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16 ユージーン殿下の事
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僕が王宮でお仕事をするようになってしばらく経った頃、ダリル様が僕に声を掛けるようになった。
それほど日が経たないうちに、何か気に入らない事や僕が声を出してしまった時に、暴力を受けるようになった。
ダリル様は出で立ちが荒々しくて、苛立ちを僕にぶつけてくるようになり、ある時、 訳が分からないまま太ももをダリル様の性器で擦られて、顔や身体に精を吐き出された。
その気持ちの悪さとダリル様の息づかいが僕を不快にさせるのに、それを抵抗すればまた暴力を受けると思うと、怖くて身動きが出来なかった。
月に数回だった行為も、そのうち回数が増えて殴られる事もあたりまえのようになってしまった。顔に出来たアザが治りきらないうちに、また痛みを与えられて、僕の身体にはいつでも傷が残っていた。
あの日、ダリル様はいつもみたいに僕の太ももを性器で擦ってきた。だけどその日は僕のおしりの穴を触ってきて、これまではそんなふうに触られた事なんてなかったのに、僕は狂気じみた張形と呼ばれる木の棒で、穴の奥をこじ開けられてしまった。
殴られて沢山傷つけられて、身体の奥にも深い傷を負った。
硬い張形で何度も腸壁を引き裂かれ、血が流れる生暖かい感触がいつまでも身体に染み付いて残った。身体をビリビリに破かれるような鋭い痛みは、思い出すと背中をゾッとさせたし、歩く度に身体の奥に激痛が走って、辛くて涙が出た。
これまでどんなにひどい仕打ちを受けたとしても、殴られたり蹴られたりする以上の痛みは与えられなかったのに、身体の奥深くを切り裂かれるような痛みは、本当にとても苦しかった。
そんな僕は、あの日膝を手当してくれたユージーン殿下に助けられた。
初めて殿下に出会った時、僕の擦りむいた膝に優しい指先で薬を塗られて、「大丈夫か?痛いな?もう少しだよ」と言ってなぐさめられた。
僕はこれまでに、誰からも優しさなんて与えられた事がなかったから、嬉しくて消えてしまいたくて、でも怖くて。何か悪いことが起こるんじゃないかと不安にもなった。
殿下に僕が断罪者だと知られてしまったから、殿下の優しい手から逃げて、もう会うことなんてないと思っていた。
僕のおしりの穴に入った張形は、僕の中の粘膜を引き裂いて、足を伝って血がダラダラと垂れていた。
触れてみれば僕の手が血で汚れて、ギッチリと突き刺さった張形を自分で抜くことすら出来なくて、とても怖かった。
ユージーン殿下は僕に刺さった張形を抜いて、僕を丁寧に手当して柔らかな寝台に寝かせてくれた。殿下のいい香りが僕を包みこんで、優しい手や言葉が、怖かった痛みも心の傷さえ癒してくれるように感じた。
その日から、殿下は僕の傷に欠かさず薬を塗ってくれた。薬は貴重なものだから、僕にはお金もないしお返しを出来るか分からない事が不安でたまらなかった。
殿下は僕の世話をしてくれた。身体の傷が癒えていくように、殿下のくれる優しい言葉や僕を撫でる暖かい手が嬉しくて幸せで、決してそれを忘れてしまわないように、早く、死んでしまいたくて仕方がなかった。
僕が生きる価値は、毒で死ぬこと。
せめてお国のためになれと、父上がそう言った。価値のない僕に僕すらそう思うのだから、殿下に与えられた優しさが嬉しいから死にたいだなんて、許されない感情だと理解していた。
殿下がこの国の王子様なら、尚更このお方の為に毒味役でありたいと思った。早く毒味役に戻って、僕の役目を果たせたなら、せめて殿下をお守り出来た事に満足して死んでいけると思ったからだ。
早くお仕事に戻りたかった。
身体の傷を癒す薬も、やっぱり毒味役の僕には勿体なくて、だけどなかなか殿下の私室から出る事が出来なかった。
毎日欠かさず、僕の中に薬を塗ってくれる殿下の指先がもっと欲しいと思うだなんて、早く殿下の優しい手から逃げてしまわないと求めてしまいそうで、とても恥ずかしくなった。
殿下はお優しい。
光り輝くような金色の髪が綺麗で、碧い瞳は僕を惹き付けた。ユージーン殿下のそのお顔が、とても・・とてもかっこ良くて、見つめられてしまうと僕の心臓はドキドキと早鐘を打つようにうるさくて苦しくなった。
そんな殿下の唇が僕に触れた時、初めて感じた電流が流れるかのような痺れに、とても驚いてしまった。僕はそれがもっと欲しくて、殿下にキスをして欲しいとねだってしまった。
キスが欲しい。気持ちいい、殿下のキスが欲しい、僕なんかが何かを求めるなんて許されるはずないのに、どうしても殿下のキスが欲しくて堪らなかった。
