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9 ただ触りたくて
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俺が私室に戻ると、フリードがすかさず熱いお茶を煎れて差し出す。体が温まり疲れ切った心が落ち着く。
「大丈夫か?今日は遅くなった、もう休めよ」
「ああ。ノアに・・薬を塗ってやらないと。風呂にも入れてやってない。はぁ・・なぁ、フリード・・俺はちょっとおかしいんだろうか・・」
「何がだよ?」
「いや、なんというか・・」
「ノアが可愛いとか?守りたいとか?」
「は?別にそこまで!」
「愛しいとか?触りたいとか?」
「・・だから・・俺は!」
「俺は?」
「はぁ・・俺は・・おかしいんだろうか。ノアは断罪者だし、それに男だ。本来なら関わるべき者じゃない。だけど気になって仕方がないんだ。あの怯えた心を救ってやりたいし、全てのものを諦めるような思考から解放する手立てを見つけてやりたい。ノアの様子を見れば、お前だって分かるだろ?あの子は断罪されるような子じゃない」
「そうだな?確かにノアはそんな子には見えない。何か仕組まれてそうなったとしか思えない。数日中には調査書をまとめるから待ってくれ。それと、お前は自分の気持ちに正直になればいいんじゃないの?王子だって、恋くらいするだろ?」
「こ、恋・・俺が?ノアに・・?」
「じゃ、俺は行くけど?ノアを風呂に入れてやれよ、じゃあな」
フリードが訳の分からない事を言いながら去って行った。
恋?俺が?出会ったばかりだぞ!
いつそんなタイミングがあった?
俺はただ、ノアの手当てをしただけ・・
考えても仕方がない・・俺はフリードが準備したノアの食事が乗ったワゴンを押して寝室へと入っていく。
「ユージーン殿下?お、おかえりなさい。あの・・今日はとても、遅かったのですね?お勤め、お疲れ様です」
ノアが床にちょこんと座って頭を下げる。直ぐに顔を上げると、にこりと俺に向けて笑顔を見せた。
俺はその笑顔を見てつられて笑ってしまう。思わず可愛いな、なんて思ってしまった。
「ああ、ただいま。いい子にしてたか?」
「いい子・・?す、すみません!あの、僕、何も、していなくて・・お掃除も、お洗濯も、する事がなくて」
「ははっ!ちゃんと俺を待てればそれでいい。具合はどうだ?痛みは引いたか?」
「はい、もう大丈夫です。なので、僕、ここを出て行きます。お世話になりました。あの!この御恩は必ずお返しします!えっと・・お給金、少しだけ頂けてて、来月、お持ちしますので、少し待って頂けたら・・」
恩?ノアの給金なんてたかが知れている。それどころか、ダリルに取り上げられていて服すら買えなかったじゃないか。
身体の調子を聞けば、やはり大丈夫だと答える。まだ痛むくせに。
俺はノアを立ち上がらせると、腕を引っ張ってそのまま足早に浴室まで歩く。
「あぅっ!んく・・は、は、はぁはぁ・・」
「どうした?痛むのか?」
「い、いえ!大丈夫です!あの!僕、もう 」
「大丈夫じゃないだろ?」
「殿下、僕、痛みが落ち着いて、良くなって、本当に感謝してます。ここは僕なんかが居てはいけない所だから、今日、ここを出て行きます」
「そんなにここが嫌か?俺が嫌いか?」
「まさか!そんな事!僕のような卑しい者に構っていては殿下にとって良くありません。僕は僕が帰る場所に、行くべきだから・・感謝しているんです。これ以上、僕を、夢心地に・・させないで下さい」
真っ直ぐに俺を見る。瞳が揺れていて、すぐにでも視線を外してしまいそうだ。それでも俺を見つめたまま、意志の強さを主張してくる。
「今日はもう遅い・・食事も準備して来たんだ。先ずは風呂に入れてやるから準備しろ」
「遅い・・?分かりました・・お風呂は自分で入れます。だから・・」
「早くしろ。それとも俺に脱がせて欲しいのか?」
「いいえ!わ、分かりました」
ノアは恥じらいを見せながら服を脱いでいく。浴室の中へ促すと、椅子に座らせてノアの後ろに立つ。
泡のたっぷりついた柔らかい布でゆっくりと洗っていく。白い肌に泡を滑べらせる。
泡を手に取って、耳の後ろや項に付けて洗っていく。指を這わせて綺麗に丁寧に。
「ん、ん・・で、殿下!あの、僕、自分で、洗えますから!」
ノアが振り向いて俺の顔を見上げるが、そんな事など構わずに続ける。腕を伸ばして脇や胸を手のひらでヌルヌルと洗っていく。
「あ、ん・・くすぐったい・・」
ノアの乳首が俺の手のひらに掠めて感じたようだ。顔を覗くと、恥ずかしそうに俯いてモジモジと肩を揺らした。
「ノア・・」
俺はノアの太ももを洗いながら、足の付け根の際どい所まで指を這わせて行く。
ノアは息を荒くしながら、俺を見ている。困ったように見て・・?いや、不思議そうに見てるのか?
