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ヨンサン、活躍する その1
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ミセイエルのペントハウスの暗証番号はもちろん知っているし、マンションのコンセルジュとも顔なじみだ。
軽々と難関セキュリティをクリアしたはずが、玄関の扉が開かない。
「奥様は只今臥せっておいでになりますので、誰にもお会いになりません」
無情に返されるメイド頭の対応。
これでもミセイエルの右腕としてかなり多忙である。
何処にいるのですか?としつこく聞く秘書を説き伏せ、SPを撒いてようやくたどり着いたというのに、だ。
「クソ!またここでも足止めか?ハァ~」
ののしり言葉とため息が同時に出る。
また、というのにも理由があった。
出がけに、まだ内密だがと言って炎家の当主から報告兼相談の電話を受けた。
「デリカに晴天を呼び込もうとしたがうまくいかない」
「うまくいかない?て?」
「言葉どおりだ。天候に干渉できない。この程度の干渉が上手くいかないんだ。まあ、ゼウス様が乗り出せばどうということもないのだろうが。もしかしてゼウス様の意図が働いているのではないかと思って。当家はゼウス様の不興を買った覚えはないのだがな。何か知らないか?」
ここ1ヵ月のミセイエルの纏う空気は冷酷だ。
加えてカンナ殿での混乱で、責任を取った形でアサファが天界での謹慎を言い渡されたこともあって、天界人はミセイエルの機嫌を必要以上に気にしていた。
それはないと不興の件は否定しておいたが、随分落ち込んでいる。
炎家の当主は世代交代をしたばかりでまだ若く確か30前後だったか?
しかし仮にも家宝に認められた人物で、能力が低いなどとは考えにくい。
そっちの調査も必要か?
ああ、どいつもこいつもしけた面しやがって。俺にばかり問題を持ってくるなよ。こっちの方が泣きたくなるワ。
独語を並べながら呼び鈴を押し続ける。
「ラン、頼むよ。開けてくれ。ミセイエルには内緒なんだ。こんなところで押し問答をしたことがばれたら、天地が揺れる。中で話だけでも聞いてくれ」
ガチャリ。
持ち前の強引さと粘り強さと低空姿勢で何度もお願いをすると、やっと扉が開いた。
中に入ればこっちのもの。
お茶を準備いたしますのでここでお待ちを、といわれ応接室で一人になるとすぐさま行動を開始した。
南側に面した見晴らしのいいリビングにも、オシャレなダイニングにも、主寝室にも彼女はいない。
ここ最近外出した形跡はないと報告を受けているから絶対にいるはずなのだが。
途中、俺の行動に気がついたランが、”やめてください”といいながら後ろをついて来る。
”まあまあ”となだめながら高価な装飾品の置かれた部屋を次々覗くが発見できない。
どうしたものかと考え込んだ俺を抜き去ってランが前に出た。
彼女もこの状況に頭を痛めていたようでどこかに突破口を求めていたふしがある。
俺を先導する形で奥の奥にあるクローゼットの前に立ち人差指を立ててドアを眺める。
ここです。
えっ?ここって物置だろ?
頷いて肯定するランを見て、取っ手に手をかけてそっと押し開く。
その中は、これまでの高級感に溢れたモダンな装いとはかけ離れたものだった。
空き箱をひっくり返して小花模様の布が掛けてあるテーブルもどきには手つかずのティカップが乗っていた。
それを見たランが眉を顰め住人を諌める。
「せめてお茶だけでも召し上がってください」
服も小物もリサイクル使用の空き箱に整理されている。
少ない家具はすべて中古品で、古びた傷を隠すために可愛い布が掛けられてそれなりにカントリー調の心地よい空間になってはいるが・・・
後からランに聞いたのだがここに置かれている家具はすべてネットの『譲ってくださいコーナー』で手に入れたもので。
彼女曰く『居候の私はあまり貯金が無いんです。パートは無理そうだから、どこかに内職でもないですか』と言ったそうだ。
ミセイエルの妻が西日の当たるクローゼットに住んで、お金がなくて家具が買えないからパートに行きたい?って・・・
ウソだろう!アイツそこまで彼女を憎んでいたのか?
何処から拾ってきた?と思えるような小さな椅子に座って明り取りの窓に顔をくっつけていた少女が振り返り、慌てて涙を拭く。
木綿のワンピースにお下げ髪、彼女の顔には化粧っけはなく、泣きはらした大きな目と涙の痕のせいで小柄な彼女はまるでやつれた小さな子供のように見えた。
これが2ヶ月前に居並ぶ天界人の前で堂々とミセイエルの前に立ち、負の感情で見つめる自分達を強い意志で跳ね返した女と同一人物か?
