2 / 79
異世界メルタとゼウスの事情
しおりを挟む
時は流れ、メルタの天界ではゼウスの世代交代が行われていた。
異世界メルタには地上に暮らす地上人と、天界に移動できる天界人が存在している。
何の能力も持たない地上人はこちらの人間と何ら変わらぬ生活を送り、彼らに紛れて特殊能力を持つ天界人も普段は地上で暮らしている。
天界域での彼らは、決められた色を持ち厳しい規律や階級制度に支配された日常をおくる。
天界には特殊能力を持つ名門5族といわれる5家が存在し、彼らは地上においても重要な職種に付いていることが多い。
例えば祇家は、人の記憶を覗き見てそれを操作することができ、国の統治に関わり政治行う。
嶺家は、異次元空間に移動することができ、物流・資産管理を行う。
炎家は、天候や気温、気流といった自然界に影響を与えることができ、企業管理を行う。
琉家は、透視の能力を持ち国家情報の管理を行う。
桜家は、他人の心を読み大規模な式典を行う。
この名門5族を絶大な権力と資産をもって支配するのが皇家で、そこには5族の特殊能力をすべて持つ全能のゼウスが君臨する。
ゼウスは世襲制ではなく能力制で、ゼウスとしての宣誓を行うとその特殊能力を無限大近くまで高める代わりに、子を作る能力を失うとされている。
男性に階級があるように女性にもそれなりの立ち位置がある。
最高位は次期ゼウスの生母で、全能の子供を産んだ彼女には天界の女性をすべて跪づかせる皇妃の位が与えられる。
次にゼウスが自ら選んだ正妃、その次が様々な家から送り込まれたゼウスの後宮に住む彼の妃たち。
彼女らは天界に限らず地上や、時には異世界空間からも取り寄せられ、一族の利権や思惑を担って送り込まれる。
後宮はゼウスの寵愛を得えて権力を握る場でもあるのだが、その流れを見るところでもある。
今どこの家が権力を持ち、何を思ってどう動くか?結果自分の一族への影響はどうなのか?誰の元によれば安全なのかなど、常にアンテナを立て情報を収集し先を見て、宮廷に集う権力者に得た情報を絶妙のタイミングで流す。
また女性が多く集まるところは流行を生み、流行は金を生み、金は権力を生む。
能力のない女性を送り込んだ家はあっという間に蚊帳の外におかれ衰退の一途をたどる。
***
「我はメルタのゼウスとしてこの世界を護り発展させ、ここに暮らす全ての人の幸せのためにゼウスの権力と我の持つ特殊能力を使うことをここに誓う」
天界の重要な式典を行う皇宮の誓簾の間に、この度新たにゼウスとなったミセイエルの宣誓の声が朗々と響く。
特殊能力をすべて持つゼウスは名門5族の中から生まれることが多く故に後ろ盾もしっかりしているのだが、この度ゼウスの地位についたミセイエルは地上人で庶子の生まれだった。
ミセイエルがゼウスとしての卓越した能力を持っているとわかり天界に連れてこられた時、皇家の西離宮にはすでに全能を認められた祇家の嫡男であるヨハンがいた。
幼いころから利発だった彼はわずか2歳で気の向くままに他人の心を読み、瞬時に空間移動をし、天候を操作した。
頭の回転の速さに加えて何事にも動じることなく、必要とあらばその天真爛漫な笑顔で周りの者を意のままに動かすことが出来る祇家の直系。
一族の中からゼウスを出すことは名誉ではあるが祇家にとっては時機早々である。
能力が高く、一族の期待を一身に背負う一人息子はまだ3歳で、兄弟もないのだ。
そんな彼を次期ゼウスとして皇家に召し上げられて、当時の祇家は焦った。
もし現ゼウスに何かあり子も成さぬうちにヨンハがゼウスの宣誓をすれば、祇家は高い能力を持った息子を取られるだけでなく直系の血を失いかねない。
