【完結】田舎育ち令嬢、都会で愛される

櫻野くるみ

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お茶目な王妃様。

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「またお会いできたわね。」

確かに、あの時本屋で『またお会いしましょう』とは言われたけれど!!
まさか王妃様だったなんて。
こんなことって・・・。

まさか王宮で、しかも王妃様とのお茶会で再会すると思っていなかったリリーは動揺していた。

まずいわ、失礼のないようにと思っていたけれど、すでにやらかしてしまっているわ。
あの時は確か恋愛小説の話と、酪農の話をしたのよね。
うん、完全に話題の選択を誤ってるわ。

どんどん青ざめていくリリーの横で、父のウィリアムも焦っている。

「リリー?どうかした?王妃様とお会いしたことがあったのかい?」

なんて答えたらいいのか、リリーがあたふたしていると、

「この前、町で偶然お会いして、お喋りしたのよ。とても楽しい時間だったわ。ね、リリーちゃん?」

ウフフと王妃様は楽しそうに微笑んでいる。

「そうでしたか。それはそれは。」

王妃の言葉に、ウィリアムは納得したようで、嬉しそうにうんうん頷いている。

いえお父様、そんな単純なお話ではなく、私、不敬罪かもしれません・・・。
でも挨拶はきちんとしなければ。

「王妃様、先日は大変失礼致しました。スペンサー伯爵の長女、リリーと申します。」

カーテシーをしながら、今更ではあるが、自己紹介をしてみる。

「あら、そんな堅苦しい挨拶なんて必要ないわよ。私、もうリリーちゃんって呼んでしまっているし。ここは非公式ですし、この前のように自由にお話ししてちょうだい。」

え、王妃様相手に、王子様との恋愛小説の話をですか?

「私、またリリーちゃんに会えるのを楽しみにしていたのよ。あ、これ見てちょうだい。とても興味深かったわ。」

テーブルの上にある本を見せられる。

『初めての酪農』『王子様との秘密の恋愛』

王妃様、まさかあの時買ったのですか?
そして読んだのですか?

「思わず買い足しちゃったわ。」

次に見せられたのが、『楽しい酪農 中級編』『続 王子様との秘密の恋愛』

レベルアップしてます。
しかも、『続』って!!
続編出てたの知りませんでした。
私にも貸してください。って、そうじゃないです。

隣の父からは呆れたような目で見られ、そっと顔を背ける。

とりあえず、不敬罪は免れたみたいで良かった。
王妃様ってお茶目な方だったのねと安心していると、王妃様がまたしても爆弾発言をした。

「私、本場の酪農が見てみたいわ。今度、領地を案内してくださる?」

王妃様がスペンサー領に??

これにはウィリアムが動揺し、なんとか思い止まらせようと必死になっていた。

「いえいえ、あそこは牛以外何もないところですから。王妃様にはふさわしくないかと・・・」

もちろん本心で言っていないことはわかっていたリリーだが、何もないと言われてつい言い返してしまう。

「お父様、確かに何もないところかもしれないですが、全てがあるところだと私は思っています!!」

言い切ったところで、別の声が加わった。

「母上、お茶会ですか?僕も加わってもいいですか?」

振り返ると、金髪がキラキラ輝く眩しい美少年が立っている。

王子様みたいだわ。

この直後に、彼が本物の王子様だとリリーは知ることになる。







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