「ん・・はぁはぁ・・僕のが、どうして、こんな・・」
「ノア、前、固くなってるな?」
「す、すみません!あ、洗って、もらってただけなのに・・僕・・」
「くすっ、ノア、出すの手伝ってやろうか?」
「だ、出す!?い、いえ!明日、自分でしますから!」
「明日?それまで我慢できるのか?」
「でき、ます・・明日になったら、あの、きっと収まります、ので」
ノアは勃起した小さい性器を手で隠すと、また下を向いてしまった。
俺はそれを残念に思うんだから、やっぱりおかしいのかもしれない。
ノアのピンク色のつるりとした性器はまるで子供のようで、下生えや体毛がほとんど生えていない。
あれか?栄養失調状態だったから、発育出来なかったとか?これで18才・・?信じられない。
俺はノアの手を掴んで隠れていた性器を晒させる。ノアは驚いて、でも諦めたような顔をして力を抜くと立ち上がって椅子の座面に両手をついた。
「す、すみません・・!僕、気がきかなくて・・どうぞ・・あの、お好きに、使って、下さい・・」
「ノア!?すまない!違うんだ!辛い思いをしたお前を、襲う気なんてないんだ!」
「え・・」
「ただ、ただ・・その、触りたくて・・」
「はい・・僕は、構いません、から・・」
「ノア・・くっ!」
俺はノアに強姦される事を諦めさせたいんじゃない!
俺はノアを!ノアを・・どうしたいんだ?
「大丈夫か?今日は遅くなった、もう休めよ」
「ああ。ノアに・・薬を塗ってやらないと。風呂にも入れてやってない。はぁ・・なぁ、フリード・・俺はちょっとおかしいんだろうか・・」
「何がだよ?」
「いや、なんというか・・」
「ノアが可愛いとか?守りたいとか?」
「は?別にそこまで!」
「愛しいとか?触りたいとか?」
「・・だから・・俺は!」
「俺は?」
「はぁ・・俺は・・おかしいんだろうか。ノアは断罪者だし、それに男だ。本来なら関わるべき者じゃない。だけど気になって仕方がないんだ。あの怯えた心を救ってやりたいし、全てのものを諦めるような思考から解放する手立てを見つけてやりたい。ノアの様子を見れば、お前だって分かるだろ?あの子は断罪されるような子じゃない」
「そうだな?確かにノアはそんな子には見えない。何か仕組まれてそうなったとしか思えない。数日中には調査書をまとめるから待ってくれ。それと、お前は自分の気持ちに正直になればいいんじゃないの?王子だって、恋くらいするだろ?」
「こ、恋・・俺が?ノアに・・?」
「じゃ、俺は行くけど?ノアを風呂に入れてやれよ、じゃあな」
フリードが訳の分からない事を言いながら去って行った。
恋?俺が?出会ったばかりだぞ!
いつそんなタイミングがあった?