”私は渋々ここに参りましたーーー”と自分の立場を宣言し要求を突きつけた姿に、何だこのKYな女は?と内心突っ込んだが。
あの時とは打って変わって弱々しい声だった。
「あなたは?」
「僕は…」
すぐに答えられなかったヨンサンを見てハナが悲しい笑みを浮かべる。
「覚えてないよね?ヨークシャーのカナン殿で会ってるんだけど」
正確にはこちらが拝謁を許されたレベルなのだが。
小さな笑みが苦痛に歪んで黒い目に涙が溜まる。
「リークグループの人?ですか?」
頷くと溜まった涙が頬を伝う。
「ごめんなさい」
消え入るような声だった。
新聞雑誌で書きたてられた”財産目当で結婚した身の程知らずな強欲な女”にはとても見えない。
彼女は何度もごめんなさいを繰り返す。
「ごめんなさい。このスキャンダルであなたの仕事に支障は出ていませんか?ミセイエルさんの妻だと名乗るなと言われていたのに、あんな表舞台に立ってしまって。おまけに言われるままにここに住んで。絶対に守りたいと思っていた人たちを傷つけて。彼の会社の方達にまで迷惑をかけて・・・」
涙声で詰り詰りしゃべりながら滂沱の涙をこぼす。
「全部私のせい、です。私が無知だったせいです。ごめんなさい」
目の前で己を責めて謝る女は、自分が持っていた身の程知らずで我儘なイメージとはあまりにもかけ離れていて混乱する。
「無知だったって、ミセイエルがすごく特殊な存在で、その妻にはよほどの資質が要求されることぐらい子供でも知っているだろ」
「ええ、それは後から聞きました。私はここで育ちませんでしたから」
「ここで育たなかった?って?君はリュウオンのハトコでユークシャス育ちじゃないってこと?ちゃんと説明してよ」
唇を噛んだ少女の視線が心の迷いを表わすように周巡する。
長い沈黙を根気よく待っていると、少女はやっと重い口を開いた。
「・・・5ヶ月前に叔母を尋ねて飛行機の乗ったらこちらの世界に迷い込んでしまったんです」
「こちらに迷い込んだって、君はあちらの世界から来たってこと?」
「そう。叔母は若い時にこちらに迷い込んでこちらの方と結婚したんです。それでも時々は私の様子を見に来てくれたし、春になるといつも遊びに来ていて、こちらの世界には知り合いもいたんです」
またそんな、いい加減なことを。
「こちらとあちらはそんなに簡単に行き来は出来ないよ。そんなことが出来るのはゼウスの能力を持った者ぐらいで・・・」
そこまで言ってヨンサンはハッとした。
「叔母様って、まさかリオン様か?彼女の姪なのか?!!リュウオンのハトコではなくって!!?」
「・・・今は・・・忘れられてしまったけれど・・・」
そう言って嗚咽を漏らすがかまってなどいられない。
「君の正体はミセイエルと因縁のあるリオン様の姪?それなのにミセイエルと結婚を承諾した?」
「知らなかったの。ミセイエルさんがゼウスだなんて。しかも彼のお母さまと叔母の間に確執があったなんて」
まあ天界人でも中枢にいなければ確執について知る者は少ないが・・・
ただ記憶を失うほど悲しんだ叔母の、やっと馴染んだ地上での生活を守りたかったのだという。
そのために籍を貸すことぐらいどうってことはなかったと。
「落花だとばれたら叔母は職を失うし、私にもちゃんとした保証人が必要だったの。秘密は守るし、保証人にもなるといわれて、この結婚に頷いてしまったの。身の程知らずよね」
その答えにヨンサンが呆れたように尋ねる。
「知らなかったって、ミセイエルの結婚は新聞や雑誌に載ったしテレビでも報道されたよね」
そういわれてハナが照れたように自笑を浮かべた。
「周りは騒いでたけれど、ミセイエルさんには興味なかったし」
興味なかった?おいおいどんな価値観と感性しをてるんだ?
「3月にデリカの空港で会った時も、結婚の申し込みに来た時も、新聞に書かれてあるような偉い人のイメージはなかったし、季節外れのお花見をした時に名前を聞かされても同一人物とは思わなかったの。今考えると随分鈍いわね」
話したことで気持ちが軽くなったのか、少しだけ空気が明るい。
3月に空港で会った!!?季節外れの花見をしたって!!?冗談だろう!!!!!
