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12章 俺が望んだ異世界生活
506 家族ぐるみ
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「これが水の魔導具でな。ここに触れると自動的に魔力を吸い取って、水を発生させてくれるんだよ」
「ク、クワァッ!?」
驚いてるなぁ。そりゃ魔導具なんて見たことないだろうしな。
それでもやはり好奇心旺盛なようで、すぐにみんなで試して遊んでいる。
「魔力が減りすぎると具合が悪くなったりするから、調子が悪くなったら触るの止めとけよ?
それじゃ俺は下に居るから。夜になったらみんなこっち来いよ。一緒に夕食食おうぜ」
「クァ」
水の魔導具の設置と魔力切れの説明、夕食のお誘いまで済ませたので、連絡通路を通って我が家のスペースに戻る。
「おうトーマ。トイレの設置と、ここの強度や構造の点検はしておいたぜ。気になるところはなかったから問題ないぜ。
もうお前大工としても食っていけんじゃねぇのか?」
「流石に本職には敵わないと思うけど、リモデリングの使用にもいい加減慣れてきたからな。
後は寝室用に個室の仕切りをつけるくらいでいいんじゃね?」
ここで本格的に暮らすわけじゃないしな。
トイレと寝室だけ仕切って、あとは仕切り無しの大部屋でいい気がする。
グリフォンたちと遊ぶ為の家だし。
「きゅきゅい」
「うーあー!」
ちびグリと子供達がめっちゃ仲良く遊んでいる。
子供同士仲が良いのはいいしこっちも楽なのでありがたいんだけど、子供の世話を動物に押し付けてるみたいにならないように気をつけないとな。
ただでさえ家を空けがちなんだし、家に居る時はなるべく相手しよう。でも赤ちゃんってすぐ寝ちゃうんだよなぁ。そしてすぐ起きるっていう。
この世界の育児ですら大変なのに、魔法無しの育児って、それ自体が魔法みたいな作業だなぁ。子供が出来て初めて分かる親の苦労ってか。
流石に岩山の内部だけあって床が固い。住居スペースは敷物を3重にしてみたけど、これで子供たちも快適に過ごせてるといいんだが。
赤ちゃんは体重も軽いし、床の固さまで気にならないかねぇ。
明るいうちに殺戮現場に戻って、魔物素材を自宅に運搬する作業を始める。
グリフォンハウスにターミナルが出来た今、日没まで作業をを続けても問題なくなった。
しっかしこの山みたいな亀の素材を全部持っていくのって現実的じゃないよなぁ。
やっぱインベントリの魔導具の開発が必要だな。
もしくはキャリーかけてグリフォンたちに運んで……、いやこれは止めておこう。俺が仕留めた魔物で彼らに迷惑かけたくない。
暗くなるまで自宅に素材を運搬して、暗くなったので自宅を経由してグリフォンハウスに向かう。
既に夕食の準備は殆ど終わっている状態だった。
「あ、トーマお疲れ様。この子たちってグリフォンでいいんだっけ? ハルに話は聞いてたけど、凄く好奇心が強い生き物みたいだね」
「お、シンも来てたのか。
そそ。こいつらすげえ好奇心強ぇんだよ。いきなり俺に引っ付いてゲート潜っちまったくらいなんだぜ?」
「聞いた聞いた! 凄いよね。そんな動物今まで居なかった気がするんだけどねぇ。
あ、でもペルやスナネコたちもゲートを潜るの躊躇しなかったんだっけ。危険なものなのかどうか判断できるのかもしれないよ」
「うん。2人とも話はそこまでにして、まずは夕食を食べましょう?
