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芽が!
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結局、軽い風邪と病院で診断され、香也は父親と共に家に帰ってきた。
薬を処方されて、昼ご飯を食べた後に飲んで、自分の部屋へと戻ってきた。
「早退って、久しぶりだな」
でも。
(亜央佳と蜜柑に、謝れた。本当のこと、言えた。ちゃんと……)
香也の胸には、静かな満足感があった。
あの後。
「ところで、意識を失う前に誰か私の腕掴んだ?」
香也は亜央佳と蜜柑に問うた。
何だか、ひんやりした、手が触れた気がしたのだ。
二人が顔を見合わせ黙る。
「どうしたの?」
不安になって聞くと、蜜柑が難しそうに眉を寄せて言う。
「あー、あれは、実は香也を保健室まで運んだの花乃さんなんや……」
「花乃さんが?」
「そうなのよ」
と亜央佳も何だか釈然としない顔で説明してくれる。
「香也が倒れそうになったと思ったら、花乃さんが抱きとめて、あっという間に背負って保健室に連れて行ってしまったのよ。みんなポカーンとしているうちの早業だったわ」
「紺野さんに聞いたら、『あの子保健委員だから』って」
蜜柑も補足してくれる。
確かに、保健委員が空席だったような気がする。
「そっか……」
詳しく聞こうと思った時に、父親が保健室に現れたので話題はそれっきりのままだ。
何だか、熱でうなされている時に、花乃さんの声がしたような、そうでないような記憶が……。
香也はそれ以上考えるのを止めにした。
何だか、薬が効いてきたのか眠くなってきたのだ。
パジャマに着替えて、ベッドに入ろうとして、香也はふと花がどうなっているのか窓辺を見た。
「うそ!」
慌てて鉢植えに駆け寄る。
花の芽が、元気になってしかも前より成長している気がするのだ。
気のせいか、仄かに光っているようにすら見える。
「あー、良かったー」
ホッと息を吐く。
でも、何でだろう、。肥料なんかやったっけ?
もしかしたら、と女の人の言葉を思い出す。
(心の願い……?)
香也は大きく欠伸をした。
本当に、この薬よく効くみたいだ。
眠気に勝てず、ふらふらとベッドに潜り込む。
暫くすると、部屋には香也の穏やかな寝息がし始めた。
ホワン、ホワン……。
花の芽が、光った後。
芽が、少しずつまた成長した。
『香也……ありがとう……』
誰ともない声が、香也にお礼を言ったが、ぐっすりと眠っている香也の耳には届いていないだろう……。
薬を処方されて、昼ご飯を食べた後に飲んで、自分の部屋へと戻ってきた。
「早退って、久しぶりだな」
でも。
(亜央佳と蜜柑に、謝れた。本当のこと、言えた。ちゃんと……)
香也の胸には、静かな満足感があった。
あの後。
「ところで、意識を失う前に誰か私の腕掴んだ?」
香也は亜央佳と蜜柑に問うた。
何だか、ひんやりした、手が触れた気がしたのだ。
二人が顔を見合わせ黙る。
「どうしたの?」
不安になって聞くと、蜜柑が難しそうに眉を寄せて言う。
「あー、あれは、実は香也を保健室まで運んだの花乃さんなんや……」
「花乃さんが?」
「そうなのよ」
と亜央佳も何だか釈然としない顔で説明してくれる。
「香也が倒れそうになったと思ったら、花乃さんが抱きとめて、あっという間に背負って保健室に連れて行ってしまったのよ。みんなポカーンとしているうちの早業だったわ」
「紺野さんに聞いたら、『あの子保健委員だから』って」
蜜柑も補足してくれる。
確かに、保健委員が空席だったような気がする。
「そっか……」
詳しく聞こうと思った時に、父親が保健室に現れたので話題はそれっきりのままだ。
何だか、熱でうなされている時に、花乃さんの声がしたような、そうでないような記憶が……。
香也はそれ以上考えるのを止めにした。
何だか、薬が効いてきたのか眠くなってきたのだ。
パジャマに着替えて、ベッドに入ろうとして、香也はふと花がどうなっているのか窓辺を見た。
「うそ!」
慌てて鉢植えに駆け寄る。
花の芽が、元気になってしかも前より成長している気がするのだ。
気のせいか、仄かに光っているようにすら見える。
「あー、良かったー」
ホッと息を吐く。
でも、何でだろう、。肥料なんかやったっけ?
もしかしたら、と女の人の言葉を思い出す。
(心の願い……?)
香也は大きく欠伸をした。
本当に、この薬よく効くみたいだ。
眠気に勝てず、ふらふらとベッドに潜り込む。
暫くすると、部屋には香也の穏やかな寝息がし始めた。
ホワン、ホワン……。
花の芽が、光った後。
芽が、少しずつまた成長した。
『香也……ありがとう……』
誰ともない声が、香也にお礼を言ったが、ぐっすりと眠っている香也の耳には届いていないだろう……。
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