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ヨンサン、活躍する その2
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彼女の出した提案に目を剥く。
「天界人で嶺家のヨンサン・リーツという人を知りませんか?私その人に会いたいんです」
「会いたいって、会ってどうするの?」
「私をあちらの世界に送り返してって頼んでみようと思うんです」
やっぱりか!冗談じゃない、オレだって命はおしいです。そんな事に加担したら確実に嶺家がつぶれます。
「ミセイエルには頼んでみた?」
ハナが首を横に振る。
「ミセイエルさんは私をよく思っていないから希望なんて叶えてくれません。頼むならリークグループのヨンサン・リーツさんにお願いするのがベストだと聞いて、あっ・・・」
いったい誰が言ったの?そんなこと?
失言に、あっ 、と声を出して再び沈黙・・・
あっさり諦めて洗いざらい白状しなよ。
俯いた顔を下から覗き込んで視線を合わせる。
小さな息を一つ吐いた彼女がボソリと話し始めた。
「先日お見えになっったコウレイさんです。天界のことも色々教えていただきました」
やっぱりか!今度の一族会議で絶対絞める!
ここで一息入れなければ先に進めないといった感じで沈黙するハナにヨンサンが先を促す。
「それでコウレイが何を言ったの?」
彼女の言ったことは、一利あるし、あの毎日のように流れる桜家に対するバッシングより1000倍もましだった。
コウレイのことは胸に突き刺さるが、まだ耐えられた。
三文紙にハナとミセイエルの結婚が愛情からではなく、”ミセイエルの気まぐれとハナの策略にひっかかった”と書きたてられてしばらくして彼女はやって来た。
玄関を開けると、見事なプロポーションに深紅のドレスを纏った綺麗な人が顔を歪めて立っていた。
「失礼ですが、どちら様ですか?」
彼女はハナの問いかに完全無視を決め込んで右手を構えてから怒鳴った。
「この、どろぼうネコ!」
そして構えた右手を振り下ろすと、右頬にバチンという乾いた音が響く。
イッタぁ~
呆気にとられながらも右頬に手を当て冷静さを装おう。
「どういうご用件でしょう?」
中からランが飛んで出てきて追い返そうとするのを制し、中で話を聞くことにする。
彼女は、嶺家のコウレイ・リーツと名乗り、ミセイエルの婚約者だという。
態度もお嬢様らしく高飛車で、案内された応接室には入らずにハナを連れまわしながら、聞くに堪えないことをのたまわった。
「この部屋の壁紙は特に気に入っているの。浮き出たバラが素敵でしょ」
私の好みではありません。
「ああ、このテーブルは有名な家具作家の一点物よ」
テーブルは清潔でお茶が置ければ十分です。
心の中で反論を繰り返していると、主寝室に到達してドアを開け中を覗いて感嘆のため息を吐く。
恥ずかしげもなくスタスタと歩いてベッドに仰向けになるとニヤリと笑った。
「このベッドも私が、彼におねだりしたものよ。広くて寝心地が抜群でしょ。この上では彼はとっても情熱的で、私の肌にいくつもの赤いバラの花を咲かすのが得意なの」
ああ、そうですか。
そして彼はね、とSEXの様子を事細かく赤裸々に語った。
さすがにこれには絶句。
「私の使い古しのベッドの使い心地はどう?ミセイエルはテクニシャンでしょ?」
お答えのしようがありません。
極めつけは、ハナの居室を見つけて、そこにあるテーブルや椅子を何気になぎ倒して、こんな下品なものをこの家に入れたあなたの品格を疑うと、下種に微笑まれてしまった。
あげく、とっても嬉しそうな上から目線で、可哀そうにを連発されて、あちらの世界に飛ばしてさしあげたいわ!と(ウソ)泣かれてしまった。
それまで、されるがまま、言われるままになっていたが、一言釘を刺さねば。
玄関で見送る際に、瞳を上げてコウレイを見据えた。
「私のことはどんな風に言ってもかまいません。ですが叔母や、桜家の皆さんを悪くいう事だけは許しません」
毅然とした一言に、コウレイの唇が底意地の悪い歪み方をした、らしい。(ランの見解)
「そう、わかったわ」
そして数日後に起こった彼らに対するバッシングの嵐に、ハナは放心した。
気がつけば、がっちりとした男が辛抱強くサファイヤブルーの瞳を向けていて、ハナは慌てて本題にもどる。
「例えば、私が彼と結婚しなければ桜家の貴品はすんなりとオウカ・リンという名前を頂けて桜家が恥をかくこともなかったし。
ゼウス様に意見したという理由でアサファ様が謹慎をもらう事もなかったし。
リンさんの面目を潰すこともなかったし・・・」
ハナの目からまた涙が流れる。
「リンさんは私を助けてくれた恩人で、アサファさんは私の初恋の人です。離れていてもずっと好きで、忘れられない大事な人なのに。なのにあんな形で傷つけてしまって。
もう、私最低のヤツです。2人に合わせる顔がありません」
ちょっとまて!?先ほど話題に上った”彼”って、桜家のアサファ?か?
