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第2章 アカデミー1年生
19 昔話ってのは大体美化されてる
しおりを挟む「...とまあ、私は周りの支えもありなんとか地方領主としてやっていけた。まあすぐにリノファークも産まれて、忙しくも充実した日々だったよ。
今の私があるのは全て兄上のお陰という訳だ。」
「そして俺は数年経ってから王都にカフェを開くために来た。別に王都じゃなくてもいいんだけど、ルファ様も気になったしね。
あと姉さんが結婚したから居づらくなって。」
「本当に、あの2人が結婚したのは驚きだったわ。でも考えてみれば、私達の結婚式の時点でもう心は決まってたみたいね。」
「ちなみにだけど、レストの奥さんのミラーシャね。ライム家のシィタの妹なんだ。
レストのカフェがオープンしたらライム家が押し寄せてきて...大変だったよ。こっそりルファ様も行ってたし。まあそこでミラーシャがレストに一目惚れして猛アタックしたんだ。」
時折笑い声を交えながら思い出を語る大人達。...父さん...あんた何してんの...。
しかし自分が悪人になろうとするとは。泣いた赤鬼か。カッコいいじゃねえか親父ぃ...!てか俺の格好つけは遺伝か!
俺は記憶を持って転生を繰り返していたと言っても毎回人格は違う。恐らく根っこの部分は変わらないだろうが、趣味嗜好、性格等はバラバラだ。
今の俺は結構アクティブだと思う。でも前世は内弁慶で、自分から友達を作るとかできなかった。恥ずかしいので。
つまり今の俺の性格は父さんによるものが大きいだろう。そういう事にしておくわ。
「そういう訳だ。シャル、何か聞きたいことはないか?」
「うーん。結構父さんの計画って杜撰で無茶苦茶だけど、よく上手くいきましたね?」
「ああ、それはお兄様がかなり苦労したようよ?終わった後のゼルブルーク様の名誉回復もお兄様が尽力したらしいのよね。」
「お手数おかけしました...王太子殿下。あ、今は陛下でしたっけ。」
「そうよ。2年前に即位されたわ。」
「そういえばその時も義兄さんやらかしたらしいよ。」
「え。」
「ああ...。即位式の次の日に、玉座の間が風船まみれだったらしい。みっちりと。そして玉座には
『即位おめでとう!へ・い・か♡もう暫くしたら俺の息子がアカデミー入学すると思うのでヨロシク!あと娘もいるんだけど、すげー可愛いわ!陛下んとこ王子2人でしたよね。娘マジで可愛いから。頑張れ!性欲魔人(笑)』
...と書かれたプレートがあったらしい。」
危うくティーカップを砕きそうになった。
こんのクソ親父いぃぃーーー!!!怖いもんなしか!!つーか俺が陛下に目えつけられたらどうしてくれる!?
その後陛下はカンカンで「全部飛ばしてしまえ!!!」と1つ確保してから風船を窓から飛ばしたらしい。その際「警備はなにをしていた!!」とか「あいつは子供ができても落ち着かんのか!」とか言ってたらしい。ごもっとも。
でもそのプレートを叩き割ることもせず、風船と一緒に大事そうに持っていったらしい。
...そんなんだから父さんが付け上がるんですよ。でも多分、お互いに楽しんでますよね。それならまあ、いっか。
「そうでしたか...ありがとうございました。スッキリしましたよ。
しかし父さんが予定通りおば様と結婚してたら俺たちはこうして産まれなかった訳ですよね。なんだか不思議な感じですよ。」
「なぜだ?」
「は?」
ファル...お前何言ってんの?思わず気の抜けた返事をしてしまった。
「いや、赤子は母から産まれるだろ?だったら僕と兄上はゼルブルーク卿...伯父上と母上の子として産まれるだろう?
シャルはマリー殿と誰かとの子になるんじゃないのか?」
「お前何言ってんの?それじゃ子供は産まれてもそれは俺らじゃない別人で...ってまさか...。
...なあファル。子供がどうやって出来るか知ってる?」
「...?母から産まれて...あれ。父上要素がないな。」
こいつ...。
俺は周りを見渡した。おじ様、おば様。目を逸らされた。おじさん、カルウィンさん。苦笑された。兄上。顔真っ赤ですよ...。
え。どうすんのこの空気。8歳ってこんなもん?こんなピュアッピュアだっけ?
「え、え?僕何か変な事言ったか...?」
「いや...うん、しばらくそのままでいいよ。」
「えぇ...?」
俺には無理だ。おじ様、おば様、兄上。がんば。
ふと気付くと、みんなが逆に俺を見ていた。その視線は「むしろなんでお前は知っているんだ」と言わんばかりだ。さあ、どうしてでしょうね?俺は無視して、冷めた紅茶を飲みタルトをつまんだ。
その後も沢山話をした。カルウィンさんに特待生の話も聞けたし、すごく楽しくて充実した時間を過ごせた。
その後、もう暗くなっていたので寮まで送ってもらった。泊まっていけばいいと言われたが、明日の準備もしてないしお断りした。
あとなんかお土産?渡された。後で開けてみたら服だった。なんで...?上等な物なので、式典なんかで使わせてもらおうっと。
お礼を言って、部屋に入る。ベッドに横になり、色々と思い出す。
そっかー。おばあちゃん貴族だったのか。どうりでいつもお土産が豪華だった訳だ。父さんも魔法が他の人より上手いなーとは思ってたんだが、アカデミーで学んだんだな。あのグラサンも理事長の物か...。
父さん、母さん。今度会ったら色々話、聞かせてもらうからな。
しかし俺が家族と再会するのは、これより数年後になるのだった。
父さん :脳筋不審者
おじさん :優しい苦労人
おじ様 :ヘタレブラコン←New‼︎
カルウィンさん:ちゃっかりさん←New‼︎
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