474 / 580
11章 新たな都市の建設
431 人手不足を解消するには
しおりを挟む
「各種ギルドの誘致を進めた結果、あらゆる場所で人手不足が起こってることが発覚したんだよ。
生活に困ってた人や子供達を救済しても、冒険者が増えていくだけで、生活を支えている人たちの数はそのままなんだよな。
どこかに眠ってる人材ってないかな?」
家族会議の時にみんなに相談してみる。
冒険者の数も質も向上させる事に成功した。そしてスキルの取得も今までとは比べ物にならないくらい容易になっている。
恐らくではあるが、スキルが取得できれば現役で活躍できる期間も伸びるはずだ。
こうなってくると完全に足りなくなるのが社会インフラに関わる人たちの人数だ。
それに現在頑張ってくれている人たちが、スキルの取得数によって時代に取り残されてしまうようなことは避けなければならない。
今現場で頑張っている人たちが報われない将来など、目指すわけにはいかない。
「眠ってる人材か。怪我人や病人ならある程度はいるだろうけど……。そういう人たちが働けるようになるかどうかは、ちょっと分からないかなぁ」
「あ、シン! それはいいんじゃないか? 『任意発動スキル強化』を持った俺やマーサが作ったポーションなら、今まで治療できなかった怪我も治療できるようになるかもしれないし、戦闘に関わらないのであれば多少動きに不自由があっても問題ないんじゃないか?」
「怪我人や病人の社会復帰ね。悪くない着眼点だとは思うけれど、そもそもスキルのおかげで病人は少ないでしょうし、生活に支障をきたすレベルの大怪我をして生還した人も少なそうだから、数はそんなに多くないんじゃないかしら」
「いや、でも居なくはねぇはずだ。例えばミルズレンダなんかじゃあ、視力が落ちたり握力が落ちたりとかで職人として働けなくなった奴には居場所がなかったからな。
王国中を探せばそれなりに見つかるんじゃねぇか? 勿論カンナの言う通り、最終的な数は足りちゃいねぇとは思うがよ。無視出来ない程度の人数は眠ってそうだぜ」
ミルズレンダに限らず、求められている仕事がこなせなくなって職を失った人はまぁまぁいそうだからな。
自分が納得して職を退いたのと、突発的な理由で止めざるを得なかった場合とでは、その後の人生が大きく変わってきそうだ。
「それとさー。流石にカズラのお婆ちゃんくらいの年の人は厳しいと思うけど、ホムロくらいの年齢の人にはもう少しスキルの取得を頑張ってもらいたいなって思わないー?
『精神安定』の情報も公開しちゃったし、あと数年もしたら職人さんたちも『任意発動スキル強化』を持ってる人が多くなっちゃうでしょー?
それに『任意発動スキル強化』を持っていると、作業時間が全く変わってくるから、違う角度からの人手不足解消になるんじゃないかなー?」
「ええ、リーンの言う通りですね。今いる職人達は5年後、10年後もまだ現役でしょう。何もしなければスキル取得の関係で彼らの仕事を奪ってしまうことになります。人手不足とは関係なく、今を支える職人達にもなんらかの救済措置は必要でしょう」
「うん、周りがみんなスキルを取得していく中で、自分だけがスキルを取得できないのは辛いと思う……。
今頑張っている人もなんとか助けてあげたいな……」
かつての自分と時代に取り残されていく職人の姿を重ねたのか、俯いてしまったリーネの頭を撫でる。
「それならやる事は1つっすね! 今の職人さんたちにも迷宮に入ってもらって、『精神安定』から『任意発動スキル強化』まで覚えてもらうしかないっすよ!
