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11章 新たな都市の建設
445 王国内の情報
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「ああ? 逃げ足が速くてめったに狩れない魔物だって? また変わったもん探してんねぇ?」
ベイクの狩人ギルドでアートンに金貨1枚渡しながら、該当しそうな魔物の情報を確認してみる。
該当の魔物が居なければそれに越した事はないんだけどね。思い当たっちゃったから確認はしないと、どうにも収まりが悪い。
2人で個室に異動してから、改めて話を再開する。
「そんじゃトーマ。改めて探したい魔物の条件を教えてくれるか? 条件はなるべく細かいほうが、こっちとしても絞り込みやすくて助かるぜ」
「絞り込みかぁ……。
えっと、まず大前提として、国境壁の内側限定で頼む。そしてあまり狩人に被害が出ない魔物で、発生地域の情報が複数ある魔物って感じか。それで比較的目撃情報が少なめな奴かな」
「う~ん? 思ったよりふわふわっとした条件だねぇ? 目的はなんなの?
前回みたく、素材のためにこういう魔物を探してるんだーって言ってくれた方が、こっちとしちゃ探しやすいんだけど」
目的は保護だけどなぁ。言っちゃってもいいもんだろうか?
むしろ目的を共有して、怪しそうな魔物をアートンから提案してもらった方が話は早そうかな?
「う~ん。ちょっと変な話になると思うけど、気にせずに聞いてもらえると助かるんだが……」
「ははは。異風の旋律がおかしくないことのほうが珍しいって。気にしないから話してくれよ」
それフォローなのか?
異風の旋律がおかしいんじゃなくて、ちょっとこの世界の常識を無視してるだけなんだけどな。
……王国民からすれば完全に変人ですね。
「ここ最近分かってきたことなんだけどさ。魔物じゃない生物が都市の外に生息している場合があるんだよ。
そういう生き物って人間と仲良くできる上にスキルも取得できてさ、一緒に魔物と戦えたりするんだ。だから、もしも魔物扱いされて狩られているなら、何とか保護してあげたいと思ってるんだよ」
「魔物以外の生物が都市の外で……? 人と仲良く出来て、スキルも覚えられる……?
そんな話聞いたことねぇぞ? トーマ、なにか確証でもあんのか?」
「確証も何も、今のところ3種類の生物と既に仲良くなって一緒に暮らしているよ。祝福の儀も受けさせたから、魔物じゃないのは間違いない。海、森、砂漠で1種類ずつ発見してる。
各エリアに1種類は居ると仮定するならば、王国内にも最低1種類は居ないと辻褄が合わない。
まぁ……。狩られつくして絶滅している可能性もなくはないけど」
「――――トーマがそんな嘘をつく必要はないか。
ということは実例が3件もあるってことか。こりゃちょっと無視出来ねぇ話っぽいな……。
悪いトーマ。この話、ギルドマスターにもしてきていいか? ちょっと俺だけじゃ判断できねぇわ」
俺が構わないと告げると、アートンは急いで部屋を出て行った。
しかし、ギルドマスターかぁ。思ったよりも大事になっちゃったかな?