家族もお客さんも待たせちゃってるよ?」
「おっと悪い。話は食事をしながらにしよう。
グリフォンたちも遠慮なく食ってくれよな」
岩山の中でグリフォン一家と俺達一家の懇親会が始まった。
どうやら好奇心が強いのは子供だけではないようで、大きなグリフォンたちもふわわとつららに指導を受けながら子供達と遊んでくれた。
大人グリフォンは体格差を気にしたのか、主に尻尾を使って子供達をあやしてくれている。
う~ん……。なんかこいつらって、救貧院と相性良いような気がするなぁ……。
「最近王国の方では目立った動きはないみたい。
ただ少しルイナスリームに人が集まりすぎているって印象があるね。
ウィルスレイアとヴェルトーガは王からの課題があるから人も集まってるけど、ボールクローグとミルズレンダは悲惨みたいだね。
まだそこまでは足を運んでないけど」
「へぇ~。旅をしながら色々見て回ってんだな。
それとアートンに言われたけど、シンの姿を見てフィールダーの価値に気付いた奴等がギルドに情報を求めに来てるらしいぜ?」
「ああ、フィールダーに関しては旅先でも結構聞かれるから、基本的には包み隠さず話をしてるよ。
話を聞いてくる人は基本的に商人が多い印象かな? 狩人はアサルトドラゴンに不満を持ってる人は少ないみたいで、あまり興味がないみたい。フィールダーは戦闘力も未知数だし」
「それに今は冒険者は迷宮で充分稼げてるからな。あまり街の外に目が向いてないってのもあるかもしれないな。
それに関しちゃ少し考えないとダメかもしれない」
どっちにしても今は土地に対して人口が全然足りてない状態だから、殆どの人が街の外に意識を向ける必要がないんだよな。
恐らく10年後くらいに、新人冒険者が爆発的に増える。
そうなった時に迷宮が飽和しないように、今いる冒険者たちには次の活躍の場が必要になってくるだろう。
「エリアキーパーの打倒には数年かかるかもしれないから、エリアキーパーを迂回して別のエリアにいく方法は試しておきたいよな。
エリアキーパーを倒さなくても別エリアにいけるんであれば、狩人たちの活躍の場は一気に広がるだろうし」
もう王国解放軍みたいなくだらない騒動は起こしたくないからな。
道を整備するにしても、慎重にやっていかないと。
俺の子供達が物心ついた時に、この世界に生まれて良かった! って思えるような世界にしてやりたいもんだ。
「ク、クワァッ!?」
驚いてるなぁ。そりゃ魔導具なんて見たことないだろうしな。
それでもやはり好奇心旺盛なようで、すぐにみんなで試して遊んでいる。
「魔力が減りすぎると具合が悪くなったりするから、調子が悪くなったら触るの止めとけよ?
それじゃ俺は下に居るから。夜になったらみんなこっち来いよ。一緒に夕食食おうぜ」
「クァ」
水の魔導具の設置と魔力切れの説明、夕食のお誘いまで済ませたので、連絡通路を通って我が家のスペースに戻る。
「おうトーマ。トイレの設置と、ここの強度や構造の点検はしておいたぜ。気になるところはなかったから問題ないぜ。
もうお前大工としても食っていけんじゃねぇのか?」
「流石に本職には敵わないと思うけど、リモデリングの使用にもいい加減慣れてきたからな。
後は寝室用に個室の仕切りをつけるくらいでいいんじゃね?」
ここで本格的に暮らすわけじゃないしな。
トイレと寝室だけ仕切って、あとは仕切り無しの大部屋でいい気がする。
グリフォンたちと遊ぶ為の家だし。
「きゅきゅい」
「うーあー!」
ちびグリと子供達がめっちゃ仲良く遊んでいる。
子供同士仲が良いのはいいしこっちも楽なのでありがたいんだけど、子供の世話を動物に押し付けてるみたいにならないように気をつけないとな。
ただでさえ家を空けがちなんだし、家に居る時はなるべく相手しよう。でも赤ちゃんってすぐ寝ちゃうんだよなぁ。そしてすぐ起きるっていう。
この世界の育児ですら大変なのに、魔法無しの育児って、それ自体が魔法みたいな作業だなぁ。子供が出来て初めて分かる親の苦労ってか。
