最後の人生、最後の願い

総帥

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第2章 アカデミー1年生

15 女子会か!!

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 その後は質問攻めにあった。主に先生に。どうやって思いついたのかとか聞かれても、答えられませーん。


 というかあんまつっこまないで欲しい。ぶっちゃけ俺らの行動意味ないから。
 
 魔具とは、魔法を使うためのただの触媒。魔力を通すために重要なのは素の方。だから言ってしまえばその辺の小石でも素があれば魔具になる。
 大きさとか形はまっったく関係ない。ではなぜこだわったのか?



 カッコいいからに決まってんでしょうが!!言わせんな恥ずかしい!
 俺は本か巻物か、もしくは数珠なんかもいいかなーって考えてたんだよ!あとはちょっと違うけど扇子とか懐中時計とか、もーーー!!!

 しかしご令嬢方も盛り上がってたなぁ。女の子はあまりこういうの興味ないと思ってたけど。どっちかっていうと魔法少女のステッキとかのが好きそう。



 


 「あー、疲れた...。」

 「凄かったよねえ、あれ。」

 「あそこまで騒がれるとは思わなかった...。」

 「しょうがない。特に先生達にとっちゃな。新しい発見ってのはどんなに些細でも重要なモンだし。あ、俺この紅茶セットで。ケーキはチョコ。」

 「僕はサンドイッチとアイスコーヒーで。」

 「俺カフェラテとフレンチトースト。」

 「わかった。ちょっと待っててね。」




 俺たちは今カフェ〔キャロット〕に来ていた。おじさんに2人の友人を紹介したかったのだ。


 「あの人がシャルの叔父さんか。確かに似てるな。」

 「やっぱそう思う?母さんと双子なんだけど、俺母似らしいからな。」

 「今度は僕んち来てね。歓迎するよ!」

 「うちにも来いよ。家族も喜ぶ。」

 「行く行く!俺は王都にいる間はここが実家みたいなもんだから。いつか町に招待したいな。」




 こういう友達との何気ないやりとりっていいよな。よくファミレスとかファストフード店でダベってたなあ。あー、思い出す。

 「はい、おまたせ。」

 「ありがとー。おじさん!」

 「「ありがとうございます。」」

 「うん、ゆっくりしていってね。」






 もぐもぐ


 「シャルはどうやって勉強したの?流石特待生、授業も余裕っぽいし。」

 「町で近所の兄ちゃん姉ちゃんと、母さんに教わった。」

 「それだけであんなにか?特待生の試験って難易度めっちゃ高いんだろう?毎年40人くらい受験して全員不合格ばっかりらしいし。」

 「前回の特待生は今4年生にいるらしいよ。その前は15年くらいいなかったって。」

 「へえー。色々話聞きたいな。で、試験だけど...多分面接で落とされてんじゃないか?」

 「そんなに難しいこと聞かれたのか?そのサンドイッチ1個くれ。」


 もぐもぐ


 「んー。(多分話さない方がいいよな...)そうだな。まあ、俺の溢れ出る才能を見抜かれたってことさ。」

 「なにそれ。無茶苦茶なこと言ってー。内容話せないんでしょ?無理しなくていいよ。チョコケーキもひと口ちょうだい。」

 「ほらよ。そんで常にトップに居ないと退学になるんだろ?」

 「おう。でも座学だけな。魔法と武術は除外。試験になかったしな。俺のトースト取るなよ。」

 「まあまあ。はいサンドイッチと交換ね。試験近くなったら勉強会とかしようよ。」

 「お前の寮の部屋に集まろうぜ。あ、すいません。追加でモンブランお願いします。」

 「はーい。ちょっと待っててね。」




 もぐもぐ
 こいつら、さっきから...


 「女子かお前ら!なんだこれ女子会か!!?アルトってカフェの写真とかSNSにアップするタイプっぽいし!!あとセイル、お前甘党だったんか!!」
 と言いたい!伝わらないから言わないけど。



 「そうだなー。遊びこいよ。寮生以外でも金払えば食事も出来るし。簡易キッチンで俺なんか作るし。」

 「いいね!じゃあ宿題とかやろうよ。」

 「おー。」

 「そういえば、前にライミリウム様が遊びに行ったことあるんでしょ?」
 ガタッ

 ?後ろの方からなんか...まあいいや。
 
 「おう。よく知ってるな。」

 「寮住まいの貴族が噂してるの聞こえてな。ライミリウム様がお前の部屋から出てきたって。」

 なるほどー。










 「もう遅いから、帰った方がいいんじゃない?」

 「「「あ。」」」


 しゃべるのに夢中で気付かなかった。もう暗くなりそうじゃん。やべえ。

 2人は急いで帰っていった。ちなみにお代はおじさんが『シャルのお友達初回サービス』をしてくれた。めっちゃお礼言ってたわ。ケーキおかわりしたセイルは特に。



 「シャルも寮に戻るんだろう?それとも泊まってく?」

 「いや、ちょっとおじさんに聞きたいことがあって。
 おじさんはお父さんが貴族だったって知ってたんでしょ?」

 「まあね。初めて会ったのその時だし。」

 「そうなの!?」

 「そうそう。詳しく話してあげたいけど、長くなるからまた今度。ほら、暗くなる前に戻りな。」

 「う、うん...。じゃあまたね、おじさん。」


 父さんの過去、気になるなー。今度時間ある時に絶対聞いてみよう。
 そういえば、ライミリウム家に挨拶行くべきかな...。



 そんな事を考えながら歩く俺に、カフェを出た後に交わされた会話を知る術はない。











 「あの子が兄上の息子か。」

 「ええ。利発そうな子でしょう?ゼルファート様。」
 
 「ああ...。元気なんだな。兄上も、マリーも。」

 「元気すぎるくらいですからね。」


 親しい友人のように言葉を交わすこの2人だが、片や王族に次ぐ地位を持つ貴族の当主。片や孤児院育ちの平民。
 本来ならばこんな距離で会話をすることは許されない。


 「...兄上の家は「教えません。」...ぐぅ。」

 「義兄さんがいいって言ったらお教えしますから。」

 「はあ...。あの子...シャルトルーズはいつうちに来てくれるんだろうか...。」

 「(あなたに招かれたらシャルは断れないってのに。あの子の意思を尊重してくれるんですね...。本当に、あなたは昔から変わらないなあ。)うーん、あの様子だと、近いうちに訪ねると思いますよ?」

 「そそそそそうか。」
 
 「あの子、ケーキよりスコーンとかクッキーとかのパサパサした物好むんですよね。」

 「ほう。では、急用を思い出したので帰る。」

 「はい。またのお越しをお待ちしてます。」

 「ああ。」


 カランカランとベルを鳴らして去っていく。

 

 


 「ゼルファート様...。領地に戻る前にシャルに会いたいのは分かるけど、俺を使ってシャルの現状知りたがるのやめてくんないかな...。
 今回もカフェに来てるって電話したらすっ飛んできて、近くの席に居座るし。甥っ子売ってるみたいでなんだかなあ...。」

 


 あの人兄上大好き過ぎてちょっと気持ちわ...とか考えてるレストであった。


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