そうすれば全部まるっと解決っす!」
「うん。結局はアサヒの言う通り、今の職人さんたちにもスキルを取得してもらう他ないよね。
問題はその方法だよ。職人の多くは戦えないと思うし、それに職人だけ増やしても人手は足りないし。迷宮に潜る人数が増えれば増えるほどスキルの取得も難しくなっていくし、大変じゃないかな」
確かになぁ。初めて銀の乙女と探索に行って、大量の魔物とグリーンドラゴンまで倒したのに、獲得できたSPって500にも達してなかったんだよな確か。
人が増えれば増えるほど獲得できるSPは減っていくんだ。例外は唯1つ、迷宮神像ダンゲルスヌーマの破壊……。
……って、あれ? もしかして、どうにかなっちゃう、か?
「なぁみんな。俺たちってこれからルイナスリームで迷宮の厳選をしようとしてるんだよな? もしかしてこれ、スキル取得に利用できないかな?」
「そっか! 迷宮踏破の時は人数に関わらず、全員が同じ経験を得られるんだったね! 護衛戦力も、僕たちならば問題ないか……!
でも大丈夫トーマ? 強制的にスキルを覚えさせるようなことになって、マーサみたいなことが起きたりしない?」
「そりゃあなんとも言えないが、出来るだけ各都市とも連携を取って、なるべく多くの職人に立ち会ってもらって、他の人との優劣をなくすしかない。
それと『精神安定』の取得にもうちのカンパニーが協力したほうがいいな。居場所が判明しているヒューム、ハイブリッド、ビーストの討伐にかかる費用はうちで全面的に負担してしまおう」
「んー、私達がそこまでする必要が、って思うとちょっと疑問だけど、トーマは速度を重視したいんだねー?
確かに既に問題が起こり始めてるもんね。私達はお金には困ってないし……。
うん、トーマのやりたいようにやって大丈夫じゃないかなー?」
「ありがとリーン。それじゃもうちょっと細かいところを詰めていこう。この後ヴェルトーガ、ボールクローグ、ウィルスレイアに書面を届けてくるから、各地でも協力してもらおう。
はは、なんだか忙しくなってきたなぁ」
こりゃ各種ギルドの建設もモタモタしてられないな。
しかしタケルの『迷宮操作』ってやばい能力だわ。
タケルが居なかったら解決できなかった問題が多すぎる。なんつーチート能力だよ。
生活に困ってた人や子供達を救済しても、冒険者が増えていくだけで、生活を支えている人たちの数はそのままなんだよな。
どこかに眠ってる人材ってないかな?」
家族会議の時にみんなに相談してみる。
冒険者の数も質も向上させる事に成功した。そしてスキルの取得も今までとは比べ物にならないくらい容易になっている。
恐らくではあるが、スキルが取得できれば現役で活躍できる期間も伸びるはずだ。
こうなってくると完全に足りなくなるのが社会インフラに関わる人たちの人数だ。
それに現在頑張ってくれている人たちが、スキルの取得数によって時代に取り残されてしまうようなことは避けなければならない。
今現場で頑張っている人たちが報われない将来など、目指すわけにはいかない。
「眠ってる人材か。怪我人や病人ならある程度はいるだろうけど……。そういう人たちが働けるようになるかどうかは、ちょっと分からないかなぁ」
「あ、シン! それはいいんじゃないか? 『任意発動スキル強化』を持った俺やマーサが作ったポーションなら、今まで治療できなかった怪我も治療できるようになるかもしれないし、戦闘に関わらないのであれば多少動きに不自由があっても問題ないんじゃないか?」
「怪我人や病人の社会復帰ね。悪くない着眼点だとは思うけれど、そもそもスキルのおかげで病人は少ないでしょうし、生活に支障をきたすレベルの大怪我をして生還した人も少なそうだから、数はそんなに多くないんじゃないかしら」
「いや、でも居なくはねぇはずだ。例えばミルズレンダなんかじゃあ、視力が落ちたり握力が落ちたりとかで職人として働けなくなった奴には居場所がなかったからな。
王国中を探せばそれなりに見つかるんじゃねぇか? 勿論カンナの言う通り、最終的な数は足りちゃいねぇとは思うがよ。無視出来ない程度の人数は眠ってそうだぜ」
ミルズレンダに限らず、求められている仕事がこなせなくなって職を失った人はまぁまぁいそうだからな。
自分が納得して職を退いたのと、突発的な理由で止めざるを得なかった場合とでは、その後の人生が大きく変わってきそうだ。
「それとさー。流石にカズラのお婆ちゃんくらいの年の人は厳しいと思うけど、ホムロくらいの年齢の人にはもう少しスキルの取得を頑張ってもらいたいなって思わないー?