それゆえ祇家は、血眼になってゼウスの能力を持つ者を探し、そうして目に留まったのがミセイエルだった。
ヨハンが4歳を迎えた春、父親のいなかったミセイエルは8歳で母と共に天界の東離宮に引き取られた。
東と西では東の方が格は上なのだが、ヨンハの前にもう一人ゼウス候補を立てて、彼の宣誓を遅らせたい祇家の思惑があり、彼は東の離宮に入ることとなった。
もともと高い能力と何者にも萎縮しない堂々とした資質を持っていたミセイエルは、神経質なほど几帳面で、努力家でもある。
そして完璧主義者の彼は、与えられた課題を次々とクリアし、わずか2年でゼウスとしての特殊能力を当時のゼウスであったオーク・サンテールと遜色ないまでに高めていた。
息子が次期ゼウスと決まれば実母は皇妃として、天界女性の頂点に立つ。
ミセイエルとヨハンが次期ゼウス候補として評価されるなか、地上人であるミセイエルの母ミンもまた祇家当主の正妃マルチナと皇妃の資質を比較された。
天界の存在さえおとぎ話程度にしか感じられなかった地上人のミンと、名門炎家で育ち5家筆頭当主の正妻を務めるマルチナを比べるほうがおかしいのだ。
比較され落ち込み、陰口に傷ついたミンからは徐々に穏やかな表情が失われ、暗くて卑屈に笑う顔ばかりが目立っていく。
壊れていくミンの姿にミセイエルはどれほど心を痛め嘆いたことか。
ミセイエルが16歳で次期ゼウスに指名された時には、彼が大好きだった大らかで秋風のような爽やかな母の姿はどこにもなかった。
皇妃となり絶大な権力を手にしたミンだが、天界の常識にはまだまだ疎く、時として判断を誤り周囲から非難や陰口を浴びて益々その器量を狭めた。
些細なことに腹を立てヒステリックになり、周りの者に当たり散らす。
協力な後ろ盾を持つ5族出身者ならそれなりの風よけもあるのだが、そうでない者はやられ放題となってしまう。
当時のゼウスであったオーク・サンテールの最愛の寵姫リオンもその一人だ。
彼女は、正妃オウカが姿を消したあと、異次元空間よりオークがメルタに取り寄せた妃だった。
後ろ盾のないリオンは無理難題を押し付けられることを周囲にひた隠しにしていたのだが、ある時オークの耳に入り彼を激怒させた。
オークはミンをそこには存在しないものとして扱い、皇宮に仕える者がみなそれに倣った。
こうしてミンは天界女性の中で最高の地位と権力を持ちながらも、完全に四面楚歌の孤立状態に陥った。
彼女は、半狂乱となり食事も水も摂らずただひたすら『リオンさえいなければ、あの女を殺してやりたい』と、毎日念仏のように唱える日々を一ヶ月間送り、衰弱死した。
ミセイエルが自分の人生において後悔するとしたら、自分の中にあった特殊能力を他人に見せてしまったことだ。
8歳の春、風雨にあおられて散っていく桜の花がかわいそうだと嘆いた女の子をみて、思わずそこに咲く桜と女の子に雨風が当たらないように天候を操作した。
漆黒の髪に黒曜石の瞳をもつ小さな女の子は風雨の当たらなくなった花を見て、お日様のような笑顔を作った。
三日月形に崩れた瞳と口角の上がった口元。
何より彼女の周りに暖かな光を感じた。
ほんの数分間だが、自分の中に流れ込んだ優しい時間。
あの幸福な感覚を一生忘れないと思う。
だがそのことで、自分は天界に召し上げられ、母の地上人としての平凡だが幸せな人生を変えてしまった後悔は山のように大きい。
自分が天界で正妃や、妃を持つことは決してしない。
一族の思惑に翻弄され、女性同士の嫉妬に巻き込まれて悲しむ女性を二度と見たくはなかった。
