【完結】田舎育ち令嬢、都会で愛される

櫻野くるみ

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キラキラの王子様。

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なんだかとてつもない美少年が現れたわ・・・。
しかも、いま母上って・・・。

そこだけ輝いているかのように、キラキラとした光を発している。
後光が差している気さえする。

リリーは現実離れした光景に、ただ見つめていることしか出来なかった。


父のウィリアムが見知っているらしく、親しげに挨拶を始めた。

「これは、ラインハルト殿下。ご紹介します。私の娘のリリーです。リリー、ラインハルト殿下だ。第3王子でいらっしゃる。」

本物の王子様!
まさか小説より本物の方が素敵だなんて。

リリーは伯爵令嬢でありながら自覚が足りなかった為、あくまで王子様は、小説の中に出てくる憧れの登場人物であった。
実際の王子様を目の前にして、感動と動揺と緊張でいっぱいいっぱいである。

「リリーです。はじめまして。」

つい簡素な挨拶が精一杯で、父の服の裾を握ってしまう。


そんなリリーを、同年代の男の子相手に人見知りをして、父を頼っていると思ったのだろう。
ウィリアムが嬉しそうにリリーの頭を撫でた。

王妃は王妃で、自分の目の前で『王子と王子に憧れる娘の出会い』が繰り広げられたことに大満足であった。

「僕はラインハルト。リリーって呼んでもいいかな?」

必死でコクコクと頷くリリー。

リリー以外が皆ニコニコとしている中、リリーだけが真っ赤な顔で俯いていた。



「ラインハルト、いいところに来たわね。あなたも一緒にリリーちゃんお手製のチーズタルトをいただきましょう。」

はっ、そうだったわ。
目的を忘れてしまっていたけれど、アイラが渡してくれたのかしら。

王宮の侍女たちが紅茶と、リリーのチーズタルトをセッティングしてくれている。
今日のチーズタルトは、配りやすいように子供の手のひらサイズで作ってあった。
まさか王妃と王子の口に入ると思っていなかったリリーは、恐縮してしまう。

「あの、お口に合うかどうか・・・。」

「大丈夫さ、リリーのお菓子はどこに出しても恥ずかしくないからね。」

王妃と王子に言ったつもりが、なぜか父が返事をする。

お父様、私に甘いのも時と場所を考えてください!!
なに率先して誉めてるんですか!!

思わず恨みがましい目で父を見たが、父はソファーに移動すると、平然とタルトを口に運び出した。


「うん、とても美味しいよ!」

「本当ね。普段食べるものより濃厚でコクがあるわ。」

王子と王妃が顔をほころばせてチーズタルトを口にしていた。

良かったわ。
お口に合って。

安心するリリーの横で、

「そうでしょう、リリーは料理もお菓子も上手なんです。」

ウィリアムが満面の笑みで親バカを発揮していた。

お父様ー!!
だからなぜあなたがそこで自慢げに言うのですか。
伯爵令嬢の趣味として間違ってますよね?

恐る恐る二人の反応を伺うと、

「そうよ、リリーちゃんは料理も得意なのよね。ミルクスープを王子様に飲ませたいのだもの。」

王妃様ー!!
それはいま言ってはダメですー!!

王妃の何度目かの爆弾発言に、リリーは思わず意識を飛ばしたくなった。





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