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ヨンサンの見解と、レオンの見解
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時間をチョイと巻き戻してっと。
突然現れた強引男に気おされて、お弁当を作り始めたハナは置いといて。
ヨンサンは空間移動でリークグループの本社に戻り、回復の兆しの見え始めた空を見上げて胸をなでおろす。
これでレオンもバカなことは考えないだろう。
ミセイエルの御前会議が終わるまで少し時間がある。
ヨンサンは自分の執務室で今までに得た情報を整理し始めた。
あの雨の日のデリカ空港で、ミセイエルがナンパに失敗した相手は間違いなく彼女のはずだ。
あの日からヤツはハナ・コートに強烈に惹かれていたに違いない。
強引な入籍はコウレイをけん制するためではなく、惹かれた女を手に入れるためだったと考えるとしっくりくる。
タカネ・コートで見せた、あの何かが落ちてくるのを嬉しそうに待っていた顔にも納得がいく。
彼女に会いに行くために秘書課泣かせなスケジュール調整をして、彼にとって鬼門と噂されるミハイル宮の使用人達に突然休暇を出して人払い?したのにも驚いたが、宮の桜がたった1日で散っていたのにはひっくり返りそうだったよ。
気は確かか?となじられても涼しい顔で笑っていたっけ。
大きな声では言えないが、今年こそはミハイル宮の桜庭の開放があるかもしれないと内心楽しみにしていた天界人達は随分ガッカリしたんだぞ。
彼女だけに見せたかったのか?
締め出された天界人がゼウスの‘桜家に係わるな‘という無言の圧力だと噂して、どれだけ桜家が迷惑したか。
あの日の天界人の締め出しや僅か1日だけの桜の開花はすべて彼女のためか?
そう考えれば、その頃に、ヤツに梅干し入りのおむすびを食べたことがあるか?と聞かれたことがあったが、あれはあちらの世界からやって来た彼女が作ってミセイエルに食べさせたに違いない。
入れ込みようがハンパない。
もしかしたら、昔から彼女の存在を知っていて、あちらの世界の住人かもしれないと思っていた?
だから戴冠式のセレモニーでリオン様に、あちらの世界に姪はいないのかと、執拗に聞き、その住所に執着したのは、彼女がリオン様の姪だと考えた?からか?
昔から思い続けた彼女の初恋相手がアサファ・オーツだと知っていたなら、桜家に冷徹なのも、アサファを見る目が憎々しいのも合点がいく。
いやはや、彼女はどんだけ天界の麗人(冷人)達を悩ませているんだ?
そこまで考えて、ヨンサンの胸に冷たいものが落ちる。
ちょっと待て!本当に彼らだけか?
確か彼女は5ヶ月前にこちらの世界に迷い込んだといわなかったか?
そしてヨンハの婚約者も5ヵ月前にあちらの世界から来たのではなかったか?
そのヨンハの婚約者のサクラ・タカミネは、今行方不明だ。
天界から転がり落ちて、記憶がないまま、ミセイエルと結婚したなんて偶然はありえない! ・・・、はずだ。
頼むからそんなキツイ冗談は言わないでくれ!
***
仲良く手をつないだ2人が退場したフロアーに佇んでいたレオンは、肩を叩かれても呆然自失だった。
「よ。朝はすまなかったな」
「ああ」
「やっと回復の兆しが見えてきたな」
「ああ」
「嬉しくないのか?」
「ああ」
「おい!」
「ああ」
「・・・。」
バチン
背中で聞こえた派手な音と乾いた痛みに我に返った自分の横にはヨンサンがいた。
「目ぇ、覚めたか?」
「ああ」
大きな図体を屈めて自分を覗く疑わしそうな顔に思わず苦笑いが漏れる。
「よかったな天候が回復して。やっぱり力がどこかで滞っていて、効果が遅れたのか?」
「・・・」
明るい調子で振られたが依然気分は上昇しない。
聞いた男もそれに気づいて質問を重ねる。
「まだ心配か?」
・・・この男の見解を聞いてみるか?
「私の危惧だったとも思えないが、今は様子を見るしかない。それより今から飯食いに行くのか?」
難しい顔のまま話題を変えて、相手にこちらの意図を掴ませないまま話を振る。
「ああ、コンソの弁当もいいが、朝のサボリでリーナの視線が痛すぎて居場所がない。仕方がないから外に行こうかと思って降りて来た」
実際は彼女との接触がばれて、その様子をあれこれ追及されたくないために逃げて来たのではないのか?。
「ちょうどいい。少し付き合ってもらおうか?」
レオンはヨンサンが返事をする前に個室のある料亭に電話をいれた。
突然の話題変更が功を奏し情報収集はうまくいきそうだ。
嫌な予感がするのかヨンサンが顰め面になる。
悪いがお前に拒否権はないよ。
***
ヨンサンとレオンは口の堅い高級料亭の個室で向かい合っいる。
「聞きたいことがあるんだが・・・嶺家の次期に」
やっぱりか!で、何が知りたい?
