異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

文字の大きさ
456 / 580
10章 壁外世界

415 討伐報告

しおりを挟む
 いつもの時間に目が覚める。
 流石に今日からはいつも通りの生活リズムに戻していかないとな。

 昨夜はいつも通りの時間に寝たはずだけど、嫁はまだ全員寝ている。いやこれもいつも通りか。
 朝の用事は俺とシンで済ませてしまおう。

 
 シンはベイクへ、俺はヴェルトーガへ行きソロ探索。
 もはや完全に作業と化している刃紋での超高速周回。
 心核武器って反則だよなぁ。重課金アイテムって感じ? 普通に手に入れるのは難しそうだ。

 ちょうど良い事に、今日はジャンプのスクロールがドロップした。
 これは今日の報告会に持参しよう。
 これで本当にディオーヌ様には借りがなくなったと言えるだろう。受けた恩を忘れるわけにはいかないが。

 1度ベイクでシンと合流し、シンをボールクローグへ送って食料の買い出しをしてもらう。
 その間に俺はウィルスレイアとルイナスリームでの用事を済ませ、シンを拾って別荘へ。


「いやー毎日トーマに本気を出されると大変かなー? 私たちも少しずつスキルを揃えていかないとねー」

「リーンの言う通りですね。体が持たないー、とか渋っていた頃が懐かしい気分ですよ」

「う~……。私はスキル揃えるの大変なんだよなぁ……。どうやって追いつけばいいのかなぁ……?」

「あんだけ求められりゃあ女冥利に尽きるってもんだがよ。旦那の欲求を受け止めきれねぇなんて、嫁として情けねぇぜ……! 私もスキル取得しないとダメかねぇ?」

「まだ違和感あるっすよ。ほんと昨日は死ぬかと思ったっす。色々な意味で実力不足を痛感したっすわぁ……」

「本当よね。せっかくトーマが求めてくれているのに、私のほうが応えられないなんて悔しすぎるわ……!
 私たちはもっともっと強くならなければいけないわっ!」


 なんの覚悟だよっていう。
 別荘テンションとエリアキーパー撃破のテンションが合わさっただけだから、普段からあんなにしないっての。

 たまにやるからご褒美感増し増しで楽しめるんじゃないか!


「じゃあ朝食を食べたら少しゆっくりして、そのあと俺とシンはディオーヌ様に報告に行ってくるよ。
 早めに終わったらボールクローグにも行くつもりでいてくれ。
 と言っても今日は打ち合わせで、実際に出発するのは明日になると思うけど」

「うん。行ってらっしゃい。この世界は色々なものの管理が楽でいいよね。
 ボールクローグは全員でいく必要はないよね? ペルに会いたいメンバーだけいく感じかな?」


 アサヒとカンナはSP稼ぎ、マーサはザルトワシルドアの素材の研究をしたいのか。真面目だなぁ。

 陽天の報せに伺う事は伝えてあるけど、ギリギリに行くわけにはいかないので、かなり早めにヴェルトーガに向かったのだが、ターミナル広場で待機していたスカーさんに即効で拉致られて、すぐにディオーヌ様との面会という運びになった。


「お時間頂いてありがとうございます。
 本日はディオーヌ様からの依頼の達成を報告しに参りました」

「ええ。存じておりますわ。ヴェルトーガからでも、はるか遠くに光の柱が見えましたもの。
 本当にありがとうございました。トーマさん、シンくん。貴方達のおかげで、ヴェルトーガの未来は拓かれました」


 ヴェルトーガからでも見えたのか。
 ユリバファルゴアの時もウィルスレイアから見えたらしいし、この世界って球体じゃない可能性もありそうだなぁ。確認のしようもないけど。


「それと本日はジャンプのスクロールが手に入ったので、ディオーヌ様に献上させていただきます。
 ディオーヌ様に頂いた4本のスクロール。あれがなければ今の俺たちは間違いなくありませんでした。改めて感謝申し上げます。本当にお世話になりました」


 感謝を伝えつつスクロールを差し出す。
 ジャンプのスクロールは全員分探しても良いんだけど、女性陣をエリアキーパー戦に連れて行きたくない想いもあるし、今後は子育てもあるからな。
 俺もシンも、もうエリアキーパーなんかと戦う気はないし。


「ええ。受け取っておきましょう。
 しかし毎日のように空間魔法のスクロールが届けられるんですけど、トーマさんって迷宮で何をなさっておいでですの? いくらなんでもペースが異常すぎますわ」

「ん~……。詳しくは明かせませんし、明かしてもあまり意味はないと思うんです。
 簡単に説明するならば、このくらい出来るようにならないと、エリアキーパーを打倒するのは難しいってことですかね。
 ランドビカミウリを含めれば、もう3体ものエリアキーパーを倒したんです。あとは王国民の方に奮起していただければと思ってますよ」

「――――本当に、凄まじい戦果ですわね……。
 確かに貴方達に頼りすぎていたことは認めますわ。
 今後は冒険者の育成も容易になってくると思いますからね。王国民もトーマさんに負けないように成長してくれることを期待します」


 あとは差し迫った問題ってないだろうしな。これからはゆっくり成長していけばいい。
 その過程で、異邦人との融和も図れれば言うことない。


「それでトーマさん。海洋調査にはご協力頂けないんですか?
 ご本人の協力は得られないにしても、どうやってザルトワシルドアのいる場所を発見、到達したのかは教えてもらえませんか?」

「はは。ディオーヌ様は為政者の立場として、結論を急いでしまうのは仕方ないかもしれません。
 でもディオーヌ様。せっかくザルトワシルドアが居なくなって、あんなにも広大なエリアが開放されたんです。これから大海原へと踏み出していく者達の楽しみを、俺は奪いたくないなって思うんですよね」


 別に海中スキルの存在や、サーチシステムの事を教えたって構わないんだけどさ。
 これからヴェルトーガに増えていくであろう、猟師だったり狩人だったりみたいな、海へと活動の場を移していく人たちへ、あんまり過度のネタバレはしないほうがいいと思うんだ。個人的な考え方だけどさ。


「ふふ、そうですね。私としたことが、少々結果を焦りすぎたようです。
 大海原に踏み出していく者達……。なんて心踊る言葉なのでしょう。ヴェルトーガが目指した、ヴェルトーガが今まで適わなかった、ヴェルトーガの本来あるべき姿、大海原への玄関口……!
 そうですわね。こんな楽しそうなこと、トーマさんにお譲りするのは、非常に勿体無い話でしたわ。
 港湾都市ヴェルトーガ。その名に恥じぬよう、力いっぱい大海原へと踏み出してみせましょう」


 俺なんかがなにかするよりも、ずっと海と共に生きてきたヴェルトーガの人たちのほうが、きっと何倍も面白い事をしてくれるに違いない。

 もしかしたら、いつか別荘も発見されちゃうかもしれないなぁ。
 ま、その時はその時だろ。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

第2の人生は、『男』が希少種の世界で

赤金武蔵
ファンタジー
 日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。  あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。  ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。  しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。

異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!

石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。 クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に! だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。 だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。 ※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。

男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。 その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。 彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。 そして....彼の身体は大丈夫なのか!?

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...