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12章 俺が望んだ異世界生活
517 山岳エリアの先
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1度しっかり休憩を取って、体調に不安が無いかお互い確認する。
魔力も体力も問題無し。
簡単にだけど食事も済ませて腹も膨れた。
グリフォンと小さく頷きあう。コンディションは万全だ。行こう。山岳エリアのその先へ!
「クワァッ!」
グリフォンが気合の入った一声を上げて、夜の闇に飛び出した。
先日一緒に寝た時に気付いたのだけど、グリフォン達は『暗視』を持っていない。
しかしどうやってなのか、俺の音魔法の最大範囲よりも更に広い範囲を知覚する能力があるらしく、障害物の存在しない空に限って言えば、夜でも支障なく飛び回れるようだ。
それでも好き好んで夜に飛び回ったりはしないようだが。
確証は無いけれど、グリフォンのスピードなら1日もかからずエリアの端に到着する事が可能だろう。
山岳エリアの更に南側には、いったいどんなエリアが待ち受けているんだろうな?
間違いなく、俺がこの世界で初めて発見するエリアって事になる。
やべぇな! めっちゃワクワクしてくるじゃねぇか!
グラメダワルケアが迂回できたことを踏まえれば、次のエリアも丸々エリアキーパーの縄張り化しているとは思えない。
環境次第では農地を整備したり、動物達の保護区を新たに設定することだって出来るかもしれない。
夢が広がりまくりだな!
高速で流れる景色を見ながら考える。
グリフォンの飛行スピードは凄まじい速さではあるけれど、ソニックブーム的なものが発生している様子はないし、音よりも早いって事はないハズだ。
環境適応スキルのせいで空気抵抗とか殆ど感じないから、多分としか言えないんだけど。
仮にグラメダワルケアと戦う場合、グリフォンくらいの移動速度が基準とされているとするならば、魔法グライダーの飛翔速度はまだまだ最低水準に達していない可能性がある。
ユリバファルゴアの時は砂地とはいえ地に足をつけて戦えた。
ザルトワシルドアの時は撃鉄による緊急回避移動が無かったら間違いなく死んでいた。
空中でグリフォンレベルの移動スピードを確保出来ないと、不測の事態に対応出来ない可能性が低くないんじゃないか?
環境適応スキルのおかげで、水中ではまるで無重力空間のような動きが出来たっていうのに、空気抵抗は感じないのに重さがなくなっているわけではないっていうアベコベな状態のせいで、無限加速は得られないらしい。
水中とはまた違ったアプローチが必要になるんだよな。ほんと魔導具開発って奥が深いよ。ソリスタたちも一朝一夕には進められないだろうなぁ。
「クワァ?」
なんだあれ? ってニュアンスの鳴き声が聞こえる。
おっと、とうとうエリアの端に到着したのかな? 前方に注意を向ける。
「……おぉっと、あれって砂漠の果てでも見たなぁ……」
前方には真っ黒で巨大な壁のように、雲による境界が存在している。
雪エリアの白から灰っぽい雲に比べると、こちらの雲は黒くて高い。
いやぁこれって積乱雲、雷雲って奴じゃないんすかねぇ……?
ものすごぉく嫌な予感がして参りましたよ?
凄くピカピカと光っておりますねぇ。
まさかとは思うけど、落雷エリアじゃねぇだろうな……?
もしも雷が常時発生しているエリアだと考えると、このまま近づくのは危険かねぇ?
落雷エリアが自然環境に分類されるのであれば、『環境適応:大』で無効化できる可能性も決して低くはないが……。
どっちにしてもグリフォンに付き合わせるわけにはいかないか。先天スキルしか持ってないんだし。
エリアの境界までは行かずに、少し距離を取った場所で岩山に降りる。
軽く整地を済ませて軽食。未だ夜明けは訪れず。
「悪いけどここでちょっと待っててもらえるか?
あの黒い雲がピカピカと光ってるのが見えるだろ? あれって雷って言って、非常に強力な攻撃みたいなもんなんだよ。
俺は多分あれを無効化できるスキルを持ってるから、この先には1人で確認しに行ってみようと思うんだ。
俺が戻るまでここで待っててくれる?」
「クワッ! クワッ!」
めっちゃ不満そうだけど、翼を畳んだってことは了承してくれたっぽいな。
ほんとこの世界の動物はいい子ばっかりだ。
「ごめんな。なるべく早く戻ってくるから、それまでゆっくり休んでてよ。
もし雷が発生するエリアだったら、危険すぎてお前を連れて行けないんだ」
頭を丸ごと抱きかかえてモフモフよしよしする。
……なんだかこれはこれで誤魔化してるみたいに思えちゃうな。
雷だったら危険過ぎるし、なによりも飛行してたら落雷しまくっちゃいそうだから。
お前が嫌いで置いていくわけじゃないんだ! 分かっておくれよ! 完全に分かってくれてるけど!
グリフォンとの一時的な別れを済ませ、雲の下に向かいながら魔法グライダーで飛んでいく。
山岳エリア側の薄雲には影響がないっぽいけど、ゴロゴロっつう巨大な音がさっきから響き渡ってんだよなぁ。
雲の下に降りると、そこは真っ暗な世界だった。
いくらまだ夜明け前とはいえ、暗視がなかったら何も見えないな。
そしてその真っ暗な世界に何度も瞬く白い閃光。
巨大な稲妻が空に地面に自由奔放に走り回っている。
わぁい。雷エリア確定っすねぇ。
流石に山岳エリアの方まで稲光が伸びてこないけれど、目の前は視界が閉ざされるほどの土砂降り。そして地球では見たことがないほどの規模と数の雷光。
さて……。
スキルが適応してるか調べる為にあの中に突っ込むのは、流石に勘弁してもらいたいところなんだけど……。
魔力も体力も問題無し。
簡単にだけど食事も済ませて腹も膨れた。
グリフォンと小さく頷きあう。コンディションは万全だ。行こう。山岳エリアのその先へ!
