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24 約束
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ソルヴィン兄上が、俺とノアを引き離した。
ノアはほとんど兄上の私室から出てこなくて、護衛のドーガもさすがに中の様子までは探れないようだった。
俺はノアを愛していると自覚して、それなのにノアにそれを伝える事すらできずに引き離された。ノアの事を想うと堪らない気持ちになってどうしようもなかった。
「はぁ・・くそっ!」
「おい、王子。汚い言葉使いはよせ。ノアについては仕方ないだろ?公明正大なソルヴィン殿下に相談したお前の判断ミスだ」
「分かってるよ!だけど何故兄上はあんなにもアリア王女を心配するんだ?王族同士の政略結婚なんて、愛がない事くらい当然の事だ。他に好きな相手がいたとしても子孫が残せればそれでいいんだろ?側室を持つ事だって稀じゃない事だ!」
「まあな?何だろうな・・ドーガは?まだ帰らないのか?」
「ああ、ノアは外出さえ制限されているみたいだ。ドーガも様子を探れないでいる」
兄上から、俺はリティニア王国の王女と婚約をする事になるのだから、早くノアとの事を忘れるようにと厳しく指弾された。想いが募る前に早く忘れろと、すでに俺のノアへの想いを見透かしていた。
ノアが断罪者ではなくコリン家の犠牲者であるとの報告内容は、フリードを介して兄上が知ることとなった。きっと兄上もノアに同情し、ノアの処遇について正しく判断してくれるばずだと思っていた。
なのに、何故兄上はノアを預かると言い出したんだ!?何のために?
まさか、ノアの魅力に充てられて!?俺からノアを横恋慕するつもりじゃ!
「ユージーン・・心の声が漏れているぞ?あのソルヴィン殿下が横恋慕なんてする訳ないだろうが!話を飛躍しすぎだぞ」
「じゃあお前はどう考えてるんだよ!?兄上はノアを!」
そう言いかけた時、扉がノックされてドーガが慌ただしく入ってきた。
「主、戻りました!ノアが今、外に出ています。急ぎ着いて来て下さい!」
「ノアが?とにかく行こう!兄上は?一緒にいるのか?」
「いえ、ソルヴィン殿下はいらっしゃいません。ただ、ノアはどこかのご令嬢と一緒に話しをしています」
「令嬢?誰の事だ・・?令嬢?まさか・・」
もしかしてアリア王女か?
いやしかし、ノアとの接点などないはずだ。ノアは兄上の部屋から出る事すら困難な状況だというのに、いつ知り合う機会があったんだ?
「とにかく行くぞ?ユージーン」
「ああ」
俺はドーガに案内され、城の裏手にある湖へと足を運んだ。
すると、水面に近い場所にある木陰から笑い声が聞こえてきた。足を進めて覗いてみれば、そこには俺が会いたいと恋焦がれたノアの姿があった。
太陽の日差しの下では、ノアの薄い金髪がますます輝き銀色のように見えて、風になびくと柔らかく踊っていた。
ノアの隣に座る身なりの良い金髪の令嬢は、鈴を転がすような可愛らしい声で笑っている。
あれはやはり、リティニア王国のアリア王女に違いなかった。兄上から聞いていた通り、灰簾石の青い輝きが眩しい美少女だった。
「ノア、あなたは幸せになるのよ?私が何とかするわ?」
「アリー・・僕は還るべき所へ行きたい」
「そんなに簡単に諦めないで?私の為にも!お願いよ!」
ふたりは何の話をしているんだ?
ノアの帰る場所?それはどこだ?
コリン家か・・まさか地下牢ではないだろうな!
それに諦めるって何なんだよ・・ノアは何を諦めようとしている?
俺は一歩足を踏み出して、思わず草木を踏みしめてしまった。ガサッと草を踏む音が響いて、ふたりの視線が俺に降り注いだ。
「で、殿下!?なぜ、こちらに・・」
「ノア、会いたかった!まさか、あれっきり会えなくなるなんて思わなかったんだ!」
「殿下・・」
ノアが後退り、俺から離れていく。
俺はすぐにでもノアを抱き締めたいと思ったが、何しろ目の前には、数日後に婚約者となるはずのアリア王女がいる。
俺は立ち止まったまま、ただノアを見つめるしかなくて、どうすべきかを思案していた。
このまま自分の気持ちを偽ったまま、王女と結婚するのか・・それじゃあこの王女にもあまりにも酷なことだ。
なら、ノアとはもう縁を切るのか・・?
