたちに食事をしてもらいながら、ハルは2食分の食事を部屋まで持っていった。
それとハルにお願いされたので、ハルとシンの浴槽にも、ウミガメさん用のスロープを設置する。
ウミガメさんの食事を終えたら寝室にいき、起きた嫁から食事をしてもらい、食事を終えた嫁から相手をしてもらう。
少なくとも日没まではずっと寝室で過ごそうと思います!
マーサ、アサヒ、カンナの3人はスキル的にも経験的にも余裕がなくて辛そうだったので、リペアやリカバリーまで駆使して相手してもらった。
1日中嫁に相手してもらえるなんて、スキルも魔法もなんて素敵な力なんだ!
「うん。トーマタフすぎじゃないの? シンが起きたのってさっきなんだけど?」
「はっはっは愚問ですねハルさん。ご褒美の最中に疲れるはずないじゃないですかー。
真面目な話さ、みんなと触れ合ってる時間が俺にとっての癒しの時間だから。疲れてるときほど触れたくなっちゃうんじゃないかねぇ」
「トーマはエリアキーパー戦になると集中力凄まじいもんねぇ。戦う前よりも明らかに1段階強くなってるでしょ」
ルイナスリームでの用事を済ませて、今はシンとハルの3人で夕食中。
ウミガメさんと違って俺たちは肉やパンも食いたくなるなやっぱ。
「そんじゃシン。明日はヴェルトーガでディオーヌ様に報告な。
そんで時間次第だけど、明日か明後日にペルの仲間を探しに行って、見つかったらルイナスリームの建設を本格的に進めていこう。
勿論並行して砂漠の別荘も作ってこうぜ」
「ん~……、僕も当事者として同行しないとダメ、かなぁ。
でもこれで、異風の旋律がディオーヌ様にお世話になっていた分は、もう全部返しきったと思っていいよね。
もう少しでゆっくり出来ると思えば、あと少しくらい頑張ろうかって気持ちにはなるよ」
「うん。トーマもシンも戦い通しだったからね。子供が生まれたら少しゆっくり過ごそうよ。
スキップオーブもあるし、冒険者も異邦人も、もう私達の手から離れてくれると思う」
まったく、お節介焼きすぎてしまったよなぁ。
エリアキーパーの討伐から新しい都市の建設なんて、どう考えても俺がすべきことじゃなかった。
沢山の仲間と協力者に恵まれたおかげで、なんとかここまで生き延びられた。運が良かった。
もうすぐそのお節介も片がつく。
そうしたら戦いからは一線退いて、ゆっくりこの綺麗な世界を見て回ろう。
さて、帰るのは明日の朝だ。
帰る前の第3ラウンドもそろそろ始めるとしようかな。
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