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11章 新たな都市の建設
479 遺憾の意
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音魔法で残りの襲撃者を呼び戻して、1発殴ることを通行料にネヴァルドに送り返す。
今日はネヴァルドの魔法治療院は大忙しだ。
大人数を転送してみて検証したけど、40人を越えた辺りから、ゲートを開きなおした方が魔力効率が良くなることが分かった。
普段できない検証を行えたのはありがたかったかな?
全員に漏れなく『シルヴァールの犬』文字を書いてあげたし、これでも王国が動かないなら終わりかなぁ?
首謀者皆殺しにして終わらせるのは簡単だけど、流石にそろそろ王国民にも成長してもらわないと困る。今回はテロ騒動でしかないけど、脱異風の旋律っていう考え自体は必要なことのはずだ。
にしても200人以上も送り込んできやがって。流石にゲートで送り返すのも大変な数だった。
こっちに攻め込んできた上に、俺に送還までさせやがって。
あんまりムカついたから、城の正面門破壊しておいた。
人的被害を出さない報復だったので可愛いもんだろ。こっちの被害考えればよぉ。
城の門を破壊したのは、分かりやすく言えば遺憾の意だ。
こっちの不快感を王国側に伝える事が目的なんであって、決してストレス解消ではない。
これでも事態を解決させないなら、もう次は城もネヴァルドも壊滅させるしかない。
あ~、あの兵士さんに迷惑はかけたくないな。
だからいい加減解決しろよマジで。
「お疲れ様トーマ。流石のトーマでも、あの人数を一気に送り返すのは無理なんだね」
「だなぁ。でも100人くらいはギリいけそうな気はするな。そこまで魔力使い果たす気はないが。
そんでついでに城の正面門破壊してきた。これで早期解決に動かなければ、もう王国とは決別だな」
「まぁそうだねー。全く調査に動いてなかったトーマですら予想がついた相手勢力を、調査をしている王国側が知らないはずないもんねー。
ダラダラと長引かせちゃったせいで、王国側の被害はとんでもないことになっちゃったし、どうするんだろうね、王女様の処分」
「犯罪奴隷や公開処刑程度ではもう許されませんよね。ここまでやってしまったら。トーマに払い下げになるかもしれませんね?」
「要りませーん。6人も嫁が要るのにあんな地雷女欲しいわけないだろ」
「うん。まさに地雷だよね。王国としては、前回の時に厳罰に処しておけば良かったって思ってるんじゃないかな?」
「そもそも国民の事を一切考えずに、私怨だけで行動してるって時点で、王族としての資質ゼロだぁな。
廃嫡するのはいいけど、他に跡継ぎっていんだっけ? 今の王国」
「んー、知らないなぁ……。ネヴァルドの人なら知ってるかもだけど、他の都市に居て王族や別の都市の貴族のことなんて、興味ないもんねー……」
「おお、場合によっては王家滅亡っすか? やっちまったっすねぇシルヴァール王女」
「ここまでやっちゃったら、王国民だって王女を許す方向には傾かないでしょうしね。そしてここまで状況を悪化させてしまった為政者も、バッシングされるのがどうしようもないわ」
流石になぁ。
あの会議に立ち会っていたディオーヌ様、ファーガロン様、そして王様の3人は、俺たちへの反発運動が起こった時点で犯人に目星はついてないとおかしいんだよね。特にリスト作ったディオーヌ様は、俺より先に気付いていた可能性も高い。
それなのにダラダラと、いつまで解決まで時間かけてんだよっていうね。
リヴァーブ王国よぉ。次はねぇぞ?
「と、トーマ! は、話があるの!」
そして恒例になりつつある、ソロ探索帰りの来客。
でも今日の相手は取り合う必要がないので、無視でいいや。
「い、異風の旋律の悪評を、ルイナスリームの異邦人たちに広めたのは私なのっ! 他のみんなは関係ない!
だから、だからもう元に戻してっ! 私が、私が悪かったから!」
「…………」
「き、聞いてる? 私なの! 全部私が広めたの! 悪いのは私なのっ!