恋を自覚した以上、そんな事、俺には出来ない。
「ユージーン殿下、何故そのようにノアを愛しそうに見つめていらっしゃるのに、すぐに抱き締めてさしあげないのですか?早く、愛を確かめ合ってはいかがです?」
「な、何を!いや・・君は、アリア王女で間違いない、よな?」
「ええ、私はリティニア王国のアリアよ?折り入ってユージーン殿下にお願いがありますの。聞いてくださるのなら、私はお二人を祝福しますわ?」
「ははっ・・出会った瞬間に振られた気分だが、願ったりだな。条件とはなんだ」
「それは・・」
俺はまさかアリア王女がそのような事を申し出てくるとは思っていなくて、それでもノアと結ばれる事ができるならば、アリアの話に乗るほかに手はなかった。
「そんな事をして何の意味が・・?よく分からないが他に手はないんだろ?意図がよく分からないがやってみるよ。だけどアリア、君は本当に良かったのか?それに国同士の問題もある・・」
「国同士?それは大丈夫よ?私には強い味方がいるの。だから大丈夫よ?もし私の恋が上手くいったらまた話しましょう?ほら、ノア」
話に付いて行けないで呆然とするノアの背中を、アリアはそっと俺に差し出してくる。
「ノア・・話があるんだ。おいで・・」
「殿下・・僕・・」
「お前が好きだ、ノア」
「駄目・・駄目です!」
「ノアは・・俺を好きじゃない?」
「僕は、駄目だから!僕なんか、そんな、資格ない」
「良いんだよ、俺が良いと言ってるだろ?心配するな、お前はそのまま俺に身を委ねていろ」
「・・でも」
「ん?俺の事、好き?嫌い?」
「嫌いじゃ、ない!」
「好き?愛してる?どっち?」
「あ、い、してる・・」
「な?お前は俺のだ。何か問題あるか?」
俺はノアをグイッと引っ張ると、腕の中に収めて抱き締めた。するとノアはハラハラと泣き出してしまって、慌てて体を離す。
「ノア!?なんだよ・・泣くなよ!」
「はぁ・・ユージーン、お前ねぇ、強引過ぎなんだよ。誘導尋問するな!もう少しノアの気持ちを考えてやれ。いきなり現れて、好きか嫌いか言わされた挙句、無理矢理すぎるぞ、お前は」
「俺は!えーっと・・ノア、ごめんな?あー・・やり直そう!もう一度だ!な?ノア、俺、お前が!はぁ・・泣かないでくれよ、頼むよ、ノア・・」
泣き止まないレノに周章狼狽しながら、アリアにはクスクスと笑われて・・俺は頭をかきながらもう一度ノアをゆっくりと抱き締めた。
「ノア、聞いてくれ!俺はノアの事が好きだよ。お前の過去の苦しみを共に背負っていきたいんだ。これからふたりでゆっくり幸せを探して行こう?俺はお前を、ノアを愛してるんだ」
「ユージーン、殿下・・うぅぅっ!駄目です、僕、幸せ過ぎて、死にたく、なります・・」
「お前は、これからもっと幸せになるんだよ。俺が溶かしてやるよ、お前の不安を全て。俺だけ見てろ、ノア」
「ううっ・・」
「愛してるよ、ノア。返事は?」
「僕も・・ユージーン殿下を、愛してます・・」
やっとか・・
まったく、なんでこんな人前で!!
しかし仕方がない。兄上に見つからないようにするには今しかなかったんだから!
