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12章 俺が望んだ異世界生活
518 雷雨エリア
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さて、まずは電気ショックをスキルで無効化出来てるのかを確認しなきゃいけないんだけど、どうやって安全に確認しよう?
絶え間なく雷雨が振り続けているんだし、地面に降りて近付けば検証できるかな?
ここまで来たら『環境適応:大』を信じるしかない。
感電リスクもあるけど、豪雨と放電による爆音も凄まじいなぁ。
この世界に来て雨を見たのは開放型迷宮以外では初めてだけれど、情緒を感じる余裕も無いほどの降雨量だ。
しとしとってくらいの雨なら好きなんだけどね。
雨の日ってなんか寝心地いいし。
でもこのエリアは寝辛そうだなぁ。
音は煩いし雷光で眩しいし、暗視がなくても大丈夫なんじゃないかと思うほどの明るさだ。
でも雨のせいで視界が悪いと。
寝辛そうというか生活しにくそうだなぁ。
地面に降りてぐちゃぐちゃの地面を走っているんだけど、今のところ感電する気配は無い。
マーサに絶縁の知識なんてあるわけがないんだから、まだ通電範囲に到達していないのか、スキルで完全に無効化出来ているのかのどちらかのはず。
考えたくはないんだけど、環境適応スキルには一定効果の雷耐性はあるけれど、雷の威力がそれを上回ってくるってのが最悪のケースだよな。
次に面倒なのは、『環境適応:大』なら耐えられるけど、小・中効果では耐えられない場合。
この世界の生物は誰もが産まれた時には小効果しか取得出来ないので、雷雨エリアを生物の生活圏にするのはほとんど不可能だろう。
シェルター的な絶縁魔導具を開発すれば何とか? でもそこまでするメリットはないか。
まだ岩山が途切れていないのに、雨で視界が閉ざされ始めてきた。
近くの山肌に、ストレージから取り出したシルバーライト製のダガーを突き刺し、シルバーライトをサーチ対象に設定しておく。
水中でもないのに、雪とか豪雨とかで視界が得られないエリアばっかりで嫌になってくるわ。
これってクソ立地だよなぁ?
スタートが平原エリアで北が食糧豊富な森林ってのはアリだけど、西は交易相手もいない海エリア、東は砂漠と吹雪、南は山岳エリアと雷雨エリアとか、拡張と開発を阻むような意地の悪い立地過ぎない?
異邦人達の移住先として創世したなら、もうちょっと人類に優しい世界にしてくれても良くねぇ?
こんな苛酷な環境で暮らしてる動物なんているんだろうか?
居るんだろうなぁ。グリフォンなんてファンタジー生物が動物枠でいるんだし、雷を纏うトラだったり龍だったりがいるのかもしれない。
サーチ範囲は大体海で把握済みだ。足を止めずに2本目のダガーを刺す。
そろそろ岩山が途切れてきたので、エリアの境界を越えて雷雨エリアに到達できたのかもしれない。
相変わらず稲光は凄まじいし、何度も落雷が起きてはいるけれど、足元から通電してくる気配はない。
間接的な通電にはスキルが適応されてるっぽいな。
あとは直接打たれた時に通電するかどうか。
……た、試したくねぇ~。
しかしこの雷雨エリア、足を踏み入れてみて改めて分かる難易度の高さがあるな。
まずこの雷雨自体に魔法エネルギーと轟音、発熱、発火などが伴っているから複合センサーが殆ど役に立たない。
その上で視界も悪く索敵が一切出来ない状況だ。
このエリアに適応した生物が居るのであれば、いきなり奇襲を受ける可能性がかなり高い。
魔物や動物を探そうと思っても、大気中に音も魔力も満ちているので、音魔法狩りがどこまで効果を出せるのかも不透明だし、そもそも結構走ってるのに1度も魔物に襲われていない。
下手したらこのエリア、魔物も全滅してない?
――――っ!!
