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図書館の密室で細マッチョ愛を叫ぶ
時を遡ること20分前……
って、たいして遡ってないけどね。
ヒューゴは「少し調べたいことがあってね」と言って、私をこの国で一番大きな図書館へと連れてきた。
図書館!!
それは今の私には非常に興味深くて、またしてもヒューゴのチョイスをぜひ褒め称えたい。
なにしろ記憶が戻る前のルイーザは、まるで読書に興味がなかった為、今まで訪れたことがなかったのである。
おおっ、デカイな!!
そして蔵書数が半端ない。
昔の本って、装丁がレトロでおしゃれだよなーと思いながらヒューゴについていったら、最上階まで上がっていた。
ここは限られた者のみが入ることを許される、特別な部屋らしい。
確かに見るからに貴重な文献が保管されていて、手を触れることすら憚られてしまう。
ヒューゴは宰相の息子ということで、いつでも顔パスで入れるらしい。
私だって、騎士団エリアならどこでも入室可能だけどね。
「ここの蔵書は古くて価値があるものばかりだね。保管状態もいいし、この部屋は防音も効いてるみたい」
キョロキョロしながら私が物珍しさに感嘆の声をあげた時だった。
ヒューゴがガチャっと鍵をかけた音が部屋に響いた。
「ルー、君は本当にルーなのか?本当のことを教えてくれ」
ヒューゴは真剣な瞳で、真面目そのものという表情で私を見ている。
怪しんでいるとか、怒っている訳ではなく、ただ疑問に思っていて真実を知りたがっている顔だ。
うん、逃がしてくれたり、誤魔化されてくれる気はなさそうだな。
ずっと気になってたっぽいし。
まあ、自分でも意識して『脱・脳筋』目指してたから当然の結果なんだけど。
さて、どこまで話したもんか……
「なんでそんなことを言うの?私が別人に見えた?」
とりあえず少しはぐらかしてみたら。
「当然だろう。以前のルイーザとは相違点が多すぎる。思考力も着眼点もな」
やったー!!
これは、脳筋イメージを払拭出来たってことじゃないの?
ブラボー、私!!
「で?答えは?俺達が夜会で再会する前に何があった?」
さすがヒューゴ!
私が変わったタイミングまでお見通しとは、おみそれ致しました。
「ヒューの洞察力には脱帽だよ。うちの家族なんて誰も気付いてないのに。でも私はルイーザだよ。前世の記憶を取り戻しただけ」
信じてもらえるかわからないし、気味悪がられるかもしれないが、ヒューゴに黙っているという選択肢はなかった。
この人に勝てるとも思わないし、推しに嘘はつけない。
でも『イケ夢』のゲームのことだけは黙っておくことにした。
自分がゲームの登場人物だなんて、ショックを受けるかもしれないからだ。
「前世の記憶?それを取り戻しただけでそんなに変わるものか?」
「うーん、前世では多分25歳位まで生きてたし、教育も受けてた。短いけど働いた経験もあるし、この世界よりも科学が進んでて、女性が社会に進出してたからかも」
私はざっくりと前世のことを話した。
「なるほどな、別の世界の記憶か……」
ヒューゴが難しい顔をして考え込み始めた。
突然理解しろという方が無理な話だろう。
私は信じてもらえるか不安になりながら、ヒューゴの言葉を待っていた。
「よし!理解した!!よく話してくれたな。今まで一人で抱え込んでいたのか?大変だったな……」
あれ?あっさりと受け入れられてない??
しかも心配までされちゃったよ。
「信じてくれるの?こんな荒唐無稽な話…。気持ち悪くない?」
「何故そう思うんだ?むしろルーの知識は誇るべきものだし、これから役立つこともあるだろう。それに、ルーの根底の性格は全く変わってないぞ?好きなものにまっしぐらで、感情が素直で顔に出るところも以前と同じだ」
「え?私、変わってない?自分では振る舞いも大人っぽくリニューアルしたつもりなんだけど!?」
「いや、確かに話す内容は大人びたが、それ以外はさほど……」
ノォォォォォォ!!
いくら知識が増えても根本的な性格が単純ってことは、つまり根っからの『脳筋』ってことじゃね?
