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破棄された本人が、式の準備を進めます。
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聖具室は、祈りの音が届かない場所にある。
廊下を隔てただけなのに、大聖堂の空気はここで一段、現実に近づく。香の甘さは薄まり、代わりに金属と蝋と乾いた紙の匂いが強くなる。壁の石は湿り気を含み、触れれば体温を奪っていく。儀式の裏側とはこういうものだ。華やかさは表に置き、重さは裏で支える。
私は扉を閉めると、息をひとつ整えた。整える、というより、元の位置に戻す。
胸の奥に浮かぶものはある。怒りか、悲しみか、恥か。
けれどそれらは、今は名前を持てない。名を与えれば、私の中で大きく育ち、手元を狂わせる。狂わせるわけにはいかない。今日は、大事な日だから。
「セレナ様」
低い声で呼ばれて振り向くと、オスヴァルト大司教が立っていた。
白い法衣の襞は影を抱え、胸元の銀の十字は鈍い光を宿している。神に仕える者の装いは清いはずなのに、この人から漂うのは清さではなく秩序だった。祈りよりも規則を信じる種類の静けさ。
「控室から直接こちらへ?」
「はい。ごめんなさいね、急に変更してもらっちゃって」
私は頭を下げた。アルトから婚約破棄を告げられたのが数刻前。盟約文や式次第の変更は骨が折れる作業だったと思う。
大司教は短く首を振ってから、室内の棚を示した。棚には聖杯、聖油、封蝋、羊皮紙の束、そして細い針が並ぶ。どれも、目立たない。けれど一つひとつが、人生を変える力を持っている。刃物より静かに、確実に。
「聖杯はこちらです」と大司教が言う。
銀の聖杯は、掌に乗せると驚くほど冷たかった。
縁には古い文字が刻まれている。私の指はその溝をなぞり、刻印の深さを確かめる。血は溝に沿って流れ、文字に染み込む。そうして契約は、言葉だけではない形を持つ。
「はい、亀裂はありませんし、反射も歪んでいませんね」
「よろしい」
大司教の声は、喜びの言葉ではなく、ただの判定だった。
私はそれに救われる。感情を混ぜない評価は、時に人を落ち着かせる。
「盟約文を拝見します」
羊皮紙の束から一枚を取り出し、私は机に広げた。
黒いインクは乾き、文字は揺れない。祈祷文と契約文は似ている。どちらも、読む者の心より読む順序が大切だ。飛ばしてはいけない行がある。言い換えてはいけない語がある。
私は最初の一文から、声に出さずに目で追った。
あまりにも覚えている。けれど覚えているからこそ、変更したところを目の当たりにすると胸が詰まる。
――本盟約は、聖堂の名において締結される。
――当事者は、新郎アルト・グランヴェル、および花嫁ミレイア・ヴァンローゼ。
――信用主体は、当事者の血盟紋により示される。
――鍵印の所在は、聖堂が確認する。
「……鍵印」
その単語に触れた瞬間、舌の先がかすかに乾いた。
私は紙から目を離さずに、指先でその行を押さえた。鍵印。そう呼ばれるものは、派手ではない。血盟紋の奥にある、さらに薄い層。見えない者には見えず、見える者には逃げようのない印。
大司教が私の指先を見た。
「その行が気になりますか」
「いえ、規定として確認しただけです」
私は言い、視線を戻した。嘘ではない。
ただ、私の中で鍵印という言葉は、いつも“誰にも見せてはいけないもの”と結びついている。
鍵印は、信用の根を示す。
根がどこにあるか。誰の血が、この盟約に重みを与えるのか。
それを知ってしまうと、人は「人」を見なくなる。金や家格と同じように、血を価値として扱い始める。
だから私は、知っていても言わなかった。
今日までは。
「当事者欄は――」
大司教が淡々と告げる。
「本当にこちらでよろしいでしょうか」
その瞬間、胸の奥で何かが小さく笑った。