初めてキスをもらった日の夜、ユージーン殿下が湯浴みをしている間にフリード様が僕のいる寝室へ入って来て、ユージーンのキスは好きかと聞いてきた。
僕は驚いて何も言う事が出来なかった。フリード様はそんな僕に「好きみたいだな?して欲しいなら毎日聞いてみろ、今日はするかどうか」と言った。
僕は恐る恐る「今日は、してくれますか?」と聞いてみた。殿下は少しの間動きが止まったまま僕を見ていたけれど「するよ」と笑いながら答えてくれた。だから僕は毎日殿下にそう聞いた。
殿下は僕がそう聞くと、すぐにくれる時もあれば、夜までくれない時もあった。だけど必ず僕にキスをくれたから、嬉しくて気持ち良くてとても幸せだった。
僕の身体を治癒士が癒してくれた。それでも深く傷付いた身体の奥深くまでは癒すのに時間がかかってしまった。
殿下は毎日温かいお湯に僕を促して、いい香りがする石鹸ですみずみまで洗ってくれた。殿下とおんなじ匂いがするその香りが嬉しくて、気がつけば、いつでも僕は自分の腕に鼻を擦り付けて匂いを嗅いでいた。そんな僕を、ユージーン殿下は可笑しそうに笑っていた。
ユージーン殿下が僕の奥に軟膏を塗ってくれた。長くて筋張った殿下の指は優しくて、僕のナカをぐるりと撫でていった。
経験した事のない刺激とじんわりとジンジンする感覚を交互に感じて、声を止められなかった。
殿下は何度も同じところをかき混ぜながら軟膏を塗ってくれた。ゆるりと撫でるその感覚に物足りなさを感じて腰を揺らしてしまった日は、殿下がすぐに軟膏を塗るのを止めて難しい顔をしてしまった。
毎日殿下と同じ寝台で眠るようになって、僕は良く眠れるようになった。
夜眠る前には離れていた距離も、朝になれば隙間が無いほどに抱き締められていて、僕は殿下が目を覚ますまで、じっとそのまま動かないでいた。殿下の腕の中で、殿下の呼吸で動く胸に合わせて息をした。
こんな平穏な日々が僕に与えられていいのだろうか。早く毒味役に戻って、いつもの地下牢の部屋に戻るべきだというのに、僕は殿下といる事に幸せを感じてしまっていた。
殿下が少し身じろいで、今にも起きそうな様子に見える。僕はとっさに目を瞑って、眠っている振りをした。
「ん・・朝か・・ノア・・可愛いな」
殿下が眠る僕にそんなふうに言って抱き締める。それから口づけをして、僕の唇を舐めた。
僕は胸がドキドキして、殿下のキスが気持ち良くて、眠っている振りをするのが大変だった。
殿下は「くすっ」と小さく笑って、すぐに寝台から下りてしまうから、僕はとても残念な気持ちになった。
それほど日が経たないうちに、何か気に入らない事や僕が声を出してしまった時に、暴力を受けるようになった。
ダリル様は出で立ちが荒々しくて、苛立ちを僕にぶつけてくるようになり、ある時、 訳が分からないまま太ももをダリル様の性器で擦られて、顔や身体に精を吐き出された。
その気持ちの悪さとダリル様の息づかいが僕を不快にさせるのに、それを抵抗すればまた暴力を受けると思うと、怖くて身動きが出来なかった。
月に数回だった行為も、そのうち回数が増えて殴られる事もあたりまえのようになってしまった。顔に出来たアザが治りきらないうちに、また痛みを与えられて、僕の身体にはいつでも傷が残っていた。
あの日、ダリル様はいつもみたいに僕の太ももを性器で擦ってきた。だけどその日は僕のおしりの穴を触ってきて、これまではそんなふうに触られた事なんてなかったのに、僕は狂気じみた張形と呼ばれる木の棒で、穴の奥をこじ開けられてしまった。
殴られて沢山傷つけられて、身体の奥にも深い傷を負った。
硬い張形で何度も腸壁を引き裂かれ、血が流れる生暖かい感触がいつまでも身体に染み付いて残った。身体をビリビリに破かれるような鋭い痛みは、思い出すと背中をゾッとさせたし、歩く度に身体の奥に激痛が走って、辛くて涙が出た。
これまでどんなにひどい仕打ちを受けたとしても、殴られたり蹴られたりする以上の痛みは与えられなかったのに、身体の奥深くを切り裂かれるような痛みは、本当にとても苦しかった。
そんな僕は、あの日膝を手当してくれたユージーン殿下に助けられた。
初めて殿下に出会った時、僕の擦りむいた膝に優しい指先で薬を塗られて、「大丈夫か?痛いな?もう少しだよ」と言ってなぐさめられた。
僕はこれまでに、誰からも優しさなんて与えられた事がなかったから、嬉しくて消えてしまいたくて、でも怖くて。何か悪いことが起こるんじゃないかと不安にもなった。
殿下に僕が断罪者だと知られてしまったから、殿下の優しい手から逃げて、もう会うことなんてないと思っていた。
僕のおしりの穴に入った張形は、僕の中の粘膜を引き裂いて、足を伝って血がダラダラと垂れていた。
触れてみれば僕の手が血で汚れて、ギッチリと突き刺さった張形を自分で抜くことすら出来なくて、とても怖かった。