「桜家や、ミセイエルへのバッシングの前に君も相当ひどいことを書かれてるよね。それについてどう思ってるの?」
聞くと、あれは事実ですから、と、苦なく答えた。
自分のことは棚に上げ、傷ついた他人を思って、ただただ自分を責めて泣くハナを見てすべてを理解した。
彼女は自分よりも彼が大事なのか・・・それほどあの男が好きなのか。
ミセイエルが極秘入籍したのも、突然桜家のセレモニーに乗り込んで、アサファをあんな目で睨んだのも、目の前の女を手に入れるためだったんだ。
他の男を思っている彼女を半ば脅して強引に手もとに置いたが、やがて彼女が自分以外の男を思って悲しむようになった。
その姿を見てはいられないが、手放す事も出来ない。
初めは手に入れた愛しい女の下に飛ぶように帰宅していたミセイエルが、あの桜家バッシング報道の後次第に元気を無くして、聞いたことのない弱音まで吐いた理由に察しが付いた。
「コウレイさんに言われました。あんな記事が出てミセイエルさんは意地でも離婚はしないし、あなたは自力であちらの世界に逃げることも出来ないでしょ?気の毒だわ・・・って」
コウレイはそんなことまで言ったのか?
「私に従妹のヨンサンのような力があったら、あなたをこの世界からあちらの世界に飛ばせるのに。悔しいわって」
そこでオレの名前が登場したのね。
「こちらに来たばかりに周りの人を不幸にして、私もうどうしたらいいか・・・。どこに行けばヨンサン・リーツさんに会えるんでしょうか」
目の前にいるっよ!っと突っ込みたいのをグッと堪える。
嗤えるセリフに、わからない、と嘯くと、深い憂いを吐き出すように大きな瞳が涙をこぼす。
「そうだね。ミセイエルは君と離れたくなさそうだから、しばらくはこのままでいいんじゃないの。それにもっと大きな顔をしてミセイエルの妻の座布団に座っていればいいんだよ。言いたい放題の我儘をいったていい。ミセイエルは天地の実力者で権力者だからね。離婚以外の願い事は喜んで叶えてくれるさ」
「でも、ミセイエルさんも、随分と苦しい立場に立ったんじゃありませんか?帰りもいつも深夜ですし、食欲もないみたいで」
以外にヤツのことを心配してる?
