~超能力探偵レア・ホームズは第三王子にロックオンされる~身分違い過ぎて周りの反応があれなので勘弁して欲しいんですけども?

manji

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廃墟屋敷の謎に迫れ④

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「こういった物って。その……お金に成ったりするんですか?」

「うーん……好事家達相手になら、そこそこの額が付くかもしれないけど……どうだろう?」

 流石の王子も非合法品の相場迄は知らなかい様だ。ていうか、当たり前の様にサラサラ答えられたらそれはそれで引くけどね。

「この屋敷を相当な額で買い取るって言っただろ?これが結構な額でね。正直これを売ってもそう利益がでるとは思えないんだよ」

 金額を聞いて目ん玉が飛び出しそうになる。王都でそこそこ敷地があるとはいえ、在り得ない値段。軽く男爵領 うちが買えるレベルだ。確かによっぽどの額で売れなければ、利益は出ないだろう。

「ゲージに掛かっている魔法に高値が付いたりとかはしないんですか?」

「それはないかな。見た所、只の保存用の封印魔法みたいだし。詳しく調べて見ないと分からないけど、新技術が使われている様には見えないね」

 革新的な魔法技術ではない様だ。となると、やはり大きな利益は見込めないという事になる。

 売り物として考えると、リスクだけが高くリターンが大して見込めない。そんな物に手を出す理由は1つしかないだろう。つまり――

「利益が出ないという事でしたら、その方はこれを個人的に欲っしていた。という事になりますね。考えられるとしたら……本人がとんでもないコレクターか――」

「これの制作に携わっていたかだろうね」

 言ってしまえばここにある物は罪の証拠だ。調べられれば……ってあれ?王子の言葉に嘘がないなら、ここにいる彼女達が作られたのは30年以上前という事になる。そんな古い証拠から、果たして件の商家の人間に辿り着けるのだろうか?

 ましてやこれは王族がらみの事件。捜査所か、秘密裏に処理されてしまう可能性の方が遥かに高かい。そんな物を、態々大金を出して迄買う必要があるのか正直疑問だ。万一の保険なのだろうか?

「君はどっちだと思う?」

 王子が楽しそうに聞いてくる。王家のスキャンダルだというのに、よくもまあ楽しめるものだ。只の変人ともいえるが、ひょっとして最初っから知っていたとか?

「そこまでは流石に……」

 分からないという事を、私は素直に答える。流石に事件や物が古すぎて、私の超能力でも痕跡を辿るのは難しい。もっと日数をかけて本格的に調べればあるいは、と言った所だろうか。

「ふふ。流石に君の超能力でも、そこまでは分からないみたいだね」

「ええ、流石に古すぎて……ってなんですと!?」

え?
今超能力つった?
なんで!?

「君に特殊な力があるのは分かっていたよ」

「なななななな、なんで!?」

あ、やばい。
惚ければいいのに、焦って何でとか言っちゃった。
これじゃあ力があるって答えている様な物だ。

「婚約者の事を調べるのは当たり前だろ」

 王子が楽し気にウィンクしてくる。可愛らしく見せてはいるが、言ってる内容はとんでもない。人の素行調査を楽し気に明かすとか、明らかにおかしいでしょ。

「こっちではかなり気を使って、尻尾を見せなかったみたいだけど。男爵領の方ではゆるゆるだったみたいだね。領民の殆どが君の力を知っているみたいだったよ」

 ぬうう。過去は何処までも追いかけて来るとは言うが、まさか子供の頃の無軌道な力の行使がここに来て足を引っ張って追い込んでくれ様とは……過去の私に拳骨を喰らわせてやりたい気分だ。

 突然の急襲に怯んでいると、突然王子が私の手を取る。伏せ気味だった視線を上げると、彼と目が合った。その眼差しには先程までのおちゃらけた様子はなく、真剣そのものだ。その眼を見て私はドキッとする。

「レア・ホームズ。君に改めてプロポーズするよ。僕と結婚して欲しい」

 王子はその場に跪き、私を見つめる。

「王子……」

何だろうか……埃っぽく暗くて陰気で、更には女性の剥製迄ある様な場所だというのに。
とてもプロポーズに適しているような場所ではないというのに。
なのに、何だか胸に来る。

 それはきっと……超能力者と分かって。それでも尚、私にプロポーズしてくれたからだと思う。人にない強力な力を持つ……極端に言えば、それは人の姿をした化け物と言っていい。そんな私と知って、それでも私にプロポーズしてくれた事が純粋に嬉しかった。まあ勿論王子の事だ、腹に何かあるのだろうが……それでも嬉しいと思えてしまうから困る。

 だから私は……小さく「はい」と返事し、その場で大きく頷いた。

「ありがとう」

 王子は立ち上がり、私の肩を抱いて優しく抱き寄せる。私は黙って目を閉じた。唇に当たる柔らかい感触と熱、それに――

王子の匂い……

 心地よい感覚に浸っていると、それを取り上げる可の様に唇が離れてしまう。もう少し……そう思ってしまう私はふしだらなのだろうか?瞼を上げると、王子と目が合った。するとそれまで幸せに浸っていた気分が恥ずかしさに変わり、頭に血が上って来る。きっと今の私は茹蛸状態に違いない。恥ずかしくて王子を真っすぐ見ていられず、私は思わず王子から顔を背けた。

ファーストキス。
不意打ちなんかじゃない。
正真正銘、今度こそ私の本当のファーストキス。

そう考えると、ますます頭に血が上ってしまう。
落ち着け、私。

「レア、僕はこの国の王になるよ。君の力でどうか僕を支えて欲しい」

「え!?」

王?
第三王子が!?

 この国は世襲制だ。当然後を継ぐのは第一王子。第三王子が王位につくのは、余程の事がない限り起こり得ない。つまり王子は何かをやらかす気だ。さっきまでの夢見心地から、一気に頭が現実に引き戻される

まさかクーデターじゃないでしょうね?
流石にそんなのに巻き込まれるのは勘弁願いたい。

「あの、王子。やっぱり婚約くは――」

「よろしく頼むよ!」

 王子が笑顔で私を抱きしめる。どうやら逃がしてくれる気は無い様だ。

マジ勘弁して……
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