「うおおおおぉぉぉ……、お?」
簡易サーチシステムとしてシルバーライトロングソードを地面に刺そうとした時、俺の体を雷が貫いた。
一瞬視界が真っ白になって驚いてしまったけれど、体や装備に異常は見られない。魔法グライダーも問題なく動作する。
瞬間的に死ぬほどビビッてしまったけれど、どうやら直接雷に当たっても感電のリスクはないようだ。
そして装備品にもスキルの効果は波及している。
これなら空飛んで直接雷に当たってみるか。
我ながら言ってる事が狂気染みてるな。
空を飛んで様子を窺う。
この時に気付いたけれど、雨に濡れてはいるけども体温が奪われている感じがしない。
そして空を飛んだ途端に頻繁に雷に打たれるという事も無い様だった。
うーん。雷雨が丸っと自然現象として処理されてて、その影響を殆どスキルで無効化してるって感じかなぁ。
それならびしょ濡れになるのも無効化して欲しかったよ神様。
そう言えば雪エリアでも体温は奪われないものの、体に雪が降り積もってたっけ。
とりあえず今は、雷を環境適応スキルで無効化できるのが分かっただけでも充分だ。
山岳地帯に戻るとしよう。
感電と落雷のリスクがないので魔法グライダーで一気に飛んでいきたいけれど、視界が悪すぎて岩山に衝突する可能性がある。帰還こそ焦らず安全にだ。
道中のダガーを回収し終えたら改めて飛翔し、雷雲ではない薄雲を突っ切って岩山の上へ。
乾燥を使用して体の水分を飛ばして、グリフォンが待つ岩山に……、ってどれだ? ヤッバ。
結局音魔法でグリフォンを呼んで迎えに来てもらった。俺ダサすぎでは?
グリフォンが待機していた場所を少し整備して、ターミナル設置場所を作る。
雷雨エリアの探索と開発なんて一朝一夕で進むもんじゃないだろうけど、エリアの端に転移ポイントを設置しておくのは重要だ。
出来れば山岳エリアの東西にも転移ポイントを設置しておきたいよな。
う~ん、心核がどんどん無くなってしまうなぁ。
タケルにお願いして、ある程度の数を仕入れるべきか?
いや、ターミナル設置用として普通に王国から購入すべきかな?
ルイナスリームが出来てから、今までずっと迷宮ガチャは続いている。王国が所有する心核も飽和状態かもしれない。
そんなことを考えながらターミナルの設置場所を整備し終えた俺は、グリフォンと共にゲートで帰宅したのだった。
絶え間なく雷雨が振り続けているんだし、地面に降りて近付けば検証できるかな?
ここまで来たら『環境適応:大』を信じるしかない。
感電リスクもあるけど、豪雨と放電による爆音も凄まじいなぁ。
この世界に来て雨を見たのは開放型迷宮以外では初めてだけれど、情緒を感じる余裕も無いほどの降雨量だ。
しとしとってくらいの雨なら好きなんだけどね。
雨の日ってなんか寝心地いいし。
でもこのエリアは寝辛そうだなぁ。
音は煩いし雷光で眩しいし、暗視がなくても大丈夫なんじゃないかと思うほどの明るさだ。
でも雨のせいで視界が悪いと。
寝辛そうというか生活しにくそうだなぁ。
地面に降りてぐちゃぐちゃの地面を走っているんだけど、今のところ感電する気配は無い。
マーサに絶縁の知識なんてあるわけがないんだから、まだ通電範囲に到達していないのか、スキルで完全に無効化出来ているのかのどちらかのはず。
考えたくはないんだけど、環境適応スキルには一定効果の雷耐性はあるけれど、雷の威力がそれを上回ってくるってのが最悪のケースだよな。
次に面倒なのは、『環境適応:大』なら耐えられるけど、小・中効果では耐えられない場合。
この世界の生物は誰もが産まれた時には小効果しか取得出来ないので、雷雨エリアを生物の生活圏にするのはほとんど不可能だろう。
シェルター的な絶縁魔導具を開発すれば何とか? でもそこまでするメリットはないか。
まだ岩山が途切れていないのに、雨で視界が閉ざされ始めてきた。
近くの山肌に、ストレージから取り出したシルバーライト製のダガーを突き刺し、シルバーライトをサーチ対象に設定しておく。
水中でもないのに、雪とか豪雨とかで視界が得られないエリアばっかりで嫌になってくるわ。
これってクソ立地だよなぁ?