「あんなスキャンダルぐらいで揺れるリークグループじゃないさ。第一誰もミセイエルが女に惚れて結婚するなんて端から思っちゃいないから、気まぐれといわれたところで、ごもっともって返すぐらいさ。逆にミセイエルが憤慨してオンリーワンの妻だ、なんてのろけてるところが笑えたぐらいだ。そんな事よりふさぎ込んだ妻が家にいる方がよほど堪えるみたいだよ」
「でも、」
言いかけて躊躇するハナをヨンサンが促す。
「まだ、何かあるのか?」
「でも、コウレイさんのことは?お二人は天界が認めた婚約者なんでしょ?彼女はミセイエルさんの妻になるために小さな頃から努力してきたんでしょ?やっと認められて相思相愛になれたのに、私が現れたからミセイエルさんの気まぐれが再燃したって。コウレイさんに申し訳なくて。 それにリンのためにもここにはいられません」
その一言にヨンサンは呆れた。
「君って子は本当にもう呆れるほどお人よしだね。コウレイが何を言ったかは知らないけれど、天界が認めてもミセイエルが婚約に同意しなければ話は進まない」
「でも・・・」
納得しない彼女にヨンサンは言い募る。
「それに謹慎を食らったアサファは休養が出来て一息ついてるみたいだし、桜家もリンも貴品にオウカ・オウカの名前を頂けたと喜んでいる。それに、」
続く言葉を出すのを躊躇うが。
・・・。まあいいか、と天界の禁句を口にする。
「あの名前は桜家にとって特別な名前だからね」
「特別、ですか?」
「そうさ。別名ダイヤモンド・オウカ。ゼウスをたらしこむ伝説のお姫様の名前。まるで君みたいだ」
誑し込む???って?あれ?似たようなことを言われたような?
微妙なことばで締めくくって、悪戯を仕掛けたようにヨンサンが笑う。
「それより、ハナさん梅干し入りのおむすび作れるでしょ。それを持ってリークビル本社にミセイエルを尋ねて来てよ。それはもう会いたがってるから、きっと喜ぶとおもうよ」
「でも、」
「でも、はナシだ。リークグループの人に謝りたいんだろ。だったらまずミセイエルに面会するんだね。手土産は梅干入りおむすびの入った弁当だからね。
彼は超多忙なんだ。僕も出来るだけ足止めするけど、できるだけ早く会社に来てくれるとありがたいな」
強引に話を進めたヨンサンは風のごとく帰っていった。
(何考えてるの~ヨンサン! でも行動力のある彼はとってもオトコマエです!)
「天界人で嶺家のヨンサン・リーツという人を知りませんか?私その人に会いたいんです」
「会いたいって、会ってどうするの?」
「私をあちらの世界に送り返してって頼んでみようと思うんです」
やっぱりか!冗談じゃない、オレだって命はおしいです。そんな事に加担したら確実に嶺家がつぶれます。
「ミセイエルには頼んでみた?」
ハナが首を横に振る。
「ミセイエルさんは私をよく思っていないから希望なんて叶えてくれません。頼むならリークグループのヨンサン・リーツさんにお願いするのがベストだと聞いて、あっ・・・」
いったい誰が言ったの?そんなこと?
失言に、あっ 、と声を出して再び沈黙・・・
あっさり諦めて洗いざらい白状しなよ。
俯いた顔を下から覗き込んで視線を合わせる。
小さな息を一つ吐いた彼女がボソリと話し始めた。
「先日お見えになっったコウレイさんです。天界のことも色々教えていただきました」
やっぱりか!今度の一族会議で絶対絞める!