アルトは控室で、私に向かって言ったのだ。君はもう花嫁じゃない、と。
だから、紙に書かれていることは間違っていない。
そして、この紙の言葉は、アルトの気分よりずっと強い。
「現時点ではありません」と私は答えた。
大司教は納得したように頷き、封蝋の準備に移る。
私は盟約文を慎重に戻し、次に席次表の束を取り出した。
席次表。
それは紙の上の地図であり、空気の流れを決める道具でもある。誰が誰の隣に座り、誰の視線がどこに集まるか。祝福は、配置で形を変えるかもしれない。
「来賓席の最前列は、いつものとおり商会の代表と、評議会の監査役」
私は独り言のように言いながら、名前を確認した。
ルーカス・ヴァレン。王都商会の使者。
監査役、補佐官、聖堂の書記官。
アルトが望む華やかな人々ではない。だが、盟約が成立するために必要な人々だ。
そして、この人々は噂よりも書類を信じる。
私は紙に視線を落としながら、異様なほど落ち着いている自分に気づいた。
恐ろしいのは、落ち着いていること自体ではない。落ち着きの理由が、もう“愛”ではないことだ。
アルトのために整えていた席次を、私は今、別の目的で整えている。
儀式が滞りなく進むように。
そして、滞りなく“確認”が行われるように。
「セレナ様」
突然、背後から控えめな声がした。
振り向くと、商会の使者ルーカスが立っていた。黒い外套の裾に、冬の外気が絡みついている。彼は礼儀正しいが、祈りの空気には馴染まない種類の男だ。目が、すでに計算を終えている目をしている。
「お時間よろしいでしょうか。署名の順番について」
「もちろん」
私は席次表を閉じ、彼の差し出した小さな帳面に目を落とした。
そこには、契約書の写しと、確認事項が端的に並んでいる。余計な言葉はない。けれどその簡潔さが、容赦のなさに繋がる。
「本日の盟約は、外部取引に影響します」とルーカスが言った。
「血盟紋の確認後、聖堂印の付与が完了しない場合、商会は――」
「契約を凍結する、ということですね」
私は先に答えた。
ルーカスが僅かに眉を上げる。驚きか、評価か、あるいは“今日は話が早い”という類の安堵か。
「はい。凍結です。再交渉には、信用主体の再確認が必要になります」
私は頷いた。
凍結。再確認。再交渉。
どれも冷たい言葉だ。けれど、冷たい言葉ほど現実を動かす。
「大司教、確認ですが」と私はオスヴァルトへ向き直った。
「祈祷の前に、聖杯への滴下は当事者が行いますね」
「そのとおり」
「順番は、盟約文の当事者欄の順で?」
「原則はそうです」
原則。
原則は、時に人を救い、時に人を切る。私は原則が好きだ。原則は誰かの気分で変わらない。今の私には、それが何よりありがたい。
私は聖杯を布で拭き、棚に戻した。銀はすぐに冷えた光を取り戻す。
その光を見つめると、控室で見たアルトの笑みが思い出された。軽い力で置かれた言葉。
終わりにしたい。格が違う。
そう言った彼は、きっと自分が上に立っていると思っている。
けれど、格とは何だろう。家名か、富か、評判か。
私は、今日それを確認することになる。
血盟紋は嘘をつかない。
鍵印は、もっと嘘をつかない。
「式は予定どおり進めます」と私は静かに言った。
誰に言ったのか、自分でも分からない。大司教か、ルーカスか、それとも自分自身か。
大司教は短く頷いた。
「予定どおりに」
ルーカスもまた、帳面を閉じて言う。
「同じく、予定どおりに」
その言葉が、奇妙に心地よかった。
私はその心地よさを、喜びと呼ばない。救いとも呼ばない。
ただ、手続きの確かさだ。
聖具室の窓のない壁に、灯りが揺れている。蝋燭の炎が、静かに揺れている。
私はその揺れを見つめながら、胸の奥に溜まっていたものにようやく輪郭が生まれるのを感じた。
怒りではない。復讐でもない。
これは、再出発だ。
私は最後にもう一度、盟約文の「鍵印」という文字を指で押さえた。