ああ、ガルシアの血が憎い……
ガックリと項垂れた私に、いつの間にか近付いていたヒューゴが頭をポンポンしてくれる。
ポンポンは嬉しいが、私の頑張りは無駄だったのだろうか。
なんだか虚しい……
「俺は素直なルーが可愛いと思っているし昔から好きだけど、それでは駄目なのか?」
「駄目じゃないけど、ヒューにインテリな私を見せて、対等に話してみたかっただけ……」
不貞腐れていたら、クスッと笑う気配と共に、私はヒューゴの長い腕に抱き締められていた。
俯いていた私のオデコが、ヒューゴの胸元にくっついている。
はえ?
何が起きてるんじゃ?
なんかいい匂いがして、ちょっと固いものに包まれてるような?
「ルーは可愛いな。表情が豊かで見ていて飽きない」
「さ、左様でございまふか……」
「ふふっ、うん。それにとても正直だ。ねえ、ルー。さっきはルーが以前と変わらないって言ったけど、少し変わった部分も気が付いたんだ。どこだと思う?」
変わらないけど変わった?
ナゾナゾか!
もう胸がバクバクしちゃって何も考えられないっつーの!!
「自分じゃわからないけど……」
ヒューゴはおもむろに少しだけ私を離すと、私の顎を持って目を合わせた。
ヒィィィ、顎クイ?これが顎クイってやつですか!?
ヒューゴのグレーの瞳に見つめられて、緊張でもう泣きたい。
多分もう泣いてる……
「ルーは昔から鍛え上げられた体の男が好きだと理解していたんだけど、好みが変わったみたいだね?」
ニッと不敵に笑う顔にもときめきそうになるが、これ以上は死ねる。
「…と仰いまふと?」
「だってルー、ムキムキの騎士団員を昔はキラキラした目で見てたのに、さっきは俺の体型を見て満足そうにしてただろう?俺の方が好みならそう言って?言わないと……」
さらに顔が近付いてきて、焦った私は慌てて叫んだ。
「言います、言います!ヒューの細マッチョが大好きなんですーー!!」
ヒューゴの満ち足りた笑みが怖い。
この部屋、防音されてて助かった……
って、たいして遡ってないけどね。
ヒューゴは「少し調べたいことがあってね」と言って、私をこの国で一番大きな図書館へと連れてきた。
図書館!!
それは今の私には非常に興味深くて、またしてもヒューゴのチョイスをぜひ褒め称えたい。
なにしろ記憶が戻る前のルイーザは、まるで読書に興味がなかった為、今まで訪れたことがなかったのである。
おおっ、デカイな!!
そして蔵書数が半端ない。
昔の本って、装丁がレトロでおしゃれだよなーと思いながらヒューゴについていったら、最上階まで上がっていた。
ここは限られた者のみが入ることを許される、特別な部屋らしい。
確かに見るからに貴重な文献が保管されていて、手を触れることすら憚られてしまう。
ヒューゴは宰相の息子ということで、いつでも顔パスで入れるらしい。
私だって、騎士団エリアならどこでも入室可能だけどね。
「ここの蔵書は古くて価値があるものばかりだね。保管状態もいいし、この部屋は防音も効いてるみたい」
キョロキョロしながら私が物珍しさに感嘆の声をあげた時だった。
ヒューゴがガチャっと鍵をかけた音が部屋に響いた。
「ルー、君は本当にルーなのか?本当のことを教えてくれ」
ヒューゴは真剣な瞳で、真面目そのものという表情で私を見ている。
怪しんでいるとか、怒っている訳ではなく、ただ疑問に思っていて真実を知りたがっている顔だ。
うん、逃がしてくれたり、誤魔化されてくれる気はなさそうだな。
ずっと気になってたっぽいし。
まあ、自分でも意識して『脱・脳筋』目指してたから当然の結果なんだけど。
さて、どこまで話したもんか……
「なんでそんなことを言うの?私が別人に見えた?」
とりあえず少しはぐらかしてみたら。
「当然だろう。以前のルイーザとは相違点が多すぎる。思考力も着眼点もな」
やったー!!