スタートが平原エリアで北が食糧豊富な森林ってのはアリだけど、西は交易相手もいない海エリア、東は砂漠と吹雪、南は山岳エリアと雷雨エリアとか、拡張と開発を阻むような意地の悪い立地過ぎない?
異邦人達の移住先として創世したなら、もうちょっと人類に優しい世界にしてくれても良くねぇ?
こんな苛酷な環境で暮らしてる動物なんているんだろうか?
居るんだろうなぁ。グリフォンなんてファンタジー生物が動物枠でいるんだし、雷を纏うトラだったり龍だったりがいるのかもしれない。
サーチ範囲は大体海で把握済みだ。足を止めずに2本目のダガーを刺す。
そろそろ岩山が途切れてきたので、エリアの境界を越えて雷雨エリアに到達できたのかもしれない。
相変わらず稲光は凄まじいし、何度も落雷が起きてはいるけれど、足元から通電してくる気配はない。
間接的な通電にはスキルが適応されてるっぽいな。
あとは直接打たれた時に通電するかどうか。
……た、試したくねぇ~。
しかしこの雷雨エリア、足を踏み入れてみて改めて分かる難易度の高さがあるな。
まずこの雷雨自体に魔法エネルギーと轟音、発熱、発火などが伴っているから複合センサーが殆ど役に立たない。
その上で視界も悪く索敵が一切出来ない状況だ。
このエリアに適応した生物が居るのであれば、いきなり奇襲を受ける可能性がかなり高い。
魔物や動物を探そうと思っても、大気中に音も魔力も満ちているので、音魔法狩りがどこまで効果を出せるのかも不透明だし、そもそも結構走ってるのに1度も魔物に襲われていない。
下手したらこのエリア、魔物も全滅してない?
――――っ!!
「うおおおおぉぉぉ……、お?」
簡易サーチシステムとしてシルバーライトロングソードを地面に刺そうとした時、俺の体を雷が貫いた。
一瞬視界が真っ白になって驚いてしまったけれど、体や装備に異常は見られない。魔法グライダーも問題なく動作する。
瞬間的に死ぬほどビビッてしまったけれど、どうやら直接雷に当たっても感電のリスクはないようだ。
そして装備品にもスキルの効果は波及している。
これなら空飛んで直接雷に当たってみるか。
我ながら言ってる事が狂気染みてるな。
空を飛んで様子を窺う。
この時に気付いたけれど、雨に濡れてはいるけども体温が奪われている感じがしない。
そして空を飛んだ途端に頻繁に雷に打たれるという事も無い様だった。
うーん。雷雨が丸っと自然現象として処理されてて、その影響を殆どスキルで無効化してるって感じかなぁ。
それならびしょ濡れになるのも無効化して欲しかったよ神様。
そう言えば雪エリアでも体温は奪われないものの、体に雪が降り積もってたっけ。
とりあえず今は、雷を環境適応スキルで無効化できるのが分かっただけでも充分だ。
山岳地帯に戻るとしよう。
感電と落雷のリスクがないので魔法グライダーで一気に飛んでいきたいけれど、視界が悪すぎて岩山に衝突する可能性がある。帰還こそ焦らず安全にだ。
道中のダガーを回収し終えたら改めて飛翔し、雷雲ではない薄雲を突っ切って岩山の上へ。
乾燥を使用して体の水分を飛ばして、グリフォンが待つ岩山に……、ってどれだ? ヤッバ。
結局音魔法でグリフォンを呼んで迎えに来てもらった。俺ダサすぎでは?
グリフォンが待機していた場所を少し整備して、ターミナル設置場所を作る。
雷雨エリアの探索と開発なんて一朝一夕で進むもんじゃないだろうけど、エリアの端に転移ポイントを設置しておくのは重要だ。
出来れば山岳エリアの東西にも転移ポイントを設置しておきたいよな。
う~ん、心核がどんどん無くなってしまうなぁ。
タケルにお願いして、ある程度の数を仕入れるべきか?
いや、ターミナル設置用として普通に王国から購入すべきかな?
ルイナスリームが出来てから、今までずっと迷宮ガチャは続いている。王国が所有する心核も飽和状態かもしれない。
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