迷子の天使の話~王子妃セスから冒険者レノになった話 シリーズ第4弾~

氷室 裕

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8 ノアのナカの事

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 俺はこの国の外交組織について言及した。

 組織立つ国の機関でありながら、人道原則を無視するような奴が王宮にいてたまるか!人ひとりの尊厳も安全すら尊重することもできない奴が、組織内にいるなんて!

 あの補佐官は、コリン家のような訳あり貴族を食い物にして、ノアのように捨て駒にする為に人間を金で取引して搾取するような奴だった。

 ノアの給金は国からきちんと支給されているにも関わらず、ほとんどがノアの手元に渡っていない。毒味役になるものは、それ相応の給金を出しているはずなのに、ノアはまともな衣服も靴さえも買えなかった。

 あの野郎!ノアの金を奪い、身体を痛ぶって凌辱まで!!

 まずは爵位剥奪だ!
 確かあいつはデニーバ伯爵家の次男、ダリルといったか!血族諸共消し去ってやる!そう言いたいところだが、もし万が一にもノアが報復を受けることになっては元の目論見・・あの男、ダリルを国外追放にしてやる!

 あいつの、没収した財産は全てノアのものだ。慰謝料にしては少ないが、家を買ってもこの先しばらくは暮らしていけるくらいはあるだろう。

 それからあの地下の環境の悪さはなんだ?あんな場所で洗濯を?
 王族や高官たちの洗い場は地上にあって、清潔な環境で作業しているというのに、使用人達はあんなカビ臭くて不潔な場所で?
 あれじゃあ体だって壊すだろ!直ぐにでも環境改善が必要だ。

 そして俺は、ダリルがコリン家からノアを引き受ける際に交わした書類を全て集めるよう指示した。ノアに関すること、生まれ、幼少期から学園生活に至るまで、更にはダリルがコリン家からノアを引き受け、王宮に連れてきた経緯を探らせる。

「本気か?ユージーン・・あの子は訳ありだと聞いている、あまり関わるなよ」
「いいからお前は俺の指示に従ってろよ、フリード」
「はいはい、王子殿下。俺はお前の側近だ、仕方ないから探りはするけど、お前にとってあまり良い情報はないんじゃねぇの?」

 幼なじみであり親友のフリードが、分かりやすい反応を見せる。俺だってノアが余程の事をしたからコリン卿から見切られたんだと理解くらいしている。しかし仮にも親だぞ・・?
 とにかく毒味役に差し出すくらいなんだ、それ相応の断罪理由なんだろう?

「まあな、だけど分かるだろ?あのノアの様子・・断罪されるような子には到底見えない。怯えて、愛情に飢えて、些細な事で死にたがる・・それにあの容姿だ・・」
「確かに可愛いよな?ノアは。まるで天使のようだ。髪で顔を隠していなければ、きっと今頃奴隷商にでも売られて性奴隷にでもされたんじゃないか?幸い、誰もがノアを避けていたし、ノアの美しさに気がついたのがデニーバ伯爵家のダリルだけだった」
「可愛い?ノアは男だぞ!?俺にそんな嗜癖はない!ただ、助けてやりたいだけだ」
「はいはい、とりあえず調べるから待ってろよ」

 フリードが笑いながら私室の居間から出ていった。俺はため息を付きながら、ノアを寝かせている寝室へと入る。

 ノアの身体が回復しても、俺は毒味役になんか絶対に戻さない。いつ死ぬかも分からない事を、ノアにさせられない。

 あの子は、人の優しさを知らない。
 当たり前の、些細な優しささえ与えられてこなかった。存在も声さえも疎まれて、存在価値を無視されながら生きてきた。起こる不運は全て自分自身のせい、何もかも、自分の存在が許されない価値のないものだからだと思っている。

 コリン子爵家、これまでノアをどんな風に扱って来たんだ?ノアは3人の兄がいて、子爵家次期当主の跡目争いで兄弟間での抗争が起きているとか。
 小さな領地しか持たない貧弱な下級貴族の当主など、何らかの功績をあげる以外に存続すら危うい。

