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取り巻きはあっさり落ちました。
しおりを挟む「ここで念の為、二つの男爵家が何故爵位を剥奪され、王都を追われたのか説明をしておきましょう。今更の話ではありますが、いまだに理解が出来ていない、頭の残念な方がいらっしゃるようなので。」
ラインハルトがナムール伯爵に、冷たい視線を送りながら挑発するように告げた。
今まで表向きは、笑顔の好青年を貫いてきたラインハルト。
いつもと違う態度に、動揺を隠せない貴族もいるようだ。
ここにジェシーが居たら、「よっ、腹黒王子!」などと喜んでいたかもしれない。
負けじと伯爵もラインハルトを見据え、堂々と言い返す。
「ほう、私が納得出来るような理由を、是非とも伺いたいものですな。そんな理由はないに違いないが。」
この期に及んで、まだ強気な態度を崩さないとは・・・
ある意味尊敬するが、あの悪態の数々や証人を見る限り、伯爵に明るい未来はないと皆が感じていた。
「結論を先に述べましょうか。男爵達は領地で税を不当に取り立て、国に納めず、懐に入れていた。調べはついていて、証拠の帳簿も残されているし、本人達も罪を認めています。」
ラインハルトの言葉に、伯爵の取り巻き二人がガタガタと震えだした。
身に覚えがあるのだろう。
その内の一人がラインハルトの前に進み出て、膝を突いた。
「申し訳ございません。私は横領を行いました。しかし、全てはナムール伯爵の指示だったのです!!」
すると取り巻きのもう一人も、同じように慌てて膝を突いて言った。
「私もです。伯爵の怒りを買うのを恐れ、言われるがままに罪を犯しました。申し訳ございません!!」
取り巻き令嬢達も、父親の隣で頭を下げる。
あっさりと二人が落ち、裏付けを取るように、ラインハルトは証人二人に話しかけた。
「今の発言に偽りはないか?」
「ございません。私は領民から金を集め、旦那様にお渡ししていましたが、税が高く、民は困窮しております。旦那様は伯爵から国に納める税を少なくする方法を教えられ、その浮いた分を伯爵に支払うように脅されていました。」
「うちの旦那様も同じです。多分、二人の男爵も同じ目にあっていたと思われます。」
悲痛な表情で、伯爵の仕打ちを訴える証人達。
伯爵より身分の低い取り巻き四人は、断れずに、それぞれが辛い立場にはあったようだ。
しかし自分達も贅沢をし、伯爵の威を借りて好き勝手してきたのである。
娘達もリリーに悪口を言っていた。
同情は出来ない。
「黙れ黙れ!!何を勝手なことを。私は指示なんてしていないし、金も受け取っていない。王子ともあろうものが、下民の言い分をお聞きになるのですか?」
ナムール伯爵が腹を立て、ラインハルトに突っかかってきた。
「どういう意味でしょう?」
「ははっ!おわかりでしょう?私達高貴な者の言うことが全てだと。証人なんて意味が無い。」
「そうですわ。領民なんて領主の為に居るのですから、言われるがまま、死なない程度に税を払えばいいのだわ。」
伯爵を肯定するようにミシェルが言い、二人は悪びれるそぶりすら見せない。
その時だった。
「俺はお前たちを許さない!!高い税を取られ、どれだけの者が生活に困っているか!食べるものにも困り、体を壊し、死んでいく者もいるんだぞ?なのに自分達だけ贅沢な生活をしやがって。散々嘆願してきた俺の顔も覚えてないだと!?」
今にも伯爵に掴みかかりそうな勢いなのを、騎士が羽交い締めにして止めていた。
「おお、下賤の者がうるさく吠えていますな。自分に発言権があるとでも思っているのか。はっはっはっ、面白い。なあ、ミシェル。」
「おほほ、本当ですわね、お父様。卑しいこと。」
必死な民の声すら耳に入らない伯爵親子に、周囲はもはや恐怖を感じていた。
「あなた達には人の心がないようですね。罪を認めた二人はこの場はもういいでしょう。捕らえて下さい。娘も一緒に。」
取り巻き二組の親子と証人達は、会場から連れ出された。
令嬢二人は泣き崩れている。
横領していた二人も、男爵達と同様に爵位を剥奪されることになるだろう。
残すは彼らのボス、ナムール伯爵と、その娘ミシェル。
ラインハルトは、リリーを貶めた二人をとことん追い詰める手段を練っていた。
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