異世界メルタには地上に暮らす地上人と、天界に移動できる天界人が存在している。
何の能力も持たない地上人はこちらの人間と何ら変わらぬ生活を送り、彼らに紛れて特殊能力を持つ天界人も普段は地上で暮らしている。
天界域での彼らは、決められた色を持ち厳しい規律や階級制度に支配された日常をおくる。
天界には特殊能力を持つ名門5族といわれる5家が存在し、彼らは地上においても重要な職種に付いていることが多い。
例えば祇家は、人の記憶を覗き見てそれを操作することができ、国の統治に関わり政治行う。
嶺家は、異次元空間に移動することができ、物流・資産管理を行う。
炎家は、天候や気温、気流といった自然界に影響を与えることができ、企業管理を行う。
琉家は、透視の能力を持ち国家情報の管理を行う。
桜家は、他人の心を読み大規模な式典を行う。
この名門5族を絶大な権力と資産をもって支配するのが皇家で、そこには5族の特殊能力をすべて持つ全能のゼウスが君臨する。
ゼウスは世襲制ではなく能力制で、ゼウスとしての宣誓を行うとその特殊能力を無限大近くまで高める代わりに、子を作る能力を失うとされている。
男性に階級があるように女性にもそれなりの立ち位置がある。
最高位は次期ゼウスの生母で、全能の子供を産んだ彼女には天界の女性をすべて跪づかせる皇妃の位が与えられる。
次にゼウスが自ら選んだ正妃、その次が様々な家から送り込まれたゼウスの後宮に住む彼の妃たち。
彼女らは天界に限らず地上や、時には異世界空間からも取り寄せられ、一族の利権や思惑を担って送り込まれる。
後宮はゼウスの寵愛を得えて権力を握る場でもあるのだが、その流れを見るところでもある。
今どこの家が権力を持ち、何を思ってどう動くか?結果自分の一族への影響はどうなのか?誰の元によれば安全なのかなど、常にアンテナを立て情報を収集し先を見て、宮廷に集う権力者に得た情報を絶妙のタイミングで流す。
また女性が多く集まるところは流行を生み、流行は金を生み、金は権力を生む。
能力のない女性を送り込んだ家はあっという間に蚊帳の外におかれ衰退の一途をたどる。
***
「我はメルタのゼウスとしてこの世界を護り発展させ、ここに暮らす全ての人の幸せのためにゼウスの権力と我の持つ特殊能力を使うことをここに誓う」
天界の重要な式典を行う皇宮の誓簾の間に、この度新たにゼウスとなったミセイエルの宣誓の声が朗々と響く。
特殊能力をすべて持つゼウスは名門5族の中から生まれることが多く故に後ろ盾もしっかりしているのだが、この度ゼウスの地位についたミセイエルは地上人で庶子の生まれだった。
ミセイエルがゼウスとしての卓越した能力を持っているとわかり天界に連れてこられた時、皇家の西離宮にはすでに全能を認められた祇家の嫡男であるヨハンがいた。
幼いころから利発だった彼はわずか2歳で気の向くままに他人の心を読み、瞬時に空間移動をし、天候を操作した。
頭の回転の速さに加えて何事にも動じることなく、必要とあらばその天真爛漫な笑顔で周りの者を意のままに動かすことが出来る祇家の直系。
一族の中からゼウスを出すことは名誉ではあるが祇家にとっては時機早々である。
能力が高く、一族の期待を一身に背負う一人息子はまだ3歳で、兄弟もないのだ。
そんな彼を次期ゼウスとして皇家に召し上げられて、当時の祇家は焦った。
もし現ゼウスに何かあり子も成さぬうちにヨンハがゼウスの宣誓をすれば、祇家は高い能力を持った息子を取られるだけでなく直系の血を失いかねない。
それゆえ祇家は、血眼になってゼウスの能力を持つ者を探し、そうして目に留まったのがミセイエルだった。