だからカンパニーの活動や、異邦人達への支援を止めるなんて言わないで!」
「…………」
「ねぇお願い! お願いだから話を聞いてよぉっ! 私が悪かったわ! ごめんなさい! 本当にごめんなさい!
こんな事になるなんて思わなかったの! 思わなかったのよぉ!」
なんか叫んでる人が居たけど、ゲートが開いたので普通に帰還する。
いやぁほんとルイナスリームって物騒なところになったなぁ。
スナネコをルイナスリームに置いておくのは危険かな?
いや、あいつらが本気だしたら俺らより早いから大丈夫か。
「トーマさん。ちょっとお聞きしたい事があるんですけど」
ベイクのターミナル広場には、スカーさんが待っていた。
千客万来ですね。
「おはようスカーさん。ネヴァルドにゴミを捨てたのも、城の正面の門を破壊したのは俺だよ?
何があったかは、この2つを考えれば説明は要らないよね。
で? ほかになんか用?」
「……トーマさんは、本当に王国を敵に回すおつもりで?」
「逆だ逆。王国は本当に俺を敵に回すつもりなのか? 門の破壊は警告だ。俺たちは非常に迷惑してるし不愉快だ。
もうそろそろ我慢するのが馬鹿らしくなってきた頃だぜスカーさん。
次に何かあったら城を破壊してやるって伝えとけ……って、なんかこれフラグっぽい気がするな。なんかもう起こってる気がする。
スカーさん。大急ぎで状況確認して事態の解決に動いた方がいいよ。次に何かあったら、少なくともカルネジア家とミルズレンダの街、そしてネヴァルドの城はこの世から無くなると思うからね」
「……急ぎ、確認して参ります」
スカーさんはゲートを開いて帰っていった。
沢山献上したもんな。ゲートのスクロール。スカーさんも覚えたんだ。
そして俺たちが異変に気付いたのはその日の夕食時。
いつも必ず戻ってくるアサヒとカンナの2人が、ベイクに戻ってこなかった。
今日はネヴァルドの魔法治療院は大忙しだ。
大人数を転送してみて検証したけど、40人を越えた辺りから、ゲートを開きなおした方が魔力効率が良くなることが分かった。
普段できない検証を行えたのはありがたかったかな?
全員に漏れなく『シルヴァールの犬』文字を書いてあげたし、これでも王国が動かないなら終わりかなぁ?
首謀者皆殺しにして終わらせるのは簡単だけど、流石にそろそろ王国民にも成長してもらわないと困る。今回はテロ騒動でしかないけど、脱異風の旋律っていう考え自体は必要なことのはずだ。
にしても200人以上も送り込んできやがって。流石にゲートで送り返すのも大変な数だった。
こっちに攻め込んできた上に、俺に送還までさせやがって。
あんまりムカついたから、城の正面門破壊しておいた。
人的被害を出さない報復だったので可愛いもんだろ。こっちの被害考えればよぉ。
城の門を破壊したのは、分かりやすく言えば遺憾の意だ。
こっちの不快感を王国側に伝える事が目的なんであって、決してストレス解消ではない。
これでも事態を解決させないなら、もう次は城もネヴァルドも壊滅させるしかない。
あ~、あの兵士さんに迷惑はかけたくないな。
だからいい加減解決しろよマジで。
「お疲れ様トーマ。流石のトーマでも、あの人数を一気に送り返すのは無理なんだね」
「だなぁ。でも100人くらいはギリいけそうな気はするな。そこまで魔力使い果たす気はないが。
そんでついでに城の正面門破壊してきた。これで早期解決に動かなければ、もう王国とは決別だな」
「まぁそうだねー。全く調査に動いてなかったトーマですら予想がついた相手勢力を、調査をしている王国側が知らないはずないもんねー。
ダラダラと長引かせちゃったせいで、王国側の被害はとんでもないことになっちゃったし、どうするんだろうね、王女様の処分」