開口一番そう言った後、しばらく待ったが後が続かない。
この重い空気は、もはやハナ・コートについてしかないか?
やれやれ、リーナからの追及は逃れたが、炎家の当主に捕まったか。
レオンがヨンサンをわざわざ嶺家の次期と呼んだ意味は、嘘や誤魔化しは許さないという無言の圧力だ。
地上では年も近く、気心の知れた友人関係なのだが、天界での現当主と次期の上下関係ははっきりしている。
彼に嶺家の次期当主と呼ばれたからには態度を改める必要があった。
「レオン様は何をお聞きになりたいのでしょうか?」
「ゼウス様の奥方は、何者だ?」
「何者と、申されますと?」
「どんな女にも心惹かれないのがゼウスの資質と言われているはずだ。それが先ほどの様子はもろに恋する男丸出しだった」
誤魔化せないと分かっていて、言ってみる。
「演技では?」
そう答えたヨンサンをレオンが鼻で笑う。
「フン。誤魔化しは無しだ。おまえだって家宝に認められた次期だ。真偽ぐらい見極めているだろ?。朝の野暮用は夫婦喧嘩の仲裁だったのか?」
「どうして、そうお思いになるのですか?」
「ここ1カ月のゼウス様の機嫌の悪さはこれまでにないほどで、周りはその冷気に当たらないように必死だっただろう。それが奥方が訪ねて来た途端春の日差しを纏ったんだ。バカでもわかる」
ううっ。そこまで露骨な態度を見せたのか。あの色ボケは!
うなるヨンサンに知的な光を宿したライトブルーの瞳が語り掛ける。
「まだ18才とお若い奥方は気ままなお一人様生活をお望みだったから、ゼウス様も名前や素性を公表しなかったが、愛しい妻を目の前に我慢しきれずに半ば強制で同居に踏み切った。それがタカネ・コートでの真相ではないか?」
全くそのとおりで・・・はぁ~
さすが現当主。もはや反論の気力もない。
「渋々同居に同意はしたが奥方の気分はふさぐ一方で、そんな奥方を見るにつけ、ゼウス様の心は落ち込み機嫌は悪化の一途をたどる。そこで仲裁に乗り出したのがオマエだったのだろ?」
堅い表情でだんまりを決め込んだヨンサンをレオンは真摯な眼差しで睨み、密やかな声で秘密を打ち明けた。
「そうかたくなるな。妹のシオンが気になることを言ったので、お前の見解を知りたいと思ってランチに誘ったのだ」
「シオン様が?なにを?」
「晴天を呼び込もうとして、イメージをすると、脳内にゼウス様の奥方が現れたと言うんだ」
「ハナ様がですか?」
レオンがしっかりと頷く。
「ああ、彼女が、泣いていると・・・。シオンはタカネ・コートで奥方を見ている。無言で涙を流すのは間違いなくあの方だったと言うのだが」
その言葉に窓の外を眺める少女が振り返った時の泣き顔が思い浮かんだ。
「わたしは、この長雨は奥方に泣かれて落ち込んだゼウス様の心が生んだ無意識な干渉ではないかと推察したのだが。シオンの見解は少し違っている。で、おまえはどう思う?」
「私には何とも・・・」
真実を見極めるという意志に晒されて、ヨンサンの眉がハの字になるのを見て、彼を見つめる強い視線がふわりと緩んだ。
ボソリと零れた言葉にヨンサンの心は塗りつぶされた。
「・・・ハナ様は何者なのだろうな?」
炎家当主の推測は当たらずとも遠からずだが、おそらく真実は少し違う。
いや、もう一方の方は当たっているのか。
ミセイエルか?それとも奥方か?
レオンが、自分たちの力を封じ込めた人物を確かめるためにオレを食事に誘ったのだと今ならわかる。
自分がミセイエルのペントハウスを出た時、すでに雨は上がったいた。
その時刻にミセイエルの心はまだ落ち込んでいたはずで、彼の無意識の干渉で雨が続いたと仮説を立てるのには無理がある。
それよりもハナの気持ちと同化した天候の変化だと考えた方がしっくりくる。
カマをかけられてまんまと術中に嵌り、午前中の推測が浮かんで困惑したオレを見てあの男も天候に干渉したのは彼女だと結論づけたはずだ。
自身が導き出した仮説にヨンサンは頭を抱えた。
マジ、カンベン!!!!!
ゼウスの心を動かし、自分の気持ちのままに5族当主の特殊能力に干渉できるそんな女の呼び名なんて一つしかないよ!