まぁでも狩人ギルドとしても軽視できない情報なんだろう。魔物だとして取り扱ってきた生物が、実は人類に友好的だった、なんて話になったらシャレにならない。
「悪いトーマ。一緒に来てくれっか? マスターも話が聞きたいらしい」
戻ってきたアートンに案内されて、3階のギルドマスター室に移動する。
中には耳長族っぽいけど、小柄で年老いた男が待っていた。
「おお、アンタがトーマか。異風の旋律の話は良く聞いとるよ。
ワシはベイク狩人ギルドマスターの『ローデッツ』という。よろしく頼む。
それじゃとりあえず座ってくれ。二度手間で悪いが、アートンにした話をワシにも始めから説明してくれるかの」
同じ説明をするのはだるいが、狩人ギルドマスターが協力してくれるのは心強い。
アートンに話したことの繰り返しではあったが、都市外に魔物ではない生き物がいる可能性、そして他のエリアでは既に3種類ほど発見出来ていることなどを伝えた。
「なるほどのう。既に実例が数件あり、か……。これは確かにワシに持ってくる案件じゃな。
ちなみにアートンとしては、トーマが言っているような生物に該当しそうな魔物について、心当たりはあるかの?」
「そうだな……。一応何件か思い当たる魔物は居るぜ。確率が低そうなもまで合わせると、10種類くらいは」
「ふむ。ワシも同じ見解じゃな。恐らくお互い同じ魔物を想像しておるじゃろう。だが我々2人には、それ以上のことを判断する事は出来ぬ。
トーマよ。ワシとアートンで怪しいと思える魔物を説明するから、話を聞いてアンタが判断してくれんか? ワシらにとっては今から話す魔物も、ずっと魔物として扱ってきたからの。判断する自信がないんじゃ」
「ああ。俺も的確に判断できるか自信ないけど、情報を聞かせてもらえるだけでありがたいと思うよ。
もしも魔物の姿を現した絵とかがあれば、そういうのも見せて欲しいところだけど」
「目撃情報自体が珍しい魔物たちだからの。姿絵などはないのう。すまんが情報だけで判断して欲しい」
アートンとローデッツがかわるがわる説明してくる。
10種類ほどの魔物の説明を聞き終えたとき、かなり怪しいと思える魔物が2種類居た。
「広い地域で目撃されていて、出会ってもすぐに逃げるために、狩られたことが殆どない、4速歩行の魔物『草原を駆ける者』。
鳥型の魔物で、遠巻きに様子を窺ってくるものの、襲ってきた報告が無い『見つめる者』。この2種類はかなり怪しいんじゃないか?」
問題は、目撃情報がかなり広い範囲に渡っている事だな。闇雲に探しても仕方なさそうだ。
アートンとローデッツに、この2種類の魔物の最新の目撃情報の確認と、過去に目撃された場所のまとめをお願いする。
魔物の可能性も依然残されてるけど、人を見つけても襲ってこない魔物はかなり珍しいはず。
さてさて、新しい動物と出会えるんなら嬉しいんだけど、どうかな?
ベイクの狩人ギルドでアートンに金貨1枚渡しながら、該当しそうな魔物の情報を確認してみる。
該当の魔物が居なければそれに越した事はないんだけどね。思い当たっちゃったから確認はしないと、どうにも収まりが悪い。
2人で個室に異動してから、改めて話を再開する。
「そんじゃトーマ。改めて探したい魔物の条件を教えてくれるか? 条件はなるべく細かいほうが、こっちとしても絞り込みやすくて助かるぜ」
「絞り込みかぁ……。
えっと、まず大前提として、国境壁の内側限定で頼む。そしてあまり狩人に被害が出ない魔物で、発生地域の情報が複数ある魔物って感じか。それで比較的目撃情報が少なめな奴かな」
「う~ん? 思ったよりふわふわっとした条件だねぇ? 目的はなんなの?
前回みたく、素材のためにこういう魔物を探してるんだーって言ってくれた方が、こっちとしちゃ探しやすいんだけど」
目的は保護だけどなぁ。言っちゃってもいいもんだろうか?
むしろ目的を共有して、怪しそうな魔物をアートンから提案してもらった方が話は早そうかな?
「う~ん。ちょっと変な話になると思うけど、気にせずに聞いてもらえると助かるんだが……」
「ははは。異風の旋律がおかしくないことのほうが珍しいって。気にしないから話してくれよ」
それフォローなのか?
異風の旋律がおかしいんじゃなくて、ちょっとこの世界の常識を無視してるだけなんだけどな。
……王国民からすれば完全に変人ですね。
「ここ最近分かってきたことなんだけどさ。魔物じゃない生物が都市の外に生息している場合があるんだよ。
そういう生き物って人間と仲良くできる上にスキルも取得できてさ、一緒に魔物と戦えたりするんだ。だから、もしも魔物扱いされて狩られているなら、何とか保護してあげたいと思ってるんだよ」
「魔物以外の生物が都市の外で……? 人と仲良く出来て、スキルも覚えられる……?