ユージーン殿下は僕に刺さった張形を抜いて、僕を丁寧に手当して柔らかな寝台に寝かせてくれた。殿下のいい香りが僕を包みこんで、優しい手や言葉が、怖かった痛みも心の傷さえ癒してくれるように感じた。
その日から、殿下は僕の傷に欠かさず薬を塗ってくれた。薬は貴重なものだから、僕にはお金もないしお返しを出来るか分からない事が不安でたまらなかった。
殿下は僕の世話をしてくれた。身体の傷が癒えていくように、殿下のくれる優しい言葉や僕を撫でる暖かい手が嬉しくて幸せで、決してそれを忘れてしまわないように、早く、死んでしまいたくて仕方がなかった。
僕が生きる価値は、毒で死ぬこと。
せめてお国のためになれと、父上がそう言った。価値のない僕に僕すらそう思うのだから、殿下に与えられた優しさが嬉しいから死にたいだなんて、許されない感情だと理解していた。
殿下がこの国の王子様なら、尚更このお方の為に毒味役でありたいと思った。早く毒味役に戻って、僕の役目を果たせたなら、せめて殿下をお守り出来た事に満足して死んでいけると思ったからだ。
早くお仕事に戻りたかった。
身体の傷を癒す薬も、やっぱり毒味役の僕には勿体なくて、だけどなかなか殿下の私室から出る事が出来なかった。
毎日欠かさず、僕の中に薬を塗ってくれる殿下の指先がもっと欲しいと思うだなんて、早く殿下の優しい手から逃げてしまわないと求めてしまいそうで、とても恥ずかしくなった。
殿下はお優しい。
光り輝くような金色の髪が綺麗で、碧い瞳は僕を惹き付けた。ユージーン殿下のそのお顔が、とても・・とてもかっこ良くて、見つめられてしまうと僕の心臓はドキドキと早鐘を打つようにうるさくて苦しくなった。
そんな殿下の唇が僕に触れた時、初めて感じた電流が流れるかのような痺れに、とても驚いてしまった。僕はそれがもっと欲しくて、殿下にキスをして欲しいとねだってしまった。
キスが欲しい。気持ちいい、殿下のキスが欲しい、僕なんかが何かを求めるなんて許されるはずないのに、どうしても殿下のキスが欲しくて堪らなかった。
初めてキスをもらった日の夜、ユージーン殿下が湯浴みをしている間にフリード様が僕のいる寝室へ入って来て、ユージーンのキスは好きかと聞いてきた。
僕は驚いて何も言う事が出来なかった。フリード様はそんな僕に「好きみたいだな?して欲しいなら毎日聞いてみろ、今日はするかどうか」と言った。
僕は恐る恐る「今日は、してくれますか?」と聞いてみた。殿下は少しの間動きが止まったまま僕を見ていたけれど「するよ」と笑いながら答えてくれた。だから僕は毎日殿下にそう聞いた。
殿下は僕がそう聞くと、すぐにくれる時もあれば、夜までくれない時もあった。だけど必ず僕にキスをくれたから、嬉しくて気持ち良くてとても幸せだった。
僕の身体を治癒士が癒してくれた。それでも深く傷付いた身体の奥深くまでは癒すのに時間がかかってしまった。
殿下は毎日温かいお湯に僕を促して、いい香りがする石鹸ですみずみまで洗ってくれた。殿下とおんなじ匂いがするその香りが嬉しくて、気がつけば、いつでも僕は自分の腕に鼻を擦り付けて匂いを嗅いでいた。そんな僕を、ユージーン殿下は可笑しそうに笑っていた。
ユージーン殿下が僕の奥に軟膏を塗ってくれた。長くて筋張った殿下の指は優しくて、僕のナカをぐるりと撫でていった。
経験した事のない刺激とじんわりとジンジンする感覚を交互に感じて、声を止められなかった。
殿下は何度も同じところをかき混ぜながら軟膏を塗ってくれた。ゆるりと撫でるその感覚に物足りなさを感じて腰を揺らしてしまった日は、殿下がすぐに軟膏を塗るのを止めて難しい顔をしてしまった。
毎日殿下と同じ寝台で眠るようになって、僕は良く眠れるようになった。
夜眠る前には離れていた距離も、朝になれば隙間が無いほどに抱き締められていて、僕は殿下が目を覚ますまで、じっとそのまま動かないでいた。殿下の腕の中で、殿下の呼吸で動く胸に合わせて息をした。
こんな平穏な日々が僕に与えられていいのだろうか。早く毒味役に戻って、いつもの地下牢の部屋に戻るべきだというのに、僕は殿下といる事に幸せを感じてしまっていた。
殿下が少し身じろいで、今にも起きそうな様子に見える。僕はとっさに目を瞑って、眠っている振りをした。
「ん・・朝か・・ノア・・可愛いな」
殿下が眠る僕にそんなふうに言って抱き締める。それから口づけをして、僕の唇を舐めた。
僕は胸がドキドキして、殿下のキスが気持ち良くて、眠っている振りをするのが大変だった。
殿下は「くすっ」と小さく笑って、すぐに寝台から下りてしまうから、僕はとても残念な気持ちになった。
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