「クワァッ!」
グリフォンが気合の入った一声を上げて、夜の闇に飛び出した。
先日一緒に寝た時に気付いたのだけど、グリフォン達は『暗視』を持っていない。
しかしどうやってなのか、俺の音魔法の最大範囲よりも更に広い範囲を知覚する能力があるらしく、障害物の存在しない空に限って言えば、夜でも支障なく飛び回れるようだ。
それでも好き好んで夜に飛び回ったりはしないようだが。
確証は無いけれど、グリフォンのスピードなら1日もかからずエリアの端に到着する事が可能だろう。
山岳エリアの更に南側には、いったいどんなエリアが待ち受けているんだろうな?
間違いなく、俺がこの世界で初めて発見するエリアって事になる。
やべぇな! めっちゃワクワクしてくるじゃねぇか!
グラメダワルケアが迂回できたことを踏まえれば、次のエリアも丸々エリアキーパーの縄張り化しているとは思えない。
環境次第では農地を整備したり、動物達の保護区を新たに設定することだって出来るかもしれない。
夢が広がりまくりだな!
高速で流れる景色を見ながら考える。
グリフォンの飛行スピードは凄まじい速さではあるけれど、ソニックブーム的なものが発生している様子はないし、音よりも早いって事はないハズだ。
環境適応スキルのせいで空気抵抗とか殆ど感じないから、多分としか言えないんだけど。
仮にグラメダワルケアと戦う場合、グリフォンくらいの移動速度が基準とされているとするならば、魔法グライダーの飛翔速度はまだまだ最低水準に達していない可能性がある。
ユリバファルゴアの時は砂地とはいえ地に足をつけて戦えた。
ザルトワシルドアの時は撃鉄による緊急回避移動が無かったら間違いなく死んでいた。
空中でグリフォンレベルの移動スピードを確保出来ないと、不測の事態に対応出来ない可能性が低くないんじゃないか?
環境適応スキルのおかげで、水中ではまるで無重力空間のような動きが出来たっていうのに、空気抵抗は感じないのに重さがなくなっているわけではないっていうアベコベな状態のせいで、無限加速は得られないらしい。
水中とはまた違ったアプローチが必要になるんだよな。ほんと魔導具開発って奥が深いよ。ソリスタたちも一朝一夕には進められないだろうなぁ。
「クワァ?」
なんだあれ? ってニュアンスの鳴き声が聞こえる。
おっと、とうとうエリアの端に到着したのかな? 前方に注意を向ける。
「……おぉっと、あれって砂漠の果てでも見たなぁ……」
前方には真っ黒で巨大な壁のように、雲による境界が存在している。
雪エリアの白から灰っぽい雲に比べると、こちらの雲は黒くて高い。
いやぁこれって積乱雲、雷雲って奴じゃないんすかねぇ……?
ものすごぉく嫌な予感がして参りましたよ?
凄くピカピカと光っておりますねぇ。
まさかとは思うけど、落雷エリアじゃねぇだろうな……?
もしも雷が常時発生しているエリアだと考えると、このまま近づくのは危険かねぇ?
落雷エリアが自然環境に分類されるのであれば、『環境適応:大』で無効化できる可能性も決して低くはないが……。
どっちにしてもグリフォンに付き合わせるわけにはいかないか。先天スキルしか持ってないんだし。
エリアの境界までは行かずに、少し距離を取った場所で岩山に降りる。
軽く整地を済ませて軽食。未だ夜明けは訪れず。
「悪いけどここでちょっと待っててもらえるか?
あの黒い雲がピカピカと光ってるのが見えるだろ? あれって雷って言って、非常に強力な攻撃みたいなもんなんだよ。
俺は多分あれを無効化できるスキルを持ってるから、この先には1人で確認しに行ってみようと思うんだ。
俺が戻るまでここで待っててくれる?」
「クワッ! クワッ!」
めっちゃ不満そうだけど、翼を畳んだってことは了承してくれたっぽいな。
ほんとこの世界の動物はいい子ばっかりだ。
「ごめんな。なるべく早く戻ってくるから、それまでゆっくり休んでてよ。
もし雷が発生するエリアだったら、危険すぎてお前を連れて行けないんだ」
頭を丸ごと抱きかかえてモフモフよしよしする。
……なんだかこれはこれで誤魔化してるみたいに思えちゃうな。
雷だったら危険過ぎるし、なによりも飛行してたら落雷しまくっちゃいそうだから。
お前が嫌いで置いていくわけじゃないんだ! 分かっておくれよ! 完全に分かってくれてるけど!
グリフォンとの一時的な別れを済ませ、雲の下に向かいながら魔法グライダーで飛んでいく。
山岳エリア側の薄雲には影響がないっぽいけど、ゴロゴロっつう巨大な音がさっきから響き渡ってんだよなぁ。
雲の下に降りると、そこは真っ暗な世界だった。
いくらまだ夜明け前とはいえ、暗視がなかったら何も見えないな。
そしてその真っ暗な世界に何度も瞬く白い閃光。
巨大な稲妻が空に地面に自由奔放に走り回っている。
わぁい。雷エリア確定っすねぇ。
流石に山岳エリアの方まで稲光が伸びてこないけれど、目の前は視界が閉ざされるほどの土砂降り。そして地球では見たことがないほどの規模と数の雷光。
さて……。
スキルが適応してるか調べる為にあの中に突っ込むのは、流石に勘弁してもらいたいところなんだけど……。
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