 ノアがダリルに・・何度も性の捌け口にされてきた。俺が見た時には、張形であんな危険な使い方で傷付けられて、腸壁の損傷が酷い状態だった。しばらく出血が止まらなくて、何度も治癒士にノアの治療に来させた。

 ノアは元々食事もろくに与えられていなかったようで、貧血もひどく回復に時間が掛かりそうだ。

 ノアに普段何を食べていたのか、何が好物かを聞いた。しかしこの5年もの間、毒味の時に口にするもの以外に食事らしいものを与えられていなかったと聞いた時は、本当に怒りで拳が震えてしまう程だった。

 そりゃあ小さい訳だ。その辺の女とそう変わらない背丈じゃないか・・成長期に栄養が取れなければ、育つことなんて出来なかったんだろう。

 ノアに歳を聞いてみた。ノアはまだ子供だと思っていたけれど、成人男性だと知って驚いた。

 18才か・・5年前、俺が18の時はどうだった?当たり前に美味いものを食べ、苦労知らずで過ごしてきた。ノアは過酷を強いられて酷い仕打ちを受けている時に・・それなのにノアはあまりにも純粋で儚い。

「ノア、薬の時間だ。横、向けるか?」
「すみません・・」
「謝るなと言っているだろ?自分では奥まで指が届かない、俺に任せればいいんだよ」
「は、い・・」

 毎夜、ぬるめの湯にノアを入れてゆっくりと身体を温めた後、必ず軟膏を塗ってやることにしている。腸壁の損傷も、奥のしこりも、出血は止まっているがまだ傷が癒えていない。

 治癒士が置いていった軟膏を塗る前に腸内に洗浄魔法を掛けると、とろりとしたローションを塗って指を入れていく。

「う、んん・・はぁ、はぁ・・」
「ノア、偉いな?そうやって息を逃がしてろ。もう少し、奥まで塗るから、痛かったら言えよ?」
「んんっ・・は、は、は、い・・」

 ノアの小さくて白い尻を拡げて尻穴の奥まで指を入れ、奥の壁にぐるりと指を這わせる。

「あん、んっ!!」
「痛いか!?」
「だい、じょうぶ、です・・へんな、感じが・・」
「そうか。ノア、ここ、あー・・すまない、ちょっとだけ我慢な?」

 俺はあえてこの数日の間、触れないようにと気をつけてきた場所に指を這わせる。このしこりは刺激に弱い・・もしかするとノアが驚いてしまうかも知れない・・

 しかし、もしかしたら・・ノアはこの場所の刺激をもう知っているかもしれない・・
 実際はどうなんだ・・?

 俺はノアの様子を伺いながら、ナカのふくらんだしこりに指を当てる。

「ふぁっ!んんっ!」
「悪い!ノア、ここ・・」
「あ、んん・・な、何か、変、です・・あ、あ・・」
「ノア、ここを誰かに、触られた事あるか?」
「こ、こ・・?」
「ああ・・お前のここに、触れたヤツはいるか?」
「あ、あ・・ユージーン、殿下・・んん!はぁはぁ」

 ノアが少し乱れてきてしまった。
 軟膏をしこりに満遍なく塗りながら、俺は何故かなかなか指を抜くことが出来なくて、クニクニと刺激を続けながらノアを見ていた。

「ノア・・」
「んくぅっ・・!ユー、ジーン殿下、んふぁ、あん!ああ、ん!」
「すまない!ほら、終わったよ、ノア」
「あ、はぁ、はぁ・・あ、りがとう、ございます」

 ノア、お前の中を誰かが触れた事はあるのか?ここを、しこりを刺激されて、達した事はあるのか?

 俺はこんな事をノアに聞いてどうしようと言うのだろう・・自分でもおかしいと思うのに、それがどうしても気になって仕方がなかった。













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