俺はただ、ノアの手当てをしただけ・・
考えても仕方がない・・俺はフリードが準備したノアの食事が乗ったワゴンを押して寝室へと入っていく。
「ユージーン殿下?お、おかえりなさい。あの・・今日はとても、遅かったのですね?お勤め、お疲れ様です」
ノアが床にちょこんと座って頭を下げる。直ぐに顔を上げると、にこりと俺に向けて笑顔を見せた。
俺はその笑顔を見てつられて笑ってしまう。思わず可愛いな、なんて思ってしまった。
「ああ、ただいま。いい子にしてたか?」
「いい子・・?す、すみません!あの、僕、何も、していなくて・・お掃除も、お洗濯も、する事がなくて」
「ははっ!ちゃんと俺を待てればそれでいい。具合はどうだ?痛みは引いたか?」
「はい、もう大丈夫です。なので、僕、ここを出て行きます。お世話になりました。あの!この御恩は必ずお返しします!えっと・・お給金、少しだけ頂けてて、来月、お持ちしますので、少し待って頂けたら・・」
恩?ノアの給金なんてたかが知れている。それどころか、ダリルに取り上げられていて服すら買えなかったじゃないか。
身体の調子を聞けば、やはり大丈夫だと答える。まだ痛むくせに。
俺はノアを立ち上がらせると、腕を引っ張ってそのまま足早に浴室まで歩く。
「あぅっ!んく・・は、は、はぁはぁ・・」
「どうした?痛むのか?」
「い、いえ!大丈夫です!あの!僕、もう 」
「大丈夫じゃないだろ?」
「殿下、僕、痛みが落ち着いて、良くなって、本当に感謝してます。ここは僕なんかが居てはいけない所だから、今日、ここを出て行きます」
「そんなにここが嫌か?俺が嫌いか?」
「まさか!そんな事!僕のような卑しい者に構っていては殿下にとって良くありません。僕は僕が帰る場所に、行くべきだから・・感謝しているんです。これ以上、僕を、夢心地に・・させないで下さい」
真っ直ぐに俺を見る。瞳が揺れていて、すぐにでも視線を外してしまいそうだ。それでも俺を見つめたまま、意志の強さを主張してくる。
「今日はもう遅い・・食事も準備して来たんだ。先ずは風呂に入れてやるから準備しろ」
「遅い・・?分かりました・・お風呂は自分で入れます。だから・・」
「早くしろ。それとも俺に脱がせて欲しいのか?」
「いいえ!わ、分かりました」
ノアは恥じらいを見せながら服を脱いでいく。浴室の中へ促すと、椅子に座らせてノアの後ろに立つ。
泡のたっぷりついた柔らかい布でゆっくりと洗っていく。白い肌に泡を滑べらせる。
泡を手に取って、耳の後ろや項に付けて洗っていく。指を這わせて綺麗に丁寧に。
「ん、ん・・で、殿下!あの、僕、自分で、洗えますから!」
ノアが振り向いて俺の顔を見上げるが、そんな事など構わずに続ける。腕を伸ばして脇や胸を手のひらでヌルヌルと洗っていく。
「あ、ん・・くすぐったい・・」
ノアの乳首が俺の手のひらに掠めて感じたようだ。顔を覗くと、恥ずかしそうに俯いてモジモジと肩を揺らした。
「ノア・・」
俺はノアの太ももを洗いながら、足の付け根の際どい所まで指を這わせて行く。
ノアは息を荒くしながら、俺を見ている。困ったように見て・・?いや、不思議そうに見てるのか?
「ん・・はぁはぁ・・僕のが、どうして、こんな・・」
「ノア、前、固くなってるな?」
「す、すみません!あ、洗って、もらってただけなのに・・僕・・」
「くすっ、ノア、出すの手伝ってやろうか?」
「だ、出す!?い、いえ!明日、自分でしますから!」
「明日?それまで我慢できるのか?」
「でき、ます・・明日になったら、あの、きっと収まります、ので」
ノアは勃起した小さい性器を手で隠すと、また下を向いてしまった。
俺はそれを残念に思うんだから、やっぱりおかしいのかもしれない。
ノアのピンク色のつるりとした性器はまるで子供のようで、下生えや体毛がほとんど生えていない。
あれか?栄養失調状態だったから、発育出来なかったとか?これで18才・・?信じられない。
俺はノアの手を掴んで隠れていた性器を晒させる。ノアは驚いて、でも諦めたような顔をして力を抜くと立ち上がって椅子の座面に両手をついた。
「す、すみません・・!僕、気がきかなくて・・どうぞ・・あの、お好きに、使って、下さい・・」
「ノア!?すまない!違うんだ!辛い思いをしたお前を、襲う気なんてないんだ!」
「え・・」
「ただ、ただ・・その、触りたくて・・」
「はい・・僕は、構いません、から・・」
「ノア・・くっ!」
俺はノアに強姦される事を諦めさせたいんじゃない!
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