最後の人生、最後の願い

総帥

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第2章 アカデミー1年生

12 リアと少し仲良くなれた

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 やってきました杖の店。授業はほとんど説明で終わったよ。明日から本格的に始まるらしい。


 「注文してきたぞ。」 

 「どうだった?」

 「やはり戸惑っていたな。しかし伝わったと思う。最高の物を作ると約束してくれたよ。」

 「そっか!楽しみだなー。」

 「予備の杖も購入してきた。もう行こうか。」

 「おう。次は俺の買い物だな。どこに売ってるかな...。雑貨屋?」

 「いや、骨董品店とかの方がいいと思う。」

 「じゃあその辺りを探すか。」





 俺の買い物は難航した。近いものは腐るほどあるがそれじゃないんだよ。そして何軒目かの古具店で、知ってる顔を見かけた。

 「リア、さっきぶり。こんなとこで会うなんてなー。」

 「あら、シャルトルーズ。と...ライミリウム様。」

 「ああ、僕のことは気にしなくていい。シャル、僕はあちらを見ているよ。」

 「ええ、わかりました。」
 このリアに対する気遣いの一欠片でも俺に向けて欲しいんだけど。

 リアは私服にいつもポニーテールにしてる茶髪を下ろしている。それだけで雰囲気変わるもんだな。



 「あなた本当にライミリウム様と親しいのね...。買い物までご一緒されるなんて。」

 「まあ色々あって。リアも買い物か?」

 「というより...ここ、うちが経営してるのよ。」

 「そうなの!?へえ、リアんちも商家かー。」

 「まあ、ね。あなたは何かお探し?」

 「お。ちょうどいいや。俺魔具になるもの探しにきたんだけど...。」
 キョロキョロと周りを見渡す。人影は、無し!


 「...内緒にしてくれな?」

 「な、何しようとしてるのよ...。」

 「いーからいーから。で、探してるのは...」







 「...ありそう?」

 「......あるわね。」

 「本当!?やったー!」

 「ちょっと待ってて。

 ......はい。これなんてどう?」



 こ、これは...!



 「これーーーー!!!サンキューリア!ああ~まさに理想通り~。」

 俺はを抱えてクルクル回る。


 「本当にそれ使うの?大きいし、古いし。」

 「この古臭さがいいんだよ~。来週の授業楽しみにしとけよ~!マジでありがとうな!」

 「ふふ...どういたしまして。そこまで喜んでもらえると悪い気しないわね。」


 お。リアが笑ってんの初めて見たかも。俺の奇声事件は除く。
 ずっと無表情だもんな。やっぱ笑顔のほうが可愛いよ。本人には言わないけど。

 「今度お礼するよ。」

 「いらないわよ。私は仕事をしただけだもの。」

 「まあまあ、それだけ嬉しかったって事。なんか考えとくから!」

 「まったく...じゃあ、その時はありがたく。」

 「おう!じゃあまた明日、学校で。」

 「ええ。また明日ね。」


 ファルを連れて店を出る。いい買い物をした!しかも売れ残りらしく、お安くしてくれた。リアとちょっとだけ仲良くなれたかもな。






 そして次の日から本格的に授業が始まる。俺は立場上、授業の準備や手伝いをする事もあるし、指されることも多い。

 しかし今んとこは順調だな。あのナルシー貴族のように絡んでくる奴はいないし。このクラスは中々過ごしやすいな。

 俺から貴族に話しかけることは出来ないし、しない。でも向こうから声をかけていただく事もあるので、そん時はにこやかに対応する。
 ファルが俺と親しくしてるので気になる人もいるようだ。しかもお互いに愛称で呼んでるし。高位貴族と平民じゃ本来接点ないもんな。
 まあそん時は「実家の関係で親しくさせていただいております」とか言って誤魔化してる。大体合ってるしな。



 そしてナルシーだが、意外なほどに俺らに関わってこない。もっと逆ギレとかされると思ってたから拍子抜けだ。
 自業自得とはいえ、俺らがきっかけで勘当される訳だし。友人も離れていったみたいだな。
 これからのあいつは、堕ちていくか這い上がってくるかのどちらかになる。
 ...俺は元妖怪とはいえ、人間が堕ちていくのを見たいわけじゃない。手助けはしないが、なんとか持ち堪えてもらいたいもんだ。



 そして週が明け、待ちに待ちまくった魔法の授業が始まる!


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