押さえるだけで、紙は少しだけ沈む。
その沈みが、現実の重さに繋がっている気がした。
廊下を隔てただけなのに、大聖堂の空気はここで一段、現実に近づく。香の甘さは薄まり、代わりに金属と蝋と乾いた紙の匂いが強くなる。壁の石は湿り気を含み、触れれば体温を奪っていく。儀式の裏側とはこういうものだ。華やかさは表に置き、重さは裏で支える。
私は扉を閉めると、息をひとつ整えた。整える、というより、元の位置に戻す。
胸の奥に浮かぶものはある。怒りか、悲しみか、恥か。
けれどそれらは、今は名前を持てない。名を与えれば、私の中で大きく育ち、手元を狂わせる。狂わせるわけにはいかない。今日は、大事な日だから。
「セレナ様」
低い声で呼ばれて振り向くと、オスヴァルト大司教が立っていた。
白い法衣の襞は影を抱え、胸元の銀の十字は鈍い光を宿している。神に仕える者の装いは清いはずなのに、この人から漂うのは清さではなく秩序だった。祈りよりも規則を信じる種類の静けさ。
「控室から直接こちらへ?」
「はい。ごめんなさいね、急に変更してもらっちゃって」
私は頭を下げた。アルトから婚約破棄を告げられたのが数刻前。盟約文や式次第の変更は骨が折れる作業だったと思う。
大司教は短く首を振ってから、室内の棚を示した。棚には聖杯、聖油、封蝋、羊皮紙の束、そして細い針が並ぶ。どれも、目立たない。けれど一つひとつが、人生を変える力を持っている。刃物より静かに、確実に。
「聖杯はこちらです」と大司教が言う。
銀の聖杯は、掌に乗せると驚くほど冷たかった。
縁には古い文字が刻まれている。私の指はその溝をなぞり、刻印の深さを確かめる。血は溝に沿って流れ、文字に染み込む。そうして契約は、言葉だけではない形を持つ。
「はい、亀裂はありませんし、反射も歪んでいませんね」
「よろしい」
大司教の声は、喜びの言葉ではなく、ただの判定だった。
私はそれに救われる。感情を混ぜない評価は、時に人を落ち着かせる。
「盟約文を拝見します」
羊皮紙の束から一枚を取り出し、私は机に広げた。
黒いインクは乾き、文字は揺れない。祈祷文と契約文は似ている。どちらも、読む者の心より読む順序が大切だ。飛ばしてはいけない行がある。言い換えてはいけない語がある。
私は最初の一文から、声に出さずに目で追った。
あまりにも覚えている。けれど覚えているからこそ、変更したところを目の当たりにすると胸が詰まる。
――本盟約は、聖堂の名において締結される。
――当事者は、新郎アルト・グランヴェル、および花嫁ミレイア・ヴァンローゼ。
――信用主体は、当事者の血盟紋により示される。
――鍵印の所在は、聖堂が確認する。
「……鍵印」
その単語に触れた瞬間、舌の先がかすかに乾いた。
私は紙から目を離さずに、指先でその行を押さえた。鍵印。そう呼ばれるものは、派手ではない。血盟紋の奥にある、さらに薄い層。見えない者には見えず、見える者には逃げようのない印。
大司教が私の指先を見た。
「その行が気になりますか」
「いえ、規定として確認しただけです」
私は言い、視線を戻した。嘘ではない。
ただ、私の中で鍵印という言葉は、いつも“誰にも見せてはいけないもの”と結びついている。
鍵印は、信用の根を示す。
根がどこにあるか。誰の血が、この盟約に重みを与えるのか。
それを知ってしまうと、人は「人」を見なくなる。金や家格と同じように、血を価値として扱い始める。
だから私は、知っていても言わなかった。
今日までは。
「当事者欄は――」
大司教が淡々と告げる。
「本当にこちらでよろしいでしょうか」
その瞬間、胸の奥で何かが小さく笑った。
アルトは控室で、私に向かって言ったのだ。君はもう花嫁じゃない、と。
だから、紙に書かれていることは間違っていない。
そして、この紙の言葉は、アルトの気分よりずっと強い。
「現時点ではありません」と私は答えた。