まさかの・・・マジで・・・伝説のお姫様・・・?なんてのが存在しやがったのか?
突然現れた強引男に気おされて、お弁当を作り始めたハナは置いといて。
ヨンサンは空間移動でリークグループの本社に戻り、回復の兆しの見え始めた空を見上げて胸をなでおろす。
これでレオンもバカなことは考えないだろう。
ミセイエルの御前会議が終わるまで少し時間がある。
ヨンサンは自分の執務室で今までに得た情報を整理し始めた。
あの雨の日のデリカ空港で、ミセイエルがナンパに失敗した相手は間違いなく彼女のはずだ。
あの日からヤツはハナ・コートに強烈に惹かれていたに違いない。
強引な入籍はコウレイをけん制するためではなく、惹かれた女を手に入れるためだったと考えるとしっくりくる。
タカネ・コートで見せた、あの何かが落ちてくるのを嬉しそうに待っていた顔にも納得がいく。
彼女に会いに行くために秘書課泣かせなスケジュール調整をして、彼にとって鬼門と噂されるミハイル宮の使用人達に突然休暇を出して人払い?したのにも驚いたが、宮の桜がたった1日で散っていたのにはひっくり返りそうだったよ。
気は確かか?となじられても涼しい顔で笑っていたっけ。
大きな声では言えないが、今年こそはミハイル宮の桜庭の開放があるかもしれないと内心楽しみにしていた天界人達は随分ガッカリしたんだぞ。
彼女だけに見せたかったのか?
締め出された天界人がゼウスの‘桜家に係わるな‘という無言の圧力だと噂して、どれだけ桜家が迷惑したか。
あの日の天界人の締め出しや僅か1日だけの桜の開花はすべて彼女のためか?
そう考えれば、その頃に、ヤツに梅干し入りのおむすびを食べたことがあるか?と聞かれたことがあったが、あれはあちらの世界からやって来た彼女が作ってミセイエルに食べさせたに違いない。
入れ込みようがハンパない。
もしかしたら、昔から彼女の存在を知っていて、あちらの世界の住人かもしれないと思っていた?
だから戴冠式のセレモニーでリオン様に、あちらの世界に姪はいないのかと、執拗に聞き、その住所に執着したのは、彼女がリオン様の姪だと考えた?からか?
昔から思い続けた彼女の初恋相手がアサファ・オーツだと知っていたなら、桜家に冷徹なのも、アサファを見る目が憎々しいのも合点がいく。
いやはや、彼女はどんだけ天界の麗人(冷人)達を悩ませているんだ?
そこまで考えて、ヨンサンの胸に冷たいものが落ちる。
ちょっと待て!本当に彼らだけか?
確か彼女は5ヶ月前にこちらの世界に迷い込んだといわなかったか?
そしてヨンハの婚約者も5ヵ月前にあちらの世界から来たのではなかったか?
そのヨンハの婚約者のサクラ・タカミネは、今行方不明だ。
天界から転がり落ちて、記憶がないまま、ミセイエルと結婚したなんて偶然はありえない! ・・・、はずだ。
頼むからそんなキツイ冗談は言わないでくれ!
***
仲良く手をつないだ2人が退場したフロアーに佇んでいたレオンは、肩を叩かれても呆然自失だった。
「よ。朝はすまなかったな」
「ああ」
「やっと回復の兆しが見えてきたな」
「ああ」
「嬉しくないのか?」
「ああ」
「おい!」
「ああ」
「・・・。」
バチン
背中で聞こえた派手な音と乾いた痛みに我に返った自分の横にはヨンサンがいた。
「目ぇ、覚めたか?」
「ああ」
大きな図体を屈めて自分を覗く疑わしそうな顔に思わず苦笑いが漏れる。
「よかったな天候が回復して。やっぱり力がどこかで滞っていて、効果が遅れたのか?」
「・・・」
明るい調子で振られたが依然気分は上昇しない。
聞いた男もそれに気づいて質問を重ねる。
「まだ心配か?」
・・・この男の見解を聞いてみるか?
「私の危惧だったとも思えないが、今は様子を見るしかない。それより今から飯食いに行くのか?」
難しい顔のまま話題を変えて、相手にこちらの意図を掴ませないまま話を振る。
「ああ、コンソの弁当もいいが、朝のサボリでリーナの視線が痛すぎて居場所がない。仕方がないから外に行こうかと思って降りて来た」
実際は彼女との接触がばれて、その様子をあれこれ追及されたくないために逃げて来たのではないのか?。
「ちょうどいい。少し付き合ってもらおうか?」
レオンはヨンサンが返事をする前に個室のある料亭に電話をいれた。
突然の話題変更が功を奏し情報収集はうまくいきそうだ。
嫌な予感がするのかヨンサンが顰め面になる。
悪いがお前に拒否権はないよ。
***
ヨンサンとレオンは口の堅い高級料亭の個室で向かい合っいる。
「聞きたいことがあるんだが・・・嶺家の次期に」
やっぱりか!で、何が知りたい?