ここで一息入れなければ先に進めないといった感じで沈黙するハナにヨンサンが先を促す。
「それでコウレイが何を言ったの?」
彼女の言ったことは、一利あるし、あの毎日のように流れる桜家に対するバッシングより1000倍もましだった。
コウレイのことは胸に突き刺さるが、まだ耐えられた。
三文紙にハナとミセイエルの結婚が愛情からではなく、”ミセイエルの気まぐれとハナの策略にひっかかった”と書きたてられてしばらくして彼女はやって来た。
玄関を開けると、見事なプロポーションに深紅のドレスを纏った綺麗な人が顔を歪めて立っていた。
「失礼ですが、どちら様ですか?」
彼女はハナの問いかに完全無視を決め込んで右手を構えてから怒鳴った。
「この、どろぼうネコ!」
そして構えた右手を振り下ろすと、右頬にバチンという乾いた音が響く。
イッタぁ~
呆気にとられながらも右頬に手を当て冷静さを装おう。
「どういうご用件でしょう?」
中からランが飛んで出てきて追い返そうとするのを制し、中で話を聞くことにする。
彼女は、嶺家のコウレイ・リーツと名乗り、ミセイエルの婚約者だという。
態度もお嬢様らしく高飛車で、案内された応接室には入らずにハナを連れまわしながら、聞くに堪えないことをのたまわった。
「この部屋の壁紙は特に気に入っているの。浮き出たバラが素敵でしょ」
私の好みではありません。
「ああ、このテーブルは有名な家具作家の一点物よ」
テーブルは清潔でお茶が置ければ十分です。
心の中で反論を繰り返していると、主寝室に到達してドアを開け中を覗いて感嘆のため息を吐く。
恥ずかしげもなくスタスタと歩いてベッドに仰向けになるとニヤリと笑った。
「このベッドも私が、彼におねだりしたものよ。広くて寝心地が抜群でしょ。この上では彼はとっても情熱的で、私の肌にいくつもの赤いバラの花を咲かすのが得意なの」
ああ、そうですか。
そして彼はね、とSEXの様子を事細かく赤裸々に語った。
さすがにこれには絶句。
「私の使い古しのベッドの使い心地はどう?ミセイエルはテクニシャンでしょ?」
お答えのしようがありません。
極めつけは、ハナの居室を見つけて、そこにあるテーブルや椅子を何気になぎ倒して、こんな下品なものをこの家に入れたあなたの品格を疑うと、下種に微笑まれてしまった。
あげく、とっても嬉しそうな上から目線で、可哀そうにを連発されて、あちらの世界に飛ばしてさしあげたいわ!と(ウソ)泣かれてしまった。
それまで、されるがまま、言われるままになっていたが、一言釘を刺さねば。
玄関で見送る際に、瞳を上げてコウレイを見据えた。
「私のことはどんな風に言ってもかまいません。ですが叔母や、桜家の皆さんを悪くいう事だけは許しません」
毅然とした一言に、コウレイの唇が底意地の悪い歪み方をした、らしい。(ランの見解)
「そう、わかったわ」
そして数日後に起こった彼らに対するバッシングの嵐に、ハナは放心した。
気がつけば、がっちりとした男が辛抱強くサファイヤブルーの瞳を向けていて、ハナは慌てて本題にもどる。
「例えば、私が彼と結婚しなければ桜家の貴品はすんなりとオウカ・リンという名前を頂けて桜家が恥をかくこともなかったし。
ゼウス様に意見したという理由でアサファ様が謹慎をもらう事もなかったし。
リンさんの面目を潰すこともなかったし・・・」
ハナの目からまた涙が流れる。
「リンさんは私を助けてくれた恩人で、アサファさんは私の初恋の人です。離れていてもずっと好きで、忘れられない大事な人なのに。なのにあんな形で傷つけてしまって。
もう、私最低のヤツです。2人に合わせる顔がありません」
ちょっとまて!?先ほど話題に上った”彼”って、桜家のアサファ?か?
「桜家や、ミセイエルへのバッシングの前に君も相当ひどいことを書かれてるよね。それについてどう思ってるの?」
聞くと、あれは事実ですから、と、苦なく答えた。
自分のことは棚に上げ、傷ついた他人を思って、ただただ自分を責めて泣くハナを見てすべてを理解した。
彼女は自分よりも彼が大事なのか・・・それほどあの男が好きなのか。
ミセイエルが極秘入籍したのも、突然桜家のセレモニーに乗り込んで、アサファをあんな目で睨んだのも、目の前の女を手に入れるためだったんだ。
他の男を思っている彼女を半ば脅して強引に手もとに置いたが、やがて彼女が自分以外の男を思って悲しむようになった。
その姿を見てはいられないが、手放す事も出来ない。
初めは手に入れた愛しい女の下に飛ぶように帰宅していたミセイエルが、あの桜家バッシング報道の後次第に元気を無くして、聞いたことのない弱音まで吐いた理由に察しが付いた。
「コウレイさんに言われました。あんな記事が出てミセイエルさんは意地でも離婚はしないし、あなたは自力であちらの世界に逃げることも出来ないでしょ?気の毒だわ・・・って」
コウレイはそんなことまで言ったのか?