流石に岩山の内部だけあって床が固い。住居スペースは敷物を3重にしてみたけど、これで子供たちも快適に過ごせてるといいんだが。
赤ちゃんは体重も軽いし、床の固さまで気にならないかねぇ。
明るいうちに殺戮現場に戻って、魔物素材を自宅に運搬する作業を始める。
グリフォンハウスにターミナルが出来た今、日没まで作業をを続けても問題なくなった。
しっかしこの山みたいな亀の素材を全部持っていくのって現実的じゃないよなぁ。
やっぱインベントリの魔導具の開発が必要だな。
もしくはキャリーかけてグリフォンたちに運んで……、いやこれは止めておこう。俺が仕留めた魔物で彼らに迷惑かけたくない。
暗くなるまで自宅に素材を運搬して、暗くなったので自宅を経由してグリフォンハウスに向かう。
既に夕食の準備は殆ど終わっている状態だった。
「あ、トーマお疲れ様。この子たちってグリフォンでいいんだっけ? ハルに話は聞いてたけど、凄く好奇心が強い生き物みたいだね」
「お、シンも来てたのか。
そそ。こいつらすげえ好奇心強ぇんだよ。いきなり俺に引っ付いてゲート潜っちまったくらいなんだぜ?」
「聞いた聞いた! 凄いよね。そんな動物今まで居なかった気がするんだけどねぇ。
あ、でもペルやスナネコたちもゲートを潜るの躊躇しなかったんだっけ。危険なものなのかどうか判断できるのかもしれないよ」
「うん。2人とも話はそこまでにして、まずは夕食を食べましょう?
家族もお客さんも待たせちゃってるよ?」
「おっと悪い。話は食事をしながらにしよう。
グリフォンたちも遠慮なく食ってくれよな」
岩山の中でグリフォン一家と俺達一家の懇親会が始まった。
どうやら好奇心が強いのは子供だけではないようで、大きなグリフォンたちもふわわとつららに指導を受けながら子供達と遊んでくれた。
大人グリフォンは体格差を気にしたのか、主に尻尾を使って子供達をあやしてくれている。
う~ん……。なんかこいつらって、救貧院と相性良いような気がするなぁ……。
「最近王国の方では目立った動きはないみたい。
ただ少しルイナスリームに人が集まりすぎているって印象があるね。
ウィルスレイアとヴェルトーガは王からの課題があるから人も集まってるけど、ボールクローグとミルズレンダは悲惨みたいだね。
まだそこまでは足を運んでないけど」
「へぇ~。旅をしながら色々見て回ってんだな。
それとアートンに言われたけど、シンの姿を見てフィールダーの価値に気付いた奴等がギルドに情報を求めに来てるらしいぜ?」
「ああ、フィールダーに関しては旅先でも結構聞かれるから、基本的には包み隠さず話をしてるよ。
話を聞いてくる人は基本的に商人が多い印象かな? 狩人はアサルトドラゴンに不満を持ってる人は少ないみたいで、あまり興味がないみたい。フィールダーは戦闘力も未知数だし」
「それに今は冒険者は迷宮で充分稼げてるからな。あまり街の外に目が向いてないってのもあるかもしれないな。
それに関しちゃ少し考えないとダメかもしれない」
どっちにしても今は土地に対して人口が全然足りてない状態だから、殆どの人が街の外に意識を向ける必要がないんだよな。
恐らく10年後くらいに、新人冒険者が爆発的に増える。
そうなった時に迷宮が飽和しないように、今いる冒険者たちには次の活躍の場が必要になってくるだろう。
「エリアキーパーの打倒には数年かかるかもしれないから、エリアキーパーを迂回して別のエリアにいく方法は試しておきたいよな。
エリアキーパーを倒さなくても別エリアにいけるんであれば、狩人たちの活躍の場は一気に広がるだろうし」
もう王国解放軍みたいなくだらない騒動は起こしたくないからな。
道を整備するにしても、慎重にやっていかないと。
俺の子供達が物心ついた時に、この世界に生まれて良かった! って思えるような世界にしてやりたいもんだ。
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