「犯罪奴隷や公開処刑程度ではもう許されませんよね。ここまでやってしまったら。トーマに払い下げになるかもしれませんね?」
「要りませーん。6人も嫁が要るのにあんな地雷女欲しいわけないだろ」
「うん。まさに地雷だよね。王国としては、前回の時に厳罰に処しておけば良かったって思ってるんじゃないかな?」
「そもそも国民の事を一切考えずに、私怨だけで行動してるって時点で、王族としての資質ゼロだぁな。
廃嫡するのはいいけど、他に跡継ぎっていんだっけ? 今の王国」
「んー、知らないなぁ……。ネヴァルドの人なら知ってるかもだけど、他の都市に居て王族や別の都市の貴族のことなんて、興味ないもんねー……」
「おお、場合によっては王家滅亡っすか? やっちまったっすねぇシルヴァール王女」
「ここまでやっちゃったら、王国民だって王女を許す方向には傾かないでしょうしね。そしてここまで状況を悪化させてしまった為政者も、バッシングされるのがどうしようもないわ」
流石になぁ。
あの会議に立ち会っていたディオーヌ様、ファーガロン様、そして王様の3人は、俺たちへの反発運動が起こった時点で犯人に目星はついてないとおかしいんだよね。特にリスト作ったディオーヌ様は、俺より先に気付いていた可能性も高い。
それなのにダラダラと、いつまで解決まで時間かけてんだよっていうね。
リヴァーブ王国よぉ。次はねぇぞ?
「と、トーマ! は、話があるの!」
そして恒例になりつつある、ソロ探索帰りの来客。
でも今日の相手は取り合う必要がないので、無視でいいや。
「い、異風の旋律の悪評を、ルイナスリームの異邦人たちに広めたのは私なのっ! 他のみんなは関係ない!
だから、だからもう元に戻してっ! 私が、私が悪かったから!」
「…………」
「き、聞いてる? 私なの! 全部私が広めたの! 悪いのは私なのっ!
だからカンパニーの活動や、異邦人達への支援を止めるなんて言わないで!」
「…………」
「ねぇお願い! お願いだから話を聞いてよぉっ! 私が悪かったわ! ごめんなさい! 本当にごめんなさい!
こんな事になるなんて思わなかったの! 思わなかったのよぉ!」
なんか叫んでる人が居たけど、ゲートが開いたので普通に帰還する。
いやぁほんとルイナスリームって物騒なところになったなぁ。
スナネコをルイナスリームに置いておくのは危険かな?
いや、あいつらが本気だしたら俺らより早いから大丈夫か。
「トーマさん。ちょっとお聞きしたい事があるんですけど」
ベイクのターミナル広場には、スカーさんが待っていた。
千客万来ですね。
「おはようスカーさん。ネヴァルドにゴミを捨てたのも、城の正面の門を破壊したのは俺だよ?
何があったかは、この2つを考えれば説明は要らないよね。
で? ほかになんか用?」
「……トーマさんは、本当に王国を敵に回すおつもりで?」
「逆だ逆。王国は本当に俺を敵に回すつもりなのか? 門の破壊は警告だ。俺たちは非常に迷惑してるし不愉快だ。
もうそろそろ我慢するのが馬鹿らしくなってきた頃だぜスカーさん。
次に何かあったら城を破壊してやるって伝えとけ……って、なんかこれフラグっぽい気がするな。なんかもう起こってる気がする。
スカーさん。大急ぎで状況確認して事態の解決に動いた方がいいよ。次に何かあったら、少なくともカルネジア家とミルズレンダの街、そしてネヴァルドの城はこの世から無くなると思うからね」
「……急ぎ、確認して参ります」
スカーさんはゲートを開いて帰っていった。
沢山献上したもんな。ゲートのスクロール。スカーさんも覚えたんだ。
そして俺たちが異変に気付いたのはその日の夕食時。
いつも必ず戻ってくるアサヒとカンナの2人が、ベイクに戻ってこなかった。
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