「私に従妹のヨンサンのような力があったら、あなたをこの世界からあちらの世界に飛ばせるのに。悔しいわって」
そこでオレの名前が登場したのね。
「こちらに来たばかりに周りの人を不幸にして、私もうどうしたらいいか・・・。どこに行けばヨンサン・リーツさんに会えるんでしょうか」
目の前にいるっよ!っと突っ込みたいのをグッと堪える。
嗤えるセリフに、わからない、と嘯くと、深い憂いを吐き出すように大きな瞳が涙をこぼす。
「そうだね。ミセイエルは君と離れたくなさそうだから、しばらくはこのままでいいんじゃないの。それにもっと大きな顔をしてミセイエルの妻の座布団に座っていればいいんだよ。言いたい放題の我儘をいったていい。ミセイエルは天地の実力者で権力者だからね。離婚以外の願い事は喜んで叶えてくれるさ」
「でも、ミセイエルさんも、随分と苦しい立場に立ったんじゃありませんか?帰りもいつも深夜ですし、食欲もないみたいで」
以外にヤツのことを心配してる?
「あんなスキャンダルぐらいで揺れるリークグループじゃないさ。第一誰もミセイエルが女に惚れて結婚するなんて端から思っちゃいないから、気まぐれといわれたところで、ごもっともって返すぐらいさ。逆にミセイエルが憤慨してオンリーワンの妻だ、なんてのろけてるところが笑えたぐらいだ。そんな事よりふさぎ込んだ妻が家にいる方がよほど堪えるみたいだよ」
「でも、」
言いかけて躊躇するハナをヨンサンが促す。
「まだ、何かあるのか?」
「でも、コウレイさんのことは?お二人は天界が認めた婚約者なんでしょ?彼女はミセイエルさんの妻になるために小さな頃から努力してきたんでしょ?やっと認められて相思相愛になれたのに、私が現れたからミセイエルさんの気まぐれが再燃したって。コウレイさんに申し訳なくて。 それにリンのためにもここにはいられません」
その一言にヨンサンは呆れた。
「君って子は本当にもう呆れるほどお人よしだね。コウレイが何を言ったかは知らないけれど、天界が認めてもミセイエルが婚約に同意しなければ話は進まない」
「でも・・・」
納得しない彼女にヨンサンは言い募る。
「それに謹慎を食らったアサファは休養が出来て一息ついてるみたいだし、桜家もリンも貴品にオウカ・オウカの名前を頂けたと喜んでいる。それに、」
続く言葉を出すのを躊躇うが。
・・・。まあいいか、と天界の禁句を口にする。
「あの名前は桜家にとって特別な名前だからね」
「特別、ですか?」
「そうさ。別名ダイヤモンド・オウカ。ゼウスをたらしこむ伝説のお姫様の名前。まるで君みたいだ」
誑し込む???って?あれ?似たようなことを言われたような?
微妙なことばで締めくくって、悪戯を仕掛けたようにヨンサンが笑う。
「それより、ハナさん梅干し入りのおむすび作れるでしょ。それを持ってリークビル本社にミセイエルを尋ねて来てよ。それはもう会いたがってるから、きっと喜ぶとおもうよ」
「でも、」
「でも、はナシだ。リークグループの人に謝りたいんだろ。だったらまずミセイエルに面会するんだね。手土産は梅干入りおむすびの入った弁当だからね。
彼は超多忙なんだ。僕も出来るだけ足止めするけど、できるだけ早く会社に来てくれるとありがたいな」
強引に話を進めたヨンサンは風のごとく帰っていった。
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