「ユージーン殿下が素敵なお方で本当に良かったわ?おふたりとも、お幸せにね?それから、例の話を、よろしくお願いしますわね?」
そう言って、アリアは城へと戻って行った。
「ユージーン、そろそろノアを返すぞ!怪しまれる」
「分かってるよ・・お前ら、後ろ向いてろ!」
俺はノアを手放したくなくて、抱き締めながらノアの唇に何度もキスをした。
「なるべく早く迎えに行くから・・ノア、愛してるよ」
ノアは瞳を潤ませて俺を見つめながら、「好き・・ユージーン殿下、好き・・」と小さく囁いた。
ノアはほとんど兄上の私室から出てこなくて、護衛のドーガもさすがに中の様子までは探れないようだった。
俺はノアを愛していると自覚して、それなのにノアにそれを伝える事すらできずに引き離された。ノアの事を想うと堪らない気持ちになってどうしようもなかった。
「はぁ・・くそっ!」
「おい、王子。汚い言葉使いはよせ。ノアについては仕方ないだろ?公明正大なソルヴィン殿下に相談したお前の判断ミスだ」
「分かってるよ!だけど何故兄上はあんなにもアリア王女を心配するんだ?王族同士の政略結婚なんて、愛がない事くらい当然の事だ。他に好きな相手がいたとしても子孫が残せればそれでいいんだろ?側室を持つ事だって稀じゃない事だ!」
「まあな?何だろうな・・ドーガは?まだ帰らないのか?」
「ああ、ノアは外出さえ制限されているみたいだ。ドーガも様子を探れないでいる」
兄上から、俺はリティニア王国の王女と婚約をする事になるのだから、早くノアとの事を忘れるようにと厳しく指弾された。想いが募る前に早く忘れろと、すでに俺のノアへの想いを見透かしていた。
ノアが断罪者ではなくコリン家の犠牲者であるとの報告内容は、フリードを介して兄上が知ることとなった。きっと兄上もノアに同情し、ノアの処遇について正しく判断してくれるばずだと思っていた。
なのに、何故兄上はノアを預かると言い出したんだ!?何のために?
まさか、ノアの魅力に充てられて!?俺からノアを横恋慕するつもりじゃ!
「ユージーン・・心の声が漏れているぞ?あのソルヴィン殿下が横恋慕なんてする訳ないだろうが!話を飛躍しすぎだぞ」
「じゃあお前はどう考えてるんだよ!?兄上はノアを!」
そう言いかけた時、扉がノックされてドーガが慌ただしく入ってきた。
「主、戻りました!ノアが今、外に出ています。急ぎ着いて来て下さい!」
「ノアが?とにかく行こう!兄上は?一緒にいるのか?」
「いえ、ソルヴィン殿下はいらっしゃいません。ただ、ノアはどこかのご令嬢と一緒に話しをしています」
「令嬢?誰の事だ・・?令嬢?まさか・・」
もしかしてアリア王女か?
いやしかし、ノアとの接点などないはずだ。ノアは兄上の部屋から出る事すら困難な状況だというのに、いつ知り合う機会があったんだ?
「とにかく行くぞ?ユージーン」
「ああ」
俺はドーガに案内され、城の裏手にある湖へと足を運んだ。
すると、水面に近い場所にある木陰から笑い声が聞こえてきた。足を進めて覗いてみれば、そこには俺が会いたいと恋焦がれたノアの姿があった。
太陽の日差しの下では、ノアの薄い金髪がますます輝き銀色のように見えて、風になびくと柔らかく踊っていた。
ノアの隣に座る身なりの良い金髪の令嬢は、鈴を転がすような可愛らしい声で笑っている。
あれはやはり、リティニア王国のアリア王女に違いなかった。兄上から聞いていた通り、灰簾石の青い輝きが眩しい美少女だった。
「ノア、あなたは幸せになるのよ?私が何とかするわ?」
「アリー・・僕は還るべき所へ行きたい」
「そんなに簡単に諦めないで?私の為にも!お願いよ!」
ふたりは何の話をしているんだ?
ノアの帰る場所?それはどこだ?
コリン家か・・まさか地下牢ではないだろうな!
それに諦めるって何なんだよ・・ノアは何を諦めようとしている?
俺は一歩足を踏み出して、思わず草木を踏みしめてしまった。ガサッと草を踏む音が響いて、ふたりの視線が俺に降り注いだ。
「で、殿下!?なぜ、こちらに・・」
「ノア、会いたかった!まさか、あれっきり会えなくなるなんて思わなかったんだ!」
「殿下・・」
ノアが後退り、俺から離れていく。
俺はすぐにでもノアを抱き締めたいと思ったが、何しろ目の前には、数日後に婚約者となるはずのアリア王女がいる。
俺は立ち止まったまま、ただノアを見つめるしかなくて、どうすべきかを思案していた。
このまま自分の気持ちを偽ったまま、王女と結婚するのか・・それじゃあこの王女にもあまりにも酷なことだ。
なら、ノアとはもう縁を切るのか・・?