『精神安定』の情報も公開しちゃったし、あと数年もしたら職人さんたちも『任意発動スキル強化』を持ってる人が多くなっちゃうでしょー?
それに『任意発動スキル強化』を持っていると、作業時間が全く変わってくるから、違う角度からの人手不足解消になるんじゃないかなー?」
「ええ、リーンの言う通りですね。今いる職人達は5年後、10年後もまだ現役でしょう。何もしなければスキル取得の関係で彼らの仕事を奪ってしまうことになります。人手不足とは関係なく、今を支える職人達にもなんらかの救済措置は必要でしょう」
「うん、周りがみんなスキルを取得していく中で、自分だけがスキルを取得できないのは辛いと思う……。
今頑張っている人もなんとか助けてあげたいな……」
かつての自分と時代に取り残されていく職人の姿を重ねたのか、俯いてしまったリーネの頭を撫でる。
「それならやる事は1つっすね! 今の職人さんたちにも迷宮に入ってもらって、『精神安定』から『任意発動スキル強化』まで覚えてもらうしかないっすよ!
そうすれば全部まるっと解決っす!」
「うん。結局はアサヒの言う通り、今の職人さんたちにもスキルを取得してもらう他ないよね。
問題はその方法だよ。職人の多くは戦えないと思うし、それに職人だけ増やしても人手は足りないし。迷宮に潜る人数が増えれば増えるほどスキルの取得も難しくなっていくし、大変じゃないかな」
確かになぁ。初めて銀の乙女と探索に行って、大量の魔物とグリーンドラゴンまで倒したのに、獲得できたSPって500にも達してなかったんだよな確か。
人が増えれば増えるほど獲得できるSPは減っていくんだ。例外は唯1つ、迷宮神像ダンゲルスヌーマの破壊……。
……って、あれ? もしかして、どうにかなっちゃう、か?
「なぁみんな。俺たちってこれからルイナスリームで迷宮の厳選をしようとしてるんだよな? もしかしてこれ、スキル取得に利用できないかな?」
「そっか! 迷宮踏破の時は人数に関わらず、全員が同じ経験を得られるんだったね! 護衛戦力も、僕たちならば問題ないか……!
でも大丈夫トーマ? 強制的にスキルを覚えさせるようなことになって、マーサみたいなことが起きたりしない?」
「そりゃあなんとも言えないが、出来るだけ各都市とも連携を取って、なるべく多くの職人に立ち会ってもらって、他の人との優劣をなくすしかない。
それと『精神安定』の取得にもうちのカンパニーが協力したほうがいいな。居場所が判明しているヒューム、ハイブリッド、ビーストの討伐にかかる費用はうちで全面的に負担してしまおう」
「んー、私達がそこまでする必要が、って思うとちょっと疑問だけど、トーマは速度を重視したいんだねー?
確かに既に問題が起こり始めてるもんね。私達はお金には困ってないし……。
うん、トーマのやりたいようにやって大丈夫じゃないかなー?」
「ありがとリーン。それじゃもうちょっと細かいところを詰めていこう。この後ヴェルトーガ、ボールクローグ、ウィルスレイアに書面を届けてくるから、各地でも協力してもらおう。
はは、なんだか忙しくなってきたなぁ」
こりゃ各種ギルドの建設もモタモタしてられないな。
しかしタケルの『迷宮操作』ってやばい能力だわ。
タケルが居なかったら解決できなかった問題が多すぎる。なんつーチート能力だよ。
0
あなたにおすすめの小説
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
赤金武蔵
ファンタジー
日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。
ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。
しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる