異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

文字の大きさ
479 / 580
11章 新たな都市の建設

436 本格始動

しおりを挟む
「おーおー、マジで迷宮が出来てるなー」

「5つとも出来たみたいだぜ。
 ん~、迷宮の完成で魔力を消費した感じはしねぇな。やっぱり制御できない分、コストは軽いと思って間違いなさそうだぜ。
 自分の誘導した迷宮ではあるけど、どんな迷宮なのかも外からじゃわかんねぇしな」


 次の日ルイナスリームにいくと、タケルが宣言した通り、5つの迷宮が誕生していた。


「トーマ。確認してきたよ。どうやら5つとも積層型迷宮みたいだ。3つは討伐しても良さそうだね」

「あんがとシン。それじゃ中央と南西側の迷宮には成長促進試してもらえるか? あと迷宮は1日に1つしか潰さない予定だから、迷宮が潰れた後の場所とか色々確認してみてくれ」

「おお、成長促進するのはいいが、今が何階層か分かってねぇと、検証のしようがなくねぇか?」

「それもそうか。じゃあ俺が南西の迷宮行ってくるから、シンは中央の迷宮の階層確認宜しく。
 スペイスとカワッセは迷宮が出来たんだから冒険者ギルドの申請を、ベイクに行ってやってきてくれるか?
 フリートとポプワは迷宮に入る人の管理をしてくれ。1人10回までしか迷宮討伐には参加させないから、厳しくチェックしてくれよ」


 リーネはスペイスとカワッセの送迎。女性陣は迷宮の踏破を担当する。
 俺とシンばっかりSP稼いでるからな。女性陣にもSPを分配してあげないと。

 今回は各都市から、総勢168名もの参加者が集まった。
 足を欠損している人や、病気で速く動けない人の為に、キャリーをかけたトルネが荷車を引いて運搬する。


「何階層あったかも記録しておいてくれ。1日でどの程度変わるのか把握しておきたい。
 みんななら1日で3つとも踏破出来ちゃうと思うけど、そうすると迷宮発生まで暇だからな。討伐は1日1つずつにしておこう。
 それじゃ気をつけて行ってきてほしい!」


 女性陣を見送った後、シンと分かれて積層型迷宮の階層を確認する。
 戦闘せずに駆け抜けて、ガーディアンだけ討伐、迷宮神像にお参りをしてスキップで帰還。

 ガーディアンを討伐したのは、迷宮の階層が変わった場合にどうなるか知りたかったからだ。


「南西の迷宮は32階層だったわ。中央はどうだったシン?」

「こっちは35階層だったね。発生直後でも階層にはバラつきがあるのかもね」

「32階層に35階層か。2人とも確認ご苦労さん。
 それじゃ成長促進を行ってみるぜ? どうなるか分からないから充分警戒してくれよな」


 う~ん。外野からはなにしてるのか分からないな。

 これで2つの迷宮が成長促進状態になったらしいが、見た目には特に変化は見受けられない。
 ただタケルには感覚的に状態の違いが分かるらしい。


「どうやら成長促進状態に切り替える時に魔力を消費するだけで、切り替えちまえば魔力消費はないみたいだな。これなら俺はここにいる必要はなさそうだ。
 トーマ。悪いけどベイクに送ってくれよ。俺も探索してくるから」

「おっけー。シン。俺はそのままヴェルトーガで魔法ギルドの話を聞いてくるから、悪いけどシンはここで警戒を続けてくれるか? 恐らく何もないだろうけどな」

「了解。気をつけて行ってきてね。これ以上変な面倒事を持ち込まないでよ?」


 うっせぇ。俺だって面倒事はごめんだっての。
 最近色んな人に言われてる気がするぞ?

 ベイクにゲートを開いてタケルを送り出す。


「トーマ。早いとこルイナスリームを住めるようにしてくれよな。ベイクだと王国民のほうが多くて、異邦人はちょっと肩身が狭いからよ」

「んー? そんなもんかねぇ。ま、迷宮も出来たし、ルイナスリームはすぐに発展してくれるよ。
 タケルにはお礼としてこいつを渡しておくよ。スキップとゲートのスクロールだ」

「えっ、マジかよ!? スキップはまだしもゲートまで付けるとか、貰いすぎじゃあねぇか……?」

「いやぁ戦力に直結しない部分だし、『迷宮操作』はタケルしか使えない能力だしな。正当な報酬だろ。
 ゲートは習得してからターミナルに触れることで使用可能になる。今まで行ったことある街でも、ゲート習得後にターミナルに触れないと行けないから注意な」

「トーマが正当だってんなら遠慮なく貰っておくぜ! サンキュートーマ! 今後とも宜しくな!」


 タケルを見送った後はヴェルトーガへ。
 ディオーヌ様が話を進めていてくれたおかげで、スムーズに話が済んだ。

 迷宮も既に誕生しているので、速やかに魔法ギルド建設を進めてくれるそうだ。
 ちなみに、冒険者ギルドがないとあまり仕事がないそうで、人手については何の問題もなさそうだった。あえて藪は突かないが。


 スムーズに話が終わったので、ストレージいっぱいに食糧を買い込んでルイナスリームに戻ってみると、街の南東方向から光の柱が立ち昇っていた。どうやら無事討伐が終了したらしい。


「あートーマー! この迷宮は37階層あったよー!
 兄さんから聞いたんだけど、発生した時点で階層がばらついてるんだから、1日の変化も何もないんじゃないのー?」

「バラついてるの知らなかったんだから仕方ないだろ! 食べ物を買ってきたからみんなに配ってくれ。
 騒動や問題とかはなかったかな?」

「ええ、皆さん落ち着いたものでしたよ。スキルのおかげで荷車を押すのにも問題はありませんでしたし、これなら問題なくこなせそうですね」

「うん。ホワイトテイルの射程を見たら、みんな震え上がってたからね。素直なものだったよ?
 あとはどうするの? 10回済むまでここで寝泊りしてもらう感じかな?」

「そうだなぁ。特に用事がある場合を除いて、10日間は留まってほしいところだ。最低限トイレはあるしな」


 討伐された迷宮から発せられる魔力の帯を見上げる。
 それはまるでルイナスリームが本格的に動き出した事を告げる、狼煙のようだと思えた。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

第2の人生は、『男』が希少種の世界で

赤金武蔵
ファンタジー
 日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。  あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。  ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。  しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。

異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!

石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。 クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に! だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。 だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。 ※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。

男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。 その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。 彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。 そして....彼の身体は大丈夫なのか!?

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...