そんな話聞いたことねぇぞ? トーマ、なにか確証でもあんのか?」
「確証も何も、今のところ3種類の生物と既に仲良くなって一緒に暮らしているよ。祝福の儀も受けさせたから、魔物じゃないのは間違いない。海、森、砂漠で1種類ずつ発見してる。
各エリアに1種類は居ると仮定するならば、王国内にも最低1種類は居ないと辻褄が合わない。
まぁ……。狩られつくして絶滅している可能性もなくはないけど」
「――――トーマがそんな嘘をつく必要はないか。
ということは実例が3件もあるってことか。こりゃちょっと無視出来ねぇ話っぽいな……。
悪いトーマ。この話、ギルドマスターにもしてきていいか? ちょっと俺だけじゃ判断できねぇわ」
俺が構わないと告げると、アートンは急いで部屋を出て行った。
しかし、ギルドマスターかぁ。思ったよりも大事になっちゃったかな?
まぁでも狩人ギルドとしても軽視できない情報なんだろう。魔物だとして取り扱ってきた生物が、実は人類に友好的だった、なんて話になったらシャレにならない。
「悪いトーマ。一緒に来てくれっか? マスターも話が聞きたいらしい」
戻ってきたアートンに案内されて、3階のギルドマスター室に移動する。
中には耳長族っぽいけど、小柄で年老いた男が待っていた。
「おお、アンタがトーマか。異風の旋律の話は良く聞いとるよ。
ワシはベイク狩人ギルドマスターの『ローデッツ』という。よろしく頼む。
それじゃとりあえず座ってくれ。二度手間で悪いが、アートンにした話をワシにも始めから説明してくれるかの」
同じ説明をするのはだるいが、狩人ギルドマスターが協力してくれるのは心強い。
アートンに話したことの繰り返しではあったが、都市外に魔物ではない生き物がいる可能性、そして他のエリアでは既に3種類ほど発見出来ていることなどを伝えた。
「なるほどのう。既に実例が数件あり、か……。これは確かにワシに持ってくる案件じゃな。
ちなみにアートンとしては、トーマが言っているような生物に該当しそうな魔物について、心当たりはあるかの?」
「そうだな……。一応何件か思い当たる魔物は居るぜ。確率が低そうなもまで合わせると、10種類くらいは」
「ふむ。ワシも同じ見解じゃな。恐らくお互い同じ魔物を想像しておるじゃろう。だが我々2人には、それ以上のことを判断する事は出来ぬ。
トーマよ。ワシとアートンで怪しいと思える魔物を説明するから、話を聞いてアンタが判断してくれんか? ワシらにとっては今から話す魔物も、ずっと魔物として扱ってきたからの。判断する自信がないんじゃ」
「ああ。俺も的確に判断できるか自信ないけど、情報を聞かせてもらえるだけでありがたいと思うよ。
もしも魔物の姿を現した絵とかがあれば、そういうのも見せて欲しいところだけど」
「目撃情報自体が珍しい魔物たちだからの。姿絵などはないのう。すまんが情報だけで判断して欲しい」
アートンとローデッツがかわるがわる説明してくる。
10種類ほどの魔物の説明を聞き終えたとき、かなり怪しいと思える魔物が2種類居た。
「広い地域で目撃されていて、出会ってもすぐに逃げるために、狩られたことが殆どない、4速歩行の魔物『草原を駆ける者』。
鳥型の魔物で、遠巻きに様子を窺ってくるものの、襲ってきた報告が無い『見つめる者』。この2種類はかなり怪しいんじゃないか?」
問題は、目撃情報がかなり広い範囲に渡っている事だな。闇雲に探しても仕方なさそうだ。
アートンとローデッツに、この2種類の魔物の最新の目撃情報の確認と、過去に目撃された場所のまとめをお願いする。
魔物の可能性も依然残されてるけど、人を見つけても襲ってこない魔物はかなり珍しいはず。
さてさて、新しい動物と出会えるんなら嬉しいんだけど、どうかな?
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