開口一番そう言った後、しばらく待ったが後が続かない。
この重い空気は、もはやハナ・コートについてしかないか?
やれやれ、リーナからの追及は逃れたが、炎家の当主に捕まったか。
レオンがヨンサンをわざわざ嶺家の次期と呼んだ意味は、嘘や誤魔化しは許さないという無言の圧力だ。
地上では年も近く、気心の知れた友人関係なのだが、天界での現当主と次期の上下関係ははっきりしている。
彼に嶺家の次期当主と呼ばれたからには態度を改める必要があった。
「レオン様は何をお聞きになりたいのでしょうか?」
「ゼウス様の奥方は、何者だ?」
「何者と、申されますと?」
「どんな女にも心惹かれないのがゼウスの資質と言われているはずだ。それが先ほどの様子はもろに恋する男丸出しだった」
誤魔化せないと分かっていて、言ってみる。
「演技では?」
そう答えたヨンサンをレオンが鼻で笑う。
「フン。誤魔化しは無しだ。おまえだって家宝に認められた次期だ。真偽ぐらい見極めているだろ?。朝の野暮用は夫婦喧嘩の仲裁だったのか?」
「どうして、そうお思いになるのですか?」
「ここ1カ月のゼウス様の機嫌の悪さはこれまでにないほどで、周りはその冷気に当たらないように必死だっただろう。それが奥方が訪ねて来た途端春の日差しを纏ったんだ。バカでもわかる」
ううっ。そこまで露骨な態度を見せたのか。あの色ボケは!
うなるヨンサンに知的な光を宿したライトブルーの瞳が語り掛ける。
「まだ18才とお若い奥方は気ままなお一人様生活をお望みだったから、ゼウス様も名前や素性を公表しなかったが、愛しい妻を目の前に我慢しきれずに半ば強制で同居に踏み切った。それがタカネ・コートでの真相ではないか?」
全くそのとおりで・・・はぁ~
さすが現当主。もはや反論の気力もない。
「渋々同居に同意はしたが奥方の気分はふさぐ一方で、そんな奥方を見るにつけ、ゼウス様の心は落ち込み機嫌は悪化の一途をたどる。そこで仲裁に乗り出したのがオマエだったのだろ?」
堅い表情でだんまりを決め込んだヨンサンをレオンは真摯な眼差しで睨み、密やかな声で秘密を打ち明けた。
「そうかたくなるな。妹のシオンが気になることを言ったので、お前の見解を知りたいと思ってランチに誘ったのだ」
「シオン様が?なにを?」
「晴天を呼び込もうとして、イメージをすると、脳内にゼウス様の奥方が現れたと言うんだ」
「ハナ様がですか?」
レオンがしっかりと頷く。
「ああ、彼女が、泣いていると・・・。シオンはタカネ・コートで奥方を見ている。無言で涙を流すのは間違いなくあの方だったと言うのだが」
その言葉に窓の外を眺める少女が振り返った時の泣き顔が思い浮かんだ。
「わたしは、この長雨は奥方に泣かれて落ち込んだゼウス様の心が生んだ無意識な干渉ではないかと推察したのだが。シオンの見解は少し違っている。で、おまえはどう思う?」
「私には何とも・・・」
真実を見極めるという意志に晒されて、ヨンサンの眉がハの字になるのを見て、彼を見つめる強い視線がふわりと緩んだ。
ボソリと零れた言葉にヨンサンの心は塗りつぶされた。
「・・・ハナ様は何者なのだろうな?」
炎家当主の推測は当たらずとも遠からずだが、おそらく真実は少し違う。
いや、もう一方の方は当たっているのか。
ミセイエルか?それとも奥方か?
レオンが、自分たちの力を封じ込めた人物を確かめるためにオレを食事に誘ったのだと今ならわかる。
自分がミセイエルのペントハウスを出た時、すでに雨は上がったいた。
その時刻にミセイエルの心はまだ落ち込んでいたはずで、彼の無意識の干渉で雨が続いたと仮説を立てるのには無理がある。
それよりもハナの気持ちと同化した天候の変化だと考えた方がしっくりくる。
カマをかけられてまんまと術中に嵌り、午前中の推測が浮かんで困惑したオレを見てあの男も天候に干渉したのは彼女だと結論づけたはずだ。
自身が導き出した仮説にヨンサンは頭を抱えた。
マジ、カンベン!!!!!
ゼウスの心を動かし、自分の気持ちのままに5族当主の特殊能力に干渉できるそんな女の呼び名なんて一つしかないよ!
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