目を剥くほど驚いたヨンサンに、全く無頓着なハナが状況を説明する。
「自分の結婚相手がリークグループの総帥で天界人の権力者だと気づいたのが、タカネ・コートのあの場面で高飛車で傲慢な態度を、彼に向けた時でした」
彼?
「天界での彼の立場もコウレイさんから十分に説明して頂きましたし、やっと自分の立場と彼の立場と、自分がしたことが理解できたから」
オレと話すことで気持ちを整理できたようで落ち着いた声で彼女がいう。
「私、ご迷惑をかけた皆さんに謝罪したら、・・・」
「したら、何?」
「神の山町に、あちらの世界に帰りたい」
あらぬ方向に背中を押してメガトン級の地雷を踏んだのか?オレ?
もう、ホントにこちらが気絶シ・タ・イ!
軽々と難関セキュリティをクリアしたはずが、玄関の扉が開かない。
「奥様は只今臥せっておいでになりますので、誰にもお会いになりません」
無情に返されるメイド頭の対応。
これでもミセイエルの右腕としてかなり多忙である。
何処にいるのですか?としつこく聞く秘書を説き伏せ、SPを撒いてようやくたどり着いたというのに、だ。
「クソ!またここでも足止めか?ハァ~」
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また、というのにも理由があった。
出がけに、まだ内密だがと言って炎家の当主から報告兼相談の電話を受けた。
「デリカに晴天を呼び込もうとしたがうまくいかない」
「うまくいかない?て?」
「言葉どおりだ。天候に干渉できない。この程度の干渉が上手くいかないんだ。まあ、ゼウス様が乗り出せばどうということもないのだろうが。もしかしてゼウス様の意図が働いているのではないかと思って。当家はゼウス様の不興を買った覚えはないのだがな。何か知らないか?」
ここ1ヵ月のミセイエルの纏う空気は冷酷だ。
加えてカンナ殿での混乱で、責任を取った形でアサファが天界での謹慎を言い渡されたこともあって、天界人はミセイエルの機嫌を必要以上に気にしていた。
それはないと不興の件は否定しておいたが、随分落ち込んでいる。
炎家の当主は世代交代をしたばかりでまだ若く確か30前後だったか?
しかし仮にも家宝に認められた人物で、能力が低いなどとは考えにくい。
そっちの調査も必要か?
ああ、どいつもこいつもしけた面しやがって。俺にばかり問題を持ってくるなよ。こっちの方が泣きたくなるワ。
独語を並べながら呼び鈴を押し続ける。
「ラン、頼むよ。開けてくれ。ミセイエルには内緒なんだ。こんなところで押し問答をしたことがばれたら、天地が揺れる。中で話だけでも聞いてくれ」
ガチャリ。
持ち前の強引さと粘り強さと低空姿勢で何度もお願いをすると、やっと扉が開いた。
中に入ればこっちのもの。
お茶を準備いたしますのでここでお待ちを、といわれ応接室で一人になるとすぐさま行動を開始した。
南側に面した見晴らしのいいリビングにも、オシャレなダイニングにも、主寝室にも彼女はいない。
ここ最近外出した形跡はないと報告を受けているから絶対にいるはずなのだが。
途中、俺の行動に気がついたランが、”やめてください”といいながら後ろをついて来る。
”まあまあ”となだめながら高価な装飾品の置かれた部屋を次々覗くが発見できない。
どうしたものかと考え込んだ俺を抜き去ってランが前に出た。
彼女もこの状況に頭を痛めていたようでどこかに突破口を求めていたふしがある。
俺を先導する形で奥の奥にあるクローゼットの前に立ち人差指を立ててドアを眺める。
ここです。
えっ?ここって物置だろ?
頷いて肯定するランを見て、取っ手に手をかけてそっと押し開く。
その中は、これまでの高級感に溢れたモダンな装いとはかけ離れたものだった。
空き箱をひっくり返して小花模様の布が掛けてあるテーブルもどきには手つかずのティカップが乗っていた。
それを見たランが眉を顰め住人を諌める。
「せめてお茶だけでも召し上がってください」
服も小物もリサイクル使用の空き箱に整理されている。
少ない家具はすべて中古品で、古びた傷を隠すために可愛い布が掛けられてそれなりにカントリー調の心地よい空間になってはいるが・・・
後からランに聞いたのだがここに置かれている家具はすべてネットの『譲ってくださいコーナー』で手に入れたもので。
彼女曰く『居候の私はあまり貯金が無いんです。パートは無理そうだから、どこかに内職でもないですか』と言ったそうだ。
ミセイエルの妻が西日の当たるクローゼットに住んで、お金がなくて家具が買えないからパートに行きたい?って・・・
ウソだろう!アイツそこまで彼女を憎んでいたのか?