大司教は納得したように頷き、封蝋の準備に移る。
私は盟約文を慎重に戻し、次に席次表の束を取り出した。
席次表。
それは紙の上の地図であり、空気の流れを決める道具でもある。誰が誰の隣に座り、誰の視線がどこに集まるか。祝福は、配置で形を変えるかもしれない。
「来賓席の最前列は、いつものとおり商会の代表と、評議会の監査役」
私は独り言のように言いながら、名前を確認した。
ルーカス・ヴァレン。王都商会の使者。
監査役、補佐官、聖堂の書記官。
アルトが望む華やかな人々ではない。だが、盟約が成立するために必要な人々だ。
そして、この人々は噂よりも書類を信じる。
私は紙に視線を落としながら、異様なほど落ち着いている自分に気づいた。
恐ろしいのは、落ち着いていること自体ではない。落ち着きの理由が、もう“愛”ではないことだ。
アルトのために整えていた席次を、私は今、別の目的で整えている。
儀式が滞りなく進むように。
そして、滞りなく“確認”が行われるように。
「セレナ様」
突然、背後から控えめな声がした。
振り向くと、商会の使者ルーカスが立っていた。黒い外套の裾に、冬の外気が絡みついている。彼は礼儀正しいが、祈りの空気には馴染まない種類の男だ。目が、すでに計算を終えている目をしている。
「お時間よろしいでしょうか。署名の順番について」
「もちろん」
私は席次表を閉じ、彼の差し出した小さな帳面に目を落とした。
そこには、契約書の写しと、確認事項が端的に並んでいる。余計な言葉はない。けれどその簡潔さが、容赦のなさに繋がる。
「本日の盟約は、外部取引に影響します」とルーカスが言った。
「血盟紋の確認後、聖堂印の付与が完了しない場合、商会は――」
「契約を凍結する、ということですね」
私は先に答えた。
ルーカスが僅かに眉を上げる。驚きか、評価か、あるいは“今日は話が早い”という類の安堵か。
「はい。凍結です。再交渉には、信用主体の再確認が必要になります」
私は頷いた。
凍結。再確認。再交渉。
どれも冷たい言葉だ。けれど、冷たい言葉ほど現実を動かす。
「大司教、確認ですが」と私はオスヴァルトへ向き直った。
「祈祷の前に、聖杯への滴下は当事者が行いますね」
「そのとおり」
「順番は、盟約文の当事者欄の順で?」
「原則はそうです」
原則。
原則は、時に人を救い、時に人を切る。私は原則が好きだ。原則は誰かの気分で変わらない。今の私には、それが何よりありがたい。
私は聖杯を布で拭き、棚に戻した。銀はすぐに冷えた光を取り戻す。
その光を見つめると、控室で見たアルトの笑みが思い出された。軽い力で置かれた言葉。
終わりにしたい。格が違う。
そう言った彼は、きっと自分が上に立っていると思っている。
けれど、格とは何だろう。家名か、富か、評判か。
私は、今日それを確認することになる。
血盟紋は嘘をつかない。
鍵印は、もっと嘘をつかない。
「式は予定どおり進めます」と私は静かに言った。
誰に言ったのか、自分でも分からない。大司教か、ルーカスか、それとも自分自身か。
大司教は短く頷いた。
「予定どおりに」
ルーカスもまた、帳面を閉じて言う。
「同じく、予定どおりに」
その言葉が、奇妙に心地よかった。
私はその心地よさを、喜びと呼ばない。救いとも呼ばない。
ただ、手続きの確かさだ。
聖具室の窓のない壁に、灯りが揺れている。蝋燭の炎が、静かに揺れている。
私はその揺れを見つめながら、胸の奥に溜まっていたものにようやく輪郭が生まれるのを感じた。
怒りではない。復讐でもない。
これは、再出発だ。
私は最後にもう一度、盟約文の「鍵印」という文字を指で押さえた。
押さえるだけで、紙は少しだけ沈む。
その沈みが、現実の重さに繋がっている気がした。
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