異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

文字の大きさ
523 / 580
11章 新たな都市の建設

479 遺憾の意

しおりを挟む
 音魔法で残りの襲撃者を呼び戻して、1発殴ることを通行料にネヴァルドに送り返す。
 今日はネヴァルドの魔法治療院は大忙しだ。

 大人数を転送してみて検証したけど、40人を越えた辺りから、ゲートを開きなおした方が魔力効率が良くなることが分かった。
 普段できない検証を行えたのはありがたかったかな?

 全員に漏れなく『シルヴァールの犬』文字を書いてあげたし、これでも王国が動かないなら終わりかなぁ?

 首謀者皆殺しにして終わらせるのは簡単だけど、流石にそろそろ王国民にも成長してもらわないと困る。今回はテロ騒動でしかないけど、脱異風の旋律っていう考え自体は必要なことのはずだ。


 にしても200人以上も送り込んできやがって。流石にゲートで送り返すのも大変な数だった。
 こっちに攻め込んできた上に、俺に送還までさせやがって。

 あんまりムカついたから、城の正面門破壊しておいた。
 人的被害を出さない報復だったので可愛いもんだろ。こっちの被害考えればよぉ。

 城の門を破壊したのは、分かりやすく言えば遺憾の意だ。
 こっちの不快感を王国側に伝える事が目的なんであって、決してストレス解消ではない。
 これでも事態を解決させないなら、もう次は城もネヴァルドも壊滅させるしかない。

 あ~、あの兵士さんに迷惑はかけたくないな。
 だからいい加減解決しろよマジで。


「お疲れ様トーマ。流石のトーマでも、あの人数を一気に送り返すのは無理なんだね」

「だなぁ。でも100人くらいはギリいけそうな気はするな。そこまで魔力使い果たす気はないが。
 そんでついでに城の正面門破壊してきた。これで早期解決に動かなければ、もう王国とは決別だな」

「まぁそうだねー。全く調査に動いてなかったトーマですら予想がついた相手勢力を、調査をしている王国側が知らないはずないもんねー。
 ダラダラと長引かせちゃったせいで、王国側の被害はとんでもないことになっちゃったし、どうするんだろうね、王女様の処分」

「犯罪奴隷や公開処刑程度ではもう許されませんよね。ここまでやってしまったら。トーマに払い下げになるかもしれませんね?」

「要りませーん。6人も嫁が要るのにあんな地雷女欲しいわけないだろ」

「うん。まさに地雷だよね。王国としては、前回の時に厳罰に処しておけば良かったって思ってるんじゃないかな?」

「そもそも国民の事を一切考えずに、私怨だけで行動してるって時点で、王族としての資質ゼロだぁな。
 廃嫡するのはいいけど、他に跡継ぎっていんだっけ? 今の王国」

「んー、知らないなぁ……。ネヴァルドの人なら知ってるかもだけど、他の都市に居て王族や別の都市の貴族のことなんて、興味ないもんねー……」

「おお、場合によっては王家滅亡っすか? やっちまったっすねぇシルヴァール王女」

「ここまでやっちゃったら、王国民だって王女を許す方向には傾かないでしょうしね。そしてここまで状況を悪化させてしまった為政者も、バッシングされるのがどうしようもないわ」


 流石になぁ。
 あの会議に立ち会っていたディオーヌ様、ファーガロン様、そして王様の3人は、俺たちへの反発運動が起こった時点で犯人に目星はついてないとおかしいんだよね。特にリスト作ったディオーヌ様は、俺より先に気付いていた可能性も高い。
 それなのにダラダラと、いつまで解決まで時間かけてんだよっていうね。

 リヴァーブ王国よぉ。次はねぇぞ?




「と、トーマ! は、話があるの!」


 そして恒例になりつつある、ソロ探索帰りの来客。
 でも今日の相手は取り合う必要がないので、無視でいいや。


「い、異風の旋律の悪評を、ルイナスリームの異邦人たちに広めたのは私なのっ! 他のみんなは関係ない!
 だから、だからもう元に戻してっ! 私が、私が悪かったから!」

「…………」

「き、聞いてる? 私なの! 全部私が広めたの! 悪いのは私なのっ!
 だからカンパニーの活動や、異邦人達への支援を止めるなんて言わないで!」

「…………」

「ねぇお願い! お願いだから話を聞いてよぉっ! 私が悪かったわ! ごめんなさい! 本当にごめんなさい!
 こんな事になるなんて思わなかったの! 思わなかったのよぉ!」


 なんか叫んでる人が居たけど、ゲートが開いたので普通に帰還する。
 いやぁほんとルイナスリームって物騒なところになったなぁ。

 スナネコをルイナスリームに置いておくのは危険かな?
 いや、あいつらが本気だしたら俺らより早いから大丈夫か。


「トーマさん。ちょっとお聞きしたい事があるんですけど」


 ベイクのターミナル広場には、スカーさんが待っていた。
 千客万来ですね。


「おはようスカーさん。ネヴァルドにゴミを捨てたのも、城の正面の門を破壊したのは俺だよ?
 何があったかは、この2つを考えれば説明は要らないよね。
 で? ほかになんか用?」

「……トーマさんは、本当に王国を敵に回すおつもりで?」

「逆だ逆。王国は本当に俺を敵に回すつもりなのか? 門の破壊は警告だ。俺たちは非常に迷惑してるし不愉快だ。
 もうそろそろ我慢するのが馬鹿らしくなってきた頃だぜスカーさん。
 次に何かあったら城を破壊してやるって伝えとけ……って、なんかこれフラグっぽい気がするな。なんかもう起こってる気がする。
 スカーさん。大急ぎで状況確認して事態の解決に動いた方がいいよ。次に何かあったら、少なくともカルネジア家とミルズレンダの街、そしてネヴァルドの城はこの世から無くなると思うからね」

「……急ぎ、確認して参ります」


 スカーさんはゲートを開いて帰っていった。
 沢山献上したもんな。ゲートのスクロール。スカーさんも覚えたんだ。

 そして俺たちが異変に気付いたのはその日の夕食時。
 いつも必ず戻ってくるアサヒとカンナの2人が、ベイクに戻ってこなかった。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

第2の人生は、『男』が希少種の世界で

赤金武蔵
ファンタジー
 日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。  あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。  ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。  しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!

石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。 クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に! だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。 だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。 ※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。

男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺

マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。 その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。 彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。 そして....彼の身体は大丈夫なのか!?

処理中です...