恋を自覚した以上、そんな事、俺には出来ない。
「ユージーン殿下、何故そのようにノアを愛しそうに見つめていらっしゃるのに、すぐに抱き締めてさしあげないのですか?早く、愛を確かめ合ってはいかがです?」
「な、何を!いや・・君は、アリア王女で間違いない、よな?」
「ええ、私はリティニア王国のアリアよ?折り入ってユージーン殿下にお願いがありますの。聞いてくださるのなら、私はお二人を祝福しますわ?」
「ははっ・・出会った瞬間に振られた気分だが、願ったりだな。条件とはなんだ」
「それは・・」
俺はまさかアリア王女がそのような事を申し出てくるとは思っていなくて、それでもノアと結ばれる事ができるならば、アリアの話に乗るほかに手はなかった。
「そんな事をして何の意味が・・?よく分からないが他に手はないんだろ?意図がよく分からないがやってみるよ。だけどアリア、君は本当に良かったのか?それに国同士の問題もある・・」
「国同士?それは大丈夫よ?私には強い味方がいるの。だから大丈夫よ?もし私の恋が上手くいったらまた話しましょう?ほら、ノア」
話に付いて行けないで呆然とするノアの背中を、アリアはそっと俺に差し出してくる。
「ノア・・話があるんだ。おいで・・」
「殿下・・僕・・」
「お前が好きだ、ノア」
「駄目・・駄目です!」
「ノアは・・俺を好きじゃない?」
「僕は、駄目だから!僕なんか、そんな、資格ない」
「良いんだよ、俺が良いと言ってるだろ?心配するな、お前はそのまま俺に身を委ねていろ」
「・・でも」
「ん?俺の事、好き?嫌い?」
「嫌いじゃ、ない!」
「好き?愛してる?どっち?」
「あ、い、してる・・」
「な?お前は俺のだ。何か問題あるか?」
俺はノアをグイッと引っ張ると、腕の中に収めて抱き締めた。するとノアはハラハラと泣き出してしまって、慌てて体を離す。
「ノア!?なんだよ・・泣くなよ!」
「はぁ・・ユージーン、お前ねぇ、強引過ぎなんだよ。誘導尋問するな!もう少しノアの気持ちを考えてやれ。いきなり現れて、好きか嫌いか言わされた挙句、無理矢理すぎるぞ、お前は」
「俺は!えーっと・・ノア、ごめんな?あー・・やり直そう!もう一度だ!な?ノア、俺、お前が!はぁ・・泣かないでくれよ、頼むよ、ノア・・」
泣き止まないレノに周章狼狽しながら、アリアにはクスクスと笑われて・・俺は頭をかきながらもう一度ノアをゆっくりと抱き締めた。
「ノア、聞いてくれ!俺はノアの事が好きだよ。お前の過去の苦しみを共に背負っていきたいんだ。これからふたりでゆっくり幸せを探して行こう?俺はお前を、ノアを愛してるんだ」
「ユージーン、殿下・・うぅぅっ!駄目です、僕、幸せ過ぎて、死にたく、なります・・」
「お前は、これからもっと幸せになるんだよ。俺が溶かしてやるよ、お前の不安を全て。俺だけ見てろ、ノア」
「ううっ・・」
「愛してるよ、ノア。返事は?」
「僕も・・ユージーン殿下を、愛してます・・」
やっとか・・
まったく、なんでこんな人前で!!
しかし仕方がない。兄上に見つからないようにするには今しかなかったんだから!
「ユージーン殿下が素敵なお方で本当に良かったわ?おふたりとも、お幸せにね?それから、例の話を、よろしくお願いしますわね?」
そう言って、アリアは城へと戻って行った。
「ユージーン、そろそろノアを返すぞ!怪しまれる」
「分かってるよ・・お前ら、後ろ向いてろ!」
俺はノアを手放したくなくて、抱き締めながらノアの唇に何度もキスをした。
「なるべく早く迎えに行くから・・ノア、愛してるよ」
ノアは瞳を潤ませて俺を見つめながら、「好き・・ユージーン殿下、好き・・」と小さく囁いた。
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