何処から拾ってきた?と思えるような小さな椅子に座って明り取りの窓に顔をくっつけていた少女が振り返り、慌てて涙を拭く。
木綿のワンピースにお下げ髪、彼女の顔には化粧っけはなく、泣きはらした大きな目と涙の痕のせいで小柄な彼女はまるでやつれた小さな子供のように見えた。
これが2ヶ月前に居並ぶ天界人の前で堂々とミセイエルの前に立ち、負の感情で見つめる自分達を強い意志で跳ね返した女と同一人物か?
”私は渋々ここに参りましたーーー”と自分の立場を宣言し要求を突きつけた姿に、何だこのKYな女は?と内心突っ込んだが。
あの時とは打って変わって弱々しい声だった。
「あなたは?」
「僕は…」
すぐに答えられなかったヨンサンを見てハナが悲しい笑みを浮かべる。
「覚えてないよね?ヨークシャーのカナン殿で会ってるんだけど」
正確にはこちらが拝謁を許されたレベルなのだが。
小さな笑みが苦痛に歪んで黒い目に涙が溜まる。
「リークグループの人?ですか?」
頷くと溜まった涙が頬を伝う。
「ごめんなさい」
消え入るような声だった。
新聞雑誌で書きたてられた”財産目当で結婚した身の程知らずな強欲な女”にはとても見えない。
彼女は何度もごめんなさいを繰り返す。
「ごめんなさい。このスキャンダルであなたの仕事に支障は出ていませんか?ミセイエルさんの妻だと名乗るなと言われていたのに、あんな表舞台に立ってしまって。おまけに言われるままにここに住んで。絶対に守りたいと思っていた人たちを傷つけて。彼の会社の方達にまで迷惑をかけて・・・」
涙声で詰り詰りしゃべりながら滂沱の涙をこぼす。
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「無知だったって、ミセイエルがすごく特殊な存在で、その妻にはよほどの資質が要求されることぐらい子供でも知っているだろ」
「ええ、それは後から聞きました。私はここで育ちませんでしたから」
「ここで育たなかった?って?君はリュウオンのハトコでユークシャス育ちじゃないってこと?ちゃんと説明してよ」
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長い沈黙を根気よく待っていると、少女はやっと重い口を開いた。
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「こちらに迷い込んだって、君はあちらの世界から来たってこと?」
「そう。叔母は若い時にこちらに迷い込んでこちらの方と結婚したんです。それでも時々は私の様子を見に来てくれたし、春になるといつも遊びに来ていて、こちらの世界には知り合いもいたんです」
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そこまで言ってヨンサンはハッとした。
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「・・・今は・・・忘れられてしまったけれど・・・」
そう言って嗚咽を漏らすがかまってなどいられない。
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「知らなかったの。ミセイエルさんがゼウスだなんて。しかも彼のお母さまと叔母の間に確執があったなんて」
まあ天界人でも中枢にいなければ確執について知る者は少ないが・・・
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「知らなかったって、ミセイエルの結婚は新聞や雑誌に載ったしテレビでも報道されたよね」
そういわれてハナが照れたように自笑を浮かべた。
「周りは騒いでたけれど、ミセイエルさんには興味なかったし」
興味なかった?おいおいどんな価値観と感性しをてるんだ?
「3月にデリカの空港で会った時も、結婚の申し込みに来た時も、新聞に書かれてあるような偉い人のイメージはなかったし、季節外れのお花見をした時に名前を聞かされても同一人物とは思わなかったの。今考えると随分鈍いわね」
話したことで気持ちが軽くなったのか、少しだけ空気が明るい。
3月に空港で会った!!?季節外れの花見をしたって!!?冗談だろう!!!!!
目を剥くほど驚いたヨンサンに、全く無頓着なハナが状況を説明する。
「自分の結婚相手がリークグループの総帥で天界人の権力者だと気づいたのが、タカネ・コートのあの場面で高飛車で傲慢な態度を、彼に向けた時でした」
彼?
「天界での彼の立場もコウレイさんから十分に説明して頂きましたし、やっと自分の立場と彼の立場と、自分がしたことが理解できたから」
オレと話すことで気持ちを整理できたようで落ち着いた声で彼女がいう。
「私、ご迷惑をかけた皆さんに謝罪したら、・・・」
「したら、何?」
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