最後の人生、最後の願い

総帥

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第2章 アカデミー1年生

13 俺は厨二ではない はず

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 「では、これより魔具の作成に入る。皆持ってきたな?」

 ばっちりですとも!俺は布に包んだをぎゅっと抱きしめる。


 「これがだな、少し手間がかかる。教師がつきっきりになる必要があるから、順番だ。待ってる間は教科書を読むように。」

 もう読みすぎて全部暗記しました。
 学校の魔法教師は全部で6人。全員来てくれているので、6人ずつ作成に入るらしい。


 「さて順番だが、シャルトルーズ。先にやるか?」

 「はい。お願いします。」

 「他はどうだ?あと5人。」

 意外と希望者いないんだな。様子見してるみたいだ。ファルは俺が終わった後だからまだだし。
 なんとか6人揃い、やっと始まるよう。


 「作成は個別に行う。各自、この中に入れ。」


 何これ異空間?すっげえ!教卓の前に6つの穴が開いてる。お邪魔します。


 「おおー。すごい。中は広いんですね!」

 「亜空間だからな。上級魔法だ。それで、お前の魔具はなんだ?」

 「はい!フェルト先生!これです!!」



 「......それでいいのか?」

 「はい!早く早く!」

 「まあいいけど...。始めるぞ、集中しろ。」


 俺は中央に立ち、素と道具を取り出す。

 「素はもうお前の魔力に染まっているはずだ。全てはお前のイメージ次第。僕は手助けしか出来ないからな。
 心の準備ができたら声をかけろ。融合を始める。」

 「はい...。ちょっと時間かかかりますんで...。」


 本来は、ただ道具の中に素を入れるだけなのですぐ終わるんだろう。
 だが俺は、俺が求めているものは違う。
 集中しろ。イメージしろ。望む機能を頭の中に思い浮かべる。







 「......お願いします。」

 先生は急かす事もなく待っていてくれた。そして俺の合図で始まる。

 俺の手元が熱い。目を閉じているが、2つが合わさっていくのがわかる。まだだ。まだ集中を切らすな。




 少しすると、熱が収まっていく。そして目を開けると...。



 「出来た...。これが俺の魔具。」

 「本当に良かったのか?」

 「はい!これが俺の...!



 魔本、グリモワールです!!!」




 なのである!!!とと、感極まってる場合じゃない!性能を確認しないと!



 まず、浮かせる。やっぱ使用中は手の上で浮かんで自動的にパラパラ捲れるのがかっこいいよね。

 「よし。クリア!」
 浮いた。よしよし。

 「!!!!!???」

 「次は...。よっしゃあ!!成功!」

 今度は縮めてみた。この本結構デカい。B4くらいあるし分厚い。カバーの装丁も凝っていていいんだが、常に持ち歩くには邪魔だ。それはそれでいいけど。

 じゃあ使わない時は小さくしとけば良くない?という考えに至った。リク様は、物は変えられないと言っていた。


 そんなら、形や大きさは変えられるんじゃね?別に屁理屈じゃないよ?
 と言うわけで俺は休日を返上して教科書や魔法書を読み漁った。おかげで習ってもいないのに俺の知識はそれなりのものだ。
 
 そして俺が下した結論は。完成した魔具に手を加えることは出来ない。ならば作成時に
 そして俺がつけたのが浮遊・縮小・筆記の機能。そーしーてー!見事それは叶えられた!!!


 「ああ完璧...素晴らしい...うっとり...。しかも中身もちゃんと白紙になってる...。控えめに言って聖遺物...。」

 かくして俺は賭けに勝ち、望む物を手に入れた。思わず頬擦りをしてしまう。そういや先生静かだな?



 「なんだそれ。」
 やっと喋った。なんだとはなんですか。

 「だからグリモワールですよ。カッコいいでしょう?浮遊と縮小は確認できたけど、筆記機能はまだなんですよ~。習った魔法が自動的に記されるようにしてみました。
 ただ日本語でイメージしちゃったから、俺にしか読めなくなるんじゃないかな。結果オーライ!」


 「ニホンゴ?いやお前...なんでそんな事出来るんだ?」

 「なんでって...イメージしたから?」

 「そんな発想どこから出てきた!?」

 異世界です。とは言えないよね。

 実は魔本にするか、巻物にするかで迷った。こう、シュルルルっ!てなってるのカッコよくない!?
 なぜ巻物を諦めたかといえば、単にこの世界に無いから。手作りじゃ不恰好すぎてダメだ。かくしてグリモワールは生まれた。

 ......なんか俺、厨二っぽい?

 ...いいわ!ファンタジー世界なんだから!!



 「先生、戻りましょうよ。」

 俺は魔本をポケットサイズにして仕舞った。ウキウキな俺とは対照的に未だ先生は放心しているのであった。


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