これは、脳筋イメージを払拭出来たってことじゃないの?
ブラボー、私!!
「で?答えは?俺達が夜会で再会する前に何があった?」
さすがヒューゴ!
私が変わったタイミングまでお見通しとは、おみそれ致しました。
「ヒューの洞察力には脱帽だよ。うちの家族なんて誰も気付いてないのに。でも私はルイーザだよ。前世の記憶を取り戻しただけ」
信じてもらえるかわからないし、気味悪がられるかもしれないが、ヒューゴに黙っているという選択肢はなかった。
この人に勝てるとも思わないし、推しに嘘はつけない。
でも『イケ夢』のゲームのことだけは黙っておくことにした。
自分がゲームの登場人物だなんて、ショックを受けるかもしれないからだ。
「前世の記憶?それを取り戻しただけでそんなに変わるものか?」
「うーん、前世では多分25歳位まで生きてたし、教育も受けてた。短いけど働いた経験もあるし、この世界よりも科学が進んでて、女性が社会に進出してたからかも」
私はざっくりと前世のことを話した。
「なるほどな、別の世界の記憶か……」
ヒューゴが難しい顔をして考え込み始めた。
突然理解しろという方が無理な話だろう。
私は信じてもらえるか不安になりながら、ヒューゴの言葉を待っていた。
「よし!理解した!!よく話してくれたな。今まで一人で抱え込んでいたのか?大変だったな……」
あれ?あっさりと受け入れられてない??
しかも心配までされちゃったよ。
「信じてくれるの?こんな荒唐無稽な話…。気持ち悪くない?」
「何故そう思うんだ?むしろルーの知識は誇るべきものだし、これから役立つこともあるだろう。それに、ルーの根底の性格は全く変わってないぞ?好きなものにまっしぐらで、感情が素直で顔に出るところも以前と同じだ」
「え?私、変わってない?自分では振る舞いも大人っぽくリニューアルしたつもりなんだけど!?」
「いや、確かに話す内容は大人びたが、それ以外はさほど……」
ノォォォォォォ!!
いくら知識が増えても根本的な性格が単純ってことは、つまり根っからの『脳筋』ってことじゃね?
ああ、ガルシアの血が憎い……
ガックリと項垂れた私に、いつの間にか近付いていたヒューゴが頭をポンポンしてくれる。
ポンポンは嬉しいが、私の頑張りは無駄だったのだろうか。
なんだか虚しい……
「俺は素直なルーが可愛いと思っているし昔から好きだけど、それでは駄目なのか?」
「駄目じゃないけど、ヒューにインテリな私を見せて、対等に話してみたかっただけ……」
不貞腐れていたら、クスッと笑う気配と共に、私はヒューゴの長い腕に抱き締められていた。
俯いていた私のオデコが、ヒューゴの胸元にくっついている。
はえ?
何が起きてるんじゃ?
なんかいい匂いがして、ちょっと固いものに包まれてるような?
「ルーは可愛いな。表情が豊かで見ていて飽きない」
「さ、左様でございまふか……」
「ふふっ、うん。それにとても正直だ。ねえ、ルー。さっきはルーが以前と変わらないって言ったけど、少し変わった部分も気が付いたんだ。どこだと思う?」
変わらないけど変わった?
ナゾナゾか!
もう胸がバクバクしちゃって何も考えられないっつーの!!
「自分じゃわからないけど……」
ヒューゴはおもむろに少しだけ私を離すと、私の顎を持って目を合わせた。
ヒィィィ、顎クイ?これが顎クイってやつですか!?
ヒューゴのグレーの瞳に見つめられて、緊張でもう泣きたい。
多分もう泣いてる……
「ルーは昔から鍛え上げられた体の男が好きだと理解していたんだけど、好みが変わったみたいだね?」
ニッと不敵に笑う顔にもときめきそうになるが、これ以上は死ねる。
「…と仰いまふと?」
「だってルー、ムキムキの騎士団員を昔はキラキラした目で見てたのに、さっきは俺の体型を見て満足そうにしてただろう?俺の方が好みならそう言って?言わないと……」
さらに顔が近付いてきて、焦った私は慌てて叫んだ。
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