ヨハンが4歳を迎えた春、父親のいなかったミセイエルは8歳で母と共に天界の東離宮に引き取られた。
東と西では東の方が格は上なのだが、ヨンハの前にもう一人ゼウス候補を立てて、彼の宣誓を遅らせたい祇家の思惑があり、彼は東の離宮に入ることとなった。
もともと高い能力と何者にも萎縮しない堂々とした資質を持っていたミセイエルは、神経質なほど几帳面で、努力家でもある。
そして完璧主義者の彼は、与えられた課題を次々とクリアし、わずか2年でゼウスとしての特殊能力を当時のゼウスであったオーク・サンテールと遜色ないまでに高めていた。
息子が次期ゼウスと決まれば実母は皇妃として、天界女性の頂点に立つ。
ミセイエルとヨハンが次期ゼウス候補として評価されるなか、地上人であるミセイエルの母ミンもまた祇家当主の正妃マルチナと皇妃の資質を比較された。
天界の存在さえおとぎ話程度にしか感じられなかった地上人のミンと、名門炎家で育ち5家筆頭当主の正妻を務めるマルチナを比べるほうがおかしいのだ。
比較され落ち込み、陰口に傷ついたミンからは徐々に穏やかな表情が失われ、暗くて卑屈に笑う顔ばかりが目立っていく。
壊れていくミンの姿にミセイエルはどれほど心を痛め嘆いたことか。
ミセイエルが16歳で次期ゼウスに指名された時には、彼が大好きだった大らかで秋風のような爽やかな母の姿はどこにもなかった。
皇妃となり絶大な権力を手にしたミンだが、天界の常識にはまだまだ疎く、時として判断を誤り周囲から非難や陰口を浴びて益々その器量を狭めた。
些細なことに腹を立てヒステリックになり、周りの者に当たり散らす。
協力な後ろ盾を持つ5族出身者ならそれなりの風よけもあるのだが、そうでない者はやられ放題となってしまう。
当時のゼウスであったオーク・サンテールの最愛の寵姫リオンもその一人だ。
彼女は、正妃オウカが姿を消したあと、異次元空間よりオークがメルタに取り寄せた妃だった。
後ろ盾のないリオンは無理難題を押し付けられることを周囲にひた隠しにしていたのだが、ある時オークの耳に入り彼を激怒させた。
オークはミンをそこには存在しないものとして扱い、皇宮に仕える者がみなそれに倣った。
こうしてミンは天界女性の中で最高の地位と権力を持ちながらも、完全に四面楚歌の孤立状態に陥った。
彼女は、半狂乱となり食事も水も摂らずただひたすら『リオンさえいなければ、あの女を殺してやりたい』と、毎日念仏のように唱える日々を一ヶ月間送り、衰弱死した。
ミセイエルが自分の人生において後悔するとしたら、自分の中にあった特殊能力を他人に見せてしまったことだ。
8歳の春、風雨にあおられて散っていく桜の花がかわいそうだと嘆いた女の子をみて、思わずそこに咲く桜と女の子に雨風が当たらないように天候を操作した。
漆黒の髪に黒曜石の瞳をもつ小さな女の子は風雨の当たらなくなった花を見て、お日様のような笑顔を作った。
三日月形に崩れた瞳と口角の上がった口元。
何より彼女の周りに暖かな光を感じた。
ほんの数分間だが、自分の中に流れ込んだ優しい時間。
あの幸福な感覚を一生忘れないと思う。
だがそのことで、自分は天界に召し上げられ、母の地上人としての平凡だが幸せな人生を変えてしまった後悔は山のように大きい。
自分が天界で正妃や、妃を持つことは決してしない。
一族の思惑に翻弄され、女性同士の嫉妬に巻き込まれて